2025/4

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/4/29

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場は小幅上昇、貿易摩擦と企業決算に注目集まる

  • 米国株式市場は小幅ながら続伸、貿易摩擦の影響を注視
  • 今週はGDP、PCE価格指数、雇用統計など重要指標が目白押し
  • 米中貿易協議や大型企業の決算が市場を大きく左右する見通し

株式市場は小幅に上昇も、貿易摩擦が引き続き不安材料

28日の米国株式市場では、S&P500種株価指数が小幅に上昇し、前日比0.06%高の5528.75で取引を終えました。

一時は1%下落しましたが、終盤の押し目買い(価格が下がった際に割安とみて買うこと)によって持ち直しました。

一方、ナスダック総合指数はハイテク株の軟調を受けて0.10%安となりましたが、ダウ工業株30種平均は0.28%高となり、ボーイングやIBMが指数を押し上げました。

市場の関心は米中貿易摩擦と企業決算へ

投資家は今週発表予定のGDP(国内総生産)、PCE(個人消費支出)価格指数、雇用統計といった重要な経済指標を控え、慎重姿勢を強めています。

特に、米中間の貿易戦争が企業業績に与える影響が市場の大きな懸念材料となっています。

米ダラス連銀が発表した4月の製造業景況指数が大幅に低下し、企業経営者からはトランプ政権の関税政策について「カオス」「狂気」との強い批判が寄せられています。

注目される「マグニフィセントセブン」の決算発表

今週は大型株(メガキャップ)の中でも特に注目度が高い「マグニフィセントセブン(マグ7)」のうち、アマゾン、アップル、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトが決算を発表します。これらの企業の業績が市場全体に与える影響は非常に大きく、投資家の関心が集中しています。

「マグニフィセントセブン」とは?

米国の代表的なハイテク巨大企業7社(アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、メタ、テスラ、エヌビディア)の総称です。

市場予想とのギャップに警戒感も

ブルームバーグ・インテリジェンスの試算では、関税の影響で2025年のS&P500企業の利益が市場予測より7%程度下回る可能性が指摘されています。

多くの企業が関税政策の不透明性を理由に業績予測を下方修正するなど、今後の業績見通しについて慎重な姿勢を示しています。

米中交渉の進展が今後の市場動向のカギ

米財務長官は貿易緊張の緩和は「中国次第」と明言しており、米中の交渉動向が引き続き市場にとって重要な材料となります。

特に、株価が現在の上昇基調を維持するには、米政府の対中政策が穏健な方向に転換することが求められていると専門家は指摘しています。


まとめ

✅ 米国株は小幅ながら続伸、一時的な下落後に持ち直し

✅ 米中貿易摩擦や関税政策が企業利益に与える影響が最大の懸念

✅ 今週は重要な経済指標や大型企業の決算発表が集中

✅ 株価がさらに上昇するには、米政府の対中政策の転換が必要

✅ 貿易協議の進展次第では市場は再び大きく動く可能性あり

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債相場の現状

米国債相場は上昇し、利回りは低下しています。特に2年債利回りは一時7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下しました。国債利回りは3週間ぶりの低水準近辺まで下がり、月初以降の上昇分の約半分が巻き戻されました。

主要国債利回りの状況

  • 米30年債利回り:4.68%(前営業日比-2.1bp、-0.44%)
  • 米10年債利回り:4.20%(前営業日比-3.1bp、-0.73%)
  • 米2年債利回り:3.69%(前営業日比-6.1bp、-1.64%)

市場の動向と背景

最近は高いボラティリティー(価格変動性)を示していた市場ですが、この日の取引は比較的落ち着いていました。新たな関税に関するニュースが少なかったことで、投資家は5月2日の雇用統計など今後の経済指標の発表を待つ姿勢を取っています。

今後の予定と市場の見方

30日には月末の調整に加え、第1四半期のGDP(国内総生産)速報値とPCE(個人消費支出)価格指数の発表が控えています。トレーダーは不必要なリスクを避ける傾向にあります。

TDセキュリティーズのゲナディ・ゴールドバーグ氏は「データは完全な崩壊を示す可能性は低いが、成長減速への投資家の不安を引き続きあおるだろう」と述べています。

FRBの動向と金利見通し

米連邦準備理事会(FRB)は来週、米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催します。フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、FRBが6月から利下げを開始し、年内に少なくとも4回、各25bpの利下げを行うと見込んでいます。

その他の動き

  • 10年債利回り:4月8日以来の低水準(4.227%)
  • 30年債利回り:4.703%(3.5bp低下)
  • 2年債と10年債の利回り格差:52.7bp(前営業日から約4.5bp拡大)
  • 2年債利回り:3.699%(6.3bp低下、4月9日以来の低水準)

まとめ

✅ 米国債相場は上昇し、利回りは3週間ぶりの低水準近辺まで低下しました

✅ 投資家は5月2日の雇用統計など今後の経済指標発表を注視しています

✅ FRBは来週FOMCを開催し、市場は6月からの利下げ開始と年内4回の利下げを予想しています

✅ 10年債利回りは4.227%、2年債利回りは3.699%まで低下しました ✅ トレーダーは経済成長の減速を懸念しつつも、データ発表前は慎重な姿勢を維持しています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル全面安、背景に米国経済への不安感

  • ドルが主要通貨に対して全面安。
  • 円とスイスフランが安全資産として買われた。
  • 今週発表される経済指標への警戒感や、貿易交渉の先行き不安がドル売りを促した。

ドルが全面安となった理由は?

