2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/6

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場が反落、貿易戦争と関税問題が再燃

  • 米株式市場は反落、S&P500種株価指数の約20年ぶりとなる長期連騰がストップ
  • トランプ大統領の新たな関税発表や貿易戦争の影響を警戒する投資家心理が重荷に
  • 市場は週内のFOMC(連邦公開市場委員会)の動向に注目している

株式市場が反落、長期連騰記録が途切れる

5日の米国株式市場は反落しました。特に注目されたのは、S&P500種株価指数の約20年ぶりとなる長期連騰がストップしたことです。

各指数の終値は以下の通りです

  • S&P500種株価指数:5650.38(-0.64%)

  • ダウ工業株30種平均:41218.83(-0.24%)

  • ナスダック総合指数:17844.24(-0.74%)

トランプ大統領の関税発表が市場心理を悪化させる

トランプ大統領は前日に外国製映画に100%の関税を課す方針を発表し、これが株式市場に悪影響を与えました。特にネットフリックスやパラマウント・グローバルなど、映画関連銘柄が売られています。

  • ネットフリックス:1.9%下落

  • アマゾン・ドット・コム:1.9%下落

  • パラマウント・グローバル:1.6%下落

FOMCに向けて市場は様子見姿勢

市場は7日に予定されているFOMCに注目しています。

現在、市場の予測では金利据え置きが有力ですが、利下げ期待はやや後退。貿易戦争による市場混乱が続く中、FRB(米連邦準備理事会)の対応に関心が集まっています。

FOMC(連邦公開市場委員会)とは?
アメリカの中央銀行にあたるFRBが金融政策(主に金利)を決定する重要な会議です。投資家はFOMCの結果や発表内容を注視しています。

企業収益への懸念と個別銘柄の動向

今回の相場反落の背景には、貿易戦争による企業収益への懸念もあります。

食品企業のタイソン・フーズは決算が市場予想を下回り、7.7%下落しました。また、バークシャー・ハサウェイもウォーレン・バフェット氏がCEO退任を発表し、5.1%下落しています。

  • タイソン・フーズ:7.7%下落

  • バークシャー・ハサウェイ:5.1%下落

円相場はドルに対して上昇

円はドルに対して強含み、一時143円台半ばまで買われています。貿易戦争や市場の不透明感が強まると、比較的安全資産とされる円が買われる傾向があります。

専門家の見方

  • モルガン・スタンレーは、中国との貿易合意が成立すれば、短期的に株価が再び最高値更新の可能性があると分析しています。

  • HSBCのラケル・オーデン氏は、市場の不確実性とボラティリティー(価格変動の激しさ)が顧客の心理に影響を与えていると述べています。


まとめ

✅ 米株式市場は反落、S&P500の20年ぶり長期連騰が終了

✅ トランプ大統領の外国映画への関税発表で関連銘柄が下落

✅ FOMC会合を前に投資家は様子見姿勢を強めている

✅ 円高が進行し、ドル円は一時143円台半ばに

✅ 市場では中国との貿易合意成立が株価回復の鍵と見られている

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債市場、利回り上昇続く:インフレ懸念と政策不透明感が背景に

米国債の価格動向

米国債は下落し、利回りは上昇傾向にあります。特に2年債利回りは3営業日連続で上昇し、昨年12月以来最長の上昇局面となっています。主な利回りの状況は以下の通りです

  • 米30年債利回り: 4.83%(前営業日比+4.6bp、変化率+0.95%)
  • 米10年債利回り: 4.35%(前営業日比+3.7bp、変化率+0.86%)
  • 米2年債利回り: 3.84%(前営業日比+1.3bp、変化率+0.33%)

上昇の背景要因

利回りが上昇した主な要因は以下の通りです

  1. ISM(米供給管理協会)の4月非製造業総合指数が底堅さを維持
  2. 価格指数が約2年ぶりの高水準に達したことによるインフレ懸念
  3. FOMC(連邦公開市場委員会)が関税の影響を見極めるまで様子見モードを継続

市場環境と取引状況

  • 英国、日本、香港、中国本土の金融市場が休場だったため、取引量は通常より少なかった
  • 3年債入札は結果が良好で、落札利回りが予想を下回り、580億ドルの発行額に対して十分な需要があった
  • 2年債と10年債の利回り格差(イールドカーブ)は49.9bpにスティープ化

今後の見通し

  • 財務省は6日に420億ドルの10年債、8日に250億ドルの30年債を入札予定
  • 投資家は米国債需要の減少兆候を注視しており、特に10年債入札に注目が集まっている
  • インベスコは「政策の不確実性が長引けば、経済活動への悪影響は大きくなる」と指摘

専門用語の補足

  • 利回り:債券投資によって得られる年間収益率。債券価格が下落すると利回りは上昇します
  • ベーシスポイント(bp):金利を表す単位で、0.01%のこと。例えば4.6bpは0.046%を意味します
  • イールドカーブ:異なる満期の債券利回りを結んだ曲線。スティープ化とは長期と短期の金利差が拡大すること
  • FOMC:連邦公開市場委員会。米国の金融政策を決定する組織です

まとめ

✅ 米国債は下落(利回り上昇)傾向にあり、特に2年債は3営業日連続上昇中です

✅ 4月のISM非製造業指数が底堅く、価格指数が上昇したことでインフレ懸念が強まっています

✅ FRB(米連邦準備理事会)は利下げを急がないとの見方が強まっています

✅ 3年債入札は好調でしたが、今後予定されている10年債、30年債入札の結果が注目されています

✅ 政策の不確実性が長引くと経済への悪影響が懸念されています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル安、台湾ドル急騰の背景とアジア市場への波及】

  • 米ドルが主要通貨に対して全面安となり、円や台湾ドルが特に上昇。
  • 台湾ドルは1980年代以来の大幅な上昇率を記録し、市場に衝撃が広がる。
  • 米国の通商政策への懸念や「米国売り」の影響で、ドル安が加速している。

米ドルが急落した理由とは?

