2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/7

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場が反発、アップル大型投資で市場心理改善

  • 米株式市場は、米国の利下げ期待やアップルの大型投資を背景に反発
  • アップルが国内生産に約14兆7500億円(1000億ドル)を追加投資するとトランプ大統領が発表予定
  • 経済指標の悪化で利下げ期待が高まり、ドル安と短期債利回り低下を誘発

株価は押し目買いで大幅反発

6日の米株式市場は反発しました。特にハイテク株への買いが活発で、ナスダック総合指数は1.21%、ナスダック100指数は1.3%上昇しました。米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利下げを行うとの期待感から、短期債の利回りが下がり、ドル安が進みました。

押し目買いとは?

株価が一時的に下がった際に、将来的な上昇を見込んで安値で買うこと

アップルが国内生産強化で株価上昇

トランプ米大統領は、アップルが米国内生産拡大のため約1000億ドル(約14兆7500億円)を追加投資する計画を発表する予定です。これを受けてアップル株は5.1%も上昇しました。

ホワイトハウス報道官も、この動きは米経済と国家安全保障の強化につながると述べています。

アニマルスピリッツとは?

市場参加者が将来への楽観的な期待をもとに積極的に投資する心理状態のこと

FRB関係者も利下げを示唆

FRBのクック理事は、7月の雇用統計に懸念を示し、米経済が転換点を迎えている可能性を指摘しました。さらに、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、経済減速を踏まえて短期的に利下げが必要となる可能性を示唆しています。

業績好調企業が目立つ

企業決算は概ね予想を上回っており、市場心理を支えています。

  • マクドナルドは既存店売上高が市場予想を上回り、株価は3%上昇。

  • アリスタ・ネットワークスは売上高予想が好調で17.5%上昇。

ただし、一部企業ではデータセンター部門の不振が目立ち、AMDは6.4%安、スーパー・マイクロは18.3%安となりました。

米経済は不安要素を抱えながらも株価は堅調

ゴールドマン・サックスのマクロトレーダーは、米国が景気後退(リセッション)に陥る可能性が30%にも関わらず、株式市場が堅調であることに疑問を投げかけています。市場は短期的なリスクを無視しているとの指摘です。

今後の投資戦略は?

UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのヘーフェル氏は、短期的な不確実性や株価の割高感はあるが、投資家は変動リスクを管理しながら長期的な利益を目指すべきと提言しています。


まとめ

  • 米株式市場が利下げ期待やアップルの投資計画を受けて反発。
  • 企業決算が堅調で、市場心理は改善。
  • 一方で経済指標悪化やリセッション懸念も残り、楽観視には注意が必要。
  • 短期的な下落は押し目買いの機会との見方も。
  • 投資家は短期的な変動リスクを管理しつつ、長期的視点での投資が推奨される。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債入札不調で利回り曲線がスティープ化、10年債応札倍率1年ぶり低水準

利回り曲線のスティープ化とは

米国債市場では、利回り曲線がスティープ化しました。これは短期債の利回りが下がり、長期債の利回りが上がることで、グラフで見ると曲線が急な角度になることを指します。

今回の動きの要因は以下の通りです

  • 長期債:10年債入札の不調により売られて利回り上昇
  • 短期債:早期利下げ観測を背景に買われて利回り低下

各年限の利回り変動

具体的な数値

  • 30年債利回り:4.82%(+4.4bp上昇)
  • 10年債利回り:4.23%(+2.2bp上昇)
  • 2年債利回り:3.71%(-1.3bp低下)

※bp(ベーシスポイント):1bp = 0.01%を表す金利の単位

10年債入札の詳細結果

入札の不調な内容

420億ドル規模で実施された10年債入札は以下の通り不調でした

  • 最高落札利回り:入札前の市場水準を1.1bp上回る高水準
  • 応札倍率:2.35倍(過去6回平均の2.51倍を大幅に下回る)
  • プライマリーディーラー割合:16.2%(1年ぶりの高水準)
  • 間接入札者割合:64.2%に低下

