2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/25

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株が最高値更新!AI銘柄が牽引も、一部企業は不安材料あり

  • 米国株式市場でS&P500とナスダックが終値で最高値更新
  • アルファベットなどAI関連銘柄の好調が市場を後押し
  • 一方でテスラなど、一部の企業には業績悪化の懸念も
  • 労働市場が堅調なため、米国の利下げ期待が後退

AI銘柄への期待感が米国株の上昇を支える

24日の米国株式市場では、S&P500種株価指数が6363.35で取引を終え、4営業日連続で小幅ながら終値ベースの最高値を更新。

特に注目されたのは、Googleの親会社アルファベットです。決算でAI関連製品への旺盛な需要が確認されたことで、AI銘柄への投資家の期待がさらに高まりました。

アルファベットのほかにも、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾンなどの大手ハイテク企業の株価も堅調に推移し、ナスダック指数も上昇しました。

  • アルファベット(Googleの親会社): 約1%上昇

  • マイクロソフト: 約1%上昇

  • エヌビディア、アマゾン: ともに約1.7%上昇

AI(人工知能)への投資や期待感が株式市場の上昇を支えていることが分かります。


AIとは?

AI(人工知能)とは、人間のように学習・推論・判断を行うことができるコンピューターのこと。近年、技術の進歩と共に需要が高まっています。


テスラなど一部企業は業績悪化の懸念も

一方で、すべてが好調というわけではありませんでした。特に電気自動車(EV)大手のテスラは、売上が過去10年以上で最も大きく落ち込み、株価は8.2%急落。

米政府がEV向けの優遇措置を削減したことで、イーロン・マスクCEOが「今後数四半期は厳しい状況が続く」と警告したためです。

そのほか、以下の企業も苦戦しています。

  • ユナイテッドヘルス(医療保険): 司法省の調査協力報道を受け4.8%下落

  • IBM(IT大手): ソフトウェア部門の売上低迷で8%近く下落

  • ハネウェル(重工業): 業績は予想を超えたが、株価は6.2%下落

  • アメリカン航空: 旅行需要低迷で約10%急落


労働市場は依然として底堅い

経済指標では、新規失業保険申請件数が6週連続で減少するなど、雇用市場は安定しています。これは、米連邦準備制度理事会(FRB)が近いうちに利下げを行う可能性を低くする要因です。市場では、FRBが利下げをしないことが投資家にとって安心材料と考えられているようです。


FRBとは?

FRB(米連邦準備制度理事会)はアメリカの中央銀行制度を統括する機関で、政策金利を調整して経済を安定化させる役割を担っています。


市場は楽観的だが、リスク管理の重要性も高まる

米国株式市場の上昇は継続していますが、一部では「株価の上昇が行き過ぎているのでは?」という懸念も生まれています。ゴールドマン・サックスやシタデル・セキュリティーズなどは、万が一の下落リスクに備えるため、安価なヘッジ(リスク対策のための取引)を推奨しています。


ヘッジとは?

ヘッジとは、価格変動リスクを抑えるために行う取引のことです。例えば、保有する株式の価格下落に備えてオプション取引などを利用します。


今後の注目ポイント

来週発表される米国の雇用統計が、市場に新たな方向性を与える可能性があります。労働市場が引き続き堅調であることが示されれば、市場の安心感はさらに高まるでしょう。一方、関税政策やFRBの政策が予想外の方向に動けば、株価の変動が激しくなる可能性もあります。


まとめ

✅ 米国株はAI関連銘柄が牽引し、最高値を更新

✅ アルファベットの好決算がAIへの期待をさらに高める

✅ テスラは売上低迷で株価急落、業績悪化の企業もあり

✅ 労働市場の安定でFRBの利下げ期待は後退

✅ 市場の上昇が続く中、リスクヘッジの重要性も指摘される

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債相場が下落、利回りは上昇

米国債相場は続落し、利回りが上昇しました。これは債券価格が下がることを意味しており、投資家の米国債への需要が減少していることを示しています。

主要な利回り変動(前営業日比)
  • 米30年債利回り:4.94%(+0.3bp)
  • 米10年債利回り:4.40%(+1.8bp)
  • 米2年債利回り:3.92%(+3.8bp)

※bp(ベーシスポイント):金利の単位で、1bp = 0.01%

労働市場の改善がFRBの判断を複雑化

失業保険申請件数が6週連続で減少

新規失業保険申請件数が6週連続で減少し、労働市場の底堅さが確認されました。これにより、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策運営がより難しい局面を迎えています。

利下げ観測の後退

金利スワップ市場では、以下のような状況となっています:

