2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/15

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株式市場、横ばいで終了 PPI上振れでインフレ懸念再燃

  • 米国株式はほぼ横ばい、S&P500はわずかに上昇し過去最高値を3日連続更新
  • PPI(卸売物価指数) が予想以上に上昇、インフレ加速懸念
  • FRB(米連邦準備制度理事会) は9月利下げ見込みだが「タカ派的利下げ」の可能性
  • インテル株急伸、米政府による出資協議報道
  • 個別株ではシスコ・ディア・タペストリーが決算悪化や見通し引き下げで下落

米株式市場の動き

14日の米株式市場は、S&P500が1.96ポイント高の6468.54とほぼ変わらずで終了。

ダウ平均はわずかに下落、ナスダック総合も小幅安でした。

全体ではS&P500構成銘柄の約7割が下落した一方、大手ハイテク株の多くは上昇しました。


PPI上昇と市場の反応

米労働省が発表した7月のPPI(卸売物価指数)は前月比+0.9%と、約3年ぶりの大幅上昇。
これは企業の仕入れ価格上昇を示し、今後のインフレ加速リスクが意識されました。

  • PPIとは?
    生産段階での物価を示す指標で、将来の消費者物価(CPI)の動向を予測する手がかりになります。

市場はFRBの年内利下げ幅を63bp → 56.7bpに下方修正。ただし、9月の25bp利下げはほぼ確実視されています。


FRBのスタンス

マッコーリー・グループのウィズマン氏によると、FRBは9月に0.25%の利下げを行う可能性が高いものの、「長期緩和サイクル」に移るには時期尚早であり、タカ派的利下げになるとの見方が示されました。

  • タカ派的利下げとは?
    利下げを行うが、同時にインフレ警戒姿勢を維持し、追加利下げには慎重なスタンス。


個別銘柄の動き

  • インテル(+7.4%):米政府が株式取得を協議との報道で急伸

  • シスコ(-1.6%):決算発表後に売られる

  • ディア(-6.8%):減益決算と利益見通し引き下げが嫌気

  • タペストリー(-15.7%):利益見通しが市場予想を下回り急落、関税影響も警告


今後の注目指標

市場は7月小売売上高(8/15発表)と8月ミシガン大学消費者信頼感指数を注視。
これらは米家計の景況感や消費動向を探る重要なデータとなります。


まとめ

  • 米株式市場は横ばい、S&P500は小幅高で最高値更新

  • PPIが予想を上回り、インフレ懸念が再燃

  • FRBは9月に25bpの利下げ見込みもタカ派姿勢を維持

  • インテル急伸、シスコ・ディア・タペストリーは決算悪化で下落

  • 小売売上高と消費者信頼感指数に市場の関心集中

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米PPI急上昇で利下げ観測後退、国債利回り上昇

  • 7月の米生産者物価指数(PPI)が3年ぶりの大幅上昇
  • 利下げ確率は前日の「ほぼ100%」から約85%に低下
  • 米国債利回りが一斉に上昇、円は対ドルで下落
  • 市場では「スタグフレーション的ショック」との見方も

米国債利回り

7月PPIがインフレ加速を示唆

14日の米金融市場では、7月PPIが前月比0.9%上昇(前年同月比+3.3%)し、約3年ぶりの大幅上昇となりました。


背景には、関税による輸入コスト上昇を企業が販売価格に転嫁している動きがあります。
これはインフレ圧力の高まりを示す指標で、米国債売り(利回り上昇)を誘発しました。


国債利回りの動き

期間 利回り 前日比 変化率
米30年債 4.88% +5.0bp +1.04%
米10年債 4.29% +5.4bp +1.28%
米2年債 3.73% +5.8bp +1.58%

※1bp=0.01%


利下げ観測の変化

  • 9月FOMCでの0.25%利下げ確率:前日のほぼ100% → 約85%に低下

  • これまでのCPI(消費者物価指数)は落ち着いていたが、PPIの上振れにより一部当局者は慎重姿勢を強める可能性


市場関係者の声

  • ザッカレリ氏(ノースライトAM):「CPIが落ち着いていた中でのPPI急伸は好ましくないサプライズ。利下げ楽観論が後退するだろう」

  • ミスラ氏(JPモルガンIM):「市場に再評価を促す内容。スタグフレーション的なショックの中にある」

  • ロビン氏(TJM):「PPIはシナリオ全体を変えるわけではないが、0.50%利下げの思惑は後退」


財務長官の発言

ベッセント米財務長官は、前日の「金利は中立水準より高い」という発言について、「FRBに利下げを要求したものではない」と説明。


用語解説

  • PPI(生産者物価指数)とは?
    企業が仕入れる段階の物価を測る指標。CPI(消費者物価指数)の先行指標となることが多い。

  • スタグフレーション
    景気停滞とインフレが同時に進行する経済状態。


まとめ

  • 7月PPIが予想以上の伸び(前月比+0.9%)

