2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/6

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株式市場】AI関連株主導で反発、ISM非製造業指数が8カ月ぶり高水準

  • 米株式市場は5日、主要3指数がそろって反発
  • ISM非製造業指数が好調で景気懸念が後退
  • AI・半導体関連株が上昇を主導し、S&P500は再び6800目前
  • 「押し目買い」の流れが根強く、投資家心理は依然堅調

米主要3指数の動き

指数 終値 前日比 変化率
S&P500 6,796.29 +24.74 +0.37%
ダウ平均 47,311.00 +225.76 +0.48%
ナスダック総合 23,499.80 +151.16 +0.65%

半導体株を中心に買いが入り、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は3%上昇しました。小型株中心のラッセル2000指数も1.5%高と、幅広い銘柄に資金が流入しました。


好材料:ISM指数と雇用データ

米供給管理協会(ISM)が発表した10月の非製造業総合景況指数は52.4と、8カ月ぶりの高水準を記録しました。
また、民間雇用者数も4.2万人増と予想を上回り、景気の底堅さが確認されました。

FRB(米連邦準備制度理事会)のマイラン理事は「予想外の雇用増は歓迎すべきサプライズ」としつつも、金利引き下げの必要性を改めて強調しました。


投資家心理:「押し目買い」継続

エドワーズ・アセット・マネジメントのエドワーズ氏は、

「利益成長が売上高を上回るペースで拡大しており、株価バリュエーション(株価の割高度)を支える要因になっている」
と指摘。

バークレイズのストラテジストチームも、

「直近の下落は健全な調整に見え、年末にかけて堅調な展開を予想」
と述べ、FRBの利下げ観測やAIブームが投資家心理を支えていると分析しています。


個別銘柄動向

  • アムジェン(AMGN):決算が予想を上回り、株価 +7.8%

  • マクドナルド(MCD):割安メニューが好調で +2.2%

  • スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI):決算がさえずり -11.3%

  • バンク・オブ・アメリカ(BAC):利益率目標引き上げも -2.0%


懸念点:バリュエーションとFRB発言

市場では、AI関連株などの割高感(バリュエーション)を警戒する声も強まっています。
FRB当局者の発言がやや慎重トーンに変化したことで、利下げ期待の過熱にもブレーキがかかり始めています。

フォレックス・ドットコムのラザクザダ氏は、

「トレーダーは新たな材料を探しているが、納得できる理由は少ない。それでも“売りたくない”という姿勢が続いている」
と述べています。


まとめ

  • 米株はISM指数や好決算を背景に反発

  • 半導体・AI関連株が上昇を主導

  • 投資家の「押し目買い」意欲が根強い

  • 一方で、割高感やFRB発言には警戒感も

  • 年末にかけては堅調な地合いが続く見通し

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り上昇、財務省の発行方針と経済の底堅さが影響

  • 米国債相場が下落し、利回りは上昇
  • 財務省が将来的な入札拡大の可能性を示唆
  • 経済指標が堅調で、利下げ観測が後退
  • トランプ関税の合法性を巡る最高裁審理も注目要因

米国債利回りが上昇

5日の米国債市場では、米財務省が将来の国債入札拡大を検討しているとの発表を受け、債券が売られました(=利回り上昇)
さらに、米経済の底堅さを示すデータが相次いだことで、12月の利下げ観測が後退したことも要因です。

年限 利回り(直近値) 前日比 変化率
30年債 4.74% +7.2bp +1.55%
10年債 4.16% +7.0bp +1.71%
2年債 3.63% +5.4bp +1.50%

財務省、発行構成の見直しを検討

米財務省は、中長期債の発行規模を「少なくとも数四半期」維持する一方で、
「名目利付債」や「変動利付債」などの入札拡大を検討していると発表しました。
これは、短期国債(Tビル)の利回りが低下しており、財務省にとって短期債発行の方がコスト面で有利になっているためです。

  • 来週の入札予定総額:1,250億ドル(約19兆円)

    • 3年債:580億ドル(11月10日)

    • 10年債:420億ドル(11月12日)

    • 30年債:250億ドル(11月13日)

※Tビル(短期国債)とは?
満期が1年以内の国債で、金利変動の影響を受けにくく、短期資金調達に使われます。

市場関係者の多くは、2026年半ば以降まで発行額の増加はないと見ていますが、
財政赤字拡大を背景に将来的な発行増が避けられないとの見方も出ています。


経済指標が堅調で利下げ観測が後退

経済データも米国債の売り圧力を強めました。

  • ADP民間雇用者数(10月):+4.2万人と回復

  • ISM非製造業総合指数:8カ月ぶりの高水準

これらの結果を受けて、12月の利下げ確率は61%に低下(発表前は約70%)
トレードステーションのデビッド・ラッセル氏は「雇用市場は依然強く、利下げを促すほど悪くない」と指摘しています。

※ADP雇用報告とは?
米国の民間企業の雇用動向を示すデータで、毎月発表される。翌日の雇用統計の先行指標として注目されます。


トランプ関税の行方も市場の焦点に

さらに、米連邦最高裁がトランプ関税の合法性を審理
もし「違法」と判断されれば、関税収入が減少し、財政赤字が拡大 → 国債供給が増える懸念が出ています。

RJオブライアンのジョン・ブレイディー氏は、
「関税が無効と判断されれば、10年債・30年債利回りが急上昇するリスクがある」と警告しました。


まとめ

  • 米国債利回りは中長期ゾーンを中心に上昇

  • 財務省は長期債発行を維持しつつ、将来的な拡大を示唆

  • 経済指標の強さで利下げ観測が後退

  • 関税問題が財政赤字・国債市場への新たな不安要因

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル6日ぶりに下落、円は一時154円台半ばへ

  • 米ドル指数は6日ぶりに小幅下落、依然として5カ月ぶり高値圏
  • 米経済指標が予想を上回る中でも、ドルの上昇は一服
  • 円は一時1ドル=154円36銭まで下落
  • RBCキャピタルは「ドル安サイクル入りの可能性」を警告

