2025/6

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/6/28

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場が続伸、S&P500は最高値更新――関税ニュースが焦点に

  • 米国株式市場が27日も上昇し、S&P500は2月以来となる最高値を更新
  • 関税関連のニュースが市場心理に影響したが、米経済が堅調であることが好感された
  • 大型テクノロジー株が市場の上昇をけん引し、特にエヌビディアは時価総額が4兆ドルに迫っている
  • 今後の関税措置や利下げ期待が引き続き市場の注目ポイントとなる

S&P500が最高値更新、ナスダックも好調

6月27日の米国株式市場は続伸。関税問題をめぐるニュースが意識される中、主要な指数はそろって上昇。特にS&P500は終値で6173.07ポイントをつけ、今年2月以来の最高値を記録しました。

  • S&P500指数: 6173.07(前日比+0.52%)

  • ダウ平均指数: 43819.27(前日比+1.00%)

  • ナスダック総合指数: 20273.46(前日比+0.52%)

特に大型のテクノロジー株が市場をけん引し、アルファベット(Googleの親会社)が約3%高、エヌビディアも1.8%上昇し、時価総額は4兆ドル目前となりました。


米加の貿易交渉中断も、市場への影響は限定的

トランプ米大統領が突然、カナダとの貿易協議を打ち切ったことで一時的に株価が下落する場面もありました。ただし、中国や英国を含む他国との合意が進展しているとの報道もあり、市場は総じて前向きな見方を維持しました。

関税とは?
輸入品にかけられる税金のこと。関税が引き上げられると、企業のコストが増え、利益が圧迫されるため、株価に悪影響を与えることがあります。


米経済指標は堅調も、インフレや利下げ期待に注目

この日発表された経済指標では、消費者マインド指数や個人消費支出(PCE)価格指数が予想を上回りました。

  • ミシガン大学消費者マインド指数: 4ヶ月ぶりの高水準

  • PCEコア価格指数: 市場予想をやや上回る前年比2.3%増

こうしたインフレの伸びを受け、FRB(米連邦準備制度理事会)が今年後半に利下げを実施するとの見方が市場に広がっています。

PCEコア価格指数とは?

食品とエネルギー価格を除いた個人消費支出に関する物価指数で、FRBがインフレを判断する際に重要視しています。


米株式市場の今後の注目点は?

  • 関税措置の行方
    米国と主要貿易相手国との交渉が進展するか、期限の延長があるかに注目。

  • FRBの利下げ動向
    現在、市場は9月の利下げを約76%の確率で織り込んでいます。

  • 株式市場への資金流入の過熱
    米国株への資金流入は今年に入りすでに1640億ドルに達しており、バブル懸念が高まっています。


まとめ

✅ 米国株式市場はS&P500が2月以来の最高値を更新、テクノロジー株が牽引

✅ トランプ大統領のカナダとの交渉中断も、市場への影響は一時的

✅ 経済指標は好調、インフレ指標の上昇で利下げ期待が高まる

✅ 関税措置やFRBの政策変更が今後の市場の焦点に

✅ 米国株への資金流入が拡大し、バブルリスクに注意

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り上昇、年内利下げ観測が後退

国債価格の下落と利回り上昇

米国債の価格が下落し、利回りが上昇しました。利回りとは、債券を満期まで保有した場合の年間収益率のことで、債券価格が下がると利回りは上昇する関係にあります。

主要な利回り変化

  • 米30年債利回り: 4.83%(前日比+3.4bp)
  • 米10年債利回り: 4.27%(前日比+3.3bp)
  • 米2年債利回り: 3.75%(前日比+2.9bp)

※bp(ベーシスポイント)= 0.01%を表す単位

利下げ観測の後退

インフレ指標の影響

この日発表されたインフレ関連の経済指標を受けて、市場では年内の利下げ期待が弱まりました。

  • 7月利下げの確率は20%未満まで低下
  • 市場は今年の利下げ幅予想を引き下げ

最近の市場動向

これまでの相場上昇要因

  • 一連の経済指標が利下げ観測を支援
  • トランプ大統領がハト派的な人物を次期FRB議長に指名するとの見方

※ハト派=金融緩和(利下げ)を支持する立場の人

FRB内部の見解

専門家の分析

市場関係者によると、FRB(連邦準備理事会)内部では意見が分かれています

  • 利下げ派: 年内2回の利下げを見込む
  • 現状維持派: 年内の利下げはないと予想

注目される経済指標

  • 6月の雇用統計など来週発表される経済データに市場が注目
  • 次回利下げは10月との予想もあり

利回り曲線の変化

スティープ化の進行

利回り曲線が3日連続でスティープ化しました。これは短期金利と長期金利の差が拡大することを意味します。

スティープ化の要因

  • 投資家が長期国債を敬遠
  • 巨額の財政赤字への懸念
  • 将来の利下げに対する市場の備え

まとめ

✅ 米国債は下落し、各年限の利回りが上昇

✅ インフレ指標を受けて年内利下げ観測が後退し、7月利下げ確率は20%未満に低下

✅ FRB内部では利下げ派と現状維持派に意見が分かれている状況

✅ 利回り曲線のスティープ化が進み、財政赤字への懸念や将来の利下げ期待を反映

✅ 来週発表される雇用統計などの経済指標が今後の金融政策を占う重要な材料となる

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑


ドルが上昇、カナダドル急落-米加貿易交渉決裂で市場に動揺

  • トランプ大統領がカナダとの貿易交渉打ち切りを表明し、カナダドルは急落
  • ドルは一時的にリスク回避で買われたが、米経済指標が弱くFRBの利下げ観測も高まっている
  • 市場では今後の貿易問題と米経済指標がドル相場の焦点になると予想されている

