2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/27

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株式市場、主要3指数が反発

  • 米主要3株価指数(S&P500・ダウ・ナスダック)がそろって上昇
  • FRB(米連邦準備制度理事会)の9月利下げ観測が投資家心理を支えた
  • 半導体大手エヌビディア、防衛株、製薬株などが上昇
  • FRBの独立性に懸念もあるが、短期的には利下げ期待が優勢

株式市場の動き

米国株式市場は反発し、以下のように終えました。

  • S&P500:6465.94(+0.41%)

  • ダウ平均:45418.07(+0.30%)

  • ナスダック:21544.27(+0.44%)

エヌビディアが翌日の決算発表を控え、1.1%高で引けました。AI関連株の象徴でもあるため、市場の注目度が高まっています。


業種別の注目点

防衛関連株

  • ロッキード・マーチン

  • ノースロップ・グラマン

  • ゼネラル・ダイナミクス

米政府がインテル株取得に続き、防衛産業への投資を検討しているとの発言が買い材料となりました。

医薬品関連株

  • イーライリリーは肥満治療薬の治験結果を好感され、6%近い上昇。

通信関連株

  • 衛星通信のエコースターが70%急騰。AT&Tが周波数ライセンスを取得する合意が材料。


政治リスクとFRBへの懸念

トランプ大統領がFRBのクック理事を解任すると表明し、FRBの独立性が揺らぐのではないかとの懸念が浮上しました。
ただし、アナリストの多くは「短期的な利下げの流れは変わらない」と見ています。


経済指標

  • コア資本財受注:予想を上回る伸び → 企業投資の底堅さを示唆

  • 消費者信頼感指数:小幅に低下 → 雇用・所得への懸念を反映


まとめ

投資家心理は「政治リスクへの不安」と「利下げ期待」の綱引き状態ですが、現時点では後者が勝っている状況

  • 米株3指数は反発、利下げ期待が支え

  • エヌビディア・防衛株・イーライリリーが上昇を主導

  • FRBの独立性懸念はあるが、短期的には利下げ観測が優位

  • 経済指標は投資底堅さと消費者の慎重姿勢が混在

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

ドル安、FRB独立性に市場不安

  • トランプ大統領がクックFRB理事の解任を発表
  • FRBの独立性への懸念が強まり、ドルは売られる一方で株式は反発
  • 長期金利は上昇、短期金利は低下し、利回り格差が拡大
  • 9月FOMCでの利下げ観測は依然強く、市場は85%織り込み済み
  • クック氏は法的措置に踏み切る構えで、司法判断が焦点

米金融市場の動き

国債利回り

  • 30年債利回り:4.92%(+3.1bp)、一時4.94%まで上昇

  • 10年債利回り:4.26%(-1.4bp)

  • 2年債利回り:3.68%(-4.5bp)

短期ゾーンは利下げ観測を背景に低下し、長期ゾーンはFRB独立性の懸念やインフレ懸念で上昇。

結果として長短金利差が大幅に拡大(2年-10年で58bp、5年-30年で117bp)しました。

用語補足

  • 利回り差拡大(スティープ化)とは?
    短期金利が下がり、長期金利が上がることで、利回り曲線が「右上がり」に傾く現象。景気刺激策やインフレ懸念が背景になることが多い。


トランプ大統領の動きと市場の反応

クックFRB理事の解任表明

  • 理由:住宅ローン契約を巡る不正疑惑

  • FRB理事の解任は極めて異例で、政治による金融政策への介入との見方が強い。

  • クック氏側は「違法」として提訴の方針。司法判断に委ねられる展開となっています。

市場の解釈

  • 短期金利の低下:後任が「ハト派(利下げに積極的)」になるとの期待

  • 長期金利の上昇:独立性喪失によるインフレ懸念や財政赤字への不安

  • 株式市場は反発:利下げ観測が強まったことでリスク資産に追い風


経済指標と入札動向

  • 7月耐久財受注(コア資本財)は前月比+1.1%と予想以上の伸び → 設備投資の好調を示唆

  • 2年債入札(690億ドル)は堅調、最高落札利回り3.641%(需要は昨年12月以来の強さ)

  • 今後:27日に5年債、28日に7年債の入札を予定


まとめ

  • トランプ大統領がクックFRB理事の解任を発表し、FRBの独立性懸念が市場を揺らした

  • 短期金利は利下げ観測で低下、長期金利はインフレ懸念で上昇し、利回り格差が拡大。

  • クック氏は法廷闘争に持ち込む姿勢で、司法判断が注目される。

  • 9月のFOMCでの利下げ観測は依然として高く、株式市場にはプラス要因となった。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル下落、FRB独立性への懸念再燃

