2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/29

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

【オススメ】書籍紹介サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

外為どっとコム タイアップ企画

【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析 限定タイアップ】【外為どっとコム×タッタふぁんだめんたる分析限定タイアップ】 限定レポート 「毎朝10分で完結する効率的な情報収集ルーティン」をプレ...

昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、S&P500が最高値更新 強い経済指標とAI需要が支え

  • S&P500とダウが最高値を更新、ハイテク株が相場を牽引
  • 米GDPが年率3.3%増に上方修正、経済の強さを確認
  • インフレ指標PCEの発表前で様子見、市場は9月利下げの行方を注視
  • AI関連株が引き続き堅調、エヌビディアは下落もアルファベットやアマゾンが上昇

株式市場の動き

28日の米国株式市場では、

  • S&P500種株価指数:6501.86(+0.32%)

  • ダウ工業株30種平均:45636.90(+0.16%)

  • ナスダック総合指数:21705.16(+0.53%)

と主要指数が揃って上昇しました。S&P500は「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク株の上昇に支えられ、節目の6500を突破しました。


景気指標の追い風

  • 米GDP(4-6月期改定値):年率3.3%増(速報値3.0%から上方修正)
    → 設備投資と個人消費が上方修正され、米経済の底堅さが示されました。

  • 新規失業保険申請件数:22.9万件(予想23万件を下回る)
    → 労働市場が依然強いことを示唆。

これらの指標により、米経済が「減速しにくい」ことが再確認されました。


インフレと利下げ観測

29日に発表されるPCE価格指数(米FRBが重視するインフレ指標)が焦点です。

  • 予想:コアPCE(食品・エネルギー除く)前年比+2.9%

  • 上振れならインフレ懸念が再燃

  • 予想通りか下振れなら9月利下げ期待が強まる

市場はすでに利下げを織り込んでおり、発表内容次第でセンチメントが左右されそうです。


企業動向

  • エヌビディア:決算後に慎重な見通しを示し0.8%安。ただしAI需要は依然強く、アナリストが目標株価を引き上げ。

  • アルファベット:+2%

  • アマゾン:+1%

  • ブロードコム:+3%近く上昇

  • スノーフレイク:AI需要で業績見通しを引き上げ、20%急伸

  • HP:AI搭載PCの需要で4.6%高

AI関連株の底堅さが全体相場を押し上げています。


アナリストの見方

  • 「米経済はエンジン全開。関税懸念は過剰だった」(ノースライト)

  • 「強気相場は健在。景気後退がなければ崩れない」(同)

  • 「9月は株式にとって季節的に弱い月だが、今のモメンタムを考えれば懸念は限定的」(LPLファイナンシャル)


まとめ

  • S&P500とダウが史上最高値を更新

  • GDP・失業保険申請ともに強い結果で米経済の底堅さを確認

  • PCE価格指数が9月利下げ観測を左右する重要イベントに

  • AI関連株が引き続き市場を牽引

  • 9月は例年株式市場が軟調になりやすいですが、現在は「青空相場」インフレ指標次第で強気相場がさらに続く可能性

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債市場、短期債売り・長期債買いで利回り差が縮小

  • 米経済指標が堅調で、利下げ観測にやや疑問が生じた
  • 短期国債は売られ利回り上昇、長期国債は買われ利回り低下
  • 利回り曲線(短期と長期の利回り差)が縮小し、月末の調整要因も影響
  • 金利先物市場では9月の利下げ確率8割超を織り込み

経済データと市場の反応

米国債市場では、短期債が売られ(利回り上昇)、長期債が買われ(利回り低下)ました。背景には以下があります。

  • GDP統計新規失業保険申請件数が強く、米景気の底堅さを示した

  • これにより「FRB(米連邦準備制度理事会)が本当に早期利下げを行うのか?」という疑問がやや強まった

利回りとは?
国債を保有したときに得られる実質的な利回り。価格が下がると利回りは上がり、価格が上がると利回りは下がります。


国債利回りの動き

  • 2年債利回り:3.63%(+2bp) 上昇

  • 10年債利回り:4.20%(-3bp) 低下

  • 30年債利回り:4.87%(-5bp) 低下

その結果、2年債と10年債の利回り差は62bp → 57bpに縮小しました。


市場参加者の見方

  • ソシエテ・ジェネラルのラジャッパ氏は
    「個人消費は底堅く、データは利下げ必要性に疑問を投げかけている」と指摘

  • 一方、INGのガーベイ氏は
    「短期ゾーンでは150bp(=1.5%)の利下げが予想されている」とコメント

bp(ベーシスポイント)とは?
金利変動の単位。1bp=0.01%。たとえば25bp=0.25%。


利下げ観測

  • 金利スワップ市場:10月までに1回、年末までに合計2回の利下げを織り込み

  • FF金利先物市場

    • 9月FOMC利下げ確率:84%

    • 2026年末までに合計138bpの利下げを見込む


入札動向

米財務省が実施した7年債入札(発行額440億ドル)は好調でした。

  • 落札利回り:3.925%(入札前水準よりやや高め)

