2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/22

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株が急落、国債利回りの急上昇が市場の不安を増幅

  • 米国債利回りの上昇により株式市場が急落
  • 「恐怖指数」として知られるVIX指数も一時20を超える
  • グーグル(アルファベット)はAIイベントを背景に一時的な上昇
  • ターゲットは売上見通しを下方修正、バイドゥは売上予想を上回る
  • トヨタ自動車は米市場で小型ピックアップトラックの投入を検討

株式市場急落の背景は?

株式市場は軒並み下落しました。米国債の20年債入札が不調だったことで、米国債利回りが上昇。これが株式市場の心理を悪化させました。

株式市場はこれまでハイテク株が支えていましたが、国債利回りが「心理的に重要な水準」を超えたため、市場の警戒感が急速に強まりました。

米国主要指数の下落状況

  • S&P500指数:5844.61(-1.61%)

  • ダウ平均株価:41860.44(-1.91%)

  • ナスダック総合指数:18872.64(-1.41%)


国債利回り上昇が株式市場に与える影響

株式と国債は、投資家にとって競合する資産です。通常、国債の利回り(リターン)が高くなれば、リスクが少ない国債に資金が流れ、株式市場には逆風となります。

  • マイケル・オルーク氏(ジョーンズトレーディング)は、「世界で最も安全な資産である米国債が不調なら、株式市場は調整が起きて当然」と指摘しています。

  • マット・メイリー氏(ミラー・タバク)も、「10年債利回りが4.5%を超えてきたことで、株価が高すぎるという懸念が強まるだろう」と述べ、株式市場が更に下落する可能性を示唆しました。


国債利回り(イールド)とは?

国債利回りとは、国が発行する債券から得られる利子の割合のことです。利回りが上昇すると、債券価格は下がります。利回りが高いと株式などリスクの高い資産の魅力が低下します。


個別企業の動き

  • アルファベット(グーグルの親会社)はAIイベントを背景に、一時5%以上の上昇を見せましたが、最終的には2.8%の上昇にとどまりました。

  • 小売企業のターゲットは売上高見通しを下方修正。買い控えや関税、ボイコット、消費者信頼感の低下が原因です。

  • 百度(バイドゥ)はAI分野の競争激化や景気低迷にも関わらず、市場予想を上回る売上高を発表しました。

  • トヨタ自動車は、米国市場でエントリーレベルの小型ピックアップトラック市場への参入を検討しています。


地政学リスクへの注目

金融大手のJPモルガン・チェースは、ロシア・ウクライナ情勢や中東問題、世界的な軍拡などの地政学的リスクに関する専門部署を新設。市場が国際情勢に敏感になっていることを示しています。


今後の見通し

株式市場は、米国債利回りの動向を注視しています。長期利回りが高止まりすれば、株式市場はさらに調整局面が続く可能性があります。


まとめ

✅ 米国株式市場が急落、主な原因は国債利回りの急上昇

✅ VIX指数も一時20を超え、市場に不安が広がる

✅ ハイテク株も一部を除いて軟調に推移

✅ 個別企業ではターゲットが売上予測を下方修正、百度は予想を上回る

✅ 国際情勢への注目が高まり、地政学リスクが市場の新たな焦点に

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米金融市場でのトリプル安

21日の米金融市場では、拡大する米国の財政赤字に対する懸念が表面化しました。20年債の入札(160億ドル相当)は需要が振るわず、その結果、米国債相場は全体的に下落しました。この売りは株式市場やドル相場にも波及し、国債・株式・ドルの「トリプル安」となりました。

国債利回りの上昇

国債利回りは以下のように上昇しました

  • 米30年債利回り:5.08%(前営業日比+11.0bp、変化率+2.21%)
  • 米10年債利回り:4.59%(前営業日比+10.6bp、変化率+2.35%)
  • 米2年債利回り:4.02%(前営業日比+4.7bp、変化率+1.18%)

※bp(ベーシスポイント):金利の変動を表す単位で、0.01%を1bpと表します

専門家の見解

20年債入札の不調

ブック・リポートの著者ピーター・ブックバー氏は、「通常は流動性が低く参加者も少ない20年債入札だが、今回は不調だった」と指摘しています。この入札結果を受けて国債利回りは軒並み上昇し、当日の高水準に達しました。

供給過多と財政赤字問題

RBCグローバル・アセット・マネジメントのアンドレイ・スキバ氏は、「大規模な国債供給に対応するには、タームプレミアム(長期債を保有するリスクに対する報酬)の上昇が必要」と指摘し、「財政赤字見通しが明確になるまで、この圧力は続く」と述べています。

ドイツ銀行のアナリストの見方

ドイツ銀行のストラテジストは、「投資家は持続不可能な米債務が短期的に何を意味するのか考えを巡らせている」と述べています。また、外国為替調査責任者のジョージ・サラベロス氏は、米国債利回りと円相場のかい離が「米財政リスクの拡大を示す重要な指標」であり、外国人投資家が米国債から資金を引き揚げている兆候だと説明しています。

トランプ政権の政策動向

トランプ大統領が推進する大型の税制・歳出法案は、州・地方税(SALT)控除上限の問題は解消されたものの、保守強硬派が法案成立に反対する姿勢を見せており、先行きの不透明感が強まっています。

今後の見通し

ブルームバーグのアリス・アンドレス氏は、「財政赤字を拡大する支出計画への不安と供給への懸念が価格変動にはっきりと表れており、30年債利回りは今後も上昇を続ける可能性がある」と分析しています。

