2025/3

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/3/4

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

 

目次

 ファンダメンタル分析【オススメ】書籍紹介(書評)サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

私自身も読んでいる本で、初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

 

昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

「米株式市場、今年最大の下げ—トランプ関税強硬姿勢と製造業鈍化が投資家心理を直撃」

3月3日の米株式市場は主要3指数が大幅安となりました。
S&P500種株価指数は今年最大の下落率を記録し、リスク資産からの資金流出が加速。
背景には、トランプ大統領がカナダ・メキシコへの25%関税を予定通り4日に発動する方針を強調したこと、さらに中国に対する関税を20%へ引き上げる措置に署名したことが、市場心理を冷やしました。

加えて、2月の米製造業景況感指数(ISM製造業PMI)が予想を下回り、景気減速懸念が高まったことも重しに。
特に大型ハイテク株(マグニフィセント・セブン)が3.1%安と市場全体を押し下げました。


株価指数の動き(3月3日)

指数 終値 前日比 変化率
S&P500種株価指数 5849.72 -104.78 -1.76%
ダウ工業株30種平均 43191.24 -649.67 -1.48%
ナスダック総合指数 18350.19 -497.09 -2.64%

主な下落要因

① トランプ関税強行の影響

  • カナダ・メキシコへの25%関税を「交渉の余地なし」と明言。
  • 中国への関税を20%に引き上げる署名を実施。
  • 米中対立の激化懸念が再燃し、グローバル市場全体に波紋。

② 米製造業指標の悪化

  • 2月ISM製造業PMI:50.3(前月50.9)と予想を下回る。
  • 特に先行指標である新規受注が55.1→48.6に急落。
  • 「景気後退」のシグナルが強まり、センチメント悪化。

セクター別動向

セクター 動き コメント
エネルギー ▼下落 原油価格下落と景気不安で売り加速
情報技術 ▼下落 ハイテク株全般が軟調
不動産 ▲上昇 ディフェンシブ銘柄に資金流入
ヘルスケア ▲上昇 同上
公益事業 ▲上昇 同上
主要消費財 ▲上昇 同上

個別銘柄トピックス

銘柄 終値 前日比 コメント
エヌビディア(NVDA) ▼8.7% AI関連需要減速懸念が売り誘発
アマゾン(AMZN) ▼3.4% 関税リスクや消費減速懸念が重し
テスラ(TSLA) ▼2.84% 一時プラスも、地合い悪化で反落
インテル(INTC) ▼4.0% 他社との提携報道も地合いに押される
NIO(中国EV) ▼8.6% 米中関係悪化が直撃
JDドットコム(中国EC) ▼4.0% 同上

市場の声

  • ゴールドマン・サックス(デービッド・コスティン氏)
    「景気回復見通しが改善しなければ、S&P500の回復も一時的なものにとどまる可能性が高い。」

  • ロンバー・オディエ(フロリアン・イエルポ氏)
    「市場では米景気減速リスクへの警戒が急速に高まっている。7日の雇用統計が重要なポイントになる。」

  • オーシャンパーク・アセット(ジェームズ・セント・オービン氏)
    「四半期決算は好調だったが、悪化する経済指標トランプ政権の通商政策が投資家の楽観姿勢を打ち消している。」


今後の注目ポイント

  • 3月4日:カナダ・メキシコ・中国への関税発動予定日
  • 3月7日米雇用統計発表(景気動向を占うカギ)
  • FRB関係者発言:利下げ観測の行方

【まとめ】

✅ 米株市場は今年最大の下落
トランプ関税リスク製造業の失速が投資家心理を直撃
✅ ディフェンシブ銘柄へ資金シフトの動き
7日の雇用統計が今後の相場を左右する可能性

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

「米国債利回り低下—製造業鈍化と関税リスクで安全資産に資金流入」

3月3日の米国債市場は、利回り低下=債券価格上昇の展開となりました。
朝方は売り優勢(利回り上昇)でスタートしましたが、米製造業の景気減速を示す指標が発表されたことで一転、安全資産としての国債が買われる流れになりました。
さらに、トランプ大統領がカナダ・メキシコへの25%関税発動を強調したことがリスク回避ムードを強め、長期債を中心に買いが膨らみました。


米国債利回りの動き(3月3日)

種類 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.45% -4.2 -0.94%
米10年債利回り 4.15% -5.7 -1.35%
米2年債利回り 3.95% -3.9 -0.99%

国債上昇の背景(金利低下)

ISM製造業景況指数の悪化

  • 2月の製造業PMIは50.3(前月50.9)と低下。
  • 新規受注が55.1 → 48.6と大きく悪化。景気減速シグナル点灯。
  • 一方で、仕入れ価格は62.4と2022年6月以来の高水準。
    インフレ懸念は残るものの、全体的に景気の勢いが鈍っていることが鮮明に。