  • トランプ大統領がFRBクック理事を解任と発表し、市場に衝撃
  • FRBの独立性が揺らぐ懸念からドルは下落、円やスイスフランが堅調
  • 投資家は9月の利下げ確率を85%と織り込み、ドルの上値は重い状況

ドルが主要通貨に対して下落

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して下落しました。
背景には、トランプ大統領がFRB(米連邦準備理事会)のクック理事を解任すると発表したことがあります。これにより、FRBの独立性が脅かされるのではないかという懸念が広がりました。

  • ブルームバーグ・ドル指数:1205.44(-0.18%)

  • ドル/円:147.36円(-0.27%)

  • ユーロ/ドル:1.1647ドル(+0.22%)

  • 英ポンド/ドル:1.3481ドル(+0.20%)


市場の反応は限定的

トランプ大統領の突然の発表は驚きを与えましたが、反応は大きな混乱には至りませんでした。
専門家は次のように指摘しています。

  • FRBや労働統計局への継続的な政治介入は、機関の信頼性を損なう(TDセキュリティーズ)

  • 市場はFRB独立性への脅威を過小評価している(ドイツ銀行)

  • 予測不能な政権運営とハト派的なFRB観測がドルの重しに(メシロ・カレンシー・マネジメント)


注目の経済指標と利下げ観測

この日は米耐久財受注や消費者信頼感指数が発表されましたが、市場の反応は限定的でした。
一方で、CMEのフェドウオッチでは9月FOMCでの利下げ確率が85%と織り込まれており、ドル売りを強める要因となっています。


仮想通貨は上昇

為替市場のドル安を背景に、暗号資産(仮想通貨)は堅調でした。

  • ビットコイン:11万0796.68ドル(+1.03%)

  • イーサリアム:4548.71ドル(+4.37%)


補足:FRBの独立性とは?

FRB(米連邦準備理事会)の独立性とは、政府からの政治的圧力を受けずに金融政策を決定できる仕組みのことです。
これが守られることで、市場の信頼や物価の安定が維持されます。


まとめ

  • トランプ大統領がクック理事を解任と発表し、ドル安が進行

  • 円やスイスフランが「安全資産」として買われた

  • 市場は9月利下げを85%織り込み、ドルの上値は重い

  • FRB独立性への懸念が投資家心理に影響

  • 仮想通貨はドル安を背景に上昇

 

原油と金、政治リスクで明暗分かれる

  • 原油価格は大幅安:WTI原油は1バレル=63ドル台に下落、60ドル割れ観測も。
  • 金価格は反発:FRB理事解任問題で金融政策の独立性に懸念が広がり、安全資産として買いが入った。
  • 背景には政治要因:トランプ大統領のFRB人事介入や対インド関税引き上げが市場に影響。

原油:60ドル割れを意識する展開

ニューヨーク原油先物(WTI)は5営業日ぶりに反落し、前日比2.4%安の63.25ドルで終了しました。
背景には以下の要因があります

  • 供給動向が不透明:OPECや米国の増産に関する材料が出てこない中で様子見。

  • 政治リスクによるリスク回避:トランプ大統領がFRBのクック理事を解任しようとした件で投資家心理が悪化。

  • 対インド関税の引き上げ:米国土安全保障省が、インドのロシア産原油購入を理由にインド製品への関税を2倍にすると発表。

トランプ大統領は「原油価格は近く60ドルを割り込む」と発言しましたが、具体的根拠は示されませんでした。


金:逃避資産として買いが集まる

一方、金相場は反発しました。スポット価格は1オンス=3386.05ドル(0.6%高)、先物価格も上昇しました。

  • 背景:トランプ大統領がFRB理事の解任を表明し、中央銀行の独立性に懸念が広がったため。

  • 利下げ観測の強まり:新たな理事が金融緩和路線に沿うと見込まれ、金にはプラス要因。

  • ヘッジ需要の高まり:インフレ懸念や制度リスクに備える資産として金が選好された。


まとめ

  • 原油は政治リスクと関税問題で売られ、60ドル割れの可能性が意識されている。

  • 金はFRB独立性懸念と利下げ観測を背景に、安全資産として買いが入った。

  • 市場は今後も「政治の不透明さ」に大きく左右される可能性が高い。