2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/11

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場が続伸、S&P500種は過去最高値で終了

  • 米株式市場は続伸し、S&P500指数は過去最高値を更新
  • 間もなく企業の決算シーズンが本格化
  • トランプ大統領が計画する関税政策への警戒感も一部で指摘される

米株式市場、過去最高値を更新

米国株式市場は堅調な動きを続けており、S&P500指数が過去最高値を更新しました。ダウ工業株30種平均やナスダック総合指数も上昇し、比較的穏やかな取引となりました。

株価指数 終値 前営業日比 変化率
S&P500 6280.46 +17.20 +0.27%
ダウ平均 44650.64 +192.34 +0.43%
ナスダック 20630.66 +19.32 +0.09%

個別企業の動向が相場を後押し

デルタ航空が明るい業績見通しを示したことで、航空株が軒並み上昇しました。特にデルタ航空株は12%も値を上げています。また、半導体大手エヌビディアは時価総額が再び4兆ドル(約580兆円)を超え、注目されています。

  • デルタ航空は旅行需要の回復を見込み、利益予想を再提示。

  • エヌビディアCEOのフアン氏は訪中前にトランプ大統領と会談予定。

  • テスラは11月に株主総会を開催予定、AIチャットボット搭載も発表。

トランプ政権の関税政策が焦点に

米国と欧州連合(EU)間での貿易摩擦が再び注目されています。JPモルガンのダイモンCEOは、関税の枠組みを早急にまとめる必要性を指摘しました。

関税とは?

輸入品に課す税金のことで、貿易相手国との交渉材料として使われることがあります。

市場関係者の間では、この関税政策の不透明感が米国経済に悪影響を与える可能性が懸念されています。特に、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが行われるかどうかに関しても、市場は注目しています。

今後の金融政策の行方は?

連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を今年これまで据え置いていますが、今後の利下げについては意見が分かれています。市場の投資家は年内2回の利下げを織り込んでいますが、関税問題の影響によっては利下げの可能性が低下するとの見方もあります。

投資家が注目すべきポイントは?

モルガン・スタンレーやUBSなどの専門家は以下を推奨しています。

  • 決算シーズンに向け、好業績が期待できる銘柄への投資。

  • 米国外株式やコモディティ(商品)、エネルギーインフラ、ヘッジファンドなど分散投資を検討。

  • 貿易交渉の行方を注意深く観察し、政策リスクを意識する。


まとめ

✅ 米株市場は続伸、S&P500は過去最高値を更新

✅ 航空株、エヌビディア、テスラなど個別株の動きが市場を支えた

✅ トランプ政権の関税政策が不透明で、市場は政策リスクを意識

✅ FRBの利下げ動向にも関税問題が影響を与える可能性

✅ 決算発表前に、業績好調銘柄への注目と分散投資が重要

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債市場:30年債入札好調も全体は軟調推移

米国債市場は全体的に軟調な動きとなりました。しかし、30年債については一時的に買われる場面もあり、前日とほぼ同じ水準で取引を終えています。

各年限の利回りは以下の通りです

  • 30年債利回り:4.87%(前日比変わらず)
  • 10年債利回り:4.35%(前日比1.6bp上昇)
  • 2年債利回り:3.87%(前日比2.7bp上昇)

※bp(ベーシスポイント):金利の単位で、1bp=0.01%

30年債入札の好調な結果

強い投資家需要

この日実施された30年債入札(発行額220億ドル)では、投資家から強い購入意欲が見られました。最高落札利回りは4.889%で、入札前の市場利回りとほぼ同水準となりました。

専門家の見解

  • JPモルガンの専門家:「米財政への懸念があるものの、10年債と30年債の入札は問題なく通過した」
  • ミシュラー・ファイナンシャルの専門家:「30年債利回りが5%に近い時に、長期債の購入を躊躇する投資家はいない」

