2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/2

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

 

目次

 ファンダメンタル分析【オススメ】書籍紹介(書評)サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場が大幅続落―雇用悪化・貿易摩擦・地政学リスクが重なりリスクオフ加速

  • 米株式市場が急落。米国の雇用情勢悪化、トランプ大統領の関税措置、米ロ間の緊張が重なった
  • 雇用統計の悪化でFRBが利下げ再開へ動く可能性が高まっている
  • アマゾン、アップルなど大手企業の業績や関税の影響も株価の下押し要因となった

雇用統計の悪化と貿易摩擦が株価急落の引き金に

米国株式市場は、大幅な下落で取引を終えました。背景には、トランプ大統領が新たに表明した各国への関税措置に加え、7月の米雇用統計が予想以上に悪化したことがあります。さらに、米国とロシア間の緊張も投資家心理を冷やし、リスク資産(株式など)から安全資産(債券や金など)への資金逃避が加速しました。

米雇用統計が市場予想を大きく下回る

今回発表された7月の米雇用統計は、市場予想を大きく下回る結果となりました。

  • 非農業部門雇用者数:7万3000人増(市場予想11万人増)

  • 過去2カ月分の雇用者数も下方修正され、労働市場の悪化が明確に

これを受け、市場では9月にFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを再開するとの見方が急速に高まっています。

利下げとは?

利下げとは、中央銀行(米国ではFRB)が政策金利を引き下げることを指します。一般的に景気を刺激し、経済を支える目的で行われます。


トランプ大統領の関税措置と米ロ関係の緊張

トランプ大統領が新たに貿易相手国に対する相互関税の導入を決定しました。これにより、企業のコスト増や景気減速が懸念され、株式市場にはマイナスの影響を及ぼしました。

さらに、トランプ大統領はロシアとの緊張を受け、原子力潜水艦を「適切な海域」に配備すると発表しました。地政学リスクの高まりも市場の不安を増幅させました。

地政学リスクとは?

国家間の政治的・軍事的緊張が経済や市場に悪影響を及ぼすリスクのことを指します。


主要指数の動きと注目銘柄

主要な株価指数は次のような下落となりました。

  • S&P500指数:-1.60%

  • ダウ工業株30種平均:-1.23%

  • ナスダック総合指数:-2.24%

特にナスダックはテクノロジー企業の影響が大きく、アマゾンやアップルの下落が指数全体を押し下げました。

個別企業の動き

  • アマゾン:第3四半期(7-9月期)の営業利益見通しが弱く、株価は8.3%下落。クラウド事業(AWS)の不振が原因。

  • アップル:決算自体は好調でしたが、CEOのティム・クック氏が関税の影響でコストが拡大すると警告し、株価は2.5%下落。


FRBの政策対応への注目が高まる

市場では、FRBが次回9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利下げを行うことがほぼ確実視されています。一部では、遅れを取り戻すために0.5%(50ベーシスポイント)の利下げの可能性まで指摘されています。

  • 現在、9月の利下げ予想確率は86.5%(CMEフェドウォッチ調べ)となっており、前日より大幅に上昇しています。


まとめ

  • 米雇用統計の悪化でFRBの利下げ観測が急浮上した
  • トランプ大統領の新たな関税措置と米ロ間の地政学リスクが市場の下落要因に
  • アマゾン、アップルなど大手企業の業績懸念がテクノロジー株を中心に株価下落を引き起こした
  • 9月にFRBが利下げ再開する可能性が高まり、市場の焦点はFRBの次の動きに向かっている

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債市場:雇用統計を受けて利下げ観測強まる

米国債利回りが急激に低下

米国債の利回りが大幅に下がりました。特に2年債の利回りは約28ベーシスポイント(0.28%)も低下し、これは2年ぶりの大幅な下げとなりました。

各国債の利回り変化

  • 2年債:3.68%(-28bp、-7.06%)
  • 10年債:4.21%(-16bp、-3.66%)
  • 30年債:4.82%(-8bp、-1.63%)

ベーシスポイント(bp):1bp = 0.01%を表す金融業界の単位

雇用統計の悪化が引き金

7月の米雇用統計で以下の悪い数字が発表されました

  • 非農業部門雇用者数:7万3000人増(予想より大幅に少ない)
  • 過去2カ月分も25万8000人下方修正
  • 失業率:4.2%(前月の4.1%から上昇)

