2025/3

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/3/8

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場、7日は反発も不安定な展開続く

株価は大きく揺れるも、パウエル議長の発言で回復

7日の米株式市場は、前半は関税問題を巡り不安定な動きとなりましたが、後半に入り反発しました。

  • S&P500指数:0.55%上昇(5770.20)
  • ダウ平均株価:0.74%上昇(42806.59)
  • ナスダック総合指数:0.55%上昇(18169.26)

週全体ではS&P500は3.1%、ナスダックは3.45%、ダウ平均は2.37%の下落となっています。

株価反発の背景にFRBパウエル議長の発言

米FRBのパウエル議長は「米経済は良い状態にある」と述べ、利下げや景気後退への過度な不安を和らげました。これを好感し、市場は持ち直しました。

  • パウエル議長は現状を安定的だと評価。
  • 市場は発言をポジティブに解釈し、下げ幅を取り戻して上昇に転じました。

雇用統計はまちまちで市場の影響は限定的

7日に発表された米雇用統計では、

  • 非農業部門雇用者数が堅調な伸び(前月比15万人増)
  • 失業率はわずかに上昇し、雇用状況にはやや不透明感が残る結果に。

投資家は関税問題や政策の不安定さに注目しており、雇用統計の内容はあまり材料視されませんでした。

注目された個別銘柄

  • ブロードコム:8.6%上昇(好調な業績発表を受け)
  • ヒューレット・パッカード:業績懸念で12%下落(コスト増加)
  • コストコ:商品コスト上昇で6%下落

投資家心理は依然として慎重

投資家は、関税政策を巡る不透明感や市場の高いボラティリティー(価格の激しい変動)に警戒感を維持しています。市場が安定するには、政策の方向性が明確になる必要があります。


まとめ

✅ 7日の米株式市場はパウエル議長の景気判断を受け、序盤の下落から反発しました。

✅ 週を通じて関税政策が市場の混乱を招き、S&P500指数は週間で3.1%下落。

✅ 雇用統計は強弱入り混じり、市場への影響は限定的でした。

✅ ブロードコムは大幅高、ヒューレット・パッカードとコストコは決算不振で下落。

✅ 投資家心理は依然として不安定。政策の混乱が収まるまで市場の荒い動きが続く見込みです。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債利回りは軒並み上昇、パウエル議長発言で利下げ期待が後退

米国債市場は利回りが上昇

米国債市場は、FRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長の発言を受け、利回りが軒並み上昇しました。

  • 30年債利回り:4.58%(前日比+0.7bp)
  • 10年債利回り:4.32%(前日比+3.8bp)
  • 2年債利回り:4.00%(前日比+3.9bp)

※1bp(ベーシスポイント)=0.01%の変動

パウエル議長が利下げに慎重な姿勢

パウエル議長はこの日の講演で、トランプ政権の経済政策が明確になるまで利下げを急ぐつもりはないとの考えを示しました。これにより、市場で高まっていた5月頃からの利下げ期待が後退し、債券が売られ(利回り上昇)、市場が反応しました。

米雇用統計は市場予想を下回るも影響限定的

この日発表された2月の米雇用統計では、

  • 非農業部門雇用者数は予想(16万人増)を下回る15万1000人増でした。
  • 失業率は4.1%に上昇し、労働市場の軟化が示されました。

雇用統計発表直後は利回りが低下(債券買い)しましたが、午後のパウエル議長の発言後には利回りが再び上昇(債券売り)しました。

来週の社債発行への期待も利回り押し上げ要因に

市場では、週明けに新規の社債発行が再開されることで、国債利回りがさらに上昇する可能性があるとの見方も出ています。これは企業の資金調達が活発化すると、競合する国債は売られやすくなるためです。


✅まとめ

✅ 米国債利回りはパウエルFRB議長が利下げに慎重姿勢を示したことで軒並み上昇しました。

✅ 雇用統計は予想以下でしたが、労働市場は依然堅調であると判断され、市場の利下げ期待は一時後退しました。

✅ 来週の社債発行が国債売り(利回り上昇)の圧力となる可能性があります。

✅ 10年債利回りは週間でも約9bp上昇し、利回りの上昇基調を示しています。

✅ 市場では今年中に計69bp(約0.69%)の利下げを見込んでいますが、パウエル議長の慎重な発言が不透明感を高めています。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