雇用統計と金利政策への影響

失業保険申請件数の改善

  • 新規失業保険申請件数:22万7000件(4週連続減少)
  • エコノミスト予想:23万5000件を下回る良好な結果

金利政策の見通し

金利スワップ市場では以下が織り込まれています

  • 7月の金利据え置き
  • 年内2度の25bp利下げ
  • 年内利下げ幅:計53bp

他国の債券市場動向

各国の状況

  • 英国:政府債発行増加の懸念から国債利回りが上昇
  • 日本:参院選での積極財政公約への警戒から、国債利回りが20bp上昇

まとめ

✅ 米国債市場は全体的に軟調だったが、30年債入札では強い投資家需要が見られた

✅ 失業保険申請件数の改善により、労働市場の底堅さが確認された

✅ 金利政策では年内2度の利下げが市場で織り込まれている

✅ 30年債利回りが5%近い水準で、長期債への投資魅力が高まっている

✅ 来週発表される消費者物価指数(CPI)が今後の金利動向を左右する重要な指標となる

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドルは結局横ばい、米失業保険統計を受け一時的な動きに

  • ドル指数は米失業保険統計後に一時上昇したが、最終的には横ばい
  • 円はドルに対し若干の上昇、貿易摩擦の影響で今後の動向が注目される
  • トランプ大統領によるブラジルへの関税措置が発表され、ブラジルレアルが一時急落した

米国のドル指数(ドルの価値を示す指標)は朝方、失業保険申請件数の発表を受けて一時上昇しましたが、その後の取引では落ち着きを取り戻し、結局前日とほぼ同じ水準で取引を終えました。

ドル指数とは?

  • 米ドルの価値を主要通貨に対して総合的に示した指標です。米ドルが強いか弱いかの判断基準として利用されています。

円相場、小幅ながらしっかりと推移

円は対ドルで一時的に下げたものの、最終的にはほぼ横ばいの146.27円付近で取引を終えました。背景には貿易摩擦の影響があり、市場関係者からは日銀が政策を引き締められない理由として指摘されています。

貿易摩擦とは?

  • 国家間で輸出入に関する関税などを巡って起きる対立や経済的な摩擦のことです。

トランプ大統領の関税政策、ブラジルレアルが急落

トランプ米大統領がブラジル製品に対して8月1日から50%の関税を課すと表明しました。これを受けブラジルレアルは一時2.8%急落。ただその後は下げ幅を縮小し、0.56%安となっています。ブラジル政府も同様の関税措置を検討しており、米国との貿易摩擦が拡大する可能性があります。

一方でブラジルを除く他国への関税措置は以前と同じ水準だったこともあり、市場は概ね落ち着いた反応を見せました。

ビットコイン、史上最高値を更新

暗号資産のビットコイン(BTC)は11万3820ドルまで値上がりし、史上最高値を再度更新しました。機関投資家の関心が高まっていることや、トランプ大統領が暗号資産に好意的な政策を示していることが支援材料となっています。


まとめ

✅ドル指数は米経済指標を受け一時的に上下するも最終的には横ばい

✅円相場は貿易摩擦の影響で動きが鈍く、日銀の金融政策にも影響

✅トランプ大統領のブラジルへの関税発表でブラジルレアルが一時大きく下落

✅市場は米国の関税措置に対して冷静に反応している

✅ビットコインは機関投資家の買いなどで史上最高値を更新

原油

価格の下落

  • WTI原油8月限:66.57ドル(前日比1.81ドル下落、2.6%安)
  • 北海ブレント9月限:68.64ドル(前日比2.2%安)

下落要因

  • OPECプラスが10月からの供給拡大を休止する方向で協議中
  • この動きが需要減退の兆しと市場で解釈される
  • トランプ大統領がブラジルに50%の関税を発表
  • 銅の輸入にも50%の関税(8月1日発動)
  • 貿易戦争の悪化が売り材料

需要への懸念

  • 世界の原油需要は第3・4四半期に日量100万バレル未満の増加にとどまる見通し
  • 関税政策の圧力が需要を抑制
  • 需要ピーク期後の供給過剰リスクを懸念

価格の上昇

  • 金スポット価格:3325.29ドル(前日比11.63ドル高、0.4%上昇)
  • COMEX金先物8月限:3325.70ドル(前日比4.70ドル高、0.1%上昇)

上昇要因

  • 関税措置による長期的影響への不透明感
  • 安全資産としての金需要が高まる
  • 銅価格上昇の波及効果で金属商品全般に買い

上値を抑える要因

  • 新規失業保険申請件数が4週連続減少(労働市場の底堅さ)
  • セントルイス連銀総裁が早期利下げに慎重姿勢
  • FOMC議事要旨で7月利下げ支持は2人のみ
  • 利下げ再開は9月以降との見方
  • 米長期金利上昇でドル高進行
  • ドル建て金の割高感が意識される

まとめ

✅ 原油はOPECプラスの供給拡大休止協議が需要減退の兆しと解釈され下落

✅ 関税政策の影響で原油需要抑制への懸念が高まっている

✅ 金は関税措置による不透明感から安全資産需要で続伸

✅ 労働市場の底堅さと金利政策の慎重姿勢が金の上値を抑制