  • 月末のインデックスファンド需要も支えに。


まとめ

  • 米経済の底堅さで短期債は売られ、利回り上昇

  • 長期債は買われ、利回り低下 → 利回り差縮小

  • 利下げ観測は依然強いが、指標が「本当に必要か?」と疑問を投げかける

  • 7年債入札は堅調、月末要因で需給も影響

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル全面安、FOMC利下げ観測とFRB独立性巡る混乱で

  • ニューヨーク外国為替市場でドル指数が下落、主要通貨に対して全面安。
  • 米国の強い経済指標で利下げ幅は縮小の見方も出たが、FRB独立性への懸念や利下げ観測がドルを押し下げ。
  • FRB理事の解任を巡り、トランプ大統領とFRBの間で歴史的な法廷闘争が勃発。
  • 市場は9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げを8割以上織り込み済み。
  • ユーロはフランス政治リスクを警戒しつつも対ドルで上昇。

ドル指数は3日続落

ニューヨーク外国為替市場では、ドル指数が0.3%下落し3営業日続落しました。

  • ドル/円は146円台後半まで下落(前日比 -0.32%)

  • ユーロ/ドルは0.4%上昇し1.16ドル台後半に

背景には、米連銀高官の「いずれ利下げはあり得る」という発言や、トランプ大統領によるFRB人事介入への不信感があります。


FRBを巡る政治的リスク

トランプ大統領は、住宅ローン契約を巡る不正疑惑を理由に、クックFRB理事の解任を表明しました。これに対しクック氏は提訴し、「FRBの独立性を脅かす」と反発。
この法廷闘争は歴史的なケースとなり、市場に「金融政策が政治に左右されるのではないか」という不安を与えています。

FRB独立性とは?

FRB(米連邦準備制度理事会)は政府から独立して金融政策を決定する権限を持ちます。これは、短期的な政治圧力に左右されないようにする仕組みです。


今後の注目材料

市場関係者は、今後の利下げ判断の鍵を握る以下の指標に注目しています。

  • PCE価格指数(個人消費支出デフレーター):FRBが最も重視するインフレ指標

  • 米雇用統計:労働市場の強さを確認する重要データ

CMEフェドウォッチによると、9月会合での0.25%利下げ確率は約85%と見込まれています。


ユーロとフランス政治

ユーロは対ドルで上昇しました。背景には、フランスのバイル首相が議会での信任投票に臨む方針を示したことがあります。ただし、市場では「フランスの政治不安はすでにある程度織り込まれており、ユーロ相場を長期的に動かす可能性は低い」との見方が支配的です。


まとめ

  • ドルは主要通貨に対して全面安、FRBの独立性懸念が売り材料に

  • 米経済指標は堅調だが、市場は9月の利下げをほぼ織り込み済み

  • クックFRB理事の提訴で政治リスクが浮上

  • ユーロはフランス政治を背景に一時上昇も、持続性は限定的

 

原油と金市場の動向まとめ

  • 原油価格はロシア・ウクライナ和平が遠のいたことで続伸
  • 金は利下げ観測が根強く、投資資金の流入で上昇
  • 米PCEデフレーター(インフレ指標)の発表が今後の焦点

原油市場の動き

ニューヨーク原油先物(WTI)は 1バレル=64.60ドル(前日比+0.7%) で終了しました。
背景には、ロシアとウクライナの和平合意が進展しないとの見方があります。

  • ドイツ首相が「両国首脳会談は実現しない」と発言

  • 和平が成立すればロシア産原油の輸出規制が緩和される可能性があったが、その見通しは後退

  • 米レーバーデー連休前で商いが薄く、値動きが荒くなりやすい状況

👉 供給不安が再燃し、価格を押し上げた格好です。


金市場の動き

金は 1オンス=3419.27ドル(前日比+0.6%) に上昇しました。COMEX金先物12月限も 3474.30ドル(+0.75%) と続伸です。

材料は以下の通りです。

  • 米7月PCEコア価格指数が 5カ月ぶりの高い伸び になる見込み

  • インフレが高止まりならFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ余地は狭まる

  • ただし、市場は依然として「9月利下げ確率80%超」を織り込み

  • 利下げ=金利低下は金に有利(金は利息を生まないため、相対的に魅力が増す)

さらに、トランプ政権によるFRBへの政治的圧力も投資家の警戒材料となり、安全資産としての金需要を支えています。


用語補足

  • WTI原油:米国で取引される代表的な原油価格の指標。

  • ブレント原油:北海産原油を基準とした国際的な価格指標。

  • PCEコア価格指数:米国の個人消費支出の物価動向を示す指標。FRBが重視するインフレ指標。


まとめ

  • 原油:ロシア・ウクライナ和平後退で供給懸念、WTIは64.60ドルに上昇

  • 金:利下げ観測と安全資産需要で続伸、3419ドル台へ

  • 注目:米PCEデフレーターの結果次第で、FRBの利下げ判断と市場の動きが左右される