FRBの政策変更への期待

利下げ確率が急上昇

雇用統計の発表前後で、9月のFRB(連邦準備理事会:米国の中央銀行)による利下げ確率が大きく変化しました

  • 発表前:40%未満
  • 発表後:90%

利下げ:中央銀行が政策金利を下げること。景気刺激効果があります

年内2回の利下げが織り込まれる

短期金融市場では、年内に2回の利下げが行われることが確実視されるようになりました。

その他の市場への影響

ISM製造業指数も悪化

7月のISM製造業購買担当者景気指数(PMI)も50を5カ月連続で下回り、製造業の景気悪化を示しました。

PMI:50を上回ると景気拡大、下回ると景気縮小を示す指標

利回り格差の拡大

2年債と10年債の利回り格差が51.2bpに拡大し、一時は52.6bpまで広がりました。これは短期金利の急低下を反映しています。

まとめ

  • 7月の雇用統計悪化により、米国債利回りが2年ぶりの大幅低下となりました
  • FRBの9月利下げ確率が40%未満から90%へ急上昇しました
  • 年内2回の利下げが市場で織り込まれ、金融政策の転換点となる可能性が高まりました
  • 雇用市場と製造業の同時悪化により、米経済の減速懸念が強まっています
  •  短期債利回りの急低下により、債券市場全体で金利低下圧力が高まっています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

米雇用統計悪化でドルが急落、円は4カ月ぶりの大幅高に

  • 米雇用統計が予想を大幅に下回ったことでドルが急落し、円が大幅高に
  • 雇用の伸びの鈍化に加え、過去分の雇用統計も下方修正されたことから、市場はFRBによる利下げ期待を高めている
  • FRB理事の突然の辞任もドル安を加速させる要因となった

円が対ドルで2%以上の急伸

1日の為替市場では、米国の雇用統計が予想を大きく下回ったことでドルが急落。これに伴い、円は一時2.3%高の147円30銭まで上昇しました(ドル円が下落)

この水準は4月10日以来約4カ月ぶりの安値(ドル円)です。

一方、ドルの強さを示す指標(ブルームバーグ・ドル指数)は0.9%下落。これも約4カ月ぶりの大きな下落幅となりました。

米雇用統計が予想以上に悪化

今回の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想の10万4000人増に対して、実際は7万3000人増と大幅に下回りました。また、過去2カ月分の雇用者数も合計で26万人近く下方修正されました。失業率も4.2%に上昇しており、米国の労働市場が急速に悪化している兆候が示されました。

FRB理事の辞任がドル安をさらに後押し

雇用統計発表後にドルが売られる中、午後には米連邦準備制度理事会(FRB)のクーグラー理事が任期途中で突然辞任すると伝わり、ドル安がさらに加速しました。

利下げ期待が強まる市場の反応

雇用統計の悪化を受け、市場はFRBが近いうちに利下げを行う可能性を強く意識しています。特に、FRBが9月の会合で利下げを行う可能性が市場の大勢を占めるようになりました。専門家からは「労働市場が急激に弱まっているため、利下げは避けられない状況だ」との声が上がっています。

利下げ観測と今後の見通し

現在、市場はFRBが年内に約0.63%ポイントの利下げを行うと見込んでいます。次回のFOMC(連邦公開市場委員会)は9月16日~17日に開催されますが、その判断に大きな影響を与えるのは、9月5日に発表される8月の雇用統計です。

専門家によると、8月の統計がさらに悪化すればドル安は一層進む可能性があります。

FRB(米連邦準備制度理事会)とは?

FRBとは米国の中央銀行であり、金融政策(主に金利の調整)を通じて経済の安定化を図っています。利上げは景気過熱の抑制を目的とし、利下げは景気悪化時の経済活性化を狙う政策です。


まとめ

  • 米雇用統計が市場予想を大きく下回り、ドルが急落。円は一時147円台前半まで上昇

  • 過去分の雇用者数も下方修正され、労働市場の弱体化が鮮明に

  • FRB理事の突然の辞任も市場心理を冷やし、ドル売りを加速

  • 市場ではFRBが9月の利下げに踏み切る可能性を強く意識

  • 今後の注目は9月5日発表の8月の雇用統計に集まる

原油相場の大幅下落

価格変動

  • WTI原油:67.33ドル(-2.8%)
  • ブレント原油:69.67ドル(-2.8%)

下落要因

  • 米雇用統計・製造業指数の悪化でエネルギー需要減少懸念
  • OPECプラスが今週末に日量54万8000バレル増産予定
  • 関税政策による経済成長への悪影響懸念

OPECプラス:石油輸出国機構と非加盟産油国による協調減産グループ

金の大幅上昇

価格変動

  • スポット価格:3347.89ドル(+1.8%)
  • 先物12月限:3399.80ドル(+1.5%)

上昇要因

  • 弱い雇用統計で9月FRB利下げ観測が拡大
  • 米長期金利急低下で利子のつかない金の魅力向上
  • 関税政策による安全資産需要

利下げ:FRBが政策金利を下げること。金のような利子のつかない資産に資金が流れやすくなります

まとめ

  • 原油は米経済悪化とOPECプラス増産予想で大幅下落しました
  • 金は利下げ観測と安全資産需要で2カ月ぶりの大幅上昇となりました
  • 関税政策が経済成長に悪影響を及ぼし、両市場の方向性を決定しました
  • FRBの金融政策転換期待が商品市場全体に大きな影響を与えています