2025/4

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/4/22

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

トランプ大統領がFRBに利下げ圧力、米市場急落

  • トランプ大統領が再びFRB(米連邦準備制度理事会)議長に利下げを要求。
  • FRBの独立性が脅かされるとの懸念が投資家心理を冷やし、株価やドル、米国債が売られる。
  • 米中貿易戦争が続き、世界経済への影響が懸念されている。

トランプ氏の利下げ要求で米市場混乱

21日、トランプ大統領がFRBのパウエル議長に早期利下げを求めたことで、市場が大幅に下落しました。トランプ氏は「インフレはほぼ存在しない」と主張し、「今こそ予防的な利下げの時期だ」と改めて主張しています。

FRBの独立性が問題に

トランプ政権がパウエル議長の解任まで検討しているという発言が報じられ、市場ではFRBの独立性への不安が急激に高まりました。

FRB(米連邦準備制度理事会)とは?
  • 米国の中央銀行。金融政策(金利操作など)を通じて経済を安定させる役割があります。

  • 政府から独立していることが重要で、政治的圧力で金融政策が左右されると経済の安定性が損なわれると懸念されています。

株式市場の急落

トランプ氏の発言を受け、市場は大きく下落しました。

 

株価指数 終値 前日比 変化率
S&P500 5158.20 -124.50 -2.36%
ダウ平均 38170.41 -971.82 -2.48%
ナスダック 15870.90 -415.55 -2.55%
  • ダウ平均は一時1300ドルを超える下げ幅となりました。

  • 特に、テスラが約5.7%、エヌビディアが約4.5%と大幅に下落しました。

「脱ドル化」の懸念も

FRBの信頼が失われると、ドルの信用低下につながる恐れがあります。その結果、中国などは米国債から欧州債、日本国債、金(ゴールド)などの資産へ資金を移動しています。

脱ドル化とは?
  • 米ドルへの依存を減らすこと。ドルの信用が落ちると、ドル以外の資産に資金が流れる動きが強まります。

米中貿易戦争もリスク

JPモルガンのカスマン氏は、米国の貿易戦争が世界経済を脅かす大きなショックになり得ると指摘しました。ただ、景気後退の可能性は高まっているものの、すぐに現実化するとは限らないとしています。


まとめ

✅トランプ大統領が利下げ圧力を再強化し、米市場が急落。

✅FRBの独立性への懸念が市場心理を悪化させ、ドルや米国債から資金が逃避。

✅米中貿易摩擦が継続しており、世界経済への影響懸念がさらに高まる。

✅投資家は安全資産(金や欧州債、日本国債)へ資金を移動。

✅テスラ、エヌビディアなど主要銘柄も大きく下落し、市場全体が冷え込む状況に。

 

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債相場の動向と市場への影響

現在の市場状況

米国債相場では、長期債と短期債の間で大きな動きの違いが見られています。具体的には

  • 30年債利回りは大きく上昇(4.90%、前日比+10.6bp)
  • 10年債利回りも上昇(4.41%、前日比+8.8bp)
  • 2年債利回りは逆に低下(3.76%、前日比-3.4bp)

この結果、イールドカーブ(利回り曲線)がスティープ化しています。

イールドカーブの特徴的な動き

30年債と2年債の利回り差(スプレッド)は9週連続で拡大しています。1992年以降のデータでは、これほど長期間スプレッドが拡大し続けた例は過去に一度しかありません。2年債と10年債の利回り差も約65bpと約3年ぶりの高水準まで拡大しています。

政治的背景と市場への影響

トランプ前大統領がパウエルFRB議長に対する早期利下げ要求を強めていることが市場に影響を与えています。専門家からは次のような見解が示されています

  • 「中央銀行の独立性は非常に価値があり、一度失うと取り戻すのは困難」
  • 「トランプ氏のパウエル議長への圧力は海外投資家の信認を損ねる」
  • 「FRB議長の解任議論は市場に良い影響を与えない」

金利見通し

CMEフェドウォッチによると、6月のFRB利下げ(0.25%ポイント)確率は63%と、先週末よりやや上昇しています。

今週の注目点

財務省が合計1800億ドルの2年債、5年債、7年債入札を実施予定です。市場のボラティリティ(価格変動性)が高い状況が続く中、米国債への需要がどの程度あるかが注目されています。

専門用語解説

  • イールドカーブ:異なる満期の債券利回りを結んだ曲線で、通常は長期債の方が高利回り
  • スティープ化:長期と短期の利回り差が拡大すること
  • ベーシスポイント(bp):金利の変化を表す単位で、0.01%が1bp
  • ボラティリティ:価格変動の激しさを示す指標