アナリストの声

アネックス・ウェルス・マネジメントのブライアン・ジェイコブセン氏
「表面上は50を超えているが、これはサプライヤー遅延価格上昇によるもので、実体経済の強さを示すものではない。
むしろ、関税問題が全ての懸念の根源になっている。これが解消すれば、企業・消費者・物価・成長すべてが改善するはずだ。」


トランプ関税発動の現実味

  • カナダ・メキシコへの25%関税を「交渉の余地なし」と強調。
  • 関税が景気を圧迫し、インフレも刺激する可能性が高いとの見方が広がる。
  • 結果的にFRBの早期利下げ期待が強まる展開に。

他の経済指標も弱含み

  • 1月の建設支出:前月比0.2%減(集合住宅の落ち込みが響く)。
  • 消費支出や住宅関連指標も予想を下回る結果が相次ぐ

 利下げ観測の高まり

  • 金融市場は年内の利下げ幅を67bp(0.67%)に拡大して織り込み。
  • これまでの50bp未満から、景気後退懸念を反映して大きく修正。

 市場の声

  • セントルイス連銀ムサレム総裁
    「2024年の成長は維持できる見通しだが、消費支出や住宅市場の減速がリスク要因として警戒されている。」

  • RJOブレイディー氏
    「関税と景気指標悪化を受け、2年債利回りは3.95%まで低下
    これはFRBの利下げシナリオを強く織り込んだ動き。」


利回り推移(3日終盤)

債券種別 利回り 日中変化
10年債 4.15% -5.7bp
30年債 4.45% -4.2bp
2年債 3.95% -3.9bp

【まとめ】

米製造業の景気後退シグナルが国債買いを誘発
トランプ関税発動リスクでリスク回避姿勢が強化
年内の利下げ期待がさらに拡大、短期債利回りは4%割れ


国債市場はリスクオフと利下げ期待を同時に織り込み始め、金利のピークアウト感が強まっています。
今後の焦点は7日発表の米雇用統計。これが悪化すれば、国債利回りはさらに低下する可能性が高まります。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

「円が急反発、ユーロも上昇—ドルはトランプ関税とISM低調で軟調に」

3月3日の外国為替市場では、ドルが軟調に推移する中、円とユーロが上昇しました。
背景には、米経済指標の悪化トランプ大統領の通商政策への警戒感がありました。
特に、欧州の防衛費増額ウクライナ支援強化への期待感がユーロを押し上げる要因となりました。

 為替相場の動き(3月3日)

通貨ペア 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1292.34 -5.78 -0.45%
ドル/円 ¥149.45 -¥1.18 -0.78%
ユーロ/ドル $1.0488 +$0.0113 +1.09%

為替市場のポイント

円はトランプ発言で急反発

  • 朝方は円安方向に動いていましたが、トランプ大統領が通貨安政策を批判し、「円安」に言及したことで円買いが加速。
  • 一時149円10銭まで円高が進み、ドル円は150円台から大きく反落

アナリストの声

TDセキュリティーズ 外為戦略責任者
短期的にはドル強気だが、中長期ではドル安方向と見ている。特にトランプ政権の貿易政策が市場に不透明感を与えており、為替市場は振れやすい。


ユーロは防衛費増額期待で大幅高

  • 英国やフランス、イタリアなど欧州各国が「ウクライナ戦後の安全保障に向けた有志連合」を結成する動き。

  • 防衛費増額による財政支出拡大=景気下支えへの期待感が広がり、ユーロは対ドルで1.09%高

  • フォンデアライエン欧州委員長は、4日にEU加盟国へ防衛力強化計画を説明予定。
    欧州の安全保障強化が、中長期的な成長期待につながるとの見方がユーロを支えています。


トランプ関税発言でカナダドル・メキシコペソは下落

  • トランプ大統領は4日からカナダ・メキシコに25%関税を課す方針を再表明。
  • 貿易摩擦リスクが高まる中、カナダドルとメキシコペソはともに売られました。
通貨ペア 終値 変化率
ドル/カナダドル 1.4523 +0.4%(カナダドル安)
ドル/メキシコペソ 20.7165 +0.9%(ペソ安)

米ISM製造業指数の低下もドル売り要因

  • 2月のISM製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.3と市場予想(50.6)を下回り、前月(50.9)からも悪化。
  • 景気減速懸念が強まり、ドル売りが強まる流れに。

市場の声

  • TDセキュリティーズ マーク・マコーミック氏
    ポジション的にはドルショートが積み上がっており、戻り局面ではショートカバーも期待される
    ただし、関税や選挙戦の不透明感が続く中で、ドルを強気に持ち続けるのは難しい状況。」