ドル上昇一服、堅調な米指標でも上値重く

外国為替市場では6日、ブルームバーグのドル指数がわずかに下落(-0.07%)しました。
米サービス業や雇用関連の経済指標が予想を上回り、米国債利回りは上昇しましたが、ドルの上昇は一服しました。

  • ドル/円:154円12銭(前日比+0.45円)

  • ユーロ/ドル:1.1491ドル(前日比+0.0009ドル)

ドルは依然として5カ月ぶりの高値圏にあります。米ADP雇用統計やISM非製造業指数が堅調だったことで、FRB(米連邦準備制度理事会)の年内利下げ観測は後退しました。

🔍 FRBとは?
米国の中央銀行制度のこと。金利を調整することで景気や物価の安定を目指します。


市場は「タカ派的」見方を強める

決済会社コーペイ(Corpay)のシャモッタ氏は次のように述べています。

「金利市場と為替市場のタカ派的(=利上げに前向きな)織り込みは、堅調なADP雇用統計を受けて勢いを増している。米労働市場が底堅いことから、利下げ観測は一段と後退している。」


RBCは「ドル安サイクル」に警鐘

一方で、RBCキャピタル・マーケッツのリチャード・コチノス氏は、長期的なドル動向に警戒感を示しました。
同氏は、過去20年間にわたり世界的な資金が米国資産(特に株式)へ集中してきたと指摘。
その流れが反転すれば、「ドルのブーム・アンド・バスト(急上昇から急落)」が起きる可能性があると警告しました。

「資本が分散し始めれば、2000年代初頭のようにドルがピークから40%下落する可能性もある」


他通貨と仮想通貨の動き

  • 豪ドル:0.3%上昇(0.651ドル)

  • 英ポンド:1.305ドル(0.2%上昇)

  • ビットコイン:10万3,995ドル(前日比+4%)

ビットコインは一時10万ドルを割り込みましたが、再び回復しています。


まとめ

  • 米経済指標は堅調ながら、ドル上昇は一服

  • FRBの追加利下げ観測は後退

  • 円は154円台半ばまで下落

  • RBCは「資金の分散が始まれば、ドル安サイクル入りの可能性」と警告

  • リスク資産(豪ドル・ビットコイン)には再び買いが入る動き

原油は60ドル割れ、供給過剰懸念で続落

米在庫増加で売り優勢

ニューヨーク原油先物(WTI)は続落し、1バレル=60ドルを割り込みました。これは心理的な節目とされる水準で、このラインを下回ると買い戻しが入りやすい傾向があります。
しかし今回は、米原油在庫の増加世界的な供給過剰懸念が相場の重しとなりました。

米エネルギー情報局(EIA)の統計によると、10月31日までの1週間で原油在庫は520万バレル増加。7月以来の大幅な増加となりました。ただし、市場予想よりは小幅であったため、影響は限定的でした。

一方、ガソリンなど石油製品の在庫は減少し、底堅い需要を示しましたが、全体的には供給過剰が意識されました。

アナリストの見方

分析会社クプラーのマット・スミス氏は、

「輸入の回復と、製油所のメンテナンスによる稼働低下が在庫増の主因」
と述べました。また、原油輸出量の減少も在庫増加に寄与したとしています。

終値

  • WTI(12月限):59.60ドル(前日比−0.96ドル、−1.6%)

  • ブレント(1月限):63.52ドル(−1.4%)


金は4日ぶり反発、利下げ見通しに不透明感

米金利見通しをにらむ動き

金スポット価格は1.4%上昇し、1オンス=3988.89ドル。4営業日ぶりの上昇となりました。
米雇用市場の安定を示すデータを受けて、政策金利の動向が再び注目されています。

金は利息を生まないため、低金利下で魅力が増す資産です。今年は世界的な金融緩和観測を背景に大きく上昇しましたが、ここ2週間は利益確定の売りが出ていました。

アナリストの見方

TDセキュリティーズのバート・メレク氏は、

「金は3800〜4050ドルのレンジで値固めしても不思議ではない」
と指摘。その理由として、FOMC(米連邦公開市場委員会)の利下げ不透明感中国投資家の買い意欲の鈍化懸念を挙げました。

ただし、メレク氏は「各国中銀の金買いと個人投資家の需要が引き続き強い」とし、調整後の再上昇を見込んでいます。

終値

  • 金スポット価格:3988.89ドル(+56.80ドル、+1.4%)

  • COMEX金先物(12月限):3992.90ドル(+32.40ドル、+0.8%)


まとめ

  • 原油は60ドル割れ、供給過剰と在庫増加が重し

  • WTIは1.6%下落、輸出減少も在庫増に影響

  • 石油製品需要は底堅いが、相場はレンジ内で推移

  • 金は4日ぶり反発、利下げ不透明でも安全資産として買い戻し

  • 中銀・個人投資家の金需要は依然強く、調整後に再上昇の可能性