2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/13

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場、CPI受け最高値更新 9月利下げ観測が追い風

  • 米7月CPIはほぼ予想通りで、インフレ加速懸念が後退
  • 9月のFRB利下げ観測が強まり、株式市場は反発
  • S&P500・ナスダック総合ともに最高値を更新
  • 小型株や銀行株、航空株も大幅高

CPIの結果と市場の反応

7月の米消費者物価指数(CPI)は以下の通りです。

  • 総合CPI:前年比+2.7%(予想2.8%、前月同2.7%)

  • 総合CPI(前月比):+0.2%(前月0.3%)

  • コアCPI(食品・エネルギー除く):前月比+0.3%(市場予想通り)

CPIとは?
消費者物価指数のことで、物価上昇(インフレ)を示す指標です。総合CPIは全体の物価動向を、コアCPIは価格変動の大きい食品とエネルギーを除いた基調的なインフレを示します。

今回の結果は、インフレが加速しすぎていないことを示し、FRB(米連邦準備制度理事会)による9月利下げの可能性が高まったと市場は受け止めました。


株価の動き

  • S&P500種株価指数:6,445.76(+1.13%、最高値更新)

  • ダウ工業株30種平均:44,458.61(+1.10%)

  • ナスダック総合指数:21,681.90(+1.39%、最高値更新)

  • ラッセル2000指数(小型株):約+3%

AI関連銘柄や好調な企業決算が引き続き株価を押し上げ、銀行株や航空株など景気敏感株にも買いが入りました。
特に、航空株は航空運賃が前月比4%上昇したことで8.9%の大幅高。銀行株も金利差の拡大(利回り曲線のスティープ化)期待から2.1%高となりました。


個別銘柄の注目動向

  • アルファベット(GOOGL):+1.2%
    → パープレキシティAIがChromeの買収を提案したとの報道が材料

  • インテル(INTC):+5.6%
    → トランプ大統領とCEOの会談が好感され買い進まれる


専門家の見方

  • 「インフレは上昇傾向だが、懸念ほどの伸びではない。短期的には市場に好材料」
    (モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメント)

  • 「今回のCPIはFRBの9月利下げシナリオを後押し」
    (ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)


まとめ

  • CPIは予想通りで、インフレ加速懸念が後退

  • 9月利下げ観測が強まり、株式市場は全面高

  • S&P500・ナスダック総合が最高値を更新

  • 航空株・銀行株・小型株が大幅上昇

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り低下、9月利下げ観測が一段と強まる

  • 米2年債利回りが低下し、短期金融市場での9月利下げ確率は約94%に上昇
  • CPI(消費者物価指数)は市場予想とほぼ一致、インフレ上振れ懸念は後退
  • FRBは労働市場動向に注目しており、0.5ポイントの利下げ予想も

CPI発表と国債利回りの動き

12日発表の7月CPIは、コアCPI(食品・エネルギー除く)が前年同月比3.1%上昇と、2月以来の高い伸びでしたが、市場予想通りの内容でした。
これを受け、金融政策に敏感な米2年債利回りは3.73%へ低下。CPI発表前は80%台だった9月利下げ確率が94%まで上昇しました。

主な国債利回り(米東部時間16時41分)

  • 米30年債:4.88%(+2.5bp)

  • 米10年債:4.29%(+0.2bp)

  • 米2年債:3.73%(-4.0bp)


市場関係者の見方

クレジットサイツ ザカリー・グリフィス氏

  • 「インフレの上振れがなかっただけで利下げ織り込みが進む可能性。FRBは9月に利下げを行い、恐らく0.5ポイント(0.5%)幅になるだろう」

ナティクシス ジョン・ブリッグス氏

  • 「市場はもっと悪い数字を警戒していた。予想通りの結果で安心感が広がった」

まとめ

  • 米CPIは予想通りでインフレ上振れ懸念が後退

  • 米2年債利回りは低下、9月利下げ確率94%に

  • FRBは労働市場の動向を重視、0.5ポイント利下げ観測も

  • 関税の物価押し上げ効果は限定的

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

米ドル下落、CPI低調で利下げ観測強まる

  • 米ドルは主要通貨に対し下落、円は一時147円58銭まで上昇
  • FRBの9月利下げ観測が強まり、連続利下げの可能性にも言及
  • 労働統計局の月次雇用統計発表を停止し四半期ベースに変更する提案が影響
  • パウエル議長はジャクソンホール会議で利下げを示唆する可能性

為替市場の動き

  • ドル指数:1203.14(前日比 -0.42%)

  • ドル/円:147.84円(-0.21%)

  • ユーロ/ドル:1.1674ドル(+0.51%)

  • 円は対ドルで一時0.4%高の147円58銭を記録


主な要因

7月CPI結果

  • 前年同月比:+2.7%(前月から横ばい)

  • 前月比:+0.2%(前月の+0.3%から鈍化)
    この鈍化により、FRBの利下げ観測が一段と強まった。

各専門家の見方

  • PIMCO:インフレ圧力は管理可能、FRBに好材料

  • スコシアバンク:CPI下振れは短期的なドル上値抑制要因

  • フォレックス・ドットコム:連続利下げならドルは高金利通貨に対して下落しやすい


政策・人事の影響

  • 労働統計局改革案:月次から四半期ベースへ変更提案 → ドル下落を拡大

  • FRB議長人事:ジェームズ・ブラード前総裁が後任受け入れの可能性を表明

  • FRB見通し:9月から1年間で合計1%ポイントの利下げ予想


今後の注目

  • ジャクソンホール会議(8/21-23)でパウエル議長が9月利下げの意向を示すか

  • 秋以降、関税措置や世界景気減速の影響でドル相場がどう動くか不透明


まとめ

  • 7月CPI鈍化でFRBの9月利下げ観測が一段と強まった

  • ドルは主要通貨に対して下落、円高基調

  • 労働統計改革案や議長人事も市場に影響

  • 今後はジャクソンホール会議が大きな材料

 

原油市場

下落要因

  • ニューヨーク原油先物(WTI)9月限は前日比1.2%安の63.17ドル

  • 夏枯れ相場の中、8月15日の米ロ首脳会談で制裁緩和につながるかが注目点

  • 米中が高関税の一時停止措置延長

  • 7月米CPI発表後の消化売り

需給見通し

  • EIA短期見通し:米国内原油生産は長年の増産傾向から来年減産へ

  • IEA月報:13日に発表予定

  • 北海ブレント10月限は0.8%安の66.12ドル


金市場

上昇要因

  • スポット価格は1オンス=3346.38ドル(前日比4ドル高)

  • CPIで物価上昇が抑制 → 利下げ観測強まる

  • 次期BLS局長候補が雇用統計の月次発表停止案 → ドル売り優勢 → 金買い支援

不安定な値動き

  • 一時0.5%上昇する場面もあったが、プラス圏とマイナス圏を行き来

  • トランプ氏が「金輸入に関税をかけない」と発言も、詳細は不透明

  • COMEX金先物12月限は**3399.00ドル(0.2%安)**で引け


まとめ

  • 原油は米ロ首脳会談や需給見通しが重しとなり下落

  • 金は利下げ観測とドル安が支えとなり上昇

  • 米CPI発表後、市場は9月のFRB利下げをほぼ織り込み済み

  • 米エネルギー市場は供給減少観測、貴金属市場は金融緩和期待が焦点