2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/8

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場、S&P500が小反落 過熱感への警戒強まる

  • S&P500は小反落、ダウは下落、ナスダックは最高値更新
  • 投資家の間で株価の割高感と季節的な軟調リスクが意識される
  • インテルやイーライリリーなどの企業ニュースが相場を左右
  • FRB議長人事や関税政策が引き続き市場の焦点

S&P500は小幅安、ナスダックは続伸

7日の米株式市場では

  • S&P500種株価指数:6,340.00(-0.08%)

  • ダウ平均:43,968.64(-0.51%)

  • ナスダック総合:21,242.70(+0.35%、終値で最高値更新)

S&P500は午前中にプラス圏をつける場面もありましたが、引けにかけて売りが優勢となりました。

背景には、株価の過熱感(短期間で急騰しすぎた状態)や、8〜9月に相場が軟調になる季節要因への懸念があります。


企業ニュースと株価への影響

  • インテル(-3.1%)
    トランプ大統領が新CEOの利益相反を理由に辞任要求。

  • イーライリリー(-14%)
    開発中の肥満治療薬の効果が市場期待の下限にとどまり急落。

  • フォーティネット(-22%)
    売上見通しが予想を下回り大幅安。

  • アップル(+3.2%)
    半導体関税の対象外となる見通しで上昇。


政策・経済指標の動き

  • FRB議長人事
    トランプ政権内でウォラー理事が最有力候補に浮上。

  • 関税政策
    新たな相互関税が発動され、米国の平均関税率は過去100年で最高水準に。

  • 経済指標
    新規失業保険申請件数は22.6万件(予想より増加)、9月の利下げ観測は93.2%と高水準を維持。


アナリストの見方

  • 市場はヘッドラインリスク(突発的ニュースで相場が急変するリスク)が依然高く、年末に向けて下落局面に入りやすいとの指摘。

  • 関税は成長の重しになるが、米経済や株高を直ちに崩すほどではないとの見方も。


まとめ

  • 米株は高値圏での調整色が強まる中、ナスダックは最高値を更新。

  • 関税・FRB人事・企業決算が今後の相場の焦点。

  • 季節要因や突発ニュースによる急変リスクに注意が必要。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米30年国債入札、不調で利回り小幅上昇

  • 米30年国債入札が低調で、投資家の需要が弱いことが浮き彫りに
  • 利回りは全体的に小幅上昇、CPI発表前の慎重姿勢が続く
  • 雇用統計の弱い結果を受けても、投資家は利回り低下に飛びつかず様子見

30年国債入札の結果

米財務省が実施した2500億ドル規模の30年国債入札では、最高落札利回りが4.813%と、入札前取引(WI)の4.792%を上回りました。

  • プライマリーディーラー(主幹事証券会社)の取得割合は17.5%(1年ぶり高水準)

  • 間接入札者(主に海外中央銀行など)の割合は59.5%に低下

過去数日の3年債・10年債の入札も低調で、市場の慎重ムードが続いています。


投資家心理と背景

TDセキュリティーズのゴールドバーグ氏は

「市場は雇用統計の弱さにも関わらず神経質。利回り低下に飛びつかず、タイミングを見極めている」
と指摘。来週の米消費者物価指数(CPI)発表を前に、投資家は様子見姿勢を強めています。


債券利回りの動き(米東部時間16:48時点)

  • 米30年債利回り:4.821%(+0.4bp)

  • 米10年債利回り:4.25%(+2.0bp)

  • 米2年債利回り:3.72%(+0.6bp)

指標発表(新規失業保険申請件数・労働生産性)は市場にほぼ影響を与えませんでした。


今後の焦点

  • 8月12日のCPIが上振れすれば、早期利下げ観測が後退する可能性

  • 複数のFRB関係者は「労働市場の冷え込み対応で利下げが必要」と主張中


まとめ

  • 30年国債入札は低調で、利回りは小幅上昇

  • 投資家はCPI発表前に慎重姿勢を維持

  • 雇用統計の弱さも即座の利回り低下にはつながらず

  • CPIが予想を上回れば、利下げ観測が後退の可能性

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル相場、FRB人事報道で上下 英中銀は利下げも意見割れる

  • 米ドルは一時上昇も、FRB理事人事報道を受けて下落
  • ミラン氏指名は「ドル安要因」との見方、ただ影響は限定的との声も
  • 英中銀は予想通り利下げ決定、追加利下げ観測は後退
  • ウォラーFRB理事が次期議長候補に浮上との報道でドルが再び上昇

