2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/7

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、ハイテク主導で反落 雇用悪化が重荷に

  • 10月の米企業による人員削減が過去20年で最多
  • 労働市場の冷え込みを受け、AI関連など高バリュエーション株に売り
  • FRB利下げ観測は続くものの、市場は「現実」に直面
  • 「押し目買い」心理は残るが、過熱感の調整局面との見方も

株価動向:主要3指数が揃って下落

6日の米株式市場は反落しました。米労働市場の悪化が明らかになり、投資家心理が悪化。特にAI関連やハイテク株が大きく売られました。

指数 終値 前日比 変化率
S&P500 6,720.32 -75.97 -1.12%
ダウ平均 46,912.30 -398.70 -0.84%
ナスダック総合 23,053.99 -445.81 -1.90%

「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数は一時20まで上昇し、市場の警戒感が強まりました。


雇用悪化:10月の人員削減は20年ぶり高水準

再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、
10月の人員削減数は15万3074人と前年同月の約3倍に達しました。

  • 中心はテクノロジー企業と倉庫業

  • コスト削減とAI導入がリストラの要因

  • 10月としては2003年以来の高水準

一方、人材分析会社レベリオ・ラボも、10月の雇用者数が9,100人減となったと発表。労働市場の冷え込みがデータでも裏付けられました。


市場心理:「AIバブル」への冷静な視線

ここ数カ月、米株式市場はAI関連株の上昇が主導してきましたが、
今回は「高すぎる株価(バリュエーション)」への警戒が台頭しています。

サスケハナ・インターナショナルのクリス・マーフィー氏は、
「市場のフロス(泡)を取り除く健全な調整」とコメント。

フォレックス・ドットコムのラザクザダ氏は
現実が忍び寄ってきた。AI熱狂の後で、投資家は改めてファンダメンタルズ(基礎的要因)の重要性を見直している」と指摘しました。


FRB当局者の発言:利下げ慎重論も根強く

FRB(米連邦準備制度理事会)関係者の発言も相次ぎました。

  • ハマック総裁(クリーブランド連銀):「依然としてインフレが最大のリスク」

  • グールズビー総裁(シカゴ連銀):「データ不足の中では利下げに慎重」

  • バー理事:「インフレ対応にはまだやるべきことがある」

それでも市場では、
12月に0.25ポイントの追加利下げ」を見込む声(ブラウン・ブラザーズ・ハリマン)が根強く残っています。


セクター・個別株の動き

  • 一般消費財セクター:-2.5%と下げ主導

  • エネルギーセクター:上昇し相場を下支え

個別では、

  • ドアダッシュ(DASH):経費増で▲17.5%急落

  • スナップ(SNAP):好決算とAI提携で+9.7%上昇


テクニカル面と市場見通し

フィラデルフィア半導体指数は2.4%下落
一部では「テクニカル指標が慎重姿勢を示している」との声もあります。

マーフィー・アンド・シルベストのノルテ氏は
「押し目買い意欲は依然残っているが、過熱気味な市場に休息が必要」とコメントしました。


まとめ

  • 米労働市場の冷え込みが明確に

  • 高バリュエーション株、特にAI関連が調整局面

  • FRB当局者は利下げ慎重だが、市場は12月利下げを一部織り込み

  • 投資家心理は「熱狂から現実」へ

  • テクニカル面では短期的な調整リスクも

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債、1カ月ぶりの大幅反発 雇用減速で利下げ観測強まる

米民間雇用データが労働市場の減速を示唆したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が強まり、米国債に買いが入りました。これにより、10年債利回りは約1カ月ぶりの大幅低下を記録しました。


背景:雇用減速が利下げ観測を後押し

この日の民間統計では、雇用市場の冷え込みが示されました。
その結果、12月の0.25ポイント利下げ確率は60%超と、前日の約50%から上昇しました(スワップ市場による)。

みずほインターナショナルのエブリン・ゴメスリヒティ氏は、

「今回の民間データは、FRBのハト派(利下げに前向き)姿勢を後押しする内容だ」
とコメントしています。


投資家の視点:政府統計の発表停止で民間データに注目

現在、米政府機関の閉鎖が続いており、米労働統計局(BLS)の公式雇用統計は発表が停止中です。
そのため投資家は、民間調査会社の雇用データを頼りに市場動向を見極めています。

コロンビア・スレッドニードルのエド・アルフセイニ氏は、

「雇用減少が失業率を押し上げるかはまだ不透明だ」
と述べ、先行きへの慎重な姿勢を示しました。


用語補足

  • 利回り(りまわり):国債などの投資で得られる年率の収益。価格が上がると利回りは下がります。

  • スワップ市場:将来の金利変動を取引する市場。ここでの動きは、金融政策の予想を反映します。

  • ハト派/タカ派:金融政策で利下げを重視する立場を「ハト派」、利上げを重視する立場を「タカ派」と呼びます。


まとめ

  • 米国債利回りは10年債で約7bp低下し、1カ月ぶりの大幅下落。

  • 民間雇用データが労働市場の弱さを示し、FRB利下げ観測が強まる

  • 政府機関の閉鎖により、民間データが市場判断の主な材料に。

  • 投資家の関心は、今後の雇用統計再開とFRBの12月会合に集中。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

【為替市場】米雇用の冷え込みでドル続落、円・ポンドが上昇

  • 米雇用指標の悪化を受けてドル売りが進行
  • 円とポンドが上昇、ドル/円は一時152円台へ
  • FRBの12月利下げ観測が強まる
  • イングランド銀行(BOE)は金利据え置きも、次回利下げを意識

