2025/3

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/3/5

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

「関税ショックで米株急落—世界同時株安と『トランプ・プット』への疑念」

3月4日の米株式市場は、S&P500種株価指数が1.22%安ダウ工業株30種平均は1.55%安と大幅続落しました。
ナスダック総合指数も下げ幅を縮めたものの0.35%安と続落。
世界的な株安連鎖となり、「関税戦争」の本格化が投資家心理を直撃しました。


貿易戦争が引き起こす「新たな局面」

この日、トランプ大統領はカナダ・メキシコからの輸入品に25%の関税を正式発動
さらに、中国製品への追加関税を10%から20%に引き上げる措置にも署名しました。
これに対抗し、中国・カナダ・メキシコは報復措置を次々に表明。
世界的な貿易摩擦の激化が避けられない状況となり、世界同時株安の引き金となりました。

◇ 世界的なリスク回避

ニューヨーク市場だけでなく、ロンドン、東京でも株価は下落。
S&P500種指数は大統領選後の上昇分がほぼ消滅し、時価総額にして約3.4兆ドルが吹き飛ぶ結果となりました。
市場では「リスクオフ」の流れが鮮明となり、短期債や金、安全通貨の円に資金が逃避しました。


■ 「トランプ・プット」はどこへ?

これまでは、株価急落時にはトランプ政権が方針転換を示唆し、市場を下支えする「トランプ・プット」が意識されてきました。
しかし、今回は株価下落にも関わらず強硬姿勢を崩さないトランプ政権に対し、ウォール街では「トランプ・プットは存在するのか」という疑問が広がっています。

◇ 専門家の声

ザ・セブンズ・リポート 創業者 トム・エッセイ氏:
「S&P500種が10%下落した時点で『トランプ・プット』が作動する可能性がある。
ただ、今回は貿易戦争への本気度が今までとは違う。」

ノースライト・アセット・マネジメント クリス・ザカレリ氏:
「投資家はトランプ氏の関税発言を交渉カードだと考えてきたが、今は違う。
市場はようやく、関税は本気だと理解し始めている。」


■ 引け後のサプライズ「関税軽減案」

一方で、引け後には米商務長官がカナダ・メキシコ向け関税の軽減案を5日に発表する可能性を示唆。
このニュースが伝わると、市場には「トランプ・プット」復活への期待が一部で浮上しました。
ただし、発表内容次第では「失望売り」が広がる可能性もあり、翌日以降も神経質な展開が予想されます。


📊 主要指数(3月4日終値)

指数 終値 前営業日比 変化率
S&P500種 5778.15 -71.57 -1.22%
ダウ工業株30種 42520.99 -670.25 -1.55%
ナスダック総合 18285.16 -65.03 -0.35%

■ 銘柄・セクター動向

  • マグニフィセント・セブン(大型ハイテク株):3.1%安と大幅続落
  • JPモルガン・チェース、シティグループなど金融株:銀行指数を押し下げ
  • 不動産、ヘルスケア、公益、消費財:ディフェンシブセクターには買い戻し
  • エヌビディア、アマゾン:ハイテク株全般に売りが継続
  • 米上場中国企業(NIOやJD):中国報復関税への懸念で急落

■ 「VIX恐怖指数」も急上昇

リスク回避の流れを象徴するのがVIX(恐怖指数)の上昇。
4日は3.2%上昇
し、昨年12月以来の高水準となりました。
市場は高ボラティリティを覚悟しており、「株価の下げ止まりにはもうしばらく時間がかかる」との見方が広がっています。


【まとめ】

貿易戦争が再び市場を直撃
「トランプ・プット」の神話崩壊リスク
世界同時株安で安全資産への逃避加速
カナダ・メキシコ向け関税軽減策への期待と警戒感


■ 今後の注目ポイント

  1. 5日に発表予定の関税軽減案
     → 内容次第で市場の反応は大きく分かれる。
  2. 7日発表の米雇用統計
     → 雇用悪化が確認されれば、さらにリスクオフが加速する可能性。
  3. 関税を巡る各国の報復措置
     → カナダ・メキシコ・中国の次の一手に注目。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

