2025/4

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/4/23

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株が大幅反発、米中・日米貿易交渉進展への期待が背景に

  • 米国株式市場は大幅反発。関税をめぐる米中対立の緩和や、日本・インドとの貿易交渉が進展したとの期待が市場を押し上げました。
  • ベッセント米財務長官が中国との関税対立が長引かず緩和に向かうと示唆したことが好感されました。
  • ただし、IMFは世界経済成長の予測を大幅に引き下げるなど、経済の先行きは不透明な状況が続いています。

米中貿易摩擦の緩和期待が相場を押し上げる

米国株式市場は4月22日に大きく反発しました。前日の「米国売り」から一転し、以下の主要3指数はいずれも2.5%以上の上昇を記録しました。

  • ダウ工業株30種平均:39,186.98ドル(前日比+1,016.57ドル、+2.66%)

  • S&P500種株価指数:5,287.76(前日比+129.56、+2.51%)

  • ナスダック総合指数:16,300.42(前日比+429.52、+2.71%)

特にベッセント米財務長官の発言が市場に安心感を与えました。非公開の投資家向け会合で「米中間の関税対立は緩和方向に進む」と述べたと報じられ、投資家のリスク選好が強まりました。

また、ホワイトハウス報道官も中国や日本、インドとの貿易交渉が「正しい方向に進んでいる」と発言したことから、貿易を巡る先行きへの楽観的な見方が広がりました。

注目の企業決算と個別銘柄の動き

  • テスラは取引終了後の決算発表で市場予想を下回る利益を示しましたが、株価は時間外取引で0.6%上昇。

  • 日用品メーカーの3Mは、業績見通しを据え置いたことが評価され8%以上の大幅高。

  • ボーイングは航空関連事業の一部を売却すると発表し、2%の上昇。

一方、防衛関連の銘柄は厳しい状況に置かれました。

  • ノースロップ・グラマンは利益が大幅減となり12.7%下落。

  • RTXも関税の影響による利益押し下げ見通しで9.8%下落しました。

市場の専門家は依然慎重姿勢

専門家らは、市場の短期的な変動に慎重です。クリアブリッジ・インベストメンツのシュルツ氏は、「S&P500指数はしばらくは安値圏から5400前後のレンジで推移する可能性が高い」と指摘。

今後の相場を大きく動かす要因は「米国経済が景気後退(リセッション)入りするかどうか」だとしています。

長期的な視点では、現在の調整局面を米国株への投資好機とみる見方もあります。

IMFは世界経済見通しを下方修正

国際通貨基金(IMF)は2025年と翌年の世界経済成長見通しを大幅に引き下げました。特に米国と中国経済の下方修正が大きく、世界的な貿易戦争がさらに景気悪化を招くリスクを警告しています。

こうした中、貿易交渉の進展は市場心理に大きく影響するとみられます。インドとの交渉でも進展が報じられており、市場関係者は引き続き各国との交渉動向を注視しています。


まとめ

✅ 米国株式市場は貿易交渉の進展期待で大幅反発

✅ ベッセント財務長官が米中関税対立の緩和見通しを示唆し、市場心理が改善

✅ IMFは米中の景気悪化を予測、経済の先行きは依然不透明

✅ 防衛関連銘柄は減益・関税影響で軟調

✅ 市場は短期的な変動には慎重も、長期的な投資チャンスと見る向きも

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

FedWatch分析 アメリカの政策金利予想

米国債市場の最新動向

主な利回りの変動

米国債市場では、短期と長期で異なる動きが見られました

  • 2年債利回り:3.82%(5.5bp上昇)
  • 10年債利回り:4.39%(1.6bp低下)
  • 30年債利回り:4.88%(2.6bp低下)

※bp(ベーシスポイント)とは:金利の変動を表す単位で、1bp=0.01%を意味します。

2年債入札の状況

2年債入札(発行額690億ドル)の結果は振るわず、売りが膨らみました

  • 最高落札利回り:3.795%(2024年9月以来の低水準)
  • 入札前取引水準を0.6bp上回る(需要不足の兆候)
  • 外国中銀などの間接入札者の落札比率:56.2%(2年間で最低)
  • ディーラーの落札比率:13.7%(直近6回の平均11.6%より高い)
  • 直接入札者の落札比率:30.1%(2004年以降の記録的高水準)

市場動向の背景

前日からの落ち着きを取り戻したものの、複数の懸念材料が影響しています

  • トランプ次期大統領によるパウエルFRB議長解任の示唆
  • 米国経済の安定性と制度への信頼性への不安
  • 米国債市場からの資金流出が継続
  • 安全資産としての位置づけの再評価

専門家の見解

  • BNYマーケッツ(ジョン・ベリス氏):米債券市場から国外の実需筋による資金流出が続いている
  • オックスフォード・エコノミクス(ジョン・キャナバン氏):現在の市場環境では入札リスクが短期ゾーンに圧力をかけている
  • マニュライフ(ネイサン・トフト氏):マイナス要因はあるが、米国債は依然として多くの人々に安全資産として利用されている