米ドルが対主要通貨で値下がりしました。特にアジア通貨に対して大きく下落し、台湾ドルは1980年代以降で最大の上昇を見せました。その背景には、米国の通商政策を巡る不透明感が強まっていることがあります。

米国売り(ドル売り)とは?

「米国売り」とは、投資家が米国経済や政策に懸念を感じ、米ドルや米国資産を売却して他の通貨や資産に移す動きを指します。今回のドル安の背景には、トランプ政権の関税政策や米国経済への不安が影響しています。


台湾ドル急騰の背景

台湾ドルが急騰した理由の一つは、米国との貿易協議の中で為替レートの調整が行われる可能性があるとの臆測です。(台湾が米国との通商協定の一環として台湾ドル相場の上昇を容認する可能性があるとの観測)

このような動きは他の新興市場国にも広がる可能性があり、市場全体に大きな影響を及ぼしています。

また、アジア通貨が一斉に上昇したことから、市場ではアジア諸国間で何らかの為替協定(各国が為替レートを安定させるために協力する合意)があるのではないかとの見方も広がっています。

為替協定とは?

各国の中央銀行が為替レートを一定の範囲に保つために協力して介入する合意を指します。これは為替市場の急激な変動を抑える目的があります。


専門家たちの見解

専門家たちは次のように指摘しています

  • JPモルガン・チェース(サンディリア氏)
    「アジア通貨の急上昇は各国中央銀行間の為替協定の可能性を示している」

  • ジェフリーズ(ベクテル氏)
    「台湾ドルの上昇はアジア通貨全体が上昇する前兆かもしれない」

  • バークレイズ(モンゴメリー・コーニング氏)
    「通商協定が進展すれば、アジア経済や通貨がさらに押し上げられる可能性がある」

  • ソシエテ・ジェネラル(ボコブザ氏)
    「投資家はドル資産だけでなく、中国株や欧州株、円やユーロなどにも分散投資を進めるべき」


今後の市場への影響は?

米国経済への不安や通商政策の影響はしばらく続きそうです。特にアジア市場では為替動向に注目が集まっており、ドル安が継続すればさらに市場が不安定になる可能性もあります。


まとめ

✅ 米ドルが大きく下落し、特に台湾ドルと円が上昇した。

✅ 台湾ドルの上昇は1980年代以来の規模で、市場に衝撃を与えている。

✅ 市場ではアジア諸国間の為替協定の存在が噂され、注目が集まっている。

✅ 専門家は投資の分散化を推奨し、ドル資産への偏重に警告している。

✅ 今後も通商政策を巡る動きが市場に影響を及ぼす可能性が高い。

原油相場が大幅下落、OPECプラスの増産決定が影響

OPECプラスの供給増加決定

ニューヨーク原油相場は大幅に続落しました。

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」が2会合連続で大幅な供給増加を決定したことが主な要因です。この決定により、世界的な原油供給過剰への懸念が広がっています。

  • 追加増産量:日量41万1000バレル(6月から実施)
  • WTI原油価格:1バレル=57.13ドル(前営業日比1.16ドル・2%安)
  • 北海ブレント価格:60.23ドル(1.7%下落)

市場への影響

OPECプラスの戦略転換は先物市場にすでに影響を与えており、期近限月のスプレッド(近い時期と遠い時期の価格差)が急速に縮小しています。専門家の間では価格予想の引き下げが進んでいます。

トータス・キャピタルのロブ・サメル氏は「OPECプラスの8カ国が2会合連続で供給加速を支持するとは予想外だった」と述べ、世界の石油需給は6月から日量最大50万バレルの供給過剰になり、価格は50ドル台前半まで下落する可能性を指摘しています。

背景にある要因

  1. サウジアラビアが生産枠超過国への警告を強化
  2. トランプ氏の関税政策による経済成長への懸念
  3. エネルギー需要の減少予測
  4. トランプ大統領のOPECプラスへの増産要求
  5. サウジアラビアの米国との関係強化の意向

金相場の動向

一方で、ニューヨーク金相場は大幅高となりました。貿易戦争リスクの継続と、今週開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)の結果待ちの状況が背景にあります。

  • 金スポット価格:1オンス=3321.64ドル(前営業日比81.15ドル・2.5%高)
  • 金先物6月限:3322.30ドル(79.00ドル・2.4%高)

金価格は年初から26%上昇しており、通商・地政学的リスクからの「逃避の金買い」が続いています。中国での投機買いや中央銀行の金購入も相場を支えています。

専門用語の補足

  • OPECプラス:OPECメンバー国とロシアなど非加盟産油国が協調して行動するグループ
  • WTI:ウェスト・テキサス・インターミディエート。米国産原油の代表的な指標
  • スプレッド:異なる時期の先物契約間の価格差
  • FOMC:米連邦準備制度理事会の金融政策決定機関

まとめ

✅ OPECプラスが日量41万1000バレルの増産を決定し、原油価格は大幅下落しています

✅ WTI原油は57.13ドル、ブレント原油は60.23ドルまで下落し、供給過剰懸念が高まっています

✅ 背景には貿易戦争やサウジアラビアと米国の関係など複雑な政治的要因があります

✅ 一方、金相場は逃避需要から3321.64ドルと大幅上昇を記録しています

✅ 原油は今年、主要コモディティの中で最悪のパフォーマンスとなっています