2025/3

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/3/1

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

「米株式市場、トランプ・ゼレンスキー会談決裂も反発 - 不安定な相場の行方は?」


波乱の首脳会談と反発する株式市場

28日の米株式市場は、S&P500種株価指数が1.59%高と大きく反発。
前日は大型ハイテク株の急落に巻き込まれ、投資家心理が大きく悪化していたものの、この日は予想外の巻き返しを見せました。


その背景には、ホワイトハウスで行われたトランプ米大統領とウクライナ・ゼレンスキー大統領の首脳会談がありました


会談決裂で波乱、それでも株価は持ち直す

米国時間28日、トランプ大統領とゼレンスキー大統領は、
ウクライナの鉱物資源の権益に関する合意文書への署名を予定していました。


しかし、会談はロシアへの対応などを巡る激しい口論に発展し、合意は白紙に。
会談後の記者会見も急遽キャンセルされるなど、異例の展開となりました。

会談決裂のニュースを受けて、S&P500種株価指数は一時下落
投資家のリスク回避姿勢が強まり、相場は神経質な展開に。

しかし、その後は徐々に持ち直し、最終的には92.93ポイント(1.59%)高の5954.50ポイントで引けました。


ダウ工業株30種平均も601.41ドル(1.39%)高の43840.91ドル。
ナスダック総合指数も1.63%高と全面反発しました。

指数 終値 前日比 変化率
S&P500種 5954.50 +92.93 +1.59%
ダウ平均 43840.91 +601.41 +1.39%
ナスダック総合 18847.28 +302.86 +1.63%

地政学リスクへの警戒感は依然根強く

市場の一部では、「トランプ氏がウクライナに和平を強く求める姿勢が、
結果的にロシアとの衝突回避につながる可能性」としてポジティブに評価する声もあります。

一方で、UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのデービッド・レフコウィッツ氏は、
「政策の不透明感や貿易摩擦が続く中、今年のボラティリティは高止まりする」と警告。
短期的なヘッジの必要性を改めて強調しています。

ミラー・タバクのマット・メイリー氏も、
「ホワイトハウスからの発言一つひとつが市場に影響を与えている。
投資家が短期見通しに確信を持つのは非常に難しい状況」とコメントしています。


PCEデータが示す「物価の明るい兆し」

朝方には1月の個人消費支出(PCE)価格指数が発表されました。

FRB(米連邦準備制度理事会)が最も重視するインフレ指標ですが、結果は物価の伸び鈍化を示唆する内容でした。

PCEデータを受けて、利下げ期待がやや高まったことも、
株価の下支え要因となりました。


個別銘柄の動き:デルとHPが下落、エヌビディアとテスラは反発

個別銘柄では、以下の動きが目立ちました。

  • デル・テクノロジーズ(DELL):4.7%安(2026年度見通しが嫌気される)
  • HP(HPQ):6.8%安(PC市場の成長鈍化が重し)
  • エヌビディア(NVDA):4%高(前日の急落から反発)
  • テスラ(TSLA):4%高(買い戻し優勢)

S&P500種の11セクターは全て上昇。
中でも金融セクターが2.1%高、一般消費財セクターが1.8%高と強い動きでした。


ボラティリティ指標「VIX」は1カ月ぶり高水準

不透明感を映す「恐怖指数(VIX指数)」は、
一時21.26ポイントまで上昇。
これは1カ月ぶりの高水準です。
投資家心理は改善傾向にあるものの、依然として警戒モードが続いています。


今後の注目ポイント

ウクライナ和平交渉の行方
今回の会談決裂を受けて、米国・ウクライナ・ロシアの3者関係は今後も市場の大きな関心事。
資源価格や為替市場にも波及する可能性があります。

PCEデータとFRBのスタンス
インフレ鈍化傾向が確認されれば、FRBの利下げ期待はさらに強まる可能性。
その結果、ハイテク株を中心に株価上昇が期待されます。

3月4日の関税発動
トランプ政権が表明しているカナダ・メキシコへの25%関税が予定通り実施されるか注目。
仮に発動されれば、貿易摩擦再燃→景気減速懸念が強まり、株価の上値を抑える要因となります。


まとめ

  • 米株は反発。トランプ・ゼレンスキー会談の決裂ショックを乗り越え、大型株中心に買い戻し。
  • PCEデータの物価鈍化が安心感につながり、利下げ期待が再浮上。
  • 市場は依然として不安定。ウクライナ情勢、関税発動、FRBの金融政策が相場のカギ。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債利回り、昨年10月以来の低水準へ - 景気減速と利下げ期待が追い風に

28日の米国債市場では、短期債を中心に利回りが大きく低下しました。特に、2年債利回りは3.98%と昨年10月以来の4%割れを記録。


投資家が景気減速年内利下げを織り込み始めたことで、安全資産である国債に資金が流れ込みました。

利下げ観測が国債を押し上げ

この日発表された米国の経済指標は、個人消費の鈍化や貿易赤字の拡大を示す内容が相次ぎました。
これを受けて、アトランタ連銀の予測モデル「GDPナウ」は、
2024年1-3月期の成長率見通しを年率-1.5%(マイナス成長)に引き下げ。
景気の先行き懸念が一段と強まり、利下げ期待が加速する展開となりました。

