2025/11

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/11/8

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米政府閉鎖の合意期待でS&P500が小反発、ハイテク株は軟調

  • 米政府閉鎖の解除に向けた交渉進展期待で、S&P500とダウ平均が小幅に上昇
  • ナスダックは下落、AI関連株の過熱感が一服
  • 雇用統計が発表されず、労働市場の鈍化懸念が強まる
  • 消費者マインドは約3年ぶりの低水準に悪化
  • 利下げ継続観測が強まるなか、FRBの次の一手に注目

政府閉鎖解除への期待が支えに

7日の米株式市場では、S&P500種株価指数が0.13%高の6728.80と小反発しました。
米政府機関の閉鎖解除に向け、与野党の合意が近づいているとの報道が投資家心理を支えました。
一方、ナスダック総合指数は0.21%安と下落。ハイテク株の高バリュエーション(割高感)が意識されました。

  • S&P500種:+0.13%(6728.80)

  • ダウ平均:+0.16%(46987.10)

  • ナスダック総合:-0.21%(23004.54)

取引終盤にかけてS&Pとダウがプラス転換したのは、議会交渉に前向きな兆しが見えたためです。
今回の政府閉鎖は米国史上最長となっており、市場では早期解決が強く望まれています。


労働市場の鈍化が最大リスクに

政府閉鎖により雇用統計は発表されませんでした
ただし、民間調査によると雇用者数や解雇データから労働市場の冷え込みが確認されています。

「労働市場の減速が最大のリスクだ」
― 22Vリサーチ調査より

専門家の多くは、労働市場の弱まりが12月以降の利下げ継続の根拠になるとみています。
BMOキャピタル・マーケッツのリンジェン氏は、「政府再開後もしばらく経済データのゆがみが残る」と指摘しました。


消費者マインドは3年ぶりの低水準

米ミシガン大学が発表した11月の消費者マインド指数は、約3年ぶりの水準に低下しました。
政府閉鎖や物価高が影響し、家計や景気への不安が高まっています。
この結果は2022年6月以来の低水準であり、景気の先行き懸念を反映しています。


ハイテク株の調整続く、AI銘柄に「現実味」

ナスダック指数は一時2.1%下落するなど、ハイテク株の軟調が目立ちました。
ネーションワイドのハケット氏は、「AI主導の上昇に現実味が戻った」と述べ、過熱感の修正局面と分析しました。

個別では以下の動きが注目されました。

  • マイクロチップ・テクノロジー:5.2%安(売上見通しが予想下回り)

  • テスラ:3.7%安(マスクCEOへの巨額報酬計画を承認)

  • エクスペディア:17.6%高(B2B部門の好調が材料視)


市場の見通し:FRBは利下げ継続へ?

プリンシパル・アセット・マネジメントのシャー氏は、
「成長が鈍化しても経済は上向きの軌道にある」とした上で、
FRBは雇用悪化を防ぐために利下げを続ける可能性が高いとの見方を示しました。


まとめ

  • 政府閉鎖解除への期待でS&P500とダウが小反発

  • 雇用統計の欠如で労働市場の鈍化懸念が強まる

  • 消費者マインドは3年ぶりの低水準に悪化

  • ハイテク株は調整継続、AI銘柄の過熱感が一服

  • FRBの利下げ継続観測が株式市場を下支え

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債が下落、政府閉鎖とFRB利下げ判断の行方に注目

  • 来週の米国債入札を控え、長期債中心に売りが優勢
  • 政府閉鎖の長期化で経済データが不足、FRBは利下げ判断に苦慮
  • 雇用統計やCPIの発表が遅れ、市場は不確実性の高い状況に

米国債市場:入札前の売りで利回り上昇

7日の米国債市場では、10年債・30年債の入札を前に売りが優勢となり、相場は下落しました。
長期金利が小幅上昇し、30年債利回りは4.70%、10年債は4.09%まで上昇しました。

国債 直近利回り 前日比 変化率
米30年債 4.70% +1.6bp +0.33%
米10年債 4.09% +0.8bp +0.19%
米2年債 3.56% +0.2bp +0.06%

FRBはデータ不足の中での利下げ判断に苦戦

米連邦準備制度理事会(FRB)は、政府閉鎖で主要経済データが入手できない中、10月の会合で利下げを決定しました。
しかし、パウエル議長は「12月の追加利下げは確定的ではない」と慎重な姿勢を示しています。

🔍 FOMC(連邦公開市場委員会)とは?
FRBが金利政策を決定する会合のこと。年8回程度開かれ、利上げ・利下げの方向性を決めます。

複数のFRB当局者も、データ不足の中での政策判断には警戒感を示しており、意見の対立が広がっています。


政府閉鎖で「雇用統計」や「CPI」が発表できず

政府閉鎖が6週目に入り、雇用統計や消費者物価指数(CPI)など、重要な経済指標の発表が止まっています。
雇用統計では、一時帰休中の連邦職員(約65万人)の扱いが難しく、仮に発表されても信頼性に疑問
が残るとの声もあります。

💡 CPI(消費者物価指数)とは?
一般家庭が購入するモノやサービスの価格変動を測る指標。インフレ率の判断に使われます。

BNPパリバのエコノミストは、「10月の失業率は最終的に発表されない可能性もある」と指摘しました。


市場では12月利下げ予想が優勢に

公式統計が発表されない中、民間の雇用データ(ADPリサーチなど)をもとに、労働市場は緩やかに減速していると分析されています。
先物市場では12月の利下げ確率が50%超となり、利下げ派がやや優勢です。