  • ブランディワイン・グローバル ジャック・マッキンタイア氏
    ウクライナ和平合意への期待が膨らむ中、ユーロの先高観が意識されている
    欧州の防衛費増額が景気下支えにつながるとの見方も、ユーロをサポートしている。」


【まとめ】

ドルは関税リスクと経済指標の悪化で軟調
円はトランプ発言をきっかけに急反発
ユーロは防衛費増額やウクライナ支援期待で大幅高
カナダドル・メキシコペソは関税懸念で下落

コモディティ市場

「原油は年初来安値、金は反発—OPECプラスの供給増と関税リスクが交錯」

コモディティ市場では、原油価格が続落し、年初来安値を更新しました。一方で、金価格は反発
背景には、OPECプラスの予想外の供給増と、トランプ政権による関税引き上げ示唆が市場の不安心理を刺激したことがあります。
原油と金、それぞれの市場に何が起きていたのか、詳しく見ていきましょう。


■ 原油市場:OPECプラスの「予想外」の決定が売りを呼ぶ

ニューヨーク原油先物(WTI)は、1バレル=68.37ドルまで下落。
OPECプラスが4月から日量13万8000バレルの増産を決定したとの報道が売りを誘いました。
これは2022年以降、3度にわたり延期してきた増産計画を遂に実行に移すもので、市場の「供給過剰懸念」が一気に高まる展開となりました。

◇ OPECプラスとは?

サウジアラビアなどOPEC加盟国に加え、ロシアなどの非加盟産油国が参加する協力枠組みです。
2022年以降、需要回復の遅れを背景に減産を続けてきましたが、トランプ政権の圧力もあり、ようやく増産に踏み切る形です。

◇ 需要見通しの悪化が追い打ち

最大消費国である米国と中国の経済減速への懸念が強く、需要回復シナリオが揺らいでいます。
「この状況での増産はタイミングが悪い」との見方が多く、市場ではヘッジファンドの買越しポジションが2010年以来の低水準に落ち込みました。

◇ アナリストの声

ストラテガス・セキュリティーズ ジョン・バーン氏:
「OPECは市場シェアを奪回したいのだろうが、米国産原油の生産減少が背景にある可能性も。
一方で、イランへの追加制裁が発動されれば、増産分はその穴埋めに使われる可能性がある。」


📊 原油価格(3月4日終値)

商品 終値 前営業日比 変化率
WTI先物(4月限) 68.37ドル -1.39ドル -2.0%
北海ブレント先物(5月限) 71.62ドル -1.16ドル -1.6%

■ 金市場:関税リスクと景気不安で「安全資産買い」

一方、金相場は反発。1オンス=2880.52ドルと前日比0.8%上昇しました。
先週は今年初の週間マイナスを記録していましたが、この日はトランプ大統領の関税発言がリスク回避の買いを呼び込みました。

◇ 背景にトランプ関税リスク

トランプ政権はカナダ・メキシコへの25%関税に加え、中国への追加関税も辞さない姿勢を示しました。
これが世界貿易への不安をかき立て、安全資産としての金への資金流入につながりました。

◇ ISM製造業指数も金買いの後押し

発表された米ISM製造業指数は50.3と市場予想を下回り、前月(50.9)からも悪化。
「トランプ政権の政策がすでに景気を冷やし始めているのでは」という懸念が強まり、景気後退リスク=金買いの流れに。

◇ アナリストの声

TDセキュリティーズ コモディティ戦略チーム:
金は押し目買いの好機。世界経済に対する不透明感が高まるほど、金は強さを取り戻す。」


📊 金価格(3月4日終値)

商品 終値 前営業日比 変化率
金スポット価格 2880.52ドル +22.69ドル +0.8%
金先物(4月限) 2901.10ドル +52.60ドル +1.9%

■ 【まとめ】

✅ 原油はOPECプラスの予想外の増産で下落し、年初来安値を更新
✅ 金はトランプ関税リスクと米製造業悪化で反発、安全資産としての需要が再浮上
✅ 今後は、4日発動予定の関税措置と、OPECプラスの追加コメントが焦点に


■ 今後の注目ポイント

  1. OPECプラスの実際の生産動向
     → 予告通りの増産が実行されるのか、加盟国の足並みは揃うのか。
  2. 米関税発動と対抗措置
     → カナダ・メキシコ、中国など貿易相手国の反応次第で市場はさらに荒れる可能性。
  3. 米雇用統計(7日発表)
     → 米景気悪化が確認されれば、金価格にはさらなる追い風に。

原油は「供給増」と「需要減」のダブルパンチ、金は「リスク回避」で買い戻し。
政治と景気動向が交錯する中、3月相場は波乱含みの展開が続きそうです。