特に、FRB(米連邦準備制度理事会)が物価指標として最重視するPCE価格指数が市場予想を下回り、
「インフレ鈍化=早期利下げの可能性」という構図が意識されました。


金利動向:短期債利回りが4%割れ、長期債も大幅低下

種類 直近利回り 前日比(bp) 変化率
米30年債 4.49% -4.4 -0.98%
米10年債 4.20% -5.6 -1.30%
米2年債 3.98% -6.6 -1.64%

特に10年債利回りは、前日比5.6bp低下の4.20%と急低下。月間ベースでは、昨年7月以来の大幅な利回り低下となりました。

短期金利を映す2年債利回りは3.98%まで下がり、昨年10月以来の水準まで低下しています。


何が利回り低下を招いたのか?3つのポイント

① 経済指標の悪化

  • 個人消費の鈍化:1月の個人消費支出(PCE)は弱含み。消費意欲の減退が鮮明に。
  • 貿易赤字の拡大:1月の貿易赤字は予想以上の拡大。輸出が弱く、外需も逆風。
  • GDPナウ予測:1-3月期の成長率予測が年率-1.5%に急低下。景気後退リスクが強まる。

② FRB利下げ観測の強まり

  • スワップ市場では、7月までに0.25ポイント利下げが完全に織り込まれ、年末までに合計66bp(0.66%)の利下げが予想されています。
  • インフレ鈍化景気悪化が同時進行しているため、FRBも早期に政策転換を迫られる可能性が高まっています。

③ 地政学リスクとトランプ政権の不透明政策

  • トランプ・ゼレンスキー会談決裂:ウクライナの資源取引を巡る交渉が決裂。
    ロシア・ウクライナ情勢の混迷が、地政学リスクとして意識されました。
  • 関税発動リスク:トランプ政権が3月4日にカナダ・メキシコへの関税を発動すると改めて表明。
    貿易摩擦激化が世界経済に悪影響を与えるとの見方が広がりました。

これらを背景に、株式市場から債券市場への資金シフト(リスクオフの動き)が顕著になっています。


 市場の声:債券市場のプロはこう見る

  • ジョン・ブレイディー氏(RJオブライアン)
    「まだ初期段階のデータだが、投資家は早くも景気後退シナリオを織り込み始めている。」

  • プリヤ・ミスラ氏(JPモルガン・アセット・マネジメント)
    「金利の動きは、政策不透明感を反映したもの
    今後も重要経済指標が弱い結果になれば、さらに利回りは下がる可能性がある。」


まとめ 安全資産に資金流入、長期債の買いも加速か

  • 米国債利回りは大幅低下。特に2年債は4%割れと象徴的な動き。
  • 経済指標の悪化が、年内利下げ期待を加速。
  • トランプ政権の通商政策とウクライナ情勢が、安全資産としての国債需要を押し上げ。
  • 今後は、重要経済指標次第でさらなる利回り低下も視野に。

【今後の注目ポイント】

2月雇用統計(3月7日発表予定)
景気後退リスクを見極める重要指標。

FRB要人発言
景気・インフレ見通しに対するスタンス変化があるか注目。

3月4日 関税発動
関税発動が実現すれば、貿易摩擦→景気後退懸念→国債買いという流れが加速する可能性。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル指数上昇、ウクライナ会談決裂が波紋—ユーロ安背景は?

28日の外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して上昇しました。
特にユーロと円に対してドル買いが強まり、ドル円は一時150円99銭まで上昇。
ブルームバーグ・ドル指数は1298.12と、週間ベースで今月初のプラス圏に浮上しました。

背景には、トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領による会談が決裂したことが挙げられます。
和平への期待が後退し、地政学リスクが意識されたことで安全通貨のドルに資金が向かいました


 米・ウクライナ首脳会談、口論の末に決裂

この日、ホワイトハウスで行われたトランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談は、
ウクライナ資源取引に関する合意文書への署名が予定されていました。
しかし、ロシアへの対応を巡り双方の意見が対立。
激しい言葉の応酬が飛び交い、会談は物別れに終わりました。

この結果、ウクライナ和平への期待は大きく後退し、
「欧州経済への悪影響」が警戒されてユーロ売りにつながりました。
ユーロドルは一時1.0359ドルまで下落。
終盤は前日比0.22%安の1.0375ドルとなりました。


為替市場の動き:ドルが幅広く上昇

通貨ペア 直近値 前日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1298.12 +3.79 +0.29%
ドル/円 150.59円 +0.78円 +0.52%
ユーロ/ドル 1.0375ドル -0.0023ドル -0.22%

ドルは対円でも一時150円99銭まで買われ、節目の151円に迫る展開となりました。
ただし、月間ベースでは円は対ドルで3%近く上昇しており、日銀の追加利上げ観測が一定の下支えとなっています。