ブラックロックのローゼンバーグ氏は「代替データを踏まえると、12月に利下げが続く確率は70%に達する」と述べました。


まとめ

  • 米国債は入札を前に長期債中心に売り優勢

  • 政府閉鎖で経済データが停止、FRBは判断材料不足

  • 雇用統計・CPIの信頼性に不透明感

  • 市場では12月の追加利下げ期待が高まりつつある

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル3日続落、米経済指標悪化でドル売り優勢に

  • 米ドルは3日連続で下落。政府閉鎖や消費者マインド悪化が要因
  • FRBは0.25%の利下げを実施、今後の追加利下げは「五分五分」
  • MUFGは円買い・ドル売りを推奨(目標148.5円)
  • カナダ雇用統計の好調でカナダドルは上昇

ドル下落の背景:米経済の不透明感が拡大

外国為替市場では、ブルームバーグのドル指数が3日続落しました。
ドル売りが強まった背景には、以下の2つの要因があります。

  • 政府機関の閉鎖が長引き、空の便などへの影響が出始めた

  • 米消費者マインド指数が約3年ぶりの低水準に低下

これにより投資家は米景気の先行きを懸念し、ドルを売る動きが優勢となりました。
また、カナダの雇用統計が予想を上回ったことで、カナダドルが上昇しました。


円相場:153円台前半で推移

円は対ドルで1ドル=153円台前半を中心に軟調。
米民主党の提案が報じられると、一時153円59銭まで円安が進行しました。
ただし、週初から見るとドルは対円で0.39%下落しており、やや円が持ち直しています。


MUFGの見方:AI株の調整が円高の契機に?

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のアナリストは、次のように分析しています。

「米AI・ハイテク株が調整局面に入れば、インフレ懸念が後退し、FRBの利下げ期待が高まる可能性がある。それがドル安・円高を促す要因になり得る」

MUFGは以下の投資戦略を提示しています

  • 円買い・ドル売りを推奨

  • 目標水準:148円50銭

  • 損切り水準:156円

つまり、自民党総裁選後に弱含んだ円が反発に転じる可能性があるという見立てです。


FRB(米連邦準備制度理事会)の動向

FRBは10月28~29日のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを決定しました。

しかし、パウエル議長は次のように慎重な姿勢を示しました。

「政府閉鎖で指標が不足しており、経済の実態がつかめなければ、これが今年最後の利下げになる可能性がある」

この発言を受け、当初はドルが連騰しましたが、
その後の民間データで労働市場が軟調と示されたことで、ドル売りが再燃しています。

ジェフリーズのエコノミスト、モヒト・クマール氏はこう指摘します。

「12月の次回FOMCでの利下げは労働市場次第で五分五分。わずかな指標の変化にも市場が過剰に反応している」


まとめ

  • ドルは3日続落、米経済指標の悪化が主因

  • 政府閉鎖と消費者マインド低下が市場心理を冷やす

  • FRBの次回利下げ判断は労働市場次第

  • MUFGは円高シナリオを想定、ドル売りを推奨

  • 市場は小さな経済指標にも敏感に反応する状態

原油と金市場:サウジの値下げと金価格の高止まり

  • 原油価格は続落:サウジの販売価格引き下げと株安が重し
  • 石油製品(ディーゼル・軽油)は上昇:供給懸念が支え
  • 金価格は高水準維持:利下げ観測と安全資産需要が後押し
  • ただし、今後は調整の可能性も:経済回復で金利上昇リスク

原油と金、そろって反発 米制裁と消費者マインド低下が焦点に

  • 原油と金がともに反発
  • 米国の対ロシア制裁が原油供給に影響
  • 世界的な供給過剰懸念でWTIは週ベースでは下落
  • 消費者マインド悪化で「安全資産」金に買いが集中

原油:制裁と需給不安の綱引き

原油先物相場は7日、反発して取引を終えました。
しかし週間ベースでは依然として下落しており、市場は「欧米の対ロシア制裁による供給減少」と「世界的な供給過剰懸念」のはざまで揺れています。

対ロ制裁が供給に影響

トランプ政権がロシア産原油への締め付けを強化したことで、
米エネルギー取引大手ガンバー・グループはロシア石油大手ルクオイルからの資産取得計画を撤回しました。
対象資産には油田権益などが含まれ、今後の処理は不透明です。

また、米国の新たな制裁がロシアの石油2社に影響を及ぼしており、
特にディーゼル価格が急伸しています。これは供給が逼迫しているサインとされます。

市場構造の変化に注目

原油市場の指標である**WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)**では、
直近2限月の価格差(プロンプトスプレッド)が2月以来の水準に縮小しました。
BOKファイナンシャルのキスラー氏は、

「市場がコンタンゴ(順ざや)に転じれば、売りを仕掛ける投資家が増える可能性がある」
と指摘しています。
※コンタンゴとは、将来の価格が現在より高い状態を指し、供給過剰時に見られます。

終値

  • WTI原油12月限:59.75ドル(前日比+0.5%)

  • ブレント原油1月限:63.63ドル(前日比+0.4%)

来週はIEA(国際エネルギー機関)やOPEC(石油輸出国機構)の月報が発表される予定で、需給見通しが注目されます。


金:リスク回避で買い戻し

金相場も同日、反発しました。
ミシガン大学の調査で米消費者マインドが悪化したことを受け、
「安全資産」としての金への需要が高まりました。

金利・ドル安が追い風に

米国債利回りとドルが下落したことも、
利息を生まない金の相対的な魅力を押し上げました。

終値

  • 現物金(スポット):1オンス=4008.31ドル(前日比+0.8%)

  • COMEX金先物12月限:4009.80ドル(+0.5%)


まとめ

  • 原油は反発も、制裁と供給懸念で方向感は不安定

  • ロシア制裁による供給リスクと、世界的な在庫増の綱引き状態

  • 金は消費者心理悪化で安全資産として再評価

  • 来週のIEA・OPEC報告が原油相場のカギ