2025/6

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/6/25

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場は続伸、利下げ観測と中東情勢の緩和が追い風に

FRB議長の利下げ示唆発言が市場を支援

24日の米株式市場は、前日に続いて上昇しました。その主な理由は以下の通りです。

  • パウエルFRB議長が議会証言で利下げの可能性に言及したことが好感

  • 中東情勢の緊張緩和が投資家の安心感を高めた

具体的には、パウエル議長は「インフレが抑えられれば早めの利下げもあり得る」と発言しました。ただし、「経済は依然として強いので、急ぐ必要はない」とも述べ、慎重な姿勢を維持しています。

金融市場は年内2回の利下げを予想

現在、市場は年内に2回の利下げがあると予測しています。特に9月の利下げ可能性が高く見られており、7月の利下げ確率も1週間前の0%から約20%まで上昇しました。

また、6月の消費者信頼感指数が予想外に低下したことも、利下げ観測を後押ししました。

中東情勢は一時的に落ち着く兆候

トランプ米大統領がイスラエルとイラン間の停戦合意違反を非難しましたが、現状では両国とも停戦を守っているとされています。この状況が市場に安心感を与え、株価上昇を支援しました。

株価指数と個別銘柄の動向

  • S&P500種指数 は2営業日続伸

  • ナスダック100指数 は1.5%上昇し、2月以来の最高値を更新しました

  • 情報技術セクターが特に好調でした

  • テスラは2.4%下落し、ハイテク主要銘柄の中で出遅れました

  • 中東緊張緩和で航空株は上昇、防衛関連株は下落しました

  • ビットコイン関連銘柄は仮想通貨の上昇を受けて値上がりしました

米国債利回り・為替・原油価格の動き

  • 米国債利回りは低下しました

  • ドル安に伴い円高が進行し、一時144円51銭をつけました

  • 原油価格は中東情勢の緊張緩和により供給懸念が薄れ、下落しました


まとめ

✅米株式市場は中東情勢の緊張緩和とパウエル議長の利下げ示唆発言を好感して上昇

✅市場は年内2回の利下げを予測、特に9月利下げを強く意識

✅ナスダック100指数は約4か月ぶりに最高値更新

✅中東停戦合意は一時的な緊張緩和をもたらし、航空株上昇・防衛株下落に影響

✅米国債利回り低下とドル安で円高が進行、原油価格も下落

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債上昇:消費者信頼感低下とFRB議長発言が追い風

米国債が上昇した理由

米国債が上昇(価格上昇=利回り低下)した主な要因は以下の通りです。

消費者信頼感指数の予想外の低下

6月の米消費者信頼感指数が市場予想を下回りました。消費者信頼感指数とは、消費者の景気に対する信頼度を示す指標で、この数値が低下すると経済の先行きに不安があることを意味します。

パウエルFRB議長の発言

パウエルFRB議長が金融政策について「多くの道筋があり得る」と述べ、利下げの可能性に柔軟な姿勢を示しました。FRBとは米国の中央銀行で、金融政策を決定する重要な機関です。

国債利回りの変化

各年限の国債利回りは以下のように低下しました

  • 米30年債利回り: 4.83%(前日比-4.1bp)
  • 米10年債利回り: 4.29%(前日比-5.3bp)
  • 米2年債利回り: 3.82%(前日比-4.5bp)