米ドル5日続落、米雇用統計とFRBの動きに注目

ドルは主要通貨に対して続落

7日の外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル指数が5日連続の下落となり、昨年以降で最も長い続落となりました。

  • ブルームバーグ・ドル指数:1267.95(前日比-0.17%)
  • ドル/円:148.02円(前日比+0.04円、ほぼ横ばい)
  • ユーロ/ドル:1.0845ドル(前日比+0.6%、ユーロ高)

ドル安の背景は米雇用統計とFRB議長発言

米雇用統計の結果が市場予想を下回ったことで、ドルが売られる展開になりました。

  • 2月の米非農業部門雇用者数は15万1000人増と堅調でしたが、失業率が4.1%に上昇しました。
  • 市場では、この結果を受けFRB(米連邦準備理事会)が年内に合計78bp(0.78%)の利下げを実施するとの予想が強まり、ドル売り圧力となりました。

FRBパウエル議長「経済は良好」と発言

FRBのパウエル議長は、経済状況は良好で利下げを急ぐ必要はないと発言しましたが、市場は依然として利下げを予想しています。

  • 市場は年内に25bp刻みで約3回(計78bp)の利下げを織り込み始めました。
  • ドルはこの利下げ予想が重荷となって売られました。

円やユーロが買われる

  • 円は午前中に146円台まで上昇(円高)する場面もありましたが、最終的には148円付近に戻っています。
  • ユーロは4カ月ぶりの高値をつけるなど、ドル安を背景に上昇しました。

暗号資産(仮想通貨)は下落

  • ビットコインは2.8%安の約8万7030ドル、イーサは2.6%安の2150ドルでした。

✅まとめ

✅ ドルは5日続落し、昨年以降で最長の連続安を記録。

✅ 米雇用統計で失業率が上昇、FRBが年内に利下げする見方が広がり、ドル安が加速。

✅ 円やユーロは対ドルで上昇し、安全通貨への資金流入が強まりました。

✅ パウエルFRB議長の発言でドル安が一時緩和も、市場は依然として利下げ期待を維持。

✅ 仮想通貨(ビットコイン、イーサ)もリスク回避ムードで下落しました。

コモディティ市場

原油相場は続伸、金相場は小幅続落

原油相場はドル安と備蓄補充計画で上昇

原油市場は、ドル安と米政府による戦略石油備蓄(SPR)の補充計画が支援材料となり続伸しました。

  • WTI原油先物(4月限):1バレル=67.04ドル(前日比+1%)
  • 北海ブレント原油先物(5月限):1バレル=70.36ドル(前日比+1.3%)

ただ、週間では3.9%下落しており、7週連続の下げとなっています。

原油相場の不安定要因

  • ロシアへの制裁措置により原油市場が混乱、同国のエネルギー収入が前年同月比で約19%減少。
  • OPECプラスは4月以降の増産を計画しており、供給増加が価格を圧迫する可能性があります。
  • トランプ大統領の貿易政策によって世界経済が鈍化し、エネルギー需要が減少する懸念もあります。

金相場は小幅続落も、週間では上昇

金市場は、金スポット相場が小幅に続落しました。

  • 金スポット価格:1オンス=2907.02ドル(前日比-0.2%)
  • 金先物(4月限):1オンス=2914.10ドル(前日比-0.4%)

一方で週間では安全資産への需要増加から上昇しています。

金市場の動向と注目点

  • 米国の関税問題による世界経済の不透明感が、安全資産としての金需要を高めています。
  • 市場は米FRBによる利下げを見込んでおり、金利低下は金価格を支える要因になります。
  • 中国中央銀行は4カ月連続で金準備を増やしており、長期的な金の需要を支える材料となっています。

✅まとめ

✅ 原油価格はドル安や米政府の戦略石油備蓄補充で反発したが、週間では7週連続下落。

✅ OPECプラスの増産計画やロシア産原油供給の回復、米国の関税政策が原油相場の不安定要因。

✅ 金価格は関税政策による市場不安で週間では上昇も、この日は小幅に下落。

✅ FRBの利下げ観測や中国の金準備拡大が金価格の支援材料。

✅ 今後も関税政策やFRBの金融政策が、原油・金価格の方向性を左右します。