2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/19

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

ジャクソンホール会議を前に、米株は小休止-市場の視線はパウエル議長へ


S&P500種株価指数は6,449.15とわずかに下落(-0.01%)、ダウ平均も小幅安となる一方、ナスダックは小幅高。これまで最高値を更新し続けてきた株式市場ですが、この日は様子見ムード。

今週、米金融市場の“夏の風物詩”ジャクソンホール会議が控えているからです。


ジャクソンホール会議とは?

ジャクソンホール会議は、米カンザスシティ連銀が主催する経済シンポジウムで、各国の中央銀行総裁や経済学者が集まる一大イベントです。
とくにFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が行う講演は、次回の利下げや金融政策の方向性を示す場として、世界中の投資家が注目しています。

「金利は上がるのか、下がるのか?」――シンプルですが、株式や為替を大きく動かす分岐点になるのです。


市場の関心:利下げの幅と時期

市場の焦点はすでに「利下げするかどうか」ではなく、
「どのくらいの幅で、いつ利下げするか」に移っています。

  • トレジャリー・パートナーズのサパースティーン氏
     →「9月は25bp(0.25%)の利下げが濃厚。インフレが落ち着き、雇用も弱含んでいる」

  • グレンミードのストラテジスト
     →「利下げへの環境は整っている。労働市場の悪化が兆し始めた」

つまり、市場は9月利下げシナリオをかなり織り込みつつあるのです。


個別ニュースが示すトレンド

  • インテル株:トランプ政権が同社株10%取得を協議中との報道で3.66%下落。

  • ノボノルディスク:糖尿病治療薬「オゼンピック」の値下げを発表し注目。

  • 太陽光関連株:米政府の補助金規則が想定より緩やかだったため急騰。

さらに、ウォルマートやターゲットといった小売大手の決算が今週控えており、消費者への「関税とインフレの影響」が数字にどう表れるかが試されます。


PERの正当化と企業収益

株価収益率(PER)は歴史的に高い水準ですが、アナリストたちは「企業利益の上振れ」で正当化できると指摘します。

  • S&P500採用銘柄の決算:予想を大幅に上回る結果

  • シティグループ指数:EPS予想の上方修正が急増、2021年以来の水準

高金利と関税という“逆風”にもかかわらず、米企業のたくましさが浮き彫りになっています。


まとめ

  • 米株は横ばい、ジャクソンホール会議前の静けさ

  • 市場の関心は「9月利下げの幅と時期」

  • 小売決算やインテル、再エネ株など個別材料も注目

  • 企業収益の底堅さが株価の支えに

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

「米国債利回りじわり上昇 市場は“利下げ前提”でパウエル講演を待つ」


利下げは“決まったも同然”か

22日のジャクソンホール会合で予定されるパウエルFRB議長の講演を前に、米国債利回りは小幅上昇。
投資家たちは“利下げシナリオ”にかけながらも、不安を隠せない様子です。


利回りと債券価格の関係

「利回り」とは国債を保有して得られる利息の割合。利回りが上がれば債券価格は下がります。
今回、米10年国債利回りは 4.33%、2年債は 3.77% と上昇。
これは「利下げ期待」と「その確信への揺らぎ」が交錯しているサインです。


背景①:インフレ再燃の懸念

8月14日に発表された 米PPI(生産者物価指数) が3年ぶりの大幅上昇。
「インフレがまだ根強いのでは?」という不安が広がり、利回り上昇のきっかけとなりました。


背景②:住宅指標の弱さと利回りの動き

8月の NAHB住宅建設業者指数 は32と、2022年12月以来の低水準。
景気減速のサインが出たにもかかわらず、米国債利回りは下がらずに終盤にかけて上昇しました。
市場の関心は完全に「ジャクソンホール」に移っているといえます。


市場の読み:利下げ80%織り込み済み

金利スワップ市場では、9月25bp(0.25%)利下げの確率を約80% と見込んでいます。
一部には 50bp(0.5%)の大幅利下げ を予想する声もあり、利下げシナリオがほぼ前提となっています。


リスク:パウエル発言次第で市場混乱も

TDセキュリティーズのゴールドバーグ氏は「パウエル議長が利下げに否定的な姿勢を示せば、市場は慌て始める」と警告。

市場は今、「利下げが決まったも同然」という前提に依存しているため、その土台が崩れるリスクは大きい。


過去の教訓:ジャクソンホールのサプライズ

  • 2022年:「インフレ抑制の痛み」を強調 → 債券利回り急上昇。

  • 2024年:「金利引き下げ用意」を示唆 → 2年債利回りが急低下、実際に50bp利下げ実施。

この歴史があるため、投資家は今年も「一言で市場が動く」展開を警戒しています。


結論:安心と不安を抱えたまま迎える22日

米国債市場は今、「利下げ前提」で動いています。
しかし、ジャクソンホールでのパウエル議長の一言で、その前提は簡単に崩れるかもしれません。
投資家にとって22日は、安心と不安が入り混じる“正念場”となりそうです。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