「米国債利回り、乱高下—貿易戦争の影とドイツ発インフラ刺激策が交錯」

米国債市場は、まるで乱気流に巻き込まれたような一日となりました。
午前中には景気減速への懸念が強まり、利回りは大幅低下。
しかし午後に入ると、ドイツが5000億ユーロ規模のインフラ基金を創設するとの報道をきっかけに、
欧州国債の売りが米国債にも波及し、利回りは反転上昇。
終わってみれば、10年債利回りは8.9bp(ベーシスポイント)上昇し、4.24%と節目を回復しました。


■ ドイツの「財政拡張」が米債を揺るがす

市場を動かしたのは、ドイツの特別インフラ基金設立のニュース。
次期連立政権を目指す主要政党が合意したこの5000億ユーロ規模の基金は、インフラ整備に大規模な財政出動を伴うもので、
ドイツ国債の供給増観測から欧州債全般が売られました。

その流れは安全資産の米国債にも波及。
特に長期債が売られ、30年債利回りは8.7bp上昇の4.54%となりました。

◇ 市場の声

クルー・アンド・アソシエイツ(ニューヨーク) ダン・マルホランド氏
「ドイツの新たな支出は国債増発を通じて市場に刺激を与える。
ただ、これは要因の一つに過ぎず、トランプ政権の関税発動による成長懸念と利下げ期待も絡んで、
一日を通して複雑な動きになった。」


■ 午前の「リスク回避モード」から一転

この日、朝方の米国債市場はリスク回避の買いが先行。
トランプ大統領がカナダ・メキシコ・中国への関税発動を強行する姿勢を示したことで、
景気減速懸念が強まり、FRBの利下げ観測が一段と高まったからです。
一時、10年債利回りは4.10%台昨年10月以来の低水準まで低下しました。

短期債も低下

2年債利回りは一時3.84%まで低下。
利下げ織り込みが進んだことで、短期債ほど買われやすい流れになっていました。


■ 午後に「財政出動期待」で潮目が変化

そこへ飛び込んできたのがドイツの財政拡張報道
欧州最大の経済大国が大規模財政を打ち出せば、欧州債から米国債への資金流入は鈍る」との見方が急速に広まり、
利回りは急反発しました。
10年債利回りは一時4.24%まで戻し、朝方の急低下分を帳消しにしました。


📊 米国債市場データ(3月4日終値)

国債 利回り 前営業日比(bp) 変化率
米30年債 4.54% +8.7 +1.96%
米10年債 4.24% +8.9 +2.14%
米2年債 3.99% +4.1 +1.04%

■ 利回りカーブの変化と市場の反応

  • 2年債と10年債の利回り差25.5bpに拡大。
    → 短期の利下げ期待と長期のインフレ懸念が共存。

  • 市場が織り込む年内利下げ幅71bpに上昇(前日比+20bp超)。
    → 米景気の先行き不透明感が一段と強まったことを反映。

  • 5月FOMCでの利下げ確率45%まで上昇。
    → 1週間前の26%から大幅上昇。


■ 専門家の見解

ブリンマー・トラスト 債券担当ディレクター ジム・バーンズ氏
経済成長鈍化が明確になりつつある中で、関税措置が重なることで利下げ織り込みが加速している。」

アネックス・ウェルス・マネジメント チーフエコノミスト ブライアン・ジェイコブセン氏
「ISM製造業PMIは50をギリギリ維持しているが、サプライヤーの納期遅延とコスト上昇が大きく寄与している。
この数字を過信するべきではない。
むしろ、関税リスクをどう乗り切るかが企業や消費者の最大の関心事だ。」


【まとめ】

午前:リスク回避で利回り急低下
午後:ドイツ財政拡張で利回り急反発
FRB利下げ期待はさらに強まる
2年債と10年債の利回り差は拡大傾向
5月FOMC利下げ織り込み45%に上昇