他の年限の入札状況

  • 3年債入札(580億ドル):応札倍率2.53倍で平均を下回る軟調な結果

市場への影響

入札不調を受けて、長期ゾーンの国債利回りは上昇しました。特に10年債利回りは5営業日ぶりに上昇に転じる見通しとなっています。

まとめ

  • 米国債市場では10年債入札の不調により利回り曲線がスティープ化しました
  • 長期債(10年・30年)の利回りが上昇し、短期債(2年)の利回りが低下しました
  • 10年債入札の応札倍率は2.35倍と1年で最も低い水準となりました
  • 早期利下げ観測が短期債の買いを支える一方、長期債には売り圧力がかかっています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル安が鮮明化、FRB利下げ観測強まる―雇用統計の影響続く

  • 米ドルは主要通貨に対して下落。特にユーロ高が目立つ。
  • 7月の雇用統計が予想を大幅に下回った影響で、FRB(米連邦準備理事会)の利下げ期待が高まる。
  • 日銀の追加利上げについて、日本国内の意見が分かれている。

米ドル安、FRBの利下げ観測が加速

外国為替市場では、ドルが主要な通貨に対して続落しました。米国の景気鈍化を示す経済指標の影響で、市場ではFRBが利下げ回数を増やすとの予想が強まっています。

特に7月の雇用統計が予想を下回り、米国経済の減速が鮮明になったことから、投資家はドルを売る動きを加速させています。

FRBの利下げ観測とは?

FRBが経済を刺激するために政策金利を引き下げると予想されることを指します。一般的に利下げが行われると、その国の通貨は売られやすくなります。

注目された雇用統計の影響

7月の非農業部門雇用者数(米国の経済状況を示す重要な指標)が予想以上に鈍化したことに加え、過去2か月分も大幅に下方修正されました。その結果、市場参加者の間でFRBによる追加利下げがほぼ確実視されています。

  • 9月の利下げ確率は95%(1週間前の48%から急上昇)

  • 年末にも追加利下げが実施される可能性が再浮上

これらを受けて、ドルは主要10通貨に対して下落を続けています。

ユーロの上昇が鮮明に

ユーロは対ドルで一時、7月28日以来の高水準となる1ユーロ=1.1662ドルまで上昇しました。米ドル安が明確になる中、市場の資金はユーロへ流れています。

日本円は小幅高、国内意見は割れる

一方、日本円は対ドルで小幅に上昇。一時146円台後半を付けましたが、その後上げ幅を縮小し147円台前半で推移しています。

日本国内では、日銀の金融政策をめぐって意見が割れています。

  • 河野太郎元外相: 政府が日銀に利上げを要請すべきだと主張。

  • 斎藤健・自民党税調副会長: 追加利上げには慎重で、政府と日銀の連携が重要だと指摘。

今後の日銀政策の動向にも注目です。

まとめ

  • 米雇用統計悪化によりFRBの利下げ予想が高まり、ドル安が進む
  • ユーロが対ドルで大幅に上昇、投資家の関心が集中
  • 円相場は小幅高、日銀の追加利上げを巡り国内で意見が割れる
  • FRBの利下げ動向と日銀政策の行方が今後の為替市場の注目ポイント

 

原油5営業日続落、米ロ会談報道で下げ加速 金は通商戦略懸念で小反落

主要価格

  • WTI原油:64.35ドル/バレル(1.2%安)
  • ブレント原油:66.89ドル/バレル(1.1%安)

下落要因

  • トランプ・プーチン会談報道でロシア制裁緩和への期待
  • ロシア産エネルギー制裁強化への不透明感
  • 投資家のポジション調整

※ポジション調整:投資商品の売買による保有量の調整

需給面

  • 米原油在庫は減少
  • 製油所稼働率は2019年以来の高水準

金の動向

価格推移

  • 金スポット:3,371.07ドル/オンス(0.3%安)
  • 金先物:3,433.40ドル(1.30ドル安)

下落要因

  • トランプ大統領がインド輸入品に25%追加関税
  • 通商戦略への懸念
  • 地政学情勢と金融政策の不透明感

まとめ

  • 原油は米ロ会談報道でロシア制裁緩和期待から5営業日続落しました
  • WTI64.35ドル、ブレント66.89ドルで取引終了しました
  • 金は通商戦略懸念で小反落し3,371ドル台で推移しました
  • 地政学リスク後退観測が需給引き締まり要因を上回りました