2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/16

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株は最高値から一服、消費者心理の悪化が重しに

ウォーレン・バフェットの買い増しが光る一方、半導体株に逆風

15日の米株式市場では、S&P500種株価指数が最高値圏から下落。

注目されたのは、米国の消費者心理が予想外に悪化したというニュース。景気の先行きを測るうえで重要なこの指標は、市場参加者に少し冷や水を浴びせる形となりました。

一方で、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが医療保険大手ユナイテッドヘルスの株を買い増したという好材料も。

株式市場は「消費の強さ」と「消費者マインドの弱さ」という相反するシグナルの狭間で揺れ動いています。


消費者心理がなぜ株価に影響するの?

米ミシガン大学が発表する「消費者マインド指数」は、人々が景気や生活にどのくらい自信を持っているかを測る指標です。

数字が下がると「これからの景気は厳しいかもしれない」と多くの人が感じていることを意味します。


消費は米GDPの約7割を占めるため、心理の悪化は「将来の買い控え」につながりやすく、株価にもマイナスの影響が及びます。

株価の動き

  • S&P500:6,449.80(前日比 -0.29%)

  • ダウ平均:44,946.12(前日比 +0.08%)

  • ナスダック:21,622.98(前日比 -0.40%)

ダウは一時最高値を更新したものの、S&P500とナスダックは反落。特に半導体株が弱さを見せました。

個別銘柄の明暗

  • アプライド・マテリアルズ(半導体装置大手):業績見通しが失望され14%安
  • ユナイテッドヘルス(医療保険大手):バフェット氏の買い増しで12%高
  • インテル:政権による株式取得の可能性報道を受け2.9%高

経済指標の結果

  • 7月小売売上高:前月比+0.5%(予想通り、6月分も上方修正)
  • 8月消費者マインド指数:予想外の低下(インフレ懸念が背景)
  • 輸入物価指数:前月比+0.4%

市場が抱える3つのリスク

  1. FRBの金融政策の不透明感
    9月FOMCでの利下げは市場で「ほぼ織り込み済み」ですが、ジャクソンホール会合でハト派的なメッセージが出ると、逆に利益確定売りを誘発する可能性があります。

  2. インフレの二面性
    関税の影響がまだ顕在化していない一方、消費者のインフレ期待はじわり上昇。これが長期的に購買力を圧迫するリスクがあります。

  3. セクター間の温度差
    半導体株の急落とヘルスケア株の急伸という対照的な動きは、相場全体の不安定さを映しています。景気循環株とディフェンシブ株の「綱引き」が続きそうです。


結論:楽観と不安のはざまで

今回の下落は「最高値更新後の一服」という側面もありますが、消費者心理の悪化は軽視できません。

  • 短期的には:ジャクソンホール会合の内容次第でボラティリティが高まる可能性。

  • 中長期的には:個人消費が堅調である限り、米経済は大きく崩れにくい。

「消費が強い=株価の下支え」「心理と実態の乖離」が相場の波乱要因になる点に注目

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが上昇、FOMC利下げ観測に揺らぎ


10年債利回りが2週間ぶりの高水準

米国債市場で長期債を中心に売られ、10年債利回りが2週間ぶりの高水準に達しました。投資家の関心は、来週のジャクソンホール会合に集まっています。そこではパウエルFRB議長がどのようなメッセージを出すかが焦点です。


「利回りが上がる」とはどういうこと?

  • 利回りが上がる=国債が売られている という意味です。

  • なぜ売られるのか? → 市場が「FRBはまだ強めの金融政策を続けるかもしれない」と考えたから。

  • FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利を決める組織で、景気が悪化すれば利下げ、景気が過熱すれば利上げを行います。


CPIで強まった利下げ観測

7月の消費者物価指数(CPI)は、関税の影響が限定的でインフレ加速の兆しは見られませんでした。
これにより市場では「9月に利下げが確実」という見方が一気に強まりました。


 PPIで浮上したインフレ懸念

しかし14日に発表された7月の卸売物価指数(PPI)は、約3年ぶりの大幅上昇
「インフレ加速の兆しか?」との見方から、0.5%(50bp)の大幅利下げ観測は後退しました。


データで見る国債市場の動き

  • 2年債利回り:3.75%(+2bp)

  • 10年債利回り:4.32%(+3.5bp)

  • 2年債と10年債のスプレッド:56.7bpまで拡大(逆イールドが継続)


FRB関係者の発言と市場の読み

  • アシュワース氏(キャピタル・エコノミクス)
    「9月の利下げは確実。ただしパウエル議長は“やや引き締め姿勢を維持すべき”と発言するかもしれない」

  • グールズビー総裁(シカゴ連銀)
    「インフレ指標をもう一つ確認してから判断したい」

→ 市場は「短期的には利下げ確実、長期的にはインフレ再燃リスクあり」という二重構造の読みをしています。


まとめ ― 利下げは確実でも幅に注目

  • 9月の25bp利下げはほぼ確実

  • 50bpの大幅利下げ観測は後退

  • 投資家の視線はジャクソンホール会合のパウエル議長の発言に集まっています。

一言でまとめると
9月利下げは確実視されるが、大幅利下げ期待はしぼみ、国債利回りは上昇した」です。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル軟調・円高進行 市場の焦点は「利下げ」と「米ロ会談」

昨日のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落しました。

背景には FRB(米連邦準備理事会)の9月利下げ観測が根強いこと、そして アラスカで行われている米ロ首脳会談への注目があります。


まずは基本を整理

まず押さえたいのは「なぜドルが売られて円やユーロが買われたのか」という点です。

利下げとは?

