2025/6

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/6/6

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場、トランプ・マスクの対立で下落:テスラ株が急落

  • トランプ氏とマスク氏の対立激化で、テスラ株が大幅下落(-14%)。
  • 雇用指標の悪化により米利下げ再開の可能性が高まっている。
  • 米中首脳間の電話協議で貿易摩擦緩和への期待感も見られた。

トランプ氏とマスク氏の対立で市場が揺れる

5日の米株式市場は、トランプ米大統領とテスラCEOのイーロン・マスク氏がSNS上で非難の応酬を行ったことで不安定な動きを見せました。特にテスラ株が急落し、市場全体の心理に悪影響を及ぼしました。

トランプ氏とマスク氏の対立がテスラ株を直撃

テスラの株価は一日で約14%も下落し、ここ5営業日で4回の下落を記録。両者の対立が始まって以来、テスラは約1500億ドルもの市場価値を失っています。

背景としては、トランプ政権が電気自動車(EV)の税制優遇措置を見直す動きを見せ、これにマスク氏が強く反発。トランプ氏はマスク氏との政府契約や補助金の打ち切りを示唆し、市場に混乱をもたらしています。

主要指数の動き

  • S&P500指数:5939.30(-31.51、-0.53%)

  • ダウ平均:42319.74(-108.00、-0.25%)

  • ナスダック指数:19298.45(-162.04、-0.83%)

ナスダックはテスラをはじめとするテクノロジー株の下落が響き、主要指数の中で特に大きな下げとなりました。

米中貿易摩擦の緩和期待も短命

この日はトランプ大統領と中国の習近平主席が電話会談を行い、さらなる貿易協議の開催を合意しました。一時的に米中の緊張が緩和される期待から株価が上昇する場面もありましたが、テスラ株の急落がそれを相殺しました。


経済指標の悪化と利下げ観測の強まり

朝方発表された新規失業保険申請件数が予想外に増加し、米経済の減速懸念が高まっています。市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げを早期再開せざるを得ないとの見方が強まっています。

リセッション(景気後退)とは?
経済が2四半期(6ヶ月)以上連続して縮小すること。通常、失業率が上昇し消費や投資が低迷します。

雇用統計への注目

5月の米非農業部門雇用者数は12万5000人増の見通しで、過去3カ月平均の16万2000人よりも鈍化します。失業率予想は4.2%で変わらずですが、市場は引き続き雇用の動向を注視しています。


専門家の見解:「FOMCは慎重姿勢」

プリンシパル・アセット・マネジメントのシーマ・シャー氏は「景気減速と貿易を巡る不確実性で、金融政策は難しい判断を迫られている」と指摘しています。


個別企業の動向

  • ブラウン・フォーマン(ジャックダニエル製造元):通期見通し悪化で約18%の下落。

  • P&G:従業員7000人削減を発表し、株価が1.9%下落。


まとめ

✅ トランプ氏とマスク氏の対立激化でテスラが急落、市場心理が悪化

✅ 新規失業保険申請増加でリセッション懸念が拡大、利下げ期待が再燃

✅ 米中間の対話継続合意は一時的な支援材料となるも、影響は限定的

✅ 雇用統計の結果次第ではFOMCが早期利下げに踏み切る可能性

✅ 市場は依然として不確実性が高く、ボラティリティが継続すると予想

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債市場】米中電話会談で流れ変わる、10年債利回りは4.395%に上昇

米国の国債市場では、経済指標の発表や米中関係の動向によって価格が大きく変動しました。国債の価格と金利(利回り)は逆の関係にあるため、価格が下がると利回りが上がり、価格が上がると利回りが下がります。

失業保険申請件数発表後の市場反応

米国の失業保険申請件数が発表された直後、国債価格は一時的に上昇しました。しかし、その後は下落に転じ、午後の株式市場の下落にもかかわらず、国債市場は軟調な状態が続きました。

※軟調:市場で価格が下がり気味で弱い状態のこと

米中貿易摩擦への期待が市場に影響

国債利回りは当初、経済指標を受けて低下していましたが、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が電話会談を行ったとの報道により、状況が変化しました。

米中関係の改善への期待が高まったことで、市場参加者の見方が変わりました。USバンク・アセット・マネジメントの専門家は「米中首脳の電話会談が建設的だったとの見方に市場が反応した」と分析しています。

各年限の国債利回りの動き

終盤の取引では、以下のような結果となりました

10年債利回り:4.395%(3bp上昇)

一時は5月8日以来の低水準4.318%まで下落していた

30年債利回り:4.857%(0.3bp低下)
2年債利回り:3.926%(4.9bp上昇)

