2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/14

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式、利下げ期待で続伸 S&P500とナスダックが連日最高値

  • S&P500とナスダック総合が2日連続で最高値更新
  • 小型株指数ラッセル2000は約2%上昇し6カ月ぶり高値
  • 利下げ観測強まり、9月FOMCでの25bp利下げは完全織り込み
  • 大型ハイテク株は軟調、アップルはAI事業拡大報道で上昇

株式市場の動き

米国株式市場は14日も上昇

S&P500種株価指数(終値 6,466.58、+0.32%)とナスダック総合指数(終値 21,713.14、+0.14%)が2日連続で最高値を更新しました。

ダウ平均は+1.04%高と堅調、小型株中心のラッセル2000は約2%上昇し半年ぶりの高値となりました。

全体ではS&P500銘柄のうち約420銘柄が上昇しましたが、エヌビディア、アルファベット、マイクロソフトなど大型テクノロジー株は下落しました。


上昇を支える要因

  • 利下げ期待:CMEフェドウォッチによれば、9月FOMCでの25bp(0.25%)利下げは完全織り込み

  • 財務長官発言:ベッセント財務長官は、9月に50bp(0.5%)利下げの可能性を示唆し、将来的に150~175bpの利下げ余地があると発言。

  • 幅広い銘柄の上昇:ヘルスケアセクターは1.6%上昇。小型株にも資金が流入。


個別銘柄動向

  • アップル(+1.6%):AI搭載ロボットやホームセキュリティー、スマートディスプレーへの事業拡大報道が好感。

  • コアウィーブ(-21%):AI向けクラウド事業、第2四半期赤字が予想以上で急落。

  • パラマウント・スカイダンス(+36.7%):UFCの7年間独占放映権を獲得し急騰。


市場関係者の見方

  • パラス・キャピタル:関税懸念の後退と企業業績の堅調さ、秋の利下げ観測が株高要因。ただし「今年の上昇分の多くは既に出尽くした可能性」

  • パイパー・サンドラー:今夏も上昇余地あり。FOMO(乗り遅れ恐怖症)が相場を押し上げる可能性を指摘


まとめ

  • S&P500とナスダックが2日連続最高値

  • 利下げ観測強まり、幅広い銘柄に資金流入

  • 大型ハイテク株は軟調も、小型株とヘルスケアが上昇

  • 個別ではアップル上昇、コアウィーブ急落、パラマウント急騰

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り低下、9月利下げ観測が一段と強まる

  • 米国債相場は上昇(利回りは低下)し、9月の利下げ観測が急速に強まった
  • 財務長官は「9月0.5ポイント利下げ」を含む大幅利下げを示唆
  • 株価は続伸し、S&P500は小幅ながら連日最高値を更新

国債市場の動き

13日の米金融市場では、米国債利回りが大幅に低下しました。

  • 米2年債:3.67%(-5.6bp)

  • 米10年債:4.23%(-5.4bp)

  • 米30年債:4.83%(-5.2bp)

背景には、FRB(連邦準備制度理事会)による9月の利下げ観測が一段と強まったことや、前日の長期金利上昇を受けた外国人投資家の買いが入ったことがあります。


利下げ観測の高まり

短期金融市場では、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での0.25ポイント利下げは完全に織り込み済み。さらに0.5ポイントの大幅利下げを見込む動きも出ています。

  • ベッセント米財務長官
    「9月の0.5ポイント利下げを皮切りに、一連の利下げを実施できる」と発言。
    5~7月の雇用統計が弱かったことを受け、6月・7月にも利下げが可能だったと述べました。

  • 市場予想(UBS)
    来月から2026年1月まで各会合で25bpずつ利下げ、合計100bpを見込む。

  • BMOキャピタル
    50bp利下げは基本シナリオではないが、今後数週間で市場がその可能性を織り込む余地はあると指摘。


今後の注目指標

  • 14日:米生産者物価指数(PPI)

  • 15日:7月小売売上高、8月ミシガン大学消費者マインド指数

  • 29日:PCE価格指数(FRBが重視するインフレ指標)


