2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/3

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株続伸、貿易摩擦緩和期待で20年ぶりの連騰記録

  • 米国株式市場は貿易摩擦緩和への期待から大幅に上昇しました。
  • S&P500は9営業日続伸、20年ぶりの長期連騰を記録しています。
  • 米雇用統計の底堅い結果や米中関係改善の兆しが背景です。
  • 一方で一部専門家からは今後数カ月以内に再び弱気相場入りの懸念も示されています。

米国株が好調、貿易戦争の緊張緩和で市場は安心感

米国の株式市場は、4月以降の米中貿易摩擦の緊張緩和を背景に、S&P500種株価指数が20年ぶりとなる9営業日連続で上昇しました。

米株の主な指数の動き

  • S&P500種株価指数:5686.67(前日比+1.47%)

  • ダウ工業株30種平均:41317.43(前日比+1.39%)

  • ナスダック総合指数:17977.73(前日比+1.51%)

主要な指数は全て1%以上の上昇を記録し、週ベースでも2週連続でプラスとなっています。

上昇の主な背景は「貿易摩擦緩和」と「雇用統計」

米国労働省が発表した4月の雇用統計は、市場予測を上回り底堅い内容となりました。

  • 非農業部門雇用者数が予想を上回る17万7000人増

  • 貿易摩擦(関税の応酬)の影響は懸念より限定的

中国商務省も米国との貿易交渉に対して前向きな姿勢を示し、市場は米中関係改善への期待感から買い安心感が広がりました。


企業決算の好調も株価を支える要因に

多くの企業が市場予想を上回る決算を発表したことも、投資家心理を改善させています。

ただし、アップルやアマゾンは慎重姿勢

  • アップル株は約4%下落。関税コストの増加や中国市場での成長鈍化を受けて投資判断が引き下げられています。

  • アマゾン株も若干の下落。次期四半期の利益予想が市場予測を下回り、厳しい事業環境への警戒感を示しました。

個別銘柄の主な動き

  • メタ・プラットフォームズ:+4.3%

  • エヌビディア:+2.6%

  • シェブロン:+1.6%

  • エクソンモービル:+0.4%

  • テイクツー・インタラクティブ:-7%(人気ゲームの発売延期が影響)


今後の注意点:専門家が警戒する「再び弱気相場入り」のリスク

専門家の一部は今回の上昇は一時的であり、数カ月以内に再び下落が起こり、弱気相場に陥る可能性を指摘しています。

弱気相場とは?
株価が長期間にわたり下降基調にあり、投資家の売りが買いを上回る相場のことです。

投資家にとっては、米中貿易交渉の推移や経済指標の今後の動向が注目されるでしょう。


まとめ

✅ 米国株は米中の貿易摩擦緩和や雇用統計の堅調な結果を受けて9日連続上昇。

✅ S&P500は20年ぶりの長期連騰を記録。

✅ 一方、アップルなど一部の企業は関税の影響で株価が下落。

✅ 専門家からは今後の弱気相場入りを警戒する声もあるため注意が必要。

✅ 投資家は引き続き米中交渉や経済指標に注目する必要があります。

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米雇用統計好調で利下げ観測が後退

米国の金融市場では、4月の雇用統計が予想を上回る結果となり、国債利回りが急上昇しました。この統計により、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げの可能性が後退しました。

雇用統計の詳細

4月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が17万7000人増加し、エコノミストの予想を上回りました。この結果から、関税を巡る不透明感が雇用市場にはまだ大きな影響を与えていないことが明らかになりました。

国債市場の反応

雇用統計発表後、国債利回りは急上昇しました

  • 米2年債利回り:3.82%(12.1bp上昇、3.27%増)
  • 米10年債利回り:4.31%(8.9bp上昇、2.11%増)
  • 米30年債利回り:4.79%(6.5bp上昇、1.38%増)

※bp(ベーシスポイント):金利の変動幅を表す単位で、1bp=0.01%を意味します。

利下げ予想の変化

雇用統計を受けて、市場の予想が変化しました

  • 年内の利下げ幅見通し:約90bpから81bpに縮小(0.9%から0.81%)
  • 次回利下げ時期:6月から7月に後ずれ(ゴールドマン・サックスとバークレイズ)
  • 年内の利下げ回数:4回から3回(各0.25ポイント)に減少

専門家の見解

ブラックロックのローゼンバーグ氏は「FRBは失業率の上昇などの影響が確認されるまで待たざるを得ない」と指摘しています。

また、みずほインターナショナルのゴメスリヒティ氏は「関税措置による労働市場への大きな影響はまだ見られておらず、FRBは利下げを急ぐ状況にない」と述べています。

今後の見通し

来週開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)では金利据え置きとの見方が優勢です。一方、トランプ大統領は統計発表後も引き続きFRBに利下げを要求しています。

まとめ

✅ 4月の米雇用統計が予想を上回り、国債利回りが急上昇しました

✅ 市場は年内の利下げ回数予想を4回から3回に減少させました

✅ 次回の利下げ時期は7月との見方が強まっています

✅ 専門家は関税措置の影響がまだ雇用市場に現れていないと指摘しています

✅ 来週のFOMCでは金利据え置きが予想されています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル下落、雇用統計と米中交渉が影響:今後の見通しは?