まとめ

✅ 米国債市場では短期債(2年債)の利回りが上昇する一方、長期債の利回りは低下

✅ 2年債入札は需要不足を示し、外国投資家の参加が低下する中で直接入札者が記録的な比率を占めた

✅ トランプ次期大統領のFRB政策への介入懸念など政治的要因が市場に影響

✅ 米国債からの資金流出が続き、「安全資産」としての地位に対する市場の再評価が進行中

✅ 今後も5年債・7年債の入札結果が注目される

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドルが大きく反発、一時的な安定感も先行きは不透明

  • 前日に大きく下落したドルが反発
  • 米中貿易摩擦緩和への期待がドルを支える
  • FRB(米連邦準備制度理事会)の独立性に対する懸念は根強い

ドルが反発した背景

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが約2週間ぶりに大きく反発しました。

これは、米中貿易摩擦が緩和されるという期待が高まったためです。ベッセント米財務長官が「米中双方とも現状を続けられないと考えており、緩和に向かう」と発言したことが市場の安心感につながりました。

ドル指数とは?

「ドル指数」とは、ドルが世界の主要通貨に対してどれだけ強いかを示す指数です。この指数が高くなると、ドルが強いことを意味します。

一方でドル安懸念も継続中

ドルは回復したものの、今後の安定性については不透明感が残っています。主な懸念材料としては

  • トランプ元大統領によるパウエルFRB議長への批判
    トランプ氏は金利引き下げを要求し、パウエル議長を強く批判しています。仮にパウエル議長が解任される事態になれば、市場のドルへの信頼が大きく揺らぐ可能性があります。

  • FRBの独立性への懸念
    FRBが政府から独立していることで、市場からの信頼が保たれています。独立性が脅かされると、政策の信頼性が失われ、ドル安につながる可能性があります。

  • 貿易政策の先行き不透明感
    米中交渉は緩和期待がありますが、長期化する可能性も指摘されており、不透明感が拭えない状況です。

円相場の動向

ドル/円相場は一時、重要な心理的節目である1ドル=140円を割り込んだ後、141円台半ばまで戻しました。

140円という水準には、多くの市場参加者が注目する「オプションバリア(一定の価格を守るための市場取引の防衛ライン)」が存在し、この水準を守ろうとする動きが見られました。

また、BofA証券の山田主席ストラテジストは「円の上昇はユーロと比較して弱く、日米貿易交渉が進展すればユーロ・円相場が上昇する可能性がある」と述べています。

ビットコインの動きにも注目

ビットコインは約5%上昇し、約9万ドルの水準を3月以来初めて超えました。市場の不確実性が高まる中で、仮想通貨への資金流入も増えています。

まとめ

✅ 米中貿易摩擦緩和期待でドルが反発、一時的な安定感が戻った

✅ FRBの独立性が懸念され、ドルの安定には不透明感が残る

✅ 円相場は心理的節目の140円を意識、円安方向への懸念も

✅ 日米交渉次第でユーロ・円はさらに上昇の可能性も

✅ 不安定な市場環境を背景に、仮想通貨(ビットコイン)も資金流入で上昇

 

コモディティ市場

原油・金相場の最新動向

原油相場の状況

  • 原油先物相場は反発し、WTI先物は一時3%を超える上昇
  • 終値はWTI6月限が前日比2%高の1バレル=63.67ドル
  • 北海ブレント6月限は1.8%上昇し、67.44ドルで取引終了

原油価格上昇の要因

  • 株式相場の上昇
  • 米国がイラン産原油の供給を制限する可能性
  • トランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相の電話協議(貿易政策や対イラン政策での協調)

上値を抑えた要因

  • ロシアのプーチン大統領が現在の前線を基準にウクライナ侵攻を停止する用意があるとの報道

今後の見通し

モルガン・スタンレーのマルタイン・ラッツ氏によると:

  • 短期的には大きな売りの波は通過
  • 夏場は季節的な需要が相場を支える可能性
  • 年後半には再び下押し圧力が強まる可能性

金相場の状況

  • 金相場は反落
  • スポット価格は一時1オンス=3500ドルを初めて突破するも、利益確定の動きで下落
  • 終値:スポット価格は約1%安の3391.02ドル、先物6月限は0.2%安の3419.40ドル

金価格の見通し

  • 相対力指数(RSI)※が78を超え、「買われ過ぎ」の領域に
  • 短期的には調整局面入りの可能性
  • 中期的には経済不透明感から強さを維持する見込み

※相対力指数(RSI):価格の上昇・下降の勢いを0〜100の数値で示す指標。70を超えると「買われ過ぎ」、30を下回ると「売られ過ぎ」と判断されます。

まとめ

✅ 原油価格は地政学的リスクと株式相場上昇により反発、WTIは2%高の63.67ドル

✅ 金価格は一時3500ドルを突破したものの、「買われ過ぎ」状態から利益確定売りで反落

✅ 原油は短期的に売りの波は通過したが、年後半には再び下押し圧力の可能性

✅ 金は短期的に調整局面だが、経済不透明感から中期的には強さを維持する見通し

✅ どちらの市場も地政学的リスクと世界経済の先行き不透明感に反応している