用語補足

  • bp(ベーシスポイント):金利や利回りの変化幅を示す単位。1bp=0.01%

  • FOMC:米国の金融政策を決定する会合

  • PCE価格指数:個人消費支出の物価変動を測る指標で、FRBがインフレ判断に重視


まとめ

  • 米国債利回りは大幅低下、9月利下げ観測が加速

  • 財務長官が「0.5ポイント利下げ」の可能性に言及

  • 市場は0.25ポイントを織り込みつつ、0.5ポイントも視野に

  • 今後のPPIや小売売上高などが利下げ判断のカギ

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル下落、円とユーロ上昇 米利下げ観測が加速

  • 米財務長官が9月からの大幅利下げを求め、市場はほぼ100%織り込み
  • ドル指数は7月28日以来の安値、ドル/円は一時147円09銭まで円高
  • CPIと雇用統計の弱さが利下げ観測を後押し
  • 政府からFRBへの圧力が市場心理を冷やす

ドル売り加速の背景

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して続落しました。

背景には、ベッセント米財務長官が「9月に0.5%利下げを開始し、その後も一連の利下げが可能」と発言したことがあります。これにより、

  • CMEフェドウォッチで9月FOMCでの0.25%利下げ確率は99.9%

  • 一部では0.5%の大幅利下げ観測も浮上

特に7月のCPI(消費者物価指数)が緩やかな伸びにとどまり、さらに5・6月の雇用者数が下方修正されたことが、利下げを正当化する材料になっています。


市場の反応

  • ブルームバーグ・ドル指数:1201.06(前日比-0.17%)、7月28日以来の安値

  • ドル/円:147.33円(-0.34%)、一時147.09円まで円高

  • ユーロ/ドル:1.1705ドル(+0.26%)、一時7月28日以来の高値


FRBへの政治的圧力

トランプ米大統領は、パウエル議長を強く批判し「大規模な訴訟」を検討すると発言。

スコシアバンクやコメルツバンクのアナリストは、こうした政治的圧力は市場の不安要因であり、ドルの信認を損なう恐れがあると警告しています。


用語補足

  • CPI(消費者物価指数):物価の変動を示す指標。インフレ率の目安となる

  • FOMC(連邦公開市場委員会):米国の金融政策を決定する会合

  • bp(ベーシスポイント):金利の単位。1bp=0.01%


まとめ

  • 米利下げ観測がほぼ確定的となり、ドル売りが進行

  • CPIの伸び鈍化と雇用統計の下方修正が材料

  • 政府のFRBへの圧力がドル相場の重荷に

  • 円とユーロは対ドルで上昇し、7月末以来の高値水準へ

 

原油価格は続落、金価格は上昇 — 在庫増加と弱気見通しが影響

  • 米原油在庫の増加とIEAの弱気見通しで原油価格が下落
  • OPECプラスの増産で原油は年初来13%安
  • 米ロ首脳会談でロシア産原油制裁緩和の可能性に注目
  • 金は利下げ観測強まり上昇基調

原油市場の動向

在庫増加と弱気見通しが重し

米エネルギー情報局(EIA)の週間統計によると、原油在庫は約300万バレル増加し、2カ月ぶりの高水準となりました。
国際エネルギー機関(IEA)は月報で、2026年に世界の原油市場が過去最大の供給過剰に陥る可能性を指摘。これに加え、米政府も原油供給余剰見通しを引き上げ、市場の先行き懸念が強まりました。

OPECプラスの増産と価格推移

OPECプラスによる増産を背景に、原油価格は年初から13%下落
足元では夏枯れ相場(※取引量が減少し値動きが小さくなる時期)もあり、値動きは限定的です。

米ロ首脳会談が注目材料に

15日に予定される米アラスカ州での米ロ首脳会談が市場の焦点です。
制裁緩和の可能性が原油供給を左右するため、投資家は様子見姿勢を保っています。


金市場の動向

利下げ観測が追い風

ベッセント米財務長官がFRBに150bp(1.5%)以上の利下げを要求したことで、早期利下げ観測が強まり、金価格は上昇。
金は利息を生まないため、金利低下局面では相対的に魅力が増します。

FRB議長人事も材料に

来年5月で任期満了を迎えるパウエル議長の後任候補に、民間金融機関出身者の名前が浮上。
市場では「利下げ寄りの人物が議長に就任する可能性」が意識され、金買いが進みました。


用語補足

  • OPECプラス:OPEC加盟国にロシアなど非加盟産油国を加えた協議体。世界の原油供給量を調整する。

  • スタグフレーション:景気が停滞しているにもかかわらず物価が上昇する経済状況。

  • bp(ベーシスポイント):金利の変動幅を示す単位。1bp=0.01%。


まとめ

  • 米原油在庫増加とIEAの弱気見通しで原油価格は下落

  • OPECプラス増産で原油は年初来13%安

  • 米ロ首脳会談で制裁緩和の可能性に注目

  • 利下げ観測と議長人事思惑で金は上昇基調