  • 年内の利下げ幅:42bp織り込み済み
  • 最初の利下げ時期:10月のFOMC会合との予想
  • ただし、利下げ観測はやや後退

専門家の見解

DWSアメリカズの債券責任者ジョージ・カトランボーン氏は次のように指摘しています

「失業率が4.1%の状態でFRBが利下げを行うのは説得力に欠ける。FRBが動けない状況にある以上、利回りが現在のレンジを上抜けるのには限界がある」

貿易協議の進展も影響

安全資産需要の減少

以下の要因により、安全資産とされる米国債への需要が減少しました

  • 日米貿易協定の合意期待
  • 米国とEU(欧州連合)との関税協議進展への期待
  • 8月1日の関税措置猶予期限を前にした交渉進展

まとめ

✅ 米国債利回りは全般的に上昇し、特に短期債(2年債)の上昇幅が大きくなりました

✅ 労働市場の改善により、FRBの利下げ実施が困難な状況となっています

✅ 貿易協議の進展期待により、安全資産である米国債への需要が減少しています

✅ 市場では10月のFOMC会合での利下げを予想していますが、観測は後退傾向にあります

✅ 現在の経済環境では、金利の大幅な変動は限定的との見方が示されています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ECB金利据え置き、ユーロは小動き-ドル円は日米合意受け147円台に

  • ECB(欧州中央銀行)が政策金利を据え置き、「様子見」姿勢に
  • ユーロは対ドルで小幅安、追加利下げの観測は後退
  • 日米貿易合意を好感し、ドル円は147円台に回復

ECBは金利据え置き、「様子見」の姿勢を示す

外国為替市場では、ECBが政策金利を据え置いたことでユーロが注目されましたが、市場の反応は限定的でした。

ECBのラガルド総裁は政策発表後の記者会見で、「ECBは様子見に入ったと言えるかもしれない」と述べました。これを受けて、市場では追加の利下げが遠のいたと判断され、ユーロは対ドルでほぼ横ばいの推移となっています。

ハト派姿勢のピークは過ぎた?

マニュライフ・インベストメントのエリカ・カミレリ氏は「ECBのハト派(景気刺激重視)姿勢はピークを過ぎた」と分析。今後の追加利下げは、インフレよりも成長や貿易交渉の進展次第になると予測しています。

ハト派とは?
景気が悪化した際に、金融緩和や利下げを積極的に行い、景気回復を目指す姿勢のこと。


日米貿易合意受け、円安ドル高の動き

一方、ドル円相場は日米貿易合意の進展が好感され、円安・ドル高方向へと動きました。一時2週間ぶりの安値(円高)145.86円を付けた後、終盤には147円付近に戻しています。

日銀の内田副総裁が日米交渉妥結を「不確実性低下の大きな前進」と評価したことで、市場では日銀が利上げに動くとの見方も出ており、円相場には引き続き注目が集まります。


米国のFOMCは様子見か?

米連邦公開市場委員会(FOMC)は来週29~30日に開催されますが、市場では政策金利据え置きの予想が多数派。9月の利下げ予想確率は約60%と見られ、今後の動向が注視されています。


為替相場の直近値

ドル指数(主要通貨に対するドルの強さを示す指数)
  • 1195.20(前日比+0.18%)
ドル/円
  • 147.00円(前日比+0.33%)
ユーロ/ドル
  • 1.1747ドル(前日比-0.20%)

まとめ

✅ ECBは金利据え置きで追加利下げ観測は後退、ユーロは小動き

✅ 日米貿易合意が円安ドル高を促進、ドル円は147円台に

✅ 米FOMCは来週開催、9月利下げ確率は約60%で様子見姿勢

原油が5営業日ぶり反発

主な上昇要因

  • 米EU関税交渉進展への期待
  • WTI先物が50日移動平均線を突破(テクニカル買い)

価格動向

  • WTI先物9月限:1バレル66.03ドル(前日比+1.2%)
  • ブレント原油9月限:69.18ドル(前日比+1%)

※WTI:米国産原油の価格指標、ブレント:国際的な原油価格指標

一時的な下落要因

  • ベネズエラでのシェブロン石油生産再開認可
  • 過剰供給への懸念

金は続落

下落要因

  • 米新規失業保険申請件数の改善
  • 労働市場の強さから政策金利据え置き観測
  • 中国からの金ETF資金流出

※ETF:上場投資信託

価格動向

  • 金スポット価格:1オンス2373.12ドル(前日比-14.17ドル)
  • 金先物12月限:2431.10ドル(前日比-0.7%)

専門家の見解

原油市場:バークレイズ分析
  • 狭いレンジでの値動きが継続
  • 市場参加者は楽観的姿勢を強化
金市場:TDセキュリティーズ分析
  • 中国資金流出が相場の重し
  • 上海市場の金プレミアム低下と連動

まとめ

✅ 原油は米EU関税交渉期待とテクニカル要因で5営業日ぶり反発

✅ 金は米労働市場改善による金利据え置き観測で続落

✅ 原油市場は楽観的ムードが強まっている

✅ 金市場は中国からの資金流出も下押し要因