FRBが政策金利を下げること。金利が下がると「ドルを持っていても利回りが少ない」ため、投資家はドルを売り、他の通貨に資金を移す傾向があります。

今回の材料
  • 米7月の小売売上高は +0.5% → 経済は堅調
  • ただしミシガン大学の消費者信頼感指数は予想外に悪化
  • FRB発表の鉱工業生産も -0.1%

→ 経済に強弱まちまちのシグナルが出たため、「9月利下げの可能性は高い」という見方が広がったまま。

結果
  • ドル/円は 147円20銭前後まで下落(円高)

  • ユーロ/ドルは 1.17ドル台に上昇(ユーロ高)


市場を動かす2つの注目ポイント

市場は「利下げ観測」でドルを売りやすいムードの中、もう一つの大きなイベントが意識されています。


それが トランプ大統領とプーチン大統領の首脳会談(アラスカ・アンカレジ) です。

  • 注目点:ウクライナ停戦に進展があるか

  • アナリストの見方:「持続可能な停戦は難しいが、もしサプライズ合意があればドル安・ユーロ高が進みやすい」

地政学イベントは市場を大きく動かす“爆弾”になり得るため、投資家は神経をとがらせています。


見るべき材料

  • 利下げ確率:CMEフェドウォッチによれば9月利下げの確率は93%。市場はほぼ織り込み済み。

  • ジャクソンホール会議(8月21–23日):パウエル議長が利下げ観測をけん制するかが焦点。もし「利下げは時期尚早」と発言すれば、ドルが急反発する可能性も。

  • ユーロの位置づけ:停戦合意があれば「欧州の地政学リスク後退 → ユーロ買い」という流れが強まる。

一方で日本のGDP(4–6月期速報値)は前期比+0.3%と底堅く、円買い材料に。


つまり「米利下げ+停戦期待+日本の堅調データ」という三重の要因が、ドル円の下押し圧力となっています。


まとめ

  • ドルは軟調 → 9月利下げ観測が背景

  • 円とユーロは上昇 → 安全資産・地政学要因で買われやすい

  • 市場の次の山場は 米ロ首脳会談の行方とジャクソンホール会議

押さえるべきは「利下げ=ドル安要因」という基本の仕組み。
「利下げ織り込み後の市場のサプライズ要素(米ロ会談やパウエル発言)」に注目する必要があります。

 

米ロ首脳会談控え、原油は反落・金は小動き

  • ニューヨーク原油先物は1.8%安、地政学リスク後退を警戒
  • 米国はロシア石油大手2社への制裁案を検討中
  • 金は会談結果を待ち、狭いレンジで推移

原油相場の動き

ニューヨーク原油先物(WTI)は反落し、1バレル=62.80ドルまで下落しました。背景には、米ロ首脳会談を前に市場が様子見姿勢を強めたことがあります。

  • 停戦の兆し → 地政学リスクが後退し、供給過剰懸念で下押し要因

  • 追加制裁の可能性 → ロシア産原油の流れを阻害し、価格を押し上げる要因

米国は、会談が不調に終わった場合に備え、

  • ロスネフチ、ルクオイルといった大手ロシア石油会社の制裁対象化

  • 「シャドーフリート(制裁逃れ用の船団)」への規制強化

  • 中国などロシア産原油輸入国への追加関税
    なども検討しています。


金価格の動き

金は米ロ首脳会談を控えて大きな方向感なく、小幅な値動きでした。

  • 会談決裂なら → 安全資産として急騰の可能性

  • 停戦の兆しなら → 需要が薄れ値下がり要因

現物の金スポット価格は1オンス=3339.45ドルと前日比で小幅高。一方、金先物(12月限)は3382.60ドルと小幅安で取引を終えました。


用語補足

  • WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート):米国産の代表的な原油の種類で、世界の原油価格の指標。

  • シャドーフリート:制裁逃れのために使われる匿名性の高いタンカー群。


まとめ

  • 原油は米ロ首脳会談を前に反落、供給過剰懸念が意識される

  • 米国はロシア石油企業や輸送網への制裁強化を検討中

  • 金は会談次第で急騰・下落どちらの可能性もあり、小動きで推移

今後の原油・金相場は「会談の成果」と「追加制裁の有無」に大きく左右される展開です