■ 今後の注目ポイント

  1. 5日発表予定のカナダ・メキシコ向け関税軽減策
     → 一部緩和となれば、長期債利回りには下押し圧力。

  2. 7日発表の雇用統計
     → 雇用悪化が確認されれば、FRBの利下げ織り込みはさらに進行。

  3. ドイツの正式財政計画
     → 欧州債市場への影響次第で、米国債にも波及。


利下げ観測と世界的な財政拡張期待、そしてトランプ関税リスクの綱引きが続く米国債市場。
短期的には安全資産としての買い戻しが優勢ですが、長期的には金利上昇リスクにも注意が必要です。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

「ドル安・ユーロ高が加速—ドイツ財政拡大と貿易戦争の影」

3月4日の外国為替市場では、ドルが急落し、ユーロが年初来高値を更新する展開となりました。
背景にあるのは、トランプ政権によるカナダ・メキシコ・中国への関税発動
そしてドイツで発表された5000億ユーロ規模の特別インフラ基金設立計画です。
貿易戦争への懸念と、ドイツを中心とした欧州経済の防衛的な財政拡大が、
投資マネーの流れを「ドル売り・ユーロ買い」へとシフトさせました。


■ ドル安の主役は「関税ショック」

この日、トランプ政権はついに、
メキシコとカナダからの輸入品に25%の新たな関税を発動
さらに中国製品への追加関税も従来の10%から20%へ倍増する措置に踏み切りました。

中国、カナダ、メキシコもすかさず報復関税を表明。
世界的な貿易戦争が現実のものになる」との見方から、
リスク資産からの資金流出が進みました。

米国の成長減速が強く意識される中、ドル売り圧力が急速に高まったのです。


■ ドイツ発「インフラ特需」でユーロ急伸

一方で、ユーロには強い追い風が吹きました。
ドイツで次期連立政権を目指す主要政党が、
5000億ユーロ規模の特別インフラ基金の創設と、
財政の足かせとなってきた「債務ブレーキ」規則の見直しで合意
欧州全体の財政出動拡大への期待
が膨らみ、ユーロ買いに拍車がかかりました。

◇ 市場の声

ベレンベルク銀行 チーフエコノミスト ホルガー・シュミーディング氏
「ドイツが防衛を含めた財政拡大に踏み切ることは、
欧州経済全体の成長を下支えし、ユーロ高の強力なサポート材料になる。」


■ 貿易戦争と地政学リスク、ユーロ高を支援

さらに、トランプ政権とウクライナ政府が、
ウクライナの鉱物資源に関する協定締結に向けて最終調整に入ったとの報道も、
ユーロを押し上げました。

「欧州とウクライナの経済関係が強化される」との期待が、
ユーロ買いに拍車をかけた格好です。


📊 主要通貨動向(3月4日終値)

通貨ペア 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1284.58 -7.91 -0.61%
ドル/円 ¥149.82 +¥0.32 +0.21%
ユーロ/ドル $1.0626 +$0.0139 +1.33%

その他主要通貨

  • ユーロ/円:158.64円(+1.2%)
  • ポンド/ドル:1.2784ドル(+0.7%)
  • ドル/カナダドル:1.4479カナダドル(+0.4%)
  • ドル/メキシコペソ:20.676ペソ(ほぼ横ばい)

■ ドル売りと「安全資産の円」への逃避

一方、円相場も不安定な動きとなりました。
朝方には148円台前半まで円高が進みましたが、
その後はややドル買い戻しが入り、149円台後半で取引を終了しました。
市場では、「リスクオフ時の円買い」と「対米貿易リスクへの警戒感」が交錯し、
円相場の方向感は定まりづらい状況が続いています。


■ アナリストの見解

XTB リサーチディレクター キャスリーン・ブルックス氏
「昨年10月以降、トランプ政権による強気の経済政策がもたらした資産価格の上昇は、
急速に失われつつある
米国債利回りの低下とドル下落のリンクは非常に強くなっている。」