ドル高の背景:3つのポイント

① 地政学リスク再燃

  • ウクライナ和平期待が後退し、リスク回避のドル買いが加速。
  • ユーロは安全資産としての魅力が相対的に低下。

②トランプ政権の関税リスク

  • トランプ大統領は3月4日にカナダ・メキシコへの関税発動を改めて表明。
  • 貿易摩擦の長期化懸念が広がり、リスクオフのドル買いが強まった。

円相場:150円台に再突入

ドル円は終盤150.59円まで上昇。
ただし、月間では円高基調が続いています。
これは日銀の追加利上げ観測が根強いことが要因です。

  • 2月の東京都区部CPI(生鮮食品除く)は予想を下回ったものの、日銀は「緩和の度合いを調整する方針に変わりはない」とのスタンスを継続。
  • 日銀の内田副総裁は、経済・物価情勢次第で政策金利引き上げに前向きな姿勢を改めて示しました。

■市場の声

  • バークレイズ・キャピタル(スカイラー・モンゴメリー・コーニング氏)
    「関税リスクプレミアムはまだ完全には織り込まれていない。
    トランプ政権の発言や関税発動のタイミングは、今後も相場を揺さぶる要因になり得る。」

  • ブランディワイン・グローバル(ジャック・マッキンタイア氏)
    「ウクライナ戦争の停戦期待が大きく後退したことで、
    為替市場は地政学リスクを改めて意識する展開となった。」


【まとめ】不透明感の中でドル高基調に

  • ウクライナ会談決裂による地政学リスクがドル買いを誘発。
  • PCE物価指数鈍化でFRB利下げ観測が高まり、米金利低下でもドルが買われる特殊な地合いに。
  • 日銀利上げ観測が円を支える構図も変わらず、ドル円は上下どちらにも振れやすい展開。

コモディティ市場

原油、2月は6カ月ぶりの月間下落幅—関税リスクとドル高がエネルギー市場を直撃

2月のニューヨーク原油先物相場(WTI)は、月間で3.1%安となり、昨年9月以来の大幅下落となりました。
背景には、トランプ大統領による強硬な通商政策と、米国の経済指標の悪化が重なり、エネルギー需要の先行きに対する不透明感が強まったことがあります。
さらにドル高が進行したことで、ドル建ての原油には割高感が生じ、投資資金が流出しました。

主要因:トランプ関税リスク

トランプ大統領は3月4日に、

  • カナダ・メキシコからの輸入品に25%の関税を発動
  • 中国からの輸入品には追加で10%の関税を上乗せ

すると改めて表明。
これに対し、中国は報復措置を検討。
さらに、メキシコは対中関税引き上げに追随する可能性も示し、貿易戦争の長期化が懸念されています。

投資家の動き:CTAがネットショートに転換

TDセキュリティーズのダニエル・ガリ氏によれば、
アルゴリズム取引を行う商品投資顧問業者(CTA)は、
12月下旬以来となるネットショートポジション」を再構築。
弱気な市場環境を背景に、原油価格の下押し圧力が強まっています。

■ 原油価格の推移(2月最終日)

商品名 価格 前日比 週間変化率 月間変化率
WTI原油先物(4月限) 69.76ドル -0.59ドル(-0.8%) -0.9% -3.1%
北海ブレント原油(4月限) 73.18ドル -1.2%

※北海ブレント原油は4月限が最終取引日となり、次の中心限月は5月限(72.81ドル)


金相場:年初来の上昇一服、利益確定売りで週間ベース今年初のマイナス

2月最終日の金スポット価格は、前日比24.53ドル安1オンス=2852.99ドルで終了。
週間ベースでは今年初めての下落となりました。

利益確定の動きが本格化

年初から9%超の急ピッチな上昇が続いてきたことで、
短期的な利益確定の売りが優勢となりました。

トランプ・ゼレンスキー会談決裂、ドル高が重しに

加えて、

  • トランプ大統領とゼレンスキー大統領の首脳会談が決裂
  • 関税発動発言を受けたドル高進行

が金相場を圧迫。
ドル建てで取引される金は、ドル高=割高感につながるため、海外投資家からの資金流入が鈍化しました。

金価格の推移(2月最終日)

商品名 価格 前日比 変化率
金スポット価格 2852.99ドル -24.53ドル -0.85%
金先物(4月限) 2848.50ドル -47.40ドル -1.6%

市場の声

  • TDセキュリティーズ(ダニエル・ガリ氏)
    CTAによる売り仕掛けが始まり、原油価格にはさらなる下押し圧力が加わっている。」

  • スタンダードチャータード(スキ・クーパー氏)
    「金相場は依然として長期的な上昇トレンドにあるが、短期的な調整局面に入った可能性もある。」


【まとめ】2月を振り返って

原油は6週連続安、月間でも大幅安
関税リスクとドル高が需要見通しを悪化させ、投機筋の売りが加速

金は年初来の上昇に一服感
利益確定売りドル高が重石に。
→ ただし、FRB利下げ期待地政学リスクは依然として下支え要因。

3月は関税発動の行方とウクライナ情勢に要警戒
→ 原油・金ともにボラティリティ拡大が続く可能性。