まとめ

✅ 米国の膨大な財政赤字に対する懸念から、米国債市場で売りが進行し、株式市場やドル相場にも波及しました

✅ 20年債入札は需要が低迷し、国債利回りは軒並み上昇しました

✅ 専門家は、財政赤字見通しが明確になるまで市場の圧力は続くと予測しています

✅ 外国人投資家が米国債から資金を引き揚げている兆候も見られます

✅ トランプ政権の財政政策の行方も、市場の重要な注目点となっています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル安が加速、米20年債入札不調で投資家の警戒感高まる

  • 米20年債の入札不調で、米国債利回りが上昇
  • 投資家が米国債にプレミアム(上乗せ金利)を要求
  • 米国の財政赤字拡大への懸念でドルが下落
  • 円とユーロがドルに対して上昇

米国債入札不調でドルが軟調に

ドルが主要通貨に対して弱含んでいます。その原因は、米国が実施した20年債の入札結果が期待外れとなったためです。

米国債の入札では、投資家が5.047%という高い利回りを要求しました。これは入札前の市場金利を上回り、米国の国債に対して投資家が追加のリターン(プレミアム)を要求していることを示しています。

米20年債の利回りはさらに上昇し、2023年11月以来の水準である5.127%まで到達。これは投資家が米国の債務状況や財政政策への懸念を強め、米国債への需要が弱まっていることを意味しています。


外国人投資家が懸念する米国の「双子の赤字」とは?

「双子の赤字」とは、「財政赤字」と「経常赤字」が同時に発生している状況を指します。米国は近年、この両方が深刻化しており、外国人投資家が米国の債務を引き受けることに慎重になっています。


円とユーロがドルに対して上昇

今回の米国債の入札不調を背景に、ドルはユーロと円に対して大きく下げました。

  • ユーロ/ドルは、一時2週間ぶりの高値1.1334ドルを記録。

  • ドル/円は、0.6%下落の143円台前半を推移。

日本の30年債利回りが過去最高を更新したことも、円の価値を高めました。これは日米の金利差が縮小することで、米ドルを保有する投資魅力が相対的に低下したためです。


日米の財務相が為替問題を協議へ

G7財務相会議に関連して、日米の財務相が為替相場などの諸問題について協議することも報じられており、投資家はドル安政策の動向に注目しています。


ビットコインはリスク選好度改善で最高値更新

ドル安や米国経済への不安を背景に、ビットコインがリスク選好の改善で過去最高値を更新。10万9760.08ドルを記録しました。


まとめ

✅ 米20年債入札不調でドルが下落、米国債利回りが急上昇

✅ 外国人投資家が米国の財政赤字拡大を警戒し、投資を控えている

✅ 円やユーロが対ドルで上昇、日本国債利回り上昇も円高要因に

✅ 日米財務相が為替問題を協議する可能性があり、今後の動向に注目

✅ ビットコインが市場のリスク選好改善により最高値を更新

原油相場は続落、米在庫増加が重要視される

原油価格の下落要因

  • 原油相場は続落
  • CNNのイスラエル・イラン攻撃報道よりも、米国の原油在庫増加が重視される
  • 米エネルギー情報局(EIA):原油在庫は昨年7月以来の高水準
  • ガソリン需要も減少

中東情勢と原油価格の関係

  • 原油相場は最近、イラン・米国の核協議報道で不安定
  • 核協議進展→年後半の供給過剰市場に原油がさらに供給される可能性
  • イスラエル攻撃→核協議の進展妨げ、中東不安定化リスク増大
  • 中東地域は世界の原油供給の約3分の1を占める

専門家の見解

シールドロップ氏(SEB):「攻撃の影響が小さいか、攻撃確率自体が低いとみられている」

ダート氏(ゴールドマン・サックス):

「イランは過去数年で供給を日量約100万バレル増加」

「イラン供給が失われれば、原油価格はバレル当たり約8ドル上昇の可能性」

原油価格の動向

  • WTI先物7月限:前日比46セント(0.7%)安の61.57ドル
  • 北海ブレント7月限:0.7%下落し64.91ドル

金相場は3営業日続伸、3310ドルを突破

金価格上昇の要因

  • 金相場は3営業日連続上昇
  • 主な要因:米国の財政政策への懸念、中東紛争リスク
  • 過去2営業日で2.5%以上上昇し、3310ドル突破

米国の財政状況

  • 財政状況は不安定さ増大
  • 債務増大
  • 利払い費上昇
  • 対策なければ借入コスト上昇→財政赤字削減が一層困難に

専門家の見解

  • フリードリッヒ氏(エンベストネット):「トランプ氏の関税政策や財政健全性の不確実性により、金への資金流入は今後も続く」

金価格の動向

  • 金スポット価格:前日比26.28ドル(0.8%)高の3316.41ドル
  • 金先物8月限:29.30ドル(0.9%)高の3341.90ドル

まとめ

✅ 原油相場は米原油在庫増加で続落、供給過剰懸念が中東情勢より重視される

✅ 核協議進展は供給増加要因、イスラエル攻撃は中東不安定化リスク要因

✅ 金相場は米財政懸念と中東リスクで3営業日続伸

✅ 米国の債務増大と利払い増加による財政不安が金価格上昇を支える

✅ 専門家は当面、金への資金流入継続を予想