2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/31

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場、トランプ大統領の発言に振り回されつつ横ばいで終了

  • トランプ大統領の中国への批判と制裁計画により、株価は一時大幅下落。
  • その後、習近平国家主席との会談期待で株価は回復。
  • 5月はS&P500とナスダックが好調で、月間ベースで記録的な上昇。

トランプ大統領の発言で市場が乱高下

米株式市場は5月30日、不安定な動きを見せました。トランプ大統領が中国に対して「貿易合意違反」を主張したことで、米中貿易摩擦への不安が再燃し、S&P500種株価指数は一時1.2%の大幅安となりました。

しかし、午後になりトランプ氏が中国の習近平国家主席との会談を示唆すると、市場は落ち着きを取り戻し、最終的にはほぼ横ばいで取引を終えています。

株式市場の主な指数結果

  • S&P500種株価指数: 5911.69(-0.01%)

  • ダウ平均株価: 42270.07(+0.13%)

  • ナスダック指数: 19113.77(-0.32%)


専門家が指摘する市場の見通し

市場関係者は、今後もトランプ大統領の関税政策や貿易問題の報道に市場が左右されやすい状況が続くと見ています。

  • ベルウェザー・ウェルスのクラーク・ベリン氏は、「貿易問題が落ち着けば、企業業績などの基本的な要素が再び重視されるだろう」と分析。

  • 22Vリサーチのデニス・デブシェール氏は、「トランプ氏の行動が予測できず、市場にとって不安要素となっている」と警告。

  • ネーションワイドのマーク・ハケット氏は、「相場の動きが激しいため、油断せず、逆張り(相場の動きと逆の投資行動)が効果的」と述べました。


「逆張り」とは?

  • 市場のトレンドとは逆の方向に投資する戦略。

  • 相場が下落しているときに買い、上昇しているときに売ることを意味します。


個別企業の好調さも市場を支える

市場全体が不安定な中でも、個別企業の好業績は株価を支えました。

  • 化粧品小売大手 アルタ・ビューティー(ULTA.O) は、予想を上回る四半期決算と年間利益見通しの引き上げを発表し、株価が11.8%上昇しました。


まとめ

✅ トランプ政権の関税や貿易政策が市場の変動要因に

✅ 株式市場は一時下落したが、会談期待で回復

✅ 5月はS&P500・ナスダックともに記録的な月間上昇

✅ 不安定な相場では「逆張り戦略」が有効と専門家が推奨

✅ 個別企業の好業績が市場を支える要素に

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債相場の動向:米中貿易摩擦と経済指標の影響

米国債相場の最近の動き

米国債市場では最近、大きな値動きが見られています。この変動には主に以下の要因が影響しています

  • 4月の米個人消費支出(PCE)統計の発表
  • 米中貿易関係への懸念
  • トランプ前大統領の発言

米中貿易関係の緊張

トランプ前大統領がSNS「トゥルース・ソーシャル」で中国が貿易合意に違反していると非難したことで、米中貿易戦争激化への懸念が再燃しました。これにより市場ではリスク選好度が低下し、安全資産である国債に買いが入りました。

トランプ氏の主張によると

  • 中国は関税率引き下げの合意に違反
  • 重要鉱物の取引に関する合意にも違反
  • 今後中国に対して厳しい措置を取る可能性を示唆

経済指標の影響

4月のPCE価格指数データも市場に影響を与えました

  • 前年比2.1%上昇(前月の2.3%から鈍化)
  • コア指数(食品とエネルギーを除く)は前年比2.5%上昇(前月の2.7%から鈍化)
  • 2021年3月以降で最小の伸び率

これは、貿易摩擦による不確実性の高まりから、家計が消費より貯蓄を優先している可能性を示しています。

金利動向と今後の見通し

これらの状況を受けて

  • FRB(米連邦準備理事会)は当面様子見の姿勢を維持する見通し
  • 9月までに段階的な利下げを再開するとの見方が強まる
  • 10年債利回りは1bp低下の4.414%
  • 2年債利回りは2.9bp低下の3.906%
  • 30年債利回りは若干上昇して4.926%

※bp(ベーシスポイント):金利を表す単位で、0.01%を意味します

今後の注目点

市場関係者は以下の点に注目しています

  • 米中貿易交渉の進展
  • トランプ政権の関税政策の方向性
  • 米国の労働市場に関する経済指標

まとめ

✅ 米中貿易摩擦の再燃懸念から米国債に買いが入り、利回りが低下しました

✅ PCE価格指数の上昇率鈍化により、インフレ圧力の緩和が示唆されています

✅ FRBは9月頃までに利下げを再開するとの見方が強まっています

✅ 今後は米中貿易交渉と米国の労働市場データが市場の焦点となります

✅ 政治的不確実性が続く中、債券市場の変動性は高まる可能性があります

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル円、関税を巡る不安定な動き

  • 米国の関税政策を巡る不確実性が為替市場に影響を与え、ドルが小幅に上昇しました
  • 今後の米国経済データ次第で、ドルの大幅な動きが予想されています
  • トランプ政権の関税措置が一部復活した影響で、月間ではドルが円に対して今年初めて上昇する見込みとなりました