米国・カナダ貿易交渉が突然打ち切り

トランプ米大統領が突然、カナダとの貿易交渉の打ち切りを発表しました。これを受けて市場では動揺が広がり、カナダドルが急落。米ドルは一時的に安全通貨として買われましたが、その後の値動きは不安定になっています。

カナダドルの下落が鮮明に

今回の交渉決裂は、カナダドルにとって明確なマイナス要因となりました。バークレイズの通貨ストラテジストによれば、交渉の進展を期待していた市場の楽観的な見通しを見直す必要があるとのことです。


今後のドル相場の注目点は?

専門家たちは次のポイントを指摘しています

  • 米国経済の減速傾向が強まれば、FRBは早ければ9月にも利下げする可能性

  • トランプ大統領の予測不可能な行動は、市場の混乱要因であり、ドル相場にも大きな影響を与える

米経済指標の現状は?

  • 5月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.3%増(前月2.2%増)

  • 失業保険申請件数やGDP確報値が悪化し、経済の弱さを示しています。

PCE価格指数とは?

個人が購入する財やサービスの価格変動を測る指標で、FRBがインフレ動向を見るために重要視しています。


専門家の見通し

  • ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのウィン・シン氏
    「短期的には米経済指標の悪化でドル安が進む可能性が高い」
    「5月のインフレは上振れたが、実体経済が悪化すればFRBは利下げ準備を進めるだろう」

  • フォレックスライブのアダム・ボタン氏
    「貿易戦争はドルに対する重しであり、短期的なドル買いも混乱が収まれば巻き戻されるだろう」


まとめ

✅トランプ大統領による米加貿易交渉の打ち切りでカナダドルが急落

✅米経済指標の軟調からFRBによる早期利下げ観測が強まり、ドルは不安定な展開に

✅トランプ氏の予測不能な言動が市場の混乱要因としてドル相場に影響

✅米経済指標のさらなる悪化が続けば9月のFRB利下げが現実味を帯びる

✅貿易摩擦は引き続きドルの重しとなり、今後の動向が注目される

原油と金の市場動向:地政学リスクと貿易協議が影響

原油、3日続伸の背景

ニューヨーク原油相場は小幅ながら3日連続で上昇しました。

上昇要因
  • 米国とイランの核協議を巡る不透明感
  • OPECプラス(※石油輸出国機構とその他産油国の協力体制)の供給政策への注目

OPECプラスの供給拡大方針

  • 過去3カ月連続で日量41万1000バレルの生産拡大を実施
  • 当初予定の3倍の規模
  • 8月についても同規模の供給増を検討予定(7月6日の会合で決定)

地政学的要因の影響

  • 米エネルギー省長官:対イラン制裁は当面維持
  • トランプ大統領:対イラン制裁緩和の取り組みを全て中止
  • 原油価格は一時1.3%上昇

価格動向

  • WTI先物8月限:65.52ドル(前日比+0.4%)
  • 北海ブレント8月限:67.77ドル(前日比+0.1%)

2週連続の下落

金スポット相場は続落し、週間でも下げて2週連続の下落となりました。

下落要因

  • 世界的な貿易協議の進展
  • 米消費者心理の改善
  • 安全資産(※リスク回避時に選ばれる資産)としての金の魅力低下

経済指標の改善

  • 6月の消費者マインド指数:4カ月ぶり高水準
  • インフレ期待の大幅低下
  • 経済見通しと家計財務状況への懸念後退

貿易協議の進展

  • EU(欧州連合)と米国:7月9日期限までの貿易合意に楽観的
  • 中国:米国との貿易枠組み詳細をさらに確認

価格動向

  • 金スポット価格:3275.88ドル(前日比-1.6%)
  • COMEX金先物8月限:3287.60ドル(前日比-1.8%)
  • 週間では2.7%下落
  • 一時は5月29日以来の安値を記録

まとめ

✅ 原油相場は地政学リスクやOPECプラスの供給政策により3日続伸しました

✅ 米国とイランの核協議不透明感や制裁維持方針が原油価格を支えています

✅ 金相場は貿易協議進展と消費者心理改善により2週連続で下落しました

✅ リスク資産への投資意欲向上により、安全資産としての金の需要が後退しています

✅ 原油は地政学リスク、金は貿易・経済情勢がそれぞれ価格を左右する主要因となっています