2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/28

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株は最高値更新、エヌビディア決算に市場注目

  • 27日の米国株式市場は続伸し、S&P500は過去最高値を更新
  • しかし、取引終了後に発表されたエヌビディア決算は市場予想を一部下回り、時間外で株価下落
  • エヌビディアはS&P500の約8%を占め、市場全体を動かす存在
  • 投資家の関心は9月の利下げ見通しと、エヌビディアの成長持続力に集中

株式市場の動き

  • S&P500:6481.40(+0.24%)で最高値更新

  • ダウ平均:45565.23(+0.32%)

  • ナスダック総合:21590.14(+0.21%)

米国債は短期債中心に上昇し、ドルは下落に転じました。


エヌビディア決算の影響

  • 8~10月期の売上見通し:約540億ドル(市場予想とは一致するが、一部期待の600億ドルには届かず)

  • 決算発表後、株価は時間外で5%安

  • 予想レンジの幅は150億ドル、中国向け需要の不透明さが背景

「筆頭銘柄」としての存在感

  • エヌビディアの時価総額:約4.4兆ドル(約648兆円)

  • S&P500に占める比重は8%超

  • オプション市場は決算後に株価が6%動く可能性を織り込んでいた


投資家の見方

  • 「エヌビディアはS&P500の2桁比率を占める世界に備える必要がある」(アージェント・キャピタル)

  • 「株価はすでに高い期待を織り込んでおり、今後の成長には不透明感もある」(ベルウェザー・ウェルス)


その他の動き

  • マイクロソフト:+1%

  • メタ:-1%

  • モンゴDB:+38%(通期見通し引き上げ)

  • JMスマッカー:-4.4%(決算が予想下回り)

また、FRB人事(クック理事解任を巡る動き)や9月利下げの可能性を巡り、市場は今後の経済指標に注目しています。


まとめ

  • 米株は最高値を更新したが、エヌビディア決算後は警戒感が強まった

  • エヌビディアは市場全体を左右する規模に成長

  • 中国需要や米金融政策の行方が今後の焦点

  • 投資家は「高期待に応え続けられるか」に注目

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが低下、利下げ観測が背景に

  • 米国債相場は上昇し、特に短期~中期の利回りが大幅低下
  • トランプ大統領によるFRB人事介入で「ハト派的政策」への期待が広がる
  • 9月FOMCでの利下げ観測が**84%**まで高まる
  • 長短金利差(イールドカーブ)は拡大し、スティープ化が進行

米国債市場の動き

27日の米国債市場では利回りが全体的に低下しました。
特に2年債利回りは3.61%台まで低下し、約4カ月ぶりの水準です。
指標となる10年債利回りも4.23%と8月中旬以来の低さとなりました。

一方で30年債は相対的に売られ、利回りは4.92%近辺まで上昇しました。


利下げ観測が強まる背景

FRB人事を巡る動き

  • トランプ大統領がクックFRB理事を解任と発表

  • ハト派(=金融緩和に前向きな姿勢)寄りの人事を進めるとの思惑が市場に広がる

  • クック氏側は解任に対して訴訟を起こす方針

この政治的介入が「今後FRBは利下げに傾くのでは」という市場の思惑を強めています。

金融政策の見通し

  • ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁も「9月FOMCはライブ(=どちらに転ぶ可能性もある)」と発言

  • パウエル議長も先週のジャクソンホール会議でハト派的発言をしており、利下げ観測が一段と高まりました


入札動向と需要

財務省の700億ドルの5年債入札は、最高落札利回りが事前取引より高く「やや弱め」の結果でした。
ただし、プライマリーディーラー(入札参加義務がある銀行等)の落札比率は過去最低の8.8%で、
これは民間投資家からの需要が強かったことを示しています。

今後は28日に440億ドルの7年債入札を控えています。


イールドカーブの動き

  • 2年債と10年債の利回り格差は約61bpまで拡大(4月以来の大きさ)

  • 5年債と30年債の利回り差も121bp超と、2021年8月以来の水準

これは短期債が大きく買われ、長期債は売られる「スティープ化」の典型的な動きです。


用語解説

  • 利回り低下:国債価格が上がると利回りは下がる

  • FOMC(連邦公開市場委員会):米国の金融政策を決める会合

  • イールドカーブ:国債の利回りを満期ごとに線でつないだグラフ。通常は右肩上がりだが、逆転したり傾きが急になることもある

  • スティープ化:短期金利より長期金利が高くなり、カーブの傾きが急になること


まとめ

  • 米国債利回りは短期中心に大幅低下、利下げ期待が背景

  • FRB理事の人事を巡る政治的混乱が市場心理を左右

  • 9月FOMCでの利下げ確率は**84%**とかなり高水準

  • 長短金利差は拡大し、イールドカーブのスティープ化が進行

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル下落、円は横ばい エヌビディア決算や米経済指標待ちで様子見