一時は5月8日以来の低水準3.833%を記録

※bp(ベーシスポイント):金利の単位で、1bp = 0.01%

まとめ

✅ 米国債は失業保険申請件数発表後に一時上昇したが、その後下落に転じた

✅ 米中首脳の電話会談報道により、貿易摩擦緩和への期待が国債市場に影響を与えた

✅ 10年債利回りは最終的に4.395%まで上昇し、一時の大幅下落から回復した

✅ 米中関係改善への楽観的見方が経済指標による影響を上回る結果となった

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドルが軟調、ECB利下げ終了示唆でユーロが上昇

  • 米国の労働市場の弱さやECB(欧州中央銀行)の利下げ終了の可能性でドルが軟調。
  • トランプ大統領と中国の習主席の電話協議が市場心理に影響を与え、円安に。
  • ユーロはECBが利下げサイクル終了を示唆したことから一時的に上昇。

ドルが軟調な理由とは?

5日の外国為替市場でドルは小幅に下落しました。これは主に、以下の2つの要因が背景にあります。

米国の労働市場が弱含み


直近の新規失業保険申請件数が昨年10月以来7カ月ぶりの高水準となり、米国経済の軟化を示唆しています。

ECBの金融政策転換の可能性


ECBが政策金利を0.25%引き下げましたが、総裁が利下げサイクルの終盤を示唆したことで、ユーロ買い・ドル売りの動きが出ました。

ECBの利下げとは?

ECBは経済の刺激策として金利を引き下げます。利下げが終盤を迎えるということは、今後ECBの金融緩和策が減少し、ユーロの価値が安定する可能性があります。

円安が進んだ理由は?

一方、ドル/円は0.53%高の1ドル=143.53円と円安が進行しました。その背景には、

米中の電話協議の合意


トランプ大統領と習主席が貿易協議を継続するとの報道で、市場に安心感が広がり、安全資産としての円が売られました。

注目される今後の動き

ノムラの通貨ストラテジスト宮入氏は、「市場はドルショート(ドル売り)が主流だが、明るいニュースがあればドルは急速に買われる可能性がある」と指摘しています。今後の米経済指標や貿易協議の進展が、為替市場の動向を左右するでしょう。

まとめ

✅ 米失業保険申請が増加し、ドルが軟調に推移

✅ ECBが利下げの終盤を示唆、ユーロが対ドルで上昇

✅ 米中貿易協議の継続合意で円安傾向

✅ 今後の経済指標や貿易ニュース次第でドルの変動リスクあり

✅ 暗号資産ビットコインは約2.5%安で推移

原油は米中関係改善期待で反発、金は下落

原油相場の動き

原油先物相場は反発しました。これは米中貿易戦争に緩和の兆しが見えたことが主な要因となっています。

米中関係改善への期待が支援材料

CIBCプライベート・ウェルス・グループの専門家は以下のように分析しています

  • 米中首脳の電話会談により関税交渉の進展が期待される
  • これがリスク資産や原油にとって支援材料となった
  • 関税を巡る不透明感は原油相場の大きな重しとなっていた
  • 緊張状態の継続が需要予測の下方修正につながっていた

※リスク資産:経済情勢の変化により価格が大きく変動しやすい資産のこと

供給面でのタイト化懸念も浮上

トレーダーは短期的な原油供給の逼迫にも注意を向けています:

  • カナダで山火事が発生し、1日あたり約35万バレルの原油生産が停止
  • 米オクラホマ州クッシングの備蓄拠点への供給制限の可能性
  • これらの要因が原油価格の上昇要因として作用

※クッシング:米国の主要な原油備蓄・流通拠点

原油価格の終値

各市場での取引結果は以下の通りです:

  • WTI原油7月限(NYMEX):63.37ドル(前日比0.8%高)
  • 北海ブレント8月限(ICE):65.34ドル(前日比0.7%高)

※WTI:ウエスト・テキサス・インターミディエート、米国の代表的な原油指標 ※ブレント:北海で産出される原油で、国際的な価格指標

金相場の動き

金相場は反落しました。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は、24.10ドル(0.7%)安の3,375.10ドルで取引を終了しました。

※金相場の下落は、米中関係改善期待によりリスク回避の動きが弱まったことが要因と考えられます

まとめ

✅ 原油相場は米中貿易戦争緩和への期待から反発し、WTI・ブレントともに上昇した

✅ カナダの山火事による生産停止が短期的な供給懸念を生み、価格上昇を後押しした

✅ 金相場は米中関係改善期待によるリスク回避需要の後退で下落した

✅ 米中関税交渉の進展期待が商品市場全体の方向性を左右する重要な要因となっている