ニューヨーク外国為替市場でドルが全面安となりました。

その主な原因としては、アメリカの経済指標の発表を控え、市場に広がる不安感があります。さらに、トランプ政権が推進する貿易政策に対する警戒感が強まったことも影響しています。

なぜ円やスイスフランが買われたのか?

経済や政治情勢が不安定になると、投資家は「安全資産」として安定した通貨を求めます。円とスイスフランはその代表格であり、市場がリスク回避姿勢を強めたため、これらの通貨が買われました。

注目される米経済指標と貿易交渉の行方

今週は米国の経済を占う重要な経済指標が相次いで発表されます。

  • 国内総生産(GDP)

  • 個人消費支出価格指数(PCE)

  • 雇用統計

これらはアメリカ経済の実態を知る重要な手がかりとなるため、市場は非常に注目しています。

また、米国が関税を使って貿易問題に対処しようとしているため、経済指標の結果によっては、ドルの相場が大きく変動する可能性があります。

今後のポイントは?

週内の経済指標の発表に加え、日本を含む主要国との貿易交渉の進展がドル相場の重要なカギとなります。

特にベッセント米財務長官は、「非常に良い提案がなされている」とコメントしており、貿易交渉の行方に関するニュース次第で相場が大きく動く可能性があります。

まとめ

✅ 米ドルは経済指標と貿易交渉の不安から全面安

✅ 円やスイスフランが安全資産として買われる

✅ 今週発表の米経済指標(GDP、PCE、雇用統計)に注目

✅ トランプ大統領の政策不安でドルへの信頼低下

✅ 今後の相場は貿易交渉の進展に左右される

原油先物相場と金相場の最新動向

原油先物相場の反落

原油先物相場は下落しました。米国経済指標の悪化と貿易摩擦の懸念が原油価格に影響を与えています。

  • ダラス連銀製造業指数が2020年5月以来の低水準に落ち込み
  • 大型ハイテク株が売られる中、米国株も軟調な展開
  • WTI原油先物6月限は1バレル=62.05ドル(前営業日比97セント、1.5%安)
  • 北海ブレント6月限は65.86ドル(1.01ドル安)

米中貿易摩擦の影響

貿易関係の緊張が原油市場に影を落としています。

  • ベッセント米財務長官は、米中の緊張緩和には中国側の行動が必要と発言
  • 中国当局者は、トランプ前大統領の関税措置で影響を受けた輸出業者への支援を表明
  • 中国(世界最大の原油輸入国)は米国との通商交渉は行われていないと主張
  • 中国発改委は2025年の成長率目標5%達成に「十分な自信がある」と強調

原油市場の見通し

米国産原油は4年ぶりの安値を記録し、月間下落率は13%超と2021年以来の大幅安になる見通しです。

  • 貿易戦争による経済活動の抑制がエネルギー需要を減少させる懸念
  • OPECプラス(石油輸出国機構と非加盟産油国の連合)の増産も下落圧力に
  • OPECプラスは5月5日の会合で6月の生産計画を決定予定
  • BNPパリバのアナリストは「短期的な原油価格見通しは明るい」と分析

地政学的要因

中東情勢も原油市場に影響を与えています。

  • 米国とイランが核開発を巡る高官協議を実施し、進展の兆し
  • 両国は欧州での再協議で合意
  • イラン南部の商業港で大規模爆発が発生し、40人余りが死亡

金相場の動向

金相場は反発しました。

  • 朝方は売りが優勢も、ドル下落と米国債利回り低下で上昇に転換
  • 金スポット価格は1オンス=3,349.24ドル(前営業日比29.52ドル、0.9%高)
  • COMEX金先物6月限は3,347.70ドル(49.30ドル、1.5%高)
  • アナリストは「緊張感に満ちた平静が戻ってきた」としつつも、「数週間以内の複数のディール成立は過度に楽観的」と指摘

まとめ

✅ 原油先物は米中貿易摩擦と経済指標悪化で反落し、WTIは1バレル62.05ドルに下落しました

✅ 米国産原油は4年ぶりの安値を付け、月間下落率は13%超と2021年以来の大幅安になる見通しです

✅ OPECプラスの増産も原油価格の下落圧力となっており、5月5日に次回会合を予定しています

✅ 金相場はドル安と米国債利回り低下を受けて反発し、1オンス=3,349ドル台で取引されています

✅ 市場は「緊張感に満ちた平静」状態で、短期的な楽観視には慎重な見方が優勢です