2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/5

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株反発、弱い雇用統計で利下げ観測が追い風に

  • 米雇用統計の弱い結果で利下げ期待が高まり、株価は大きく反発
  • 企業業績の好調さも市場心理を支える
  • 今後の株価は、利下げ観測や企業業績を軸に動く見通し

雇用統計が弱く、米国株は大幅反発

米国株式市場は8月4日、大幅な反発となりました。7月の米雇用統計が予想を下回ったため、市場では早期の利下げ(政策金利の引き下げ)への期待感が高まりました。

さらに、企業の好調な業績も買いの動きを後押し。米国債市場も落ち着きを取り戻し、リスクを取る動き(リスク選好)が強まっています。

【利下げとは?】
中央銀行が景気を刺激するために政策金利を引き下げること。金利が下がることで企業や個人がお金を借りやすくなり、景気を支える効果がある。


株価指数は軒並み上昇

株価指数 終値 前日比 変化率
S&P500 6329.94 +91.93 +1.47%
ダウ平均 44173.64 +585.06 +1.34%
ナスダック 21053.58 +403.45 +1.95%
  • S&P500は5月以来の大幅高で、指数の85%の銘柄が上昇。

  • ナスダックはハイテク株を中心に大幅な反発を見せました。


専門家も米国株に強気の姿勢

市場の専門家も、株式市場の見通しに楽観的な意見を示しています。

  • モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、「企業業績が堅調なので、株価が下落した場面では買うべきだ」と述べています。

  • ゴールドマン・サックスのデビッド・コスティン氏は、「企業は関税の影響を乗り越えられる」と経営者が楽観的な姿勢を維持していると指摘しています。

実際、ブルームバーグの調査では、S&P500企業の利益は前年より9.1%増え、市場予想(2.8%増)を大きく上回る見通しです。


今後の注目ポイントは?

専門家によると、今後の市場では次の点が注目されます。

  • 景気減速が株価の重荷になるか、それとも利下げの材料になるか

  • 機関投資家の売り圧力と個人投資家の押し目買いの動向

  • 秋に向けて強気な環境が整い、年末に向け株価が再び上昇する可能性


注目企業の動きは?

  • 電気自動車(EV)大手のテスラは2.2%上昇。イーロン・マスクCEOに290億ドル相当の株式を付与し、経営陣の安定化を図っています。

  • 音楽配信サービス大手のスポティファイは月額料金の値上げ発表で5%上昇。

  • 空飛ぶタクシーを開発するジョビー・アビエーションは、事業買収のニュースで18.8%急上昇しました。

一方、投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは、決算発表で減益を報告し、2.7%下落しました。


まとめ

  • 米雇用統計の悪化で早期の利下げ期待が高まり株価が上昇
  • 企業業績が予想以上に好調で市場の心理を支える
  • 専門家は、下落局面での買いを推奨する声が多い
  • 個人投資家の押し目買いと機関投資家の動向が今後の注目ポイント
  • 利下げ期待と堅調な業績を背景に、年末に向けて株価がさらに上昇する可能性

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米雇用統計悪化で利下げ観測急上昇、9月FOMC利下げ確率85%超に

アメリカの雇用統計(※雇用者数の増減などを示す重要な経済指標)が予想より悪かった結果、国債相場が大きく上昇しています。国債相場が上がると利回りは下がるため、各年限の米国債利回りは以下のように低下しました。

  • 30年債利回り:4.79%(前日比-3.1bp※)
  • 10年債利回り:4.19%(前日比-2.4bp)
  • 2年債利回り:3.68%(前日比-0.6bp)

※bp(ベーシスポイント):金利の単位で、1bp=0.01%

利下げ観測の高まり

9月の利下げ確率が大幅上昇

FOMC(※アメリカの金融政策を決める会議)による9月の利下げ確率は以下のように変化しています

  • 現在:約85-88%
  • 雇用統計発表前:約40-50%

この大幅な上昇は、経済の先行き不安から金融緩和(利下げ)への期待が高まったことを示しています。

専門家の見解

モルガン・スタンレーの専門家は「7月のような悪い雇用統計は、通常何日も何週間も相場を動かし続ける」と分析し、5年債への投資を推奨しています。

今週の注目ポイント

大規模な国債入札

今週は以下の国債入札が予定されています

  • 対象:3年債、10年債、30年債
  • 規模:計1,250億ドル(約18兆4,000億円)
  • 影響:5月以来の大規模入札で、国債価格に下押し圧力の可能性

