2025/6

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/6/12

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場が反落、大手ハイテク株が重しに

  • 米株式市場は11日、主に大手ハイテク株の下落で反落しました。
  • CPI(消費者物価指数)は市場予想を下回り、利下げ期待が高まりました。
  • 米中の貿易合意の発表もありましたが、市場は利益確定の動きとなりました。

株価の状況

  • S&P500種:6022.24(前日比 -16.57、-0.27%)

  • ダウ平均:42865.77(前日比 -1.10、ほぼ横ばい)

  • ナスダック総合:19615.88(前日比 -99.11、-0.50%)

特に、アップルは約2%下落、アマゾンは約2%下落、エヌビディアも0.8%下落と、大手ハイテク株が市場の重しになりました。テスラは一時3%近く上げましたが、終値はほぼ横ばいでした。


米CPIが予想下回る

5月のCPI(消費者物価指数)は市場予想を下回り、特に食品とエネルギーを除いたコア指数は4か月連続で予想以下となりました。

コア指数とは?

コア指数とは、価格変動が激しい食品とエネルギーを除いた消費者物価の指数で、インフレの基調を示す重要な指標です。

CPIが予想を下回ったことで、市場ではFRB(米連邦準備理事会)が今年9月までに利下げを行う確率が70%と見込まれています。


米中貿易合意の影響

トランプ大統領は、中国と貿易の枠組みで合意したと発表しました。

合意内容のポイント

  • 中国はレアアース(希土類)や磁石を米国に供給
  • 米国は中国人留学生の受け入れ拡大

この発表は一時的に市場の安心材料となりましたが、関税自体は現状維持のため、企業や消費者への長期的な影響に警戒感は残っています。


中東情勢の緊迫化

市場の下落要因として、中東情勢の緊迫化も影響しました。

  • イラクでの安全保障上のリスク増加で、在イラク米大使館が避難命令準備

  • イランが核協議が失敗した場合、地域の米軍基地への攻撃を示唆

この地政学的リスクの高まりが、投資家心理を圧迫しました。


専門家の見解と今後の展望

  • ロナルド・テンプル氏(ラザード)
    「現段階では関税が広範なインフレを引き起こしていないが、今後企業はコストを消費者に転嫁する可能性が高く、インフレが加速するかもしれない。」

  • ブレット・ケンウェル氏(eToro)
    「FRBのパウエル議長が今後の金融政策に関して明確な指針を示していないため、投資家は来週のFOMCでの発表に注目している。」


まとめ

✅ 米株式市場は11日、大手ハイテク株の下落や地政学リスクで反落

✅ CPIの落ち着きから利下げ期待が高まり、国債利回りが低下

✅ 米中貿易合意が成立したが、関税は維持され不透明感が残る

✅ 中東情勢の緊迫化が市場心理を圧迫

✅ 今後はFRBの金融政策動向に市場の注目が集まる

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債相場が急上昇!CPIの好結果で利下げ観測が高まる

米国債相場が上昇し、多くの投資家から注目を集めています。この動きの背景には、アメリカの経済指標や政策への期待が大きく関わっています。

CPIが予想を下回る結果に

アメリカの消費者物価指数(CPI)※が市場予想を下回りました。CPIとは、商品やサービスの価格変動を示す重要な経済指標です。

  • 5月のCPI:前年比2.4%上昇(予想2.5%を下回る)
  • コアCPI:前年比2.8%上昇(予想2.9%を下回る)

この結果により、インフレ圧力が和らいでいることが示され、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が強まりました。

10年債入札が好調

財務省が実施した10年債入札も市場にとって好材料となりました。

  • 入札規模:390億ドル
  • 落札利回り:4.421%
  • 応札状況:ディーラー以外の参加者による落札率が90%を超える

各年限の利回り変化

債券の種類 利回り 前営業日からの変化
2年債 3.95% -6.7bp(大幅低下)
10年債 4.42% -5.1bp
30年債 4.91% -1.4bp

※bp(ベーシスポイント):1bp = 0.01%

利下げ観測の高まり

短期金融市場では以下のような予想が立てられています

  • 9月の利下げ確率:約75%
  • 年内の利下げ回数:約2回

専門家の見解

  • クレジットサイツのグリフィス氏:「エンドユーザーの需要が堅調」と分析
  • カロバー・キャピタルのクルシドCIO:「利下げ1回が再び視野に入った」
  • LPLファイナンシャルのギラム氏:「10年債入札が需要不足に陥らず安心感が広がった」

30年債入札への関心

12日に予定されている30年債入札が、長期債への需要を測る重要な指標となります。10年債入札が好調だったものの、超長期債への需要には懸念が残っているため、市場は注視しています。

追加の経済指標

今後の利下げ回数については、以下の指標が重要になります

  • 生産者物価指数(PPI)
  • 労働市場の動向

まとめ

✅ CPIが予想を下回り、インフレ圧力の緩和で利下げ観測が強まった

✅ 米国債利回りは全体的に低下し、特に短期債(2年債)の下げが大きかった

✅ 10年債入札が好調で、米国債への健全な需要が確認された

✅ 市場は9月の利下げを75%程度織り込み、年内2回の利下げを予想している

✅ 今後は30年債入札やPPI、労働市場の動向が政策判断の鍵となる

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

米ドル下落、インフレ鈍化で利下げ観測強まる

  • 米国のCPI(消費者物価指数)が市場予想を下回った
  • 利下げ期待が高まり、ドルが売られた
  • 円はドル安を背景に上昇、ユーロもドルに対して強含み

CPIとは?

