2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/2

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株はテクノロジー企業の好決算で続伸、関税懸念が後退

  • 米国株がテクノロジー企業の好調な決算に支えられて上昇
  • マイクロソフト、メタ・プラットフォームズなどが株価上昇を牽引
  • 関税問題への懸念が一時的に和らぎ、市場心理が改善

テクノロジー企業の好調な決算が株価を押し上げ

米国株式市場は、主要テクノロジー企業の好調な決算発表を受けて堅調に推移しています。特にマイクロソフトとメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)の決算が市場予想を上回り、投資家心理を大きく改善させました。

  • マイクロソフト:クラウドサービス「Azure(アジュール)」の業績が市場の予想を超え、株価は7.6%上昇しました。

  • メタ・プラットフォームズ:広告収入が市場予想を上回り、株価は4.2%上昇しました。

両社の好決算は、市場における人工知能(AI)関連投資の成果に対する懸念を和らげました。


「関税ショック」が後退し、リスク選好が回復

4月に入り、トランプ大統領の課した関税政策による「米国売り」が世界に広がっていましたが、米政府が関税緩和に向けて各国と交渉しているとの報道が出たことにより、市場では楽観的なムードが広がりました。

  • 米国が中国を含む各国と積極的に関税交渉を進めていることが市場心理を改善。

  • NVIDIAのUAE(アラブ首長国連邦)への輸出規制緩和の検討報道も、同社株を押し上げる要因となりました。

「関税ショック」とは?

関税の引き上げや新たな課税措置によって貿易が制限され、景気が悪化することへの懸念が市場を不安定化させることを指します。


企業決算には明暗、製造業と雇用は懸念材料

好調なテクノロジー企業とは対照的に、一部企業では関税問題や米国内の景気減速の影響が明確に表れています。

  • ゼネラル・モーターズ(GM)は関税により最大50億ドル(約7200億円)の損失を見込むとし、利益見通しを下方修正。

  • マクドナルドは米国内の売上が予想以上に落ち込み、株価は1.9%下落。

  • クアルコムは米中貿易摩擦による影響で売上見通しを下げ、株価は8.9%急落しました。

また、米国の新規失業保険申請件数は増加し、製造業の活動も縮小していることから、景気減速の兆しも見られています。


今後の注目ポイントは雇用統計

市場の次の注目は、5月2日に発表される米国の雇用統計です。この結果によって、米国経済の実際の状態をより詳しく判断できるでしょう。


まとめ

✅ 米国株はテクノロジー企業の好決算を背景に続伸

✅ マイクロソフトやメタなどAI関連企業が好調

✅ 関税緩和期待が市場心理を好転

✅ 一方で、自動車や外食産業は関税の影響で不振

✅ 今後の米雇用統計に注目が集まる

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債下落、製造業データ好調で年内利下げ観測が後退

  • 米国債は下落し、利回りが上昇
  • 米製造業活動のデータが予想よりも良好
  • 市場での米国の利下げ観測がやや後退

各国債の利回り状況

  • 米30年債利回り: 4.72%(前営業日比+4.2bp、変化率0.89%)
  • 米10年債利回り: 4.22%(前営業日比+5.4bp、変化率1.29%)
  • 米2年債利回り: 3.69%(前営業日比+9.2bp、変化率2.55%)

※bp(ベーシスポイント)とは:金利の変動を表す単位で、1bp=0.01%を意味します

米製造業活動と市場の反応

  • 4月の米製造業活動は縮小したが、予想より悪くないと受け止められる
  • 米金融政策に敏感な2年債利回りは一時11bp以上上昇
  • 4月の製造業PMIは48.7で、市場予想の48.0を上回る
  • トランプ政権の関税措置で供給網が圧迫
  • 原材料価格は高止まり

利下げ予測の変化

  • トレーダーが予測する年内の利下げ幅:約90bp(この日の早い段階では約107bp)
  • 最初の0.25ポイント利下げ:7月実施が100%織り込まれている
  • ブラックロックのストラテジスト見解:「今年3~4回の利下げは妥当だが、大きな成長ショックがない限り、年内4回の利下げはない」

国債利回りの動き

  • 国債利回りは一時3週間ぶりの低水準に下がるも、その後上昇に転じる
  • 10年債利回り:5.6bp上昇の4.231%(一時は4.124%と4月7日以来の低水準)
  • 2年債利回り:8.4bp上昇の3.705%(一時は3.558%と4月7日以来の低水準)

まとめ

✅ 米国債は下落し、製造業データが予想より良好だったことから年内の利下げ観測が後退

✅ 市場が予測する年内の利下げ幅は約90bpに縮小(当初は約107bp)

✅ 7月の最初の利下げは確実視されているが、年内4回の利下げは大きなショックがない限り実現しにくい

✅ 製造業活動は縮小も市場予想を上回り、関税措置による原材料価格高止まりが示された

✅ 国債利回りは一時低下後、上昇に転じ、終盤には3週間ぶりの水準から上昇

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

日銀の政策維持で円安加速、ドル高が進む

  • ドルが主要通貨に対して上昇、円は追加利上げ観測の後退で下落
  • 日銀が経済・物価見通しを引き下げ、政策維持を決定
  • 円安ドル高の傾向が加速、1ドル145円台後半まで下落の可能性も

ドル高・円安が加速した理由とは?