  • ニューヨーク外国為替市場でドル指数が下落
  • ドル/円は147円台半ばで横ばい推移
  • エヌビディア決算やPCE(個人消費支出)指数など重要イベントを前に市場は様子見
  • FRB理事の解任問題で中央銀行の独立性に懸念も

ドル指数の動き

27日の外国為替市場では、ブルームバーグ・ドル指数が 1204.85(前日比-0.05%) と下落しました。一時は0.3%上昇する場面もありましたが、株高の流れやイベント前の様子見姿勢から売りに押されました。

ドル/円・ユーロ/ドルの推移

  • ドル/円は 147.44円 とほぼ横ばい

    • 欧州時間には148円18銭まで売られたものの、NY時間にかけて下げを縮小しました。

  • ユーロ/ドルは 1.1638ドル と小幅安

    • 一時0.6%安まで売られましたが、フランスの政局不安を背景に下げ渋りました。

  • ポンドは 1.3496ドル と小幅上昇しました。

政治と金融政策の影響

米国では、トランプ大統領がFRBのクック理事を解任したことが話題に。FRBの独立性への懸念が強まり、投資家心理に影響を与えています。
一方で、NY連銀のウィリアムズ総裁は「利下げは将来的にあり得るが、今後の経済指標を見極める必要がある」と慎重な姿勢を示しました。

今後の注目イベント

  • エヌビディアの決算

  • 29日に発表されるPCEコア指数(インフレ指標)

  • 9月FOMCの利下げ判断(市場は87%の確率で0.25%利下げを織り込み)

これらが出揃うまで、市場参加者は大きなポジションを取りにくい状況となっています。


補足:用語解説

  • ドル指数(ドルインデックス)とは?
    ドルの強さを複数の主要通貨と比較して数値化した指標。ドルが世界的に買われているか、売られているかを測る目安。

  • PCEコア指数とは?
    米国のインフレ率を示す重要な物価指標。FRBが政策判断で特に重視するデータのひとつ。


まとめ

  • ドル指数は下落、ドル/円は147円台半ばで横ばい

  • エヌビディア決算とPCEコア指数発表待ちで市場は様子見

  • トランプ大統領によるFRB理事解任で独立性に懸念

  • 市場は9月FOMCでの利下げをほぼ織り込み済み

 

原油と金の市場動向:在庫減少と安全資産需要が支え

  • 原油相場は在庫減少を背景に反発
  • 金相場は金利低下とドル安で上昇、安全資産需要が下支え
  • 米政権のインドへの関税強化は世界的な供給懸念を完全には解消せず

原油市場:在庫減少で反発

ニューヨーク原油先物(WTI)は反発し、1バレル=64.15ドルで取引を終えました。

背景には以下の要因があります

  • 米政府統計で、原油在庫が240万バレル減少(予想以上のマイナス)

  • 受け渡し拠点クッシングの在庫も8週間ぶりに減少

  • ガソリン・ディーゼルの在庫も減り、需要が底堅いことを示唆

一方で、トランプ政権がインドに最大50%の関税を発動したものの、インドの製油業者はロシア産原油の購入を継続予定で、世界的な供給過剰懸念は大きく和らいでいないと指摘されています。

👉 プロンプトスプレッドとは?
期近の原油価格と先物の価格差のこと。差が拡大すると「需給の引き締まり」が示唆されます。


金市場:金利低下とドル安で続伸

ニューヨーク金先物(12月限)は 1オンス=3448.60ドル(+15.6ドル) と上昇しました。

動きの背景は

  • 当初はFRB高官発言を受け、金利・ドル指数が上昇 → 金相場はマイナス圏

  • しかしトランプ大統領がFRB理事の解任を通告 → 市場に不透明感が広がり、安全資産の金需要が再び強まる

  • その後、金利低下・ドル安に転じたことが買いを後押し

市場の注目は:

  • 今週後半の米GDP改定値

  • PCE物価指数(インフレ指標)
    これらが今後の金融緩和の時期やペースに影響を与える可能性があります。

👉 安全資産とは?
経済や政治に不透明感があるときに投資資金が集まりやすい資産。代表例は「金」「米国債」「円」などです。


まとめ

  • 原油は在庫減少と需給引き締まりで反発

  • 米政権の関税強化は供給懸念の根本解決には至らず

  • 金は金利低下とドル安、安全資産需要で続伸

  • 今後は米GDP改定値PCE物価指数に注目