まとめ

トランプ関税発動で「米成長懸念→ドル売り」加速
ドイツの財政拡大策で「ユーロ買い」急拡大
ユーロ/ドルは年初来高値更新
ドル/円は乱高下、149円台で着地
欧州通貨全般が対ドルで上昇基調


今後の注目ポイント

  1. 5日発表の米2月ADP雇用統計
     → 米雇用が弱ければ、さらなるドル売り材料に。

  2. ドイツ新政権の正式合意とインフラ基金の詳細
     → 欧州経済の期待感次第で、ユーロ高はさらに加速する可能性。

  3. 米国による対中・対加・対墨関税への各国報復措置
     → さらなる対立激化なら、リスク回避で円買いが進む展開も。


「ドルの先安観」と「ユーロ買い」の流れは、貿易戦争の行方次第で
さらに加速する可能性があります。
今後の為替市場は、米経済指標とトランプ政権の動向にますます振り回される展開が続きそうです。

コモディティ市場

「関税ショックが直撃—原油は続落、金はリスクヘッジで買われる」

3月4日のコモディティ市場では、原油と金が明暗分かれる展開となりました。
原油は3日続落し、北海ブレントは昨年11月以来の安値まで下落。
一方、金は続伸し、安全資産への資金流入が続きました。
市場を揺るがしているのは、トランプ政権による関税発動ラッシュ
世界経済への成長懸念です。


■ 原油は「関税ショック+OPEC増産」で売り継続

トランプ政権は、カナダ・メキシコからの輸入品に25%関税を課すと発表。
さらに中国製品への追加関税率を現行の2倍に引き上げました。
これに対し、各国が報復関税を準備しているとの報道が相次ぎ、
「貿易戦争による世界経済の冷え込み」が、
原油市場に重くのしかかりました。

さらに、これまで増産延期を繰り返してきたOPECプラスが、
4月からようやく日量13万8000バレルの増産に踏み切る見通しとなり、
「需要懸念 × 供給増加」という最悪の組み合わせが現実に。
北海ブレントは一時、70ドル割れまで売られました。

◇ 市場の声

PVMオイル・アソシエーツ
「関税発動による経済成長鈍化と石油需要の縮小、そこにOPECプラスの増産が加わり、
原油市場は供給過剰リスクに直面している。」

ユーラシア・グループ 地政学アナリスト グレゴリー・ブリュー氏
「OPEC以外の供給が縮小しない限り、価格はさらに下落するだろう。
ブレントは今後1年、60ドル台前半で推移する可能性が高い。」


📊 原油価格(3月4日終値)

商品 価格 前日比 変化率
WTI先物(4月限) 68.26ドル -0.11ドル -0.2%
北海ブレント先物(5月限) 71.04ドル -0.58ドル -0.8%

■ 金は「関税+地政学リスク」で安全資産買い

一方、金は2日続伸
背景には、トランプ政権の関税発動に加え、
ウクライナ支援停止という地政学リスクが加わり、
安全資産への資金流入が続いたためです。

ウクライナへの軍事支援停止は、
欧州全体の安全保障への不安を強める結果となり、
投資家の「リスク回避マインド」を一段と高めました。
その受け皿として、金の買い需要が膨らんでいます。

◇ 市場の声

コメルツ銀行 コモディティアナリスト
「米国の対外政策の急変が、地政学リスクを再燃させている。
これは金市場にとって強い支援材料になる。」


📊 金価格(3月4日終値)

商品 価格 前日比 変化率
金スポット 2912.85ドル +20.12ドル +0.7%
金先物(4月限) 2920.60ドル +19.50ドル +0.7%

まとめ

原油:OPECプラス増産と貿易戦争で売り優勢
金:関税ショックと地政学リスクで安全資産買い

原油と金は、「リスク」と「安全資産」の綱引きが続く展開
特に金は、米経済指標やウクライナ情勢に左右される不安定な相場となりそうです。
原油は、「OPECプラスの増産ペース」と「需要見通しの悪化」が、
今後も価格を押し下げる最大の材料となるでしょう。