外為市場】ドル上昇、円は148円目前へ — ジャクソンホールを前に市場は様子見

注目は「22日のパウエル講演」

外為市場は、22日に控えるパウエルFRB議長の講演を前に静かな展開となりました。
薄商いの中、ドルは堅調に推移し、ブルームバーグ・ドル指数は0.20%上昇。投資家は、今後の利下げ再開に関するヒントを探ろうとしています。


円が最弱通貨に —— 148円目前まで下落

この日の為替で最も目立った動きは円でした。
ドル/円は一時148円に迫り、主要10通貨の中で円が最も弱い通貨に。ユーロ/ドルも1.1665ドルと0.32%下落しました。
為替市場のボラティリティ(価格変動率)は依然として低く、ラボバンクのフォーリー氏は「安定が現在のテーマ」と指摘しています。


投資家の慎重姿勢 —— 取引高は27%減

米国証券保管振替機構(DTCC)によれば、オプション取引高は最近の平均を27%下回りました。
「ドル・ショート(ドル売り)がやや行き過ぎた可能性がある」との声もありますが、FOMCの緩和姿勢を前に積極的なポジション形成は難しい状況です。


今週の焦点:FRB要人発言と米経済指標

FRB関連では、

  • 19日:ボウマン副議長

  • 20日:ウォラー理事

  • 22日:パウエル議長

と要人発言が相次ぎます。さらに、米住宅着工件数(19日)、新規失業保険申請件数(21日)、米PMI(21日)などの経済指標も注目されています。


政治リスク:米ロ・ウクライナ和平協議の行方

ニューヨーク市場では、トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、さらにプーチン大統領を交えた3者会談を模索しているとの報道が材料に。
欧州首脳もホワイトハウスに集まり、ウクライナの「安全の保証」が協議されました。為替市場も地政学的リスクを意識する場面となっています。


利下げ観測とインフレ懸念

短期金融市場では、9月FOMCで利下げ決定の確率を83%と織り込み。
ただし、7月PPI(卸売物価指数)が予想を上回ったことで「大幅利下げ観測」は後退。シカゴのDRWトレーディングのブライエン氏は「パウエル議長が断定的な姿勢を示す可能性は小さい」と分析しています。


終盤の相場

  • ドル/円:147.79円(0.41%高)

  • ユーロ/ドル:1.1661ドル(0.31%安)

  • ビットコイン:11万6,598ドル(0.95%高)

停戦期待がしぼむ中で反発した原油、方向感を探る金相場

 原油:外交の行方が価格を左右

昨日のニューヨーク原油先物市場では、価格が反発しました。背景にあるのは、トランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談。戦争終結に向けた突破口が期待されましたが、ゼレンスキー氏が「外交的な解決の必要性」を強調した一方で、実際の停戦への道筋は見えず、マーケットの期待は後退しました。

CIBCのエネルギートレーダー、バビン氏は「もともと低かった停戦の可能性がさらに薄れた」と指摘。原油トレーダーにとっては、停戦期待と制裁強化リスクが交錯する状況が続いており、リスクを大きく取る動きは抑制されているとのことです。

  • WTI先物9月限:1%高の 63.42ドル

  • 北海ブレント10月限:1.1%高の 66.60ドル

つまり、原油市場は「狭いレンジの中で上げ下げを繰り返す」状態にあり、今後も外交ニュースに左右されやすい展開が続きそうです。


金:ジャクソンホールと利下げ期待が焦点

一方の金相場は小幅に下落しました。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が今週末のジャクソンホール会合で利下げに言及するかどうか、市場は固唾をのんで見守っています。

金利が下がれば、利息を生まない金にとっては「相対的に有利」になります。そのため金市場は、米国のインフレ指標よりも「FRBの姿勢」に神経を尖らせている状況です。

  • スポット金:0.1%安の 1オンス=3332.25ドル

  • COMEX金先物12月限:0.1%安の 3378.00ドル

シンガポールのアナリスト、サチデワ氏は「市場はインフレ懸念をほぼ無視し、ハト派的なFRBへの期待を織り込みつつある」とコメント。これは、来月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ観測が強まっている証拠とも言えます。


まとめ

  • 原油:短期的には外交ニュース次第で乱高下。中長期的には供給制約や制裁リスクが価格を押し上げる要因になり得る。

  • :利下げ期待が支え。ただし米インフレが再び強まれば売り圧力に転じる可能性もあり、今週のジャクソンホールが大きな分岐点。