外国為替市場ではドルが上昇し、円は大きく値を下げました。

背景には、米国が中国に対して関税協議を呼びかけたことが、市場で好感されたことがあります。

一方、日本銀行(日銀)が経済や物価の見通しを引き下げ、追加利上げの可能性が遠のいたことも、円安が進む原因となりました。

円安(えんやす)とは?

円安とは、日本円の価値が外国通貨(例えば米ドル)に対して下がることを言います。円安になると、輸入品の価格が上昇しますが、日本製品の輸出競争力は向上します。


日銀の政策決定と市場の反応

日銀は5月1日の金融政策決定会合で、政策の維持を決定しました。

また、物価安定目標(インフレ目標2%)の実現時期を約1年先送りしています。

日銀の植田総裁は記者会見で、米中貿易をはじめとする各国の通商政策の不確実性が高まっていることを指摘し、「金融為替市場や国内経済・物価への影響を十分注視する必要がある」と述べました。

市場はこれをハト派的(景気刺激的で利上げを急がない)と受け止め、円売り・ドル買いの流れが加速しています。

ハト派(はとは)とは?

金融政策で利上げに慎重で、緩和的な姿勢を示すことを指します。逆に利上げを支持する姿勢を「タカ派」と呼びます。


投資家や専門家の見解

ブラウン・ブラザース・ハリマン(BBH)の専門家は、米国の関税政策や政治的不透明感から、今回のドル高は短期的な動き(リリーフラリー)に過ぎず、長くは続かないと予測しています。

一方、インタッチ・キャピタル・マーケッツのアナリストは、円買いポジションを持つ投資家が予想より日銀が利上げに消極的だと感じ、ドル売りの対象を他の通貨に移す可能性を指摘しました。

三菱UFJ信託銀行の横田氏や関西みらい銀行の石田氏は、米国の経済指標(特に雇用統計)が強い結果を示せば、円はさらに1ドル147円まで下がる可能性があるとしています。


円相場の今後の見通し

  • 日銀が利上げに消極的である限り、円は弱含む可能性が高い。

  • 米国の経済指標(特に雇用統計)が堅調なら、連休前の調整で円がさらに下落する可能性がある。

  • 短期的な円の下落(ドル高)が続くとの見方が広まっている。


まとめ

✅ 米中関税協議期待でドル高、円安が加速

✅ 日銀は政策を維持、経済見通しを引き下げて追加利上げ期待が後退

✅ 市場は日銀の姿勢をハト派的と判断、円売りを促進

✅ 米経済指標次第では、円は1ドル147円付近まで下落の可能性

✅ ドル高の持続性には懐疑的な見方もあり、今後も注意が必要

原油4日ぶり上昇、金は3日続落:市場動向最新レポート

原油市場の最新動向

ニューヨーク原油先物相場は4日ぶりに上昇しました。米国株式市場の上昇に加え、トランプ大統領によるイラン産原油購入者への追加制裁警告が買い材料となりました。

トランプ氏の制裁警告

トランプ氏は、イラン産原油や石油製品を購入する国や個人に対し、購入量にかかわらず二次的な制裁の対象になると警告しました。これが原油価格を押し上げる要因となっています。

OPECプラスの増産と市場の反応

しかし、原油相場は以下の要因により基本的には下落基調にあります:

  • OPECプラス(石油輸出国機構と非加盟産油国の連合体)が4月に予想以上の増産で合意
  • ガイアナなど他の産油国も供給を拡大
  • サウジアラビアが低価格の長期化にも耐えられると同盟国に伝達(前日のロイター報道)
  • 5月5日のOPECプラス会合での再増産の可能性

市場専門家の見解

ラボバンクのグローバル・エネルギー・ストラテジスト、ジョー・デローラ氏は「ここ数日は売られ過ぎていた」と指摘し、「トレーダーはいったん様子を見て、週末とOPEC会合を前にリスクを少し減らしている」と述べています。

原油価格の動き

  • NYMEX(ニューヨーク商業取引所)のWTI先物6月限:1.03ドル(1.8%)高の1バレル=59.24ドル
  • ロンドンICEの北海ブレント7月限:1.07ドル高の62.13ドル

金市場の最新動向

金相場は3日続落し、2週間ぶりの安値を記録しました。米国の通商交渉の進展が見られることから、安全資産としての需要がやや後退しています。

取引要因

  • ハセットNEC(国家経済会議)委員長が関税協議の進展を報告
  • 「この日のうちに何らかのニュースがある」との発言が市場心理を改善
  • 一時的に金価格は2.6%下落

年初来の金相場

金価格は年初から見ると依然として堅調です:

  • 年初来で22%上昇
  • 先週には1オンス3500ドルを超え、過去最高を更新
  • トランプ政権の不安定な貿易政策と世界的な景気減速懸念から安全資産需要が継続
  • 中国での投機的需要や各国中央銀行による買いも相場を支える要因

金価格の動き

  • 金スポット価格:63.50ドル(1.9%)安の1オンス=3225.21ドル
  • COMEX(ニューヨーク商品取引所)の金先物6月限:96.90ドル(2.9%)安の3222.20ドル

まとめ

✅ 原油相場は4日ぶりに上昇、トランプ氏のイラン制裁警告が買い材料に

✅ OPECプラスの増産方針により、原油は基本的に下落基調が続いている

✅ 金相場は3日続落、米国の通商交渉進展で安全資産需要が一時的に後退

✅ 金価格は年初来では22%上昇しており、依然として堅調な地合い

✅ トランプ政権の貿易政策と景気減速懸念が金相場の下支え要因となっている