2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/30

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

 

目次

 ファンダメンタル分析【オススメ】書籍紹介(書評)サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場は下落、バリュエーション懸念が再燃―関税停止延長期待は後退

  • 米株式市場は29日に下落、特にバリュエーション(株価水準の割高さ)への懸念が再び高まった
  • 米中関税停止延長への期待があったが、市場はそれに対して冷ややかな反応
  • 大手企業の決算や経済指標は強弱まちまちで、市場参加者は慎重姿勢

米株は反落、相場を支える材料不足

7営業日ぶりに反落した29日の米株式市場。前日は最高値更新と好調でしたが、この日は朝方の上昇を維持できず下落しました。理由としては以下があります

米中の関税交渉延長も、市場は反応薄

米財務長官が「米中間で関税停止期限の延長を協議中」と述べました。しかし、市場はこれをポジティブに受け止めず、交渉が市場の材料としての効果を弱めていると指摘されています。

関税停止とは?
貿易摩擦の解決を目指して互いに関税措置を一時的に停止する措置。

今後の注目イベント

今週は重要なイベントが多数予定されています。

  • 米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利発表

  • 米雇用統計

  • 大手ハイテク企業(マイクロソフト、メタ、アップル、アマゾンなど)の決算発表

市場は、特にFOMCやハイテク企業の決算内容に注目しています。

FOMCとは?
米連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定機関で、政策金利を決定する重要な会合。

経済指標や決算発表は強弱まちまち

この日に発表された経済指標は、明暗が分かれました。

良い材料

  • 7月の消費者信頼感指数が改善
  • 労働市場の安定感は継続

悪い材料

  • 6月の求人件数は3カ月ぶりの減少

決算発表でも明暗が分かれました

  • ユナイテッドヘルス:利益見通しが市場予想を下回り、株価は7.5%下落。

  • ボーイング:赤字が予想より小さかったが、株価は4.4%下落。

  • UPS:利益見通しを示さず、米貿易政策による業績懸念から株価は10.6%急落。

これらにより、ダウ工業株30種平均は204.57ポイント(-0.46%)下落しました。


専門家の見方

市場関係者の多くは短期的な変動に注意を促しながらも、長期的には米国株に強気な姿勢を保っています。

  • UBSのホフマン氏:「1年後には株価は上昇すると見込むが、短期的には大きく変動する可能性がある。」

  • ゴールドマン・サックスのオッペンハイマー氏:「関税問題が解決しても、米株の割高なバリュエーションはリスク。分散投資が望ましい。」


まとめ

✅ 米株式市場はバリュエーション懸念から下落

✅ 関税停止延長の期待が市場の支えにならず

✅ 今後のFOMC、雇用統計、大手企業決算に注目

✅ 経済指標・企業決算は強弱まちまちで市場の方向感は不透明

✅ 専門家は長期的には強気姿勢、短期的には慎重

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債相場が急上昇、7年債入札で異例の強い需要

米国債相場が上昇し、利回りが低下しました。特に7年債の入札で強い需要が見られたことが相場上昇の要因となっています。

主要な利回りの変化
  • 30年債利回り:4.86%(前日比-9.7bp低下)
  • 10年債利回り:4.32%(前日比-8.7bp低下)
  • 2年債利回り:3.87%(前日比-5.9bp低下)

※bp(ベーシスポイント):金利の単位で、1bp = 0.01%のことです

7年債入札で異例の強い需要

入札結果の詳細

7年債入札(発行額440億ドル)では以下の結果となりました

  • 最高落札利回り:4.092%
  • 応札倍率:2.79倍(2012年以来の高水準)
  • プライマリーディーラーの落札比率:わずか4%(2004年以降最低)

なぜ注目されるのか

プライマリーディーラー(政府指定の証券会社)の落札比率が低いということは、他の投資家からの需要が非常に強かったことを意味します。これは市場関係者にとって予想外の結果でした。

市場関係者の反応

ナティクシス・ノースアメリカの専門家は、重要なイベントが控える中での大幅な相場上昇を「やや驚きだった」と評価しています。

今週控えている重要イベント
  • 四半期定例入札の詳細発表
  • FOMC会合(連邦公開市場委員会)
  • 雇用統計の発表

今後の注目ポイント

トランプ政権の方針

30日に発表される四半期定例入札では、トランプ政権が長期債利回りを抑制するためにどのような方針を示すかが注目されています。

労働市場の変化

6月の求人件数データが労働市場の軟化を示唆しており、これも債券相場に影響を与えています。

まとめ

✅ 米国債相場が上昇し、特に長期債の利回りが約10bp低下しました

✅ 7年債入札で2012年以来の高い応札倍率を記録し、強い需要が確認されました

✅ プライマリーディーラーの落札比率が過去最低水準となり、市場の需要の強さを示しました

✅ 労働市場軟化の兆候やFOMC会合を控えたポジション調整も相場上昇の要因となりました

✅ トランプ政権の債券発行方針や今後の金融政策動向が注目されています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル4日続伸も勢い鈍化、ユーロは貿易合意懸念で4日続落