ドルの値動きと背景

外国為替市場では、ドルは日中こそ買いが優勢でしたが、FRB理事人事を巡るニュースで下げに転じました。
トランプ米大統領は、経済諮問委員会委員長のミラン氏をFRB理事候補に指名。

  • ミラン氏は過去にドル安を促す論文を執筆しており、ハト派(金融緩和姿勢)寄りとの見方が多い

  • ノムラ証券の宮入氏は「FRBの独立性低下への懸念がドル売りにつながる」と指摘

  • 一方、BMOのライ氏は「市場への影響は限定的」とコメント

為替レート(米東部時間16時47分時点)

  • ドル指数:1203.66(前日比 -0.08%)

  • ドル/円:147.07円(-0.20%)

  • ユーロ/ドル:1.1666ドル(+0.05%)


英ポンドと英中銀の政策

英ポンドは上昇。イングランド銀行(BOE)は政策金利を利下げしましたが、賛成は9人中5人にとどまり、意見の割れが鮮明に。

  • 成長鈍化とインフレ再燃の板挟み

  • ベイリー総裁は「微妙なバランスの決定」と説明

  • 市場では年内の追加利下げ観測がやや後退


ドルを押し上げたもう一つの報道

終盤にはウォラーFRB理事がパウエル議長の後任最有力候補と報じられ、ドルが再び上昇。

  • ウォラー氏は2020年にトランプ氏が任命

  • 金融市場で高い評価を得ており、ドル資金流入を支える信頼性ありとの評価

  • ドル指数は0.18%高の98.36、ドル/円は147.49円に上昇


その他の市場動向

  • ユーロ/ドルは一時1.1698ドルまで上昇(ロシア・米首脳会談への期待)も最終は1.1627ドル

  • ビットコインは1.06%高の116,348ドル


まとめ

  • FRB理事候補にミラン氏 → ドル安要因との見方

  • 英中銀は利下げも、追加利下げ観測は後退

  • ウォラー氏次期議長報道でドルは終盤反発

  • ユーロは地政学期待で一時上昇、ビットコインは堅調推移

 

原油・金相場の動向:プーチン・トランプ会談を控えた市場の反応

  • 原油価格は6営業日続落し、約2カ月ぶりの安値
  • ロシア産原油の供給懸念が後退し、需給要因への注目が再び強まる
  • 金価格は反発したものの、ウクライナ停戦期待で上値は限定的

原油市場の動き

2カ月ぶり安値、6日連続の下落

ニューヨーク原油先物(WTI)は、1バレル=64ドルを割り込み63.88ドルで終了。
これは6月初旬以来の安値で、6日連続の下落は2023年12月以来の長さです。

背景

  • 近く予定されるプーチン大統領とトランプ大統領の会談が注目材料

  • 市場では、ロシア産原油への関税など供給リスクが後退したとの見方

  • バノックバーン・キャピタルのフレッチャー氏は「リスクプレミアムが縮小し、年末の供給過剰懸念が意識されている」とコメント

終値

  • WTI(9月限):63.88ドル(前日比 -0.47ドル / -0.7%)

  • ブレント原油(10月限):66.43ドル(-0.7%)


金市場の動き

反発も伸び悩み

金スポット価格は1オンス=3391.54ドルと0.7%上昇。
FRB理事候補にミラン氏が指名されるとの報道で買いが入りました。

しかし、ロシア大統領府がプーチン・トランプ会談の開催を発表すると、ウクライナ停戦への期待が高まり、安全資産としての金需要はやや後退しました。

終値

  • 金スポット:3391.54ドル(+22.21ドル / +0.7%)

  • 金先物(12月限):3453.70ドル(+20.30ドル / +0.6%)


用語補足

  • WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート):米国産の代表的な原油の種類で、国際的な原油価格の指標

  • リスクプレミアム:地政学リスクや政策不透明感によって価格に上乗せされる部分

  • 安全資産:株式や原油などのリスク資産が不安定なときに資金が流れる傾向のある資産(金や国債など)


まとめ

  • 原油は6営業日続落し、供給過剰懸念が再燃

  • プーチン・トランプ会談が市場心理を左右

  • 金はFRB人事報道で反発も、停戦期待で上値抑制

  • 地政学イベントと需給要因が今後の相場を決定づける可能性