まとめ

✅ 米国債市場では短期債と長期債の利回り差が拡大し、9週連続のスプレッド拡大という稀な状況が続いています

✅ トランプ前大統領のFRB議長への圧力が市場参加者の懸念を高め、長期債利回りの上昇要因となっています

✅ 中央銀行の独立性に対する懸念が市場心理に影響し、米国資産全体への圧力になっています

✅ 6月の利下げ確率は63%と見込まれており、今週の国債入札への需要が注目されています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル安加速、トランプ氏の発言で市場動揺――円とユーロは大幅高

  • トランプ大統領がFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長を批判し、解任の可能性を示唆。
  • FRBの独立性(政府からの影響を受けずに政策を決定する能力)が揺らぎ、投資家心理が悪化。
  • 米国の景気後退(リセッション)懸念が高まり、ドル安が進行。
  • 円とユーロは対ドルで急上昇し、約3年ぶりの水準へ。

トランプ氏の「FRB批判」とは?

米連邦準備制度理事会(FRB)はアメリカの中央銀行であり、経済の安定化を目的に、政治的な影響から独立して金融政策(金利政策など)を決定します。

トランプ大統領は今回、パウエル議長に対して「金利引き下げが遅すぎる」と非難しました。こうした政治家の介入がFRBの独立性を損なう恐れがあり、市場はこれを深刻に受け止めています。


急激なドル安、なぜ起きた?

ドル安の背景には次の2つの要因があります。

① FRBの独立性への懸念

トランプ氏の発言により、FRBが政治的圧力を受けてしまい、市場が金融政策の信頼性に不安を持ったためです。

② 景気後退(リセッション)への懸念

トランプ氏が推進する関税政策が米経済を悪化させる可能性が指摘されており、ドルの価値を引き下げました。


円高とユーロ高が加速

ドルが下落した影響で、円とユーロが大幅に上昇しています。

  • ドル/円 は140円台後半まで下落し、昨年9月以来の高値をつけました。

  • ユーロ/ドル は約1年半ぶりに1.15ドルを突破しました。

ユーロ高の背景には、「米国例外主義」(米国が他国より安定的で魅力的な投資先という考え方)の崩壊があり、マネーが欧州に流入しているためです。


今後の見通しは?

  • 市場関係者は、FRBの独立性に対する懸念が払拭されない限り、ドル安は継続すると予測しています。

  • また、ユーロは今後さらに上昇し、1ユーロ=1.30ドルまで達すると、ヨーロッパ経済へのマイナス影響も懸念されています。


まとめ

✅トランプ氏のFRB批判でドル安が進行

✅FRB独立性が損なわれると市場は不安視

✅米国の景気後退懸念がさらにドルを押し下げ

✅円・ユーロともに対ドルで大幅高

✅ユーロ高は欧州経済にとって諸刃の剣

コモディティ市場

原油と金の市場動向:相反する値動き

原油相場の大幅反落

  • WTI原油先物は2.5%安の63.08ドル(5月限)で取引終了
  • ブレント原油も2.5%安の66.26ドル(6月限)で引け
  • 今月10日以来の大幅安を記録

原油下落の背景

  • トランプ大統領のパウエルFRB議長への批判強化
  • 米中貿易戦争拡大への懸念
  • 世界のエネルギー需要減退への不安
  • イースター休暇による低調な取引量
  • WTI先物5月限の取引最終日接近

専門家の見解

エミレーツNBDのエド・ベル氏は「全般的なリスクオフの動きで原油は一段安」と指摘し、「原油を取り巻くムードは依然として悲観的」と述べています。

金相場の急騰

  • 金スポット価格は史上最高値の3430.57ドルを記録(前日比3.1%高)
  • 最終的に3426.75ドル(前日比3%高)で取引
  • 金先物6月限は2.9%高の3425.30ドルで引け

金価格上昇の背景

  • トランプ大統領のFRB議長批判
  • 長期化が予想される貿易戦争への懸念
  • 安全資産としての需要増加
  • ドル指数の下落
  • 金ETFによる保有が12週連続増加(2022年以降で最長)
  • 各国中央銀行による金保有の増加

経済用語解説

  • WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート):米国産の原油の代表的な銘柄で、原油価格の国際指標の一つ
  • ブレント原油:北海で産出される原油で、欧州市場の価格指標
  • リスクオフ:投資家がリスクの高い資産から安全な資産へ資金を移す市場心理
  • ETF(上場投資信託):株式のように取引所で売買できる投資信託
  • ドル指数:主要通貨に対するドルの価値を示す指標

まとめ

✅ 原油相場はトランプ大統領の発言と米中貿易懸念から大幅安(2.5%下落)となりました

✅ 世界経済の先行き不透明感が原油需要の見通しを悪化させています

✅ 対照的に金は史上最高値を更新し、安全資産としての役割を果たしています

✅ 中央銀行やETFによる金の継続的な購入が価格上昇を支えています

✅ 地政学的緊張と金融政策への不安が相場の主要な変動要因となっています