CPI(消費者物価指数)とは、消費者が日常的に購入するモノやサービスの価格変動を指数化したものです。インフレ率を測る重要な指標として利用されます。

 米CPIが予想を下回りドル安に

米労働省が発表した5月のCPIは前年比2.4%の上昇となり、市場予想の2.5%を下回りました。コアCPI(食品やエネルギー価格を除いた指数)も4カ月連続で市場の予測を下回ったため、市場では年内のFRB(米連邦準備理事会)による利下げ期待が強まり、ドル売りが活発になりました。

 円高が進む

ドル安の影響で円相場は上昇し、一時1ドル=144円33銭まで買われました。市場はCPI発表後にドル売り・円買いの動きを強め、午後にも同水準まで円高が進む場面がありました。

 専門家の見方:「ドルの下降トレンド継続」

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のエリアス・ハダッド氏は、関税のインフレへの影響が今後顕在化する可能性があるものの、「ドルの基調的な下降トレンドは変わらない」と指摘しました。また、インフレ鈍化の影響で、FRBが今後も利下げ方向で政策を進める可能性が高いとみています。

 米中情勢の影響も一時的にドルを支援

一方、トランプ大統領が「中国はレアアースの供給を継続する」と述べたことで、米中関係悪化への懸念が緩和。一時的にドル売りが落ち着き、ユーロの上昇幅も限定的になりました。

為替市場の動き(主要通貨)

  • ドル/円:144.60円(前日比-0.19%)

  • ユーロ/ドル:1.1486ドル(前日比+0.53%)

  • ポンド/ドル:1.3542ドル(前日比+0.3%)

  • ドル/スイスフラン:0.8205フラン(前日比-0.3%)

  • ドル/人民元:7.197元(前日比+0.1%)


まとめ

✅米CPIが予想を下回り、利下げ期待が高まったためドルが下落した

✅ドル安で円やユーロなど主要通貨が強含んだ

✅専門家は、FRBが年末までに利下げを実施する可能性が高まったと指摘

✅米中関係の改善期待が一時的にドルの下げ幅を抑えた

地政学的リスクで原油急騰、金も利下げ観測で上昇

原油が大幅な上昇

イラン情勢の緊迫化が材料

ニューヨーク原油先物相場は大幅に上昇しました。この動きの背景には、中東地域での地政学的リスク(※政治的な対立や軍事的緊張が経済に与える影響)の高まりがあります。

主な上昇要因
  • 在イラク米大使館職員に退避命令が発令
  • 米軍関係者の家族にも中東地域からの退避を許可
  • イランが米軍基地への攻撃可能性に言及

トランプ大統領の発言も影響

原油相場は朝方からすでに買いが優勢となっていました。

発言の内容
  • トランプ大統領がイラン核協議について「自信を失いつつある」と表明
  • 核開発計画の停止に関する協議への懸念を示す
  • 市場は協議決裂のリスクを織り込み始める

専門家の分析

CIBCプライベート・ウェルス・グループのバビン氏

  • 「地政学的リスクによる相場上昇は通常売りの好機とされる」
  • 「今回はイスラエルの軍事行動の可能性という複雑さがある」
  • 「市場関係者は上昇局面での売りに慎重になっている」

原油価格の具体的な動き

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)

  • WTI先物7月限:68.15ドル(前日比+3.17ドル、+4.9%)

ロンドンICE

  • 北海ブレント8月限:69.77ドル(前日比+2.90ドル、+4.3%)

金相場も上昇基調

利下げ観測の強まりが支援材料

金スポット相場も上昇しました。米国のコアCPI(※食品・エネルギーを除く消費者物価指数)が予想を下回ったことで、年内の利下げ観測が強まったことが要因です。

金相場上昇要因

  • CPIが予想を下回る
  • 利下げ観測が強まる
  • ドルが下落、米国債利回りが低下
  • 利息が付かない金の投資魅力が相対的に向上

専門家の見解

サクソバンクのハンセン氏

  • 「物価の落ち着きが示されて早期利下げ観測が高まった」
  • 「現在はレンジ取引が続いている状況」
  • 「金相場がレンジを抜け出すには経済データの一段の悪化が必要」

金価格の動き

スポット価格

  • 1オンス=3,343.26ドル(前日比+19.57ドル、+0.6%)
  • 一時1.1%まで上昇する場面も

COMEX金先物

  • 8月限:3,343.70ドル(+30セント)

今後の注目ポイント

原油市場

  • イラン核協議の行方
  • 中東地域の軍事的緊張の推移
  • 米軍の動向とイランの対応

金市場

  • 米国の経済指標の動向
  • FRBの金融政策に関する発言
  • ドル相場と金利動向

まとめ

✅ 原油相場は中東の地政学的リスク高まりで大幅上昇し、WTIは4.9%高の68.15ドルとなりました

✅ イラク米大使館職員の退避命令やイランの軍事行動示唆が材料視されました

✅ 金相場は米CPIの予想下回りで利下げ観測が強まり、1オンス3,343.26ドルまで上昇しました

✅ 専門家は原油の上昇局面での売りに慎重姿勢を示し、金はレンジ相場継続の見方を示しています