2025/6

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/6/10

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場、米中通商協議進展の期待感から小幅続伸

  • 米中通商協議の進展期待が株価をわずかに押し上げた
  • ハイテク株が市場の上昇を主導(テスラは約4.5%上昇)
  • アップルは新しいAI発表が少なかったため下落
  • ストラテジストは米株市場に楽観的見通しを示している

S&P500指数が続伸、史上最高値に接近中

9日の米株式市場では、S&P500種株価指数が前日比0.09%上昇の6005.88で取引を終えました。米中通商協議が好調に進んでいることが背景となり、買いがやや優勢となりました。

ダウ平均はほぼ横ばいでしたが、ナスダック総合指数は0.31%高となり、ハイテク株が市場の牽引役となりました。

ハイテク株が市場をリード、テスラが急上昇

特に注目されたのはテスラです。同社株は約4.5%上昇し、トランプ大統領がホワイトハウスでのテスラ車とスターリンクの利用継続を示唆したことが、マスクCEOとの関係改善期待を呼び起こし好材料となりました。

一方、アップルは世界開発者会議(WWDC)で人工知能(AI)関連の大きな発表がなかったため、市場から失望され、1.2%下落しました。

米中通商協議が株式市場を支援

米中通商協議では米国がレアアース(希土類)輸出規制の緩和を求めており、合意が得られれば米側も一部ハイテク製品の輸出規制緩和を検討すると表明しました。当局者のコメントからも協議は順調であることが示唆され、株式市場の安心材料となっています。

レアアース(希土類)とは?

  • 電子機器やハイテク製品の製造に不可欠な希少鉱物のこと。

ストラテジストが楽観的な見方を示す

ウォール街では、多くのアナリストが米国株式市場に対して楽観的な見通しを示しています。特にモルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、企業業績の改善を理由に、今後12カ月でS&P500がさらに8%上昇すると予測しています。

一方で、市場の変動リスクについても指摘があり、急激な動きに対する注意を促しています。

主な株式の動き

  • アマゾン、アルファベット(Googleの親会社):データセンター投資拡大を好感し、それぞれ1%超の上昇。

  • ワーナー・ブラザース・ディスカバリー:ストリーミング事業分離の発表後、当初急騰したが最終的に約3%下落。

  • マクドナルド:投資判断引き下げにより0.8%下落。

  • ロビンフッド・マーケッツ:S&P500構成銘柄に選ばれなかったことが影響し、約2%下落。

まとめ

米中通商協議が株価を支援。特にハイテク株が市場を牽引

テスラ株がトランプ大統領の発言を受け急上昇

アップルはAI関連発表の不発で下落

ウォール街は米株式市場の年末に向けて楽観的な見方

市場の急変動には引き続き注意が必要

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債市場回復の背景:消費者インフレ期待低下と30年債入札への注目

心理の改善

米国債市場は前週末の大幅下落(金利上昇)から回復の兆しを見せています。特に、消費者のインフレ期待が低下したことが市場に好材料となっています。

米国債相場の現状

前週末に大きく値下がりした国債相場は反発しました。主要な国債利回りは以下のように改善しています

  • 30年債利回り:4.94%(前日比-2.8bp※)
  • 10年債利回り:4.47%(前日比-3.2bp)
  • 2年債利回り:4.00%(前日比-3.7bp)

※bp(ベーシスポイント):金利の変動を表す単位。1bp = 0.01%

ただし、12日に予定されている30年債入札を前に、投資家は様子見の姿勢を強めています。

消費者のインフレ期待が低下

インフレ期待の改善

ニューヨーク連銀の5月調査によると、消費者の物価上昇への懸念が和らいでいます

  • 1年先のインフレ期待:3.2%(前月3.6%から低下)
  • 3年先のインフレ期待:3.0%(前月3.2%から低下)
  • 5年先のインフレ期待:2.6%(前月2.7%から低下)

改善の背景

この改善の主な要因は、トランプ政権が5月に中国との間で大幅な関税引き下げで合意したことです。あらゆる年齢層や所得層でインフレ期待の改善が見られました。

雇用・家計の見通しも改善

雇用への不安軽減

  • 向こう1年で仕事を失う可能性があるとの回答が減少
  • 1年後の失業率上昇予想も低下
  • 自発的な転職への意欲はわずかに上昇

家計の財務状況

  • 1年後に家計の財務状況が悪化するとの予想が減少
  • 債務返済困難の可能性も1月以来の低水準
  • 米株式相場の1年後上昇予想は増加

30年債入札への注目

市場の懸念材料

専門家は30年債について「テールリスク型の金利」と位置づけ、財政赤字拡大への懸念が特に強く影響すると指摘しています。30年債利回りは5月22日に2023年以来の高水準5.15%を記録しました。