その他の市場要因

  • トランプ大統領による新たな関税発表
  • FRB理事の早期辞任表明
  • 労働統計局長の解任

これらの政治的・政策的な動きも市場の不安定要因となっています。

今後の見通し

イールドカーブ(※短期と長期の金利差を示すグラフ)のスティープ化(短期金利と長期金利の差が拡大すること)が進む可能性があると専門家は指摘しています。これは、短期的な利下げ期待と長期的な経済不安が同時に高まっていることを表しています。

まとめ

  • 弱い雇用統計を受けて米国債利回りが全般的に低下し、国債価格は上昇した
  • 9月のFOMCでの利下げ確率が85-88%まで大幅に上昇している
  • 今週は大規模な国債入札が予定されており、国債価格への下押し圧力となる可能性がある
  • 貿易政策やFRB人事など政治的要因も市場の不安定化に影響している
  • 市場では短期的な利下げ期待と長期的な経済不安が同時に高まっている状況

 

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル小幅低下、米雇用統計の影響とスイスへの関税措置が焦点に

  • 米雇用統計が予想を下回り、ドル指数は小幅な低下傾向
  • 米国がスイスに39%の関税を課し、スイスフランが下落
  • ゴールドマンは米利下げとユーロ圏成長見通し改善を予測
  • トランプ大統領による重要ポストの人事変更で市場は不透明感

米雇用統計が示した景気の減速

先週1日に発表された米雇用統計が予想を下回ったことで、米国経済が停滞しつつあるとの見方が広がっています。ゴールドマン・サックスは、9月から3回連続で0.25ポイントの利下げを予想。さらに次回の雇用統計次第では0.5ポイントの利下げの可能性にも触れました。

利下げとは?
景気を刺激するために中央銀行が政策金利を引き下げること。利下げにより企業や消費者がお金を借りやすくなり、経済活動が活発化すると期待されます。


スイスへの高関税がフランを圧迫

米国がスイスに39%の関税を課すと発表したことを受け、市場はスイス政府の対応を注視しています。スイスフランはこれを嫌気し、主要通貨の中で下げが目立っています。

関税とは?
輸入品に対してかけられる税金。高関税をかけることで輸入品を国内市場から締め出し、自国製品の保護を狙う場合があります。


トランプ大統領による人事変更と市場の反応

トランプ米大統領は、労働省統計局(BLS)の局長を解任したほか、FRB(連邦準備理事会)理事の辞任を受けて新たな人事を発表する予定です。市場関係者はこれらの人事が経済政策にどのような影響を与えるのか、警戒感を強めています。


ドルは一時回復も先行き不透明感が拭えず

ニューヨーク外為市場ではドルがユーロや円などに対して一時的に回復を見せましたが、米経済の減速傾向や政権の政策不透明性から、回復が持続するかどうかには疑問の声が多く聞かれます。


まとめ

  • 米国の経済減速から利下げ観測が強まり、ドル指数が小幅低下
  • スイスへの39%の関税措置でスイスフランが下落、今後の動向に注目
  • トランプ大統領の人事変更に伴う政策運営への懸念が市場を不安定化
  • ドルは短期的に反発したものの、不透明要素が多く、先行きは慎重視される

 

原油3日続落、OPECプラス増産で供給増加懸念

原油価格の下落

主要指標

  • WTI原油:66.29ドル(-1.5%)
  • ブレント原油:68.76ドル(-1.3%)

下落要因

  • OPECプラス(※石油輸出国機構とロシアなど非加盟国の連合)が9月に日量54万7,000バレル増産を決定
  • 供給増加により1週間ぶりの安値を記録

地政学リスクで値動き不安定

トランプ発言の影響

  • インドがロシア産原油購入を理由に関税引き上げを示唆
  • 供給逼迫懸念(※供給不足への心配)で価格が乱高下

専門家の見方

  • 米中東特使が6日にロシア訪問予定
  • ただし「ロシア原油への実質的制裁可能性は低い」との分析

金は上昇

価格動向

  • スポット価格:3,376.25ドル(+0.4%)
  • 先物12月限:3,426.40ドル(+0.8%)

上昇要因

  • 早期利下げ観測(※金利低下への期待)が金買いを促進

まとめ

  • 原油はOPECプラス増産決定で3日続落、供給増加懸念が価格を押し下げ
  • トランプ大統領の関税発言で地政学リスクが高まり、市場が不安定化
  • 専門家はロシア産原油への実質的制裁は困難と分析
  • 金相場は利下げ期待を背景に続伸、安全資産として買われる