為替市場の動向

外国為替市場では、米国の関税政策への不安や強弱が混ざる経済データにより、ドルが不安定な動きを見せています。ブルームバーグ・ドル指数は、月間で0.6%下落したものの、この日は小幅に上昇しました。

ドル/円の動きは上下に不安定

ドル/円は一時143円40銭台まで円高方向に進んだ後、逆に144円40銭台までドルが買われる局面もありました。しかし、その後再び円高方向へ動き、最終的に0.21%安の143.88円で取引を終えました。

「米国例外主義」の復活か、それともドル安か?

バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらは、今後の米経済データがドルの動きを大きく左右すると分析しています。

米経済が強さを維持した場合
  • 米国資産への投資が再び活発化。
  • 政策のノイズを無視して、ドルは再び上昇する(米国例外主義の復活)
米経済が適切な(平凡な)成長の場合
  • ドルはさらに下落し、年初来安値を更新する可能性が高い。

トランプ政権の関税措置が一部復活

米連邦巡回控訴裁判所(高裁)がトランプ大統領の広範な関税措置の一部を復活させました。この決定を受けて、ドルが一時上昇しました。スタンダード・チャータード銀行のスティーブ・イングランダー氏によると、「関税の規模は以前ほど大きくないものの、発動される可能性は高い」と指摘しています。

ユーロの動きは限定的

ユーロは対ドルで0.12%下落し、月間上昇率は0.27%と小幅に留まっています。ドイツの消費者物価指数(CPI)が鈍化し、欧州中央銀行(ECB)のインフレ目標に近づいていることがユーロに影響しました。


「ブルームバーグ・ドル・スポット指数」とは?

複数の主要通貨に対する米ドルの価値を指数化したもの。ドルの強弱を判断する際の指標として使われます。


「米個人消費支出(PCE)価格指数」とは?

個人が支出したモノやサービスの価格変動を示す米国のインフレ指標。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策決定で重要視しています。


まとめ

✅ 米国の関税政策と経済データによりドルが不安定な値動き

✅ ドル円は月間で0.6%上昇し、今年初の上昇月に

✅ 今後の米経済データ次第でドルは大きく動く可能性

✅ 米控訴裁判所の判断でトランプ政権の関税が一部復活

✅ ドイツのインフレ鈍化でユーロの月間上昇は限定的

原油と金の市場動向:簡潔まとめ

原油市場の最新状況

原油相場は続落し、米中貿易関係の不安定さから値動きが荒くなりました。NYMEXのWTI原油先物は0.25%安の60.79ドル、ブレント原油は0.4%安の63.90ドルで取引を終えています。

米中関係の緊張

  • トランプ政権が中国テクノロジー業界への制裁拡大を計画
  • トランプ氏は中国が「貿易合意に違反した」と主張
  • その後、習近平国家主席との会談意向も示す

OPECプラスの動向

OPECプラス(石油輸出国機構と非加盟産油国の連合体)は7月の原油生産引き上げペースを加速させる可能性があります。これにより年内の原油市場は供給過剰になるとの見方が強まっています。

市場の見通し

シティグループのアナリストによれば、世界の原油市場の需給は緩和傾向にあり、年末に向けてさらに緩む見込みです。ロシアやイランなどの地政学リスクが価格の下支え要因となっています。

金市場の動向

金相場は反落し、週間ベースでは約2%下落しました(前週は5%近く上昇)。

価格下落の要因

  • 米経済指標の発表により、年後半までの利下げ見送り観測が強まる
  • 金利低下環境で恩恵を受ける金にとって、マイナス要因に
  • テクニカル要因:重要な抵抗線(3328ドル)を突破できず

現在の価格

  • 金スポット価格:前日比0.7%安の3294.84ドル
  • COMEX金先物(8月限):0.85%安の3315.40ドル

まとめ

✅ 原油相場は米中貿易緊張と供給過剰懸念から弱含みで推移しています

✅ OPECプラスは生産引き上げペースの加速を検討中で、年内の供給過剰が予想されます

✅ 金相場は米経済指標を受けた利下げ見送り観測から反落し、週間ベースで2%下落しました

✅ 金は重要な抵抗線を突破できないテクニカル要因も下落の一因となっています

✅ 両市場とも短期的には不安定な値動きが続く可能性があります