今後の見通し

12日の30年債入札は「6月全体の方向性を決める重要なポイント」とされており、長期資金調達への懸念の強さが改めて注目されています。

まとめ

✅ 米国債相場は前週末の大幅安から反発し、全体的に利回りが低下しました

✅ 消費者のインフレ期待が1年、3年、5年先すべてで改善し、市場に好材料となっています

✅ 米中関税引き下げ合意が消費者心理の改善に大きく寄与しています

✅ 雇用や家計の見通しも改善傾向にあり、経済への楽観的な見方が広がっています

✅ 12日の30年債入札が今後の市場動向を左右する重要な節目となる見込みです

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

米中貿易協議再開でドル弱含み、為替市場は慎重姿勢

  • 米中通商協議再開への期待感でドルがやや弱含み
  • 市場は協議の進展に注目し、慎重な動きを見せている
  • 欧州やオセアニア通貨はドルに対してやや強含み

為替市場の動き

外国為替市場ではドルが主要通貨に対して小幅に弱含みました。米中貿易協議がロンドンで再開されたことが背景で、市場ではポジティブな進展が期待されています。

ブルームバーグ・ドル指数は前営業日比で0.20%下落しました。

  • ドル/円は一時143円98銭まで円高が進んだ後、144円70銭台まで戻す動きも見られました。

  • ユーロ/ドルは0.3%高の1.1427ドル。ECB(欧州中央銀行)の金融緩和政策終了の見通しを市場が徐々に織り込んでいます。

  • 英ポンド/ドルも0.3%上昇の1.362ドルとなっています。

米中通商協議の影響

現在、市場の注目は米中通商協議に向いています。この協議は最長で2日間続く見通しで、結果次第ではさらなる為替市場への影響が予想されます。

トロントの市場ストラテジスト、シャモッタ氏によると、投資家はすでに通商協議のポジティブなニュースを織り込んでおり、今後の為替市場は狭いレンジ内での動きになると見込んでいます。

FRBの政策動向にも注目

米連邦準備理事会(FRB)が今後緩和的姿勢を強める可能性が指摘されています。経済が悪化した場合、ドルに対する長期的な信頼が低下するリスクがあります。

ブルームバーグ・ドル指数とは?

ブルームバーグ・ドル指数とは、米ドルが主要通貨に対してどれくらい強いかを示す指数です。数字が下がるとドルが弱くなり、上がるとドルが強くなることを意味します。


まとめ

✅ ドルは米中協議への期待で小幅に下落した。

✅ ドル/円は144円台半ばで推移し、狭い範囲での取引が続いている。

✅ ユーロとポンドはECBの政策見通しを背景に小幅に上昇した。

✅ FRBの金融緩和方向性がドルの信頼感を左右する可能性がある。

✅ 市場は米中通商協議の結果を織り込み済みで慎重な動きが予想される。

原油3日続伸と金相場反発:米中通商協議とイラン情勢が焦点

原油相場の動向

3営業日連続の上昇

ニューヨーク原油先物相場は3営業日続けて上昇しました。主な要因は以下の通りです

  • 米中通商協議の開始:ロンドンでの協議により世界的な緊張緩和への期待が高まりました
  • WTI先物価格:1バレル=65.29ドル(前日比71セント高)で4月初旬以来の高値
  • ブレント原油:67.04ドル(前日比57セント高)

投資家のポジション変化

商品投資顧問業者(CTA※)の動きにも注目が集まっています:

  • 今月5日時点で64%のショート(売り)ポジションを保有
  • この日、ショートポジションを解消
  • 相場が現行水準から3-4%上昇すれば、2月以来のネットロング(買い)になる可能性

※CTA:商品投資顧問業者。機械的な売買により相場の値動きを加速させる可能性がある投資家

イラン核問題の影響

IAEAの警告

国際原子力機関(IAEA※)は、イランのウラン備蓄急増に対して強い懸念を表明しています

  • イランがウランの備蓄を急速に拡大
  • 国際社会は断固とした対応を取る必要があると警告
  • このまま容認することは許されないとの見解を示す

※IAEA:国際原子力機関。原子力の平和利用促進と核兵器拡散防止を目的とする国際機関

原油供給への懸念

  • 市場関係者は米国とイランの核協議進展を注視
  • 協議が不首尾に終われば、イランからの原油供給に影響する可能性
  • 地政学的リスクが原油価格を押し上げる要因となっている

金相場の動向

反発の動き

金スポット相場は反発を見せています

  • スポット価格:1オンス=3,328.03ドル(前日比0.5%高)
  • 先物8月限:3,354.90ドル(前日比8.30ドル高)

長期見通し

バンク・オブ・アメリカ(BofA)は強気の見通しを示しています:

  • 金相場はいずれ1オンス=4,000ドルに達すると予想
  • ただし、それは2026年の可能性
  • 「相場が本格的に上昇するには実質的なショックが必要」との見解

まとめ

✅ 原油相場は米中通商協議開始による緊張緩和期待で3営業日続伸し、4月以来の高値を記録しました

✅ 投資家のショートポジション解消により、さらなる上昇の可能性が示唆されています

✅ イランの核問題とウラン備蓄急増により、原油供給リスクへの懸念が高まっています

✅ 金相場は反発し、専門家は長期的に4,000ドル到達の可能性を予想しています