  • ブルームバーグ・ドル指数: 1,209.98(前日比+1.86、+0.15%)
  • ドル/円: 148.47円(前日比-0.06円、-0.04%)
  • ユーロ/ドル: 1.1546ドル(前日比-0.0043ドル、-0.37%)

ドルの動き

  • ドル指数は4営業日続伸となりました
  • 一時約1カ月ぶりの高値を記録
  • ただし専門家は「ドル上昇の勢いは鈍りつつある」と指摘

円の動き

  • ドルに対して小幅に上昇
  • 1ドル=148円台半ばで推移
  • 前日終値を挟んだ比較的安定した動き

ユーロの動き

  • 4営業日続落となりました
  • 主要通貨の中で対ドルでの下げが最も大きい
  • 一時0.6%安の1ユーロ=1.1519ドルまで下落

市場を動かした要因

貿易交渉の進展

  • 米中関税協議: 90日間の関税・輸出規制一時停止措置の延長で合意
  • 米EU関税交渉: 枠組み合意に達成(EU製品への関税率15%)
  • 日米貿易交渉: 相互関税15%で合意
  • これらの合意により「下振れリスクが解消され、安心感が広がった」と専門家は分析

EUへの経済的影響懸念

  • 米EU関税合意でEU側が受ける経済的影響への懸念
  • この懸念がユーロ売りの主な要因となっています

今後の注目ポイント

FOMC会合(29-30日開催)

※FOMC:アメリカの金利政策を決定する重要な会議

  • 金利据え置きが大勢の見方
  • ただし一部のFRB理事が利下げ支持の反対意見を表明する可能性
  • パウエル議長の発言が今後の為替相場に大きな影響を与える見込み

雇用統計発表(8月1日予定)

  • 非農業部門雇用者数の市場予想が10万人増と低水準
  • 弱い労働市場データが出ればドル売りが加速する可能性
  • 専門家は「ドルに対する短期的なファンダメンタルズの逆風が強まる可能性」と警戒

日銀金融政策決定会合(30日-2日間)

  • 現状維持となる可能性が高い
  • 円相場への影響は限定的と予想

専門家の見解

ドルの今後の動向について

  • シティグループ: 「7-9月期もドル売りが続く可能性。弱い米労働市場データが要因となる公算大」
  • バノックバーン・グローバル・フォレックス: 「現在のドル上昇がトレンド変化かテクニカル調整かが焦点」

※テクニカル調整:チャートの動きに基づく一時的な価格修正

短期的なリスク要因

  • 8月1日の雇用統計結果
  • FOMC会合での政策決定とFRB理事の発言
  • 貿易協定の具体的な実施内容

まとめ

✅ ドル指数は4営業日続伸したものの、上昇の勢いは鈍化しつつあります

✅ ユーロは米EU関税合意への懸念から4営業日続落となり、主要通貨で最も弱い動きです

✅ 米中、米EU、日米の貿易交渉進展により市場の安心感が広がっています

✅ 今週のFOMC会合と8月1日の雇用統計が今後の為替相場の方向性を決める重要な材料となります

原油が続伸

トランプ発言の影響

  • ロシアに10日以内のウクライナ停戦合意を要求
  • 応じなければ経済制裁を科すと警告
  • ロシア産原油供給逼迫への懸念が高まる

価格動向

  • WTI原油:69.21ドル(+3.75%)
  • 北海ブレント:72.51ドル(+3.5%)
  • 両銘柄とも6月以来の高値

※WTI:アメリカの代表的な原油価格指標

金も反発

FOMC控えで上昇

  • 金スポット価格:3325.63ドル(+0.3%)
  • 金先物:3381.20ドル(+0.4%)

※FOMC:アメリカの金融政策決定機関

注目イベント

  • 30日のFOMC政策決定
  • 米雇用統計発表
  • 関税協議(8月1日期限)

まとめ

✅ トランプ大統領の対ロ制裁警告で原油が6月以来の高値

✅ ロシア産原油供給逼迫懸念が価格押し上げ要因

✅ 金相場はFOMC控えで反発、重要イベント前の買いが入る

✅ 今後は制裁実施とOPECプラス動向に注目