米雇用の冷え込みでドル売り

外国為替市場ではドルが続落しました。
背景には、米政府機関の閉鎖が続く中でも民間指標が雇用市場の冷え込みを示したことがあります。
特に、再就職支援会社チャレンジャー社の調査で、

10月の人員削減数が前月比183%増の15万3,074人
となり、10月として22年ぶりの高水準を記録しました。

この結果、投資家の間で「米景気減速→FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げが近い」との見方が広がり、ドル売りが優勢となりました。

ブルームバーグ・ドル指数は0.31%安の1221.34に低下しています。


円が上昇、ドル/円は153円割れ

米国債利回りの低下を受け、円は買われました。ドル/円は一時152円83銭まで円高が進行

「FRBが注視する統計に弱さが出始めれば、すでに転換点に入っていたとわかるかもしれない」
― パラメトリック社ニシャ・パテル氏(ブルームバーグTV)

FRBの12月利下げ確率は69%(前日62%)に上昇しましたが、10月末の98%からは低下しており、市場の見方にはやや慎重さも残っています。


ポンドは上昇、BOEは金利据え置き

イングランド銀行(BOE)は政策金利を4.0%に据え置きました。
ただし、投票は僅差で、12月の利下げへの布石との見方も浮上しています。

ポンドは一時1.3088ドルまで上昇。前日の7カ月ぶり安値(1.3011ドル)から反発しました。

ゴールドマン・サックスのアナリストは、

「据え置き自体はポンドにとって好材料だが、今後の緩和姿勢を示唆したことで上値は限定された」
と述べています。


その他通貨動向

  • ユーロ/ドル: 1.1548ドル(+0.49%)

  • ドル/スイスフラン: 0.806フラン(-0.49%)

  • ノルウェー・クローネ: 対ユーロで0.36%高の11.78、対ドルでは横ばい(10.20)

ノルウェー中銀も金利を4.0%に据え置きました。


用語補足

  • FRB(連邦準備制度理事会):米国の中央銀行。物価安定と雇用最大化を目的に、金利政策を決定します。

  • 利下げ観測:政策金利を引き下げる可能性への市場の予想。通常、景気悪化時に行われ、通貨安要因になります。

  • ドル指数(DXY):ドルの強さを、主要通貨(ユーロ・円など)との加重平均で示した指標。


まとめ

  • 米雇用の冷え込みがドル安を誘発

  • FRBの12月利下げ観測が69%に上昇

  • 円は一時152円台へ、ポンドは反発

  • BOEとノルウェー中銀はともに金利据え置き

  • 今後は米政府統計の再開とFRBの判断が焦点

原油と金市場:サウジの値下げと金価格の高止まり

  • 原油価格は続落:サウジの販売価格引き下げと株安が重し
  • 石油製品(ディーゼル・軽油)は上昇:供給懸念が支え
  • 金価格は高水準維持:利下げ観測と安全資産需要が後押し
  • ただし、今後は調整の可能性も:経済回復で金利上昇リスク

原油:サウジの値下げで弱気ムード拡大

原油先物相場は続落しました。サウジアラビアがアジア向け原油の販売価格を11カ月ぶりの低水準に引き下げたことが、弱気材料として意識されました。

この値下げは市場予想の範囲内でしたが、来年にかけて供給過剰が続くとの懸念を裏付ける形となり、産油国の慎重姿勢を示すサインと受け止められています。

また、WTI原油とブレント原油の期近価格差(プロンプトスプレッド)が縮小しており、需給の緩みを示唆しています。これは原油市場が供給過多に傾いているときに見られる典型的な動きです。

一方で、石油製品市場(ディーゼル・軽油)は堅調です。ロシア産原油への制裁やウクライナによる攻撃、そして世界的な製油能力低下が供給を圧迫しており、7月以来の高値圏にあります。

💬 CIBCプライベート・ウェルスのレベッカ・バビン氏:「石油製品の価格が堅調に推移しており、足元の原油価格を下支えしている」

WTI先物(12月限)は1バレル=59.43ドル(前日比0.3%安)、ブレント原油(1月限)は63.38ドル(0.2%安)で取引を終えました。


金相場:利下げ観測で高値圏維持、しかし上昇一服の兆しも

金相場はほぼ横ばいでした。米雇用統計の悪化を受けて利下げ観測が広がる中、米金融当局者の発言を受けた慎重な取引となりました。

金は利息を生まない資産のため、金利低下(利下げ)局面では魅力が高まるという特徴があります。このため、FRBの利下げ見通しが金相場を支える要因となっています。

さらに、

  • 金ETF(上場投資信託)への資金流入

  • 各国中央銀行の金購入拡大
    も相場の下支えとなっています。

今年の金価格は1979年以来の年間上昇率を記録する見込みです。

ただし、マッコーリー・グループは「金価格は短期的に天井を打った可能性がある」と指摘。世界経済の回復や実質金利の上昇を背景に、来年にかけて下落に転じるリスクを示唆しています。

スポット金価格は1オンス=3987.48ドル、金先物(12月限)は3991ドルで取引を終了しました。


用語解説

  • プロンプトスプレッドとは?
    原油先物の「期近」と「期先」の価格差。縮小すると需給が緩み、拡大すると逼迫しているサイン。

  • 実質金利とは?
    名目金利からインフレ率を引いたもの。実質金利が高いと、利息を生まない金の魅力は低下します。


まとめ

  • 原油はサウジの販売価格引き下げで下落基調

  • 石油製品市場は供給懸念で上昇し、原油下落を一部相殺

  • 金は高水準を維持するも、利下げ観測の一服で上値重い

  • 世界経済の回復次第で、金相場には調整リスクも