  • 米国債利回り上昇、円安進行

  • 利下げ確率は85%に低下

  • 市場ではスタグフレーション懸念も浮上

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

米PPI上振れでドル上昇、円は一時147円96銭まで下落

  • 7月米卸売物価指数(PPI)が予想を大きく上回り、インフレ加速懸念が浮上
  • ドルは主要通貨に対して上昇、円は一時0.4%安の147円96銭
  • 0.5ポイントの大幅利下げ観測は後退、0.25ポイント利下げの可能性が高まる
  • 米財務長官は日銀に早期利上げを示唆
  • ビットコインは一時12万ドル超に上昇後、反落

PPI上振れと為替市場の反応

7月の米PPI(卸売物価指数)は前月比+0.9%、前年同月比+3.3%と、予想(+0.2%)を大きく上回り、約3年ぶりの大幅上昇となりました。

インフレ圧力の再燃が意識され、ドル買いが優勢に。

ブルームバーグ・ドル指数は0.40%高の1205.86となりました。


利下げ観測の変化

  • 当初一部で予想されていた0.50%の大幅利下げ観測は後退

  • 市場は0.25%利下げ開始の可能性を織り込み中

  • サンフランシスコ連銀やセントルイス連銀総裁も大幅利下げに否定的

ストーンXのマット・ウェラー氏は、「PPI上振れで0.50%利下げの可能性は完全に消えた」とコメントしました。


米財務長官と日銀への言及

米ベセント財務長官は日銀に対し、速やかな利上げの必要性を示唆しました。
一方で、米国内では0.25%利下げから始め、その後ペース加速の可能性にも言及しています。


仮想通貨市場

ビットコインは一時124,480ドル超まで上昇しましたが、その後急反落し約4%安の118,157ドルとなりました。


まとめ

  • 7月米PPIは市場予想を大幅に上回り、ドル高・円安を誘発

  • 大幅利下げ観測は後退し、0.25%利下げが主流予想に

  • 米財務長官は日銀に早期利上げを示唆

  • ビットコインは12万ドル超から急反落

 

米ロ首脳会談控え、原油は反発・金は反落

  • 原油価格は米ロ首脳会談を前に反発、WTIは2.1%上昇
  • 会談の結果によってロシア産原油制裁の緩和または強化の可能性
  • 金価格はPPI上振れによる利下げ観測後退で反落

原油市場:米ロ会談を前に様子見ムード

ニューヨーク原油先物(WTI)は、前日比1.31ドル(+2.1%)高の1バレル=63.96ドルと反発しました。前日は約2カ月ぶりの安値でしたが、15日に予定される米アラスカ州での米ロ首脳会談を前に買い戻しが入りました。

会談ではロシア産原油への制裁方針が焦点で、緩和も強化もあり得る状況です。市場関係者の多くは「決定的な停戦合意も厳しい追加制裁もない」という中間的な結果を予想しています。

北海ブレント原油も1.8%上昇し、1バレル=66.84ドルで終了しました。


金市場:利下げ観測後退で反落

金相場は、米生産者物価指数(PPI)の上振れによって早期利下げ観測が後退し、前日比16.93ドル安の1オンス=3338.94ドルと反落しました。金は利息を生まないため、金利低下局面で買われやすく、逆に利下げ期待の後退は売り圧力になります。

年初来では依然27%の上昇を維持しており、地政学リスクや中央銀行の買いが支えています。ニューヨーク金先物(12月限)も0.7%安の1オンス=3383.20ドルで終了しました。


まとめ

  • WTI原油は2.1%高、米ロ首脳会談を前に買い戻し

  • ブレント原油も1.8%上昇

  • 金はPPI上振れで利下げ観測が後退し反落

  • 金は年初来27%高を維持、地政学リスクと中銀需要が支え