  • 米ドルが主要通貨に対して下落。特に円に対しては一時143円台まで値下がり。
  • 米雇用統計が市場予想を上回り、FRBの利下げ時期が後ろ倒しに。
  • 米中通商協議再開の可能性がリスク選好を強め、ドルの売り圧力に。

ドルが主要通貨に対して軟調

外国為替市場では、ドルがポンドを除くほぼすべての主要通貨に対して下落しました。特に、円に対しては一時1ドル=143円73銭まで下落した後、やや持ち直して145円近辺で取引を終えています。

この背景には、中国が米国との通商協議再開を検討しているとの報道があり、投資家のリスク選好(リスクをとってでも利益を求める姿勢)が高まったことがあります。

リスク選好とは?

投資家が安全な資産(例えば米ドルや円)よりも、リスクの高い資産(例えば株式や新興国通貨)に投資しようとする姿勢のことです。市場が安定しているときに強まる傾向があります。

米雇用統計が予想を上回り、FRBの利下げ観測後退

4月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が17万7,000人増加し、市場予想(13万人増)を大きく上回りました。失業率は4.2%と予想通り横ばいでしたが、労働市場の堅調さが改めて確認されました。

これを受け、市場では米連邦準備理事会(FRB)が夏ごろまで利下げを再開しないとの見方が強まりました。

FRBの利下げとは?

中央銀行が政策金利を引き下げることです。景気が悪化した際に経済活動を活発にする目的で行われます。今回の統計により、FRBがすぐに利下げをする可能性は低くなりました。

市場では、6月に利下げが行われる確率が約58%から35.6%に低下しました。

加藤財務相、米国債保有を関税交渉カードに

日本の加藤勝信財務相は、日本が保有する米国債を関税交渉のカードとして活用する可能性があるとの見解を示しました。これは米国との交渉において日本側が強気の姿勢をとる可能性を示しています。

米中交渉再開の動き、ドル安圧力に

米中間の通商交渉再開への期待が高まり、ドルに売り圧力がかかりました。中国は合成麻薬フェンタニルの米国流入に対する米国の懸念に対応することを検討しており、交渉再開への手掛かりとなっています。

今後の為替市場の見通しは?

クレディ・アグリコルのバレンティン・マリノフ氏は、「ドルは金利面で相対的な優位性を持つにもかかわらず過小評価されている。今回の統計でその優位性がさらに強まれば、ドルは再び買われるだろう」としています。

また、グレンミードのジェイソン・プライド氏は「FRBは利下げに対してより忍耐強い姿勢を取る可能性が高まった」と指摘。関税措置の影響をじっくり見極める時間的余裕が生まれると述べました。


まとめ

✅ 米ドルはリスク選好の高まりで円に対して一時下落。

✅ 米雇用統計が市場予想を上回り、FRBの利下げ再開予想が後退。

✅ 日本が米国債保有を関税交渉のカードとして活用の可能性。

✅ 米中通商交渉再開が近づき、リスクオン(投資家がリスクを取る姿勢)が進む。

✅ 中期的にドルの金利優位性が再認識されれば、ドル買い圧力が戻る可能性も。

原油価格が反落、金相場も4日連続下落

原油と金の市場が共に下落傾向を示しています。OPECプラスの増産方針と米経済指標の影響を受けた市場動向を解説します。

原油市場の状況

  • ニューヨーク原油先物相場は反落
  • WTI先物6月限:前日比95セント(1.6%)安の1バレル=58.29ドル
  • 北海ブレント7月限:1.4%安の61.29ドル

OPECプラスの動き

OPECプラス(石油輸出国機構と非加盟産油国の連合体)が大幅な追加増産を協議していることが明らかになり、原油相場に下落圧力がかかっています。

  • 当初予定を2日前倒しし、3日にビデオ会議を開催
  • 6月に日量約40万バレルの追加増産を検討中
  • 過剰生産を続ける加盟国(イラク、カザフスタン、ロシアなど)へのけん制の側面も

原油価格下落の背景

原油価格は今年に入り約19%下落し、先月には4年ぶりの安値を記録しました。下落の主な要因は:

  • 中国の需要鈍化
  • OPECプラス以外の産油国からの豊富な供給
  • トランプ政権による関税措置でエネルギー需要が減退するとの懸念

原油産業への影響

価格下落は石油業界に影響を及ぼし始めています:

  • 主要なシェールオイル企業の一部は年末までに掘削装置(リグ)を約4%削減する計画
  • シェブロンは自社株買いを縮小する方針

金相場の動向

金スポット相場は4日連続で下落しています:

  • 現在値:前日比9.72ドル(0.3%)安の1オンス=3229.48ドル
  • COMEX金先物6月限:21.10ドル(0.7%)高の3243.30ドル
  • 週間では今年初めて2週連続の下落

金価格変動の背景

  • 米雇用統計が堅調な結果を示し、安全資産としての金の需要が低下
  • 米中関係に改善の兆しが見られる
  • 年初来ではなお約23%上昇しており、先週には一時オンス当たり3500ドルを超え過去最高値を記録
  • その後は過熱感から値を下げている

まとめ

✅ OPECプラスが6月に日量約40万バレルの追加増産を検討し、原油価格に下落圧力

✅ 原油価格は中国需要鈍化や関税措置の影響懸念から今年約19%下落

✅ 金相場は米雇用統計の堅調さと米中関係改善から4日連続下落

✅ 石油業界はリグ削減や自社株買い縮小など対応策を模索

✅ 金は年初来では23%上昇しており、過熱感から一時的な調整局面にある