※bp(ベーシスポイント):1bp = 0.01%

2年債の動向

金融政策に敏感な2年債利回りは特に大きく低下し、約3.81%まで下がりました。これは市場が利下げの可能性を織り込んだためです。

国債入札の結果

この日実施された2年債入札(発行額690億ドル)は好調でした

  • 最高落札利回り:3.786%
  • 入札前取引水準を下回る結果
  • 前回入札時(3.955%)も下回る

専門家の見解

BMOキャピタル・マーケッツの分析

「消費者信頼感の予想外の低下が米国債上昇の引き金となり、パウエル氏の柔軟な姿勢が利回り低下を後押しした」

アポロ・マネジメントの見解

「インフレ率が上昇予想される中で、7月や9月の利下げ議論が公に行われるのは極めて異例」

まとめ

✅ 米国債は消費者信頼感指数の予想外低下とパウエル議長の柔軟発言で上昇しました

✅ 全年限で国債利回りが低下し、2年債と10年債は7週間ぶりの低水準となりました

✅ 2年債入札は好調で、市場の国債需要の強さを示しました

✅ 市場では早期利下げ観測が高まっていますが、インフレ懸念も残っています

✅ FRBは利下げに慎重な姿勢を維持しつつ、経済指標次第で柔軟対応する方針です

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

外国為替市場:ドルが下落、円やユーロが上昇

ドル下落の要因

外国為替市場ではドルが下落しました。その主な理由は以下の通りです。

  • 米国の消費者信頼感指数が予想を下回った

  • FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が議会証言で、政策調整について慎重な姿勢を示した

  • 中東の緊張が緩和され、イランとイスラエルの停戦合意が再開されたため、安全資産としてのドル買い需要が低下

円とスイス・フランが目立つ上昇

主要通貨の中でも特に円やスイス・フランが対ドルで大きく値上がりしました。

  • 円は一時1.1%高の1ドル=144円51銭まで上昇。

  • 最終的には144円90銭付近で取引されています。

FRB関係者の発言と利下げの見通し

FRB関係者の発言内容は以下の通りです。

パウエル議長

  • 「経済の状況を見極めるまでは政策調整を控える」と発言。利下げを急がない考え

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁

  • 「現状維持は完全に適切」と発言

クリーブランド連銀のハマック総裁

  • 「金利はやや景気を抑える水準にあり、当面据え置きが妥当」との見解

アトランタ連銀のボスティック総裁

  • 「利下げは不要」と主張。雇用市場が安定しており、企業の値上げ計画もあるため

ユーロや豪ドル、ポンドも高値を更新

リスクオン(投資家が積極的にリスクを取る状態)の流れで、リスクに敏感な通貨も上昇しました。

  • ユーロ は2021年10月以来の高値(1ユーロ=1.162ドル)を記録しました。

  • 豪ドル は0.68%高の0.6503米ドル。

  • 英ポンド は0.77%高の1.3626ドル、一時1.3648ドル(22年1月以来の高値)をつけました。

今後のFRBの利下げ観測

市場では年内に2回の利下げ(合計50ベーシスポイント)を完全に織り込み、さらに3回目の利下げ可能性も高まっています。

仮想通貨の動き

  • ビットコインは1.72%高の10万5589ドルとなりました。


まとめ

✅ 米ドルは消費者信頼感の低下や中東情勢の緊張緩和により下落した

✅ 円やスイス・フランが安全資産として対ドルで上昇した

✅ FRBは利下げに慎重で現状維持を示唆、一方市場は年内2~3回の利下げを予想

✅ ユーロやポンドなどリスク資産はリスクオンの流れで高値を更新した

✅ ビットコインなど仮想通貨も投資家心理の改善で上昇した

原油・金相場:中東停戦で大幅下落、安全資産需要が後退

原油相場の大幅続落

トランプ大統領の政策転換が影響

原油相場は大幅に下落しました。主な要因は、トランプ大統領がイスラエルとイランの停戦を仲介し、イランによる原油輸出を容認する意向を示したことです。

WTI原油の価格動向

  • WTI先物8月限: 1バレル64.37ドル(前日比4.14ドル安、6%下落)
  • 北海ブレント8月限: 67.14ドル(6.1%下落)
  • 2日間の下落率: 15%近くに達する大幅下落

※WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート):米国の代表的な原油価格指標

中東情勢の変化

  • イスラエルとイランの衝突が著しく緩和
  • 両国が緊張緩和の姿勢を示す
  • 中東地域の地政学的リスクが低下

トランプ大統領の方針転換

制裁政策の大きな変化

トランプ大統領はソーシャルメディアで以下の内容を投稿しました

  • 中国がイラン産原油の購入を継続可能
  • 中国による米国産原油の「大量」購入への期待
  • これまでのイラン制裁戦略からの大きな転換

専門家の分析

CIBCプライベート・ウェルス・グループのレベッカ・バビン氏は、この政策転換について以下のように指摘しています

  • イランに圧力をかけるための制裁戦略からの大きな変化
  • 緩和措置は停戦順守や核開発に関する確約が前提
  • 原油市場に大きな影響を与える政策変更

金の反落

安全資産需要の後退

金相場も大幅に下落しました。イスラエルとイランの停戦合意順守により、安全資産としての金の需要が後退したためです。

金価格の動向

  • 金スポット価格: 1オンス3316.66ドル(51.82ドル安、1.5%下落)
  • COMEX金先物8月限: 3333.90ドル(61.10ドル安、1.8%下落)
  • 日中下落幅: 約5週間ぶりの大幅安

※スポット価格:現物の即時取引価格

今後の見通し

金利政策の影響

RJOフューチャーズのボブ・ハーバーコーン氏は以下の見解を示しています

  • 現在の相場を動かす主要因は中東の緊張情勢
  • FOMC(連邦公開市場委員会)には強い利下げ圧力
  • 利下げが実施されれば金には追い風となる可能性

※FOMC:米国の金融政策を決定する重要な会議

年初来の動向

  • 金価格は地政学的緊張の高まりで年初来27%上昇していた
  • 中東情勢の安定化で今後の動向に注目が集まる

まとめ

✅ トランプ大統領のイラン制裁緩和方針により原油相場が大幅下落し、2日間で15%近い下げを記録しました

✅ 中東情勢の緊張緩和で安全資産需要が後退し、金相場も約5週間ぶりの大幅安となりました

✅ 米国の対イラン政策転換は原油市場に大きな影響を与え、地政学的リスクの低下を反映しています

✅ 今後はFRBの金利政策や中東停戦の継続が相場動向を左右する重要な要因となる見込みです