2025/8

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/8/9

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株、ハイテク主導で大幅高 ナスダック最高値更新

  • S&P500は週間で6月以来最大の上昇(+2.4%)、ナスダック総合は3.9%高で最高値更新
  • ハイテク株が相場を牽引、「マグニフィセント・セブン」指数も過去最高
  • アップルが1,000億ドルの国内追加投資発表で株価急伸
  • FRB利下げ期待と好決算が投資心理を押し上げ
  • 一方で、米株からは資金流出・マネーマーケットファンドへの流入続く

ハイテク株が市場をけん引

8日の米株式市場は、ハイテク銘柄への買いが相場を押し上げました。
S&P500は0.78%高の6,389.45、ダウは0.47%高の44,175.61、ナスダック総合は0.98%高の21,450.02といずれも上昇。
ナスダックは2日連続で過去最高値を更新しました。

  • 「マグニフィセント・セブン」(米大型ハイテク7銘柄)の指数も最高値を更新

  • アップル(AAPL)は国内生産拡大に向け1,000億ドル投資を発表し4.2%高

  • ギリアド・サイエンシズは通期見通し上方修正で8.3%高

  • エクスペディアは好決算で4.1%高


FRB人事と利下げ期待

トランプ大統領は、CEA委員長のミラン氏を空席のFRB理事に指名すると発表。
市場では利下げに前向きな人事として受け止められ、金利低下期待が株価を押し上げました。

投資家の間では「ゴルディロックス(適温)経済」シナリオへの期待が高まり、景気が過熱も冷え込みもしない中での利下げが株式市場を支えるとの見方が広がっています。


投資家心理と資金動向

eToroのケンウェル氏は「S&P500構成企業の8割超が予想を上回る決算を発表しており、テクニカル・ファンダメンタルズの両面で強気が優勢」とコメント。


一方、BofAによると8月6日までの1週間で米株式から約280億ドル流出、マネーマーケットファンドには約1,070億ドル流入しており、高値警戒感も根強い状況です。


用語補足

  • マグニフィセント・セブン:米国の大型ハイテク7社(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ、エヌビディア、テスラ)を指す呼称

  • ゴルディロックス経済:景気が加熱も冷え込みもしない「ちょうど良い」状態。株式市場にとって理想的な環境とされる


まとめ

  • 米株はハイテク主導で上昇、ナスダック最高値を更新

  • アップルの1,000億ドル投資や好決算銘柄が相場を押し上げ

  • FRB利下げ期待と適温経済シナリオが投資心理を支える

  • 高値圏では資金流出もあり、銘柄選別と分散投資が重要に

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回りが上昇、来週のCPI発表に注目集まる

  • 米国債相場は下落し、10年債利回りは約3.3bp(0.033%)上昇の4.28%に
  • 先週の弱い雇用統計を受けて利下げ観測が強まる一方、インフレ懸念も残る
  • 市場の関心は来週発表の7月CPI(消費者物価指数)とPPI(卸売物価指数)に移行

米国債利回りの動き

8月8日の米国債市場では、

  • 10年債利回り:4.283%(+3.9bp、週初から+6.5bp)

  • 30年債利回り:4.853%(+4.1bp、3週間ぶり上昇)

  • 2年債利回り:3.756%(+2.2bp、週初から+5.8bp)

短期・長期ともに利回りが上昇し、10年債と2年債の利回り差は52.5bpとなりました。


FRB当局者の発言

セントルイス連銀のムサレム総裁は、

  • 物価安定がまだ達成されていないとの認識を示す

  • 雇用と物価の両方がリスクにさらされているとし、バランスの必要性を強調

  • 9月会合での利下げ支持については言及せず


利下げ観測の強まり

  • 先週の雇用統計の弱さから、短期金融市場では9月利下げ確率が上昇

  • CMEフェドウォッチ:9月会合での0.25%利下げ確率は89.4%(1週間前は80.3%)

  • JPモルガンも9月利下げを予想


来週の注目材料

市場の焦点は、

  • 7月CPI(消費者物価指数)

  • PPI(卸売物価指数)

TDセキュリティーズは、コアインフレ加速を予想。
特に「関税の価格転嫁が進み、財価格の上昇基調が強まる」と指摘しています。


用語補足

  • bp(ベーシスポイント):金利変化を表す単位。1bp=0.01%

  • CPI(消費者物価指数):物価上昇率を測る指標。FRBの政策判断に影響大

  • PPI(卸売物価指数):生産段階の価格変動を示す指標。将来のCPI変動の先行指標となることが多い


まとめ

  • 米国債利回りは短期・長期ともに上昇

  • 雇用統計の弱さで利下げ観測は高まるも、インフレ懸念が残る

  • 来週のCPI・PPI発表がFRBの9月判断のカギ

  • FRB内部でも物価と雇用のバランスを巡る意見が割れる可能性あり

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル横ばい、市場は来週の経済指標に注目

  • ドル指数はほぼ横ばいで推移し、米金融政策の方向性を探る動きが継続
  • トランプ大統領がFRB理事にハト派のミラン氏を指名、利下げ観測が強まる
  • 市場は9月FOMCでの利下げ確率を約89%と予想、年内合計で0.58%の利下げを織り込み
  • ドル円は一時147円90銭まで円安が進行

ドル指数の動きと背景

ブルームバーグ・ドル指数は1204.76(前日比+0.09%)とほぼ横ばいでした。
市場は米金融政策の行方を占うため、来週発表予定の各種経済指標に注目しています。

前日は、トランプ大統領がミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長をFRB理事候補に指名したニュースでドル安が進みましたが、その後は安定しました。


ミラン氏指名による影響

  • ミラン氏は金融緩和寄り(ハト派)の立場

  • 上院の休会により、就任は早くても12月FOMCからの参加が現実的

  • 任期は2026年1月末までで、出席できる会合は最大で2回程度

ハト派とは?
金利引き下げや金融緩和に積極的な立場のこと。景気刺激を重視する一方、通貨安につながる場合もあります。


市場の利下げ予想

スコシアバンクは「FOMCは市場予想より早いペースで利下げに動く印象」と分析。
市場は以下を織り込んでいます。

  • 9月FOMCで利下げ確率:89%

  • 年内の利下げ幅:合計58bp(0.58%)

bp(ベーシスポイント)とは?
金利や利回りの変化を表す単位。1bp=0.01%。


主要通貨・暗号資産の動き(終盤NY市場)

  • ドル/円:147.71円(+0.41%)

  • ユーロ/ドル:1.1655ドル(-0.09%)

  • ポンド/ドル:1.3451ドル(+0.06%、一時2週間ぶり高値)

  • ビットコイン:11万6429ドル(-0.70%)

日銀の動き

7月会合で「早ければ年内にも様子見解除の可能性」との意見が出ており、円安方向の一因に。


まとめ

  • ドル指数は小動き、来週の米経済指標が焦点

  • トランプ氏のFRB人事で利下げ観測が強まる

  • 市場は9月利下げをほぼ確実視、年内0.58%の利下げを予想

  • ドル円は147円後半まで円安が進行

 

原油・金市場の動き:米ロ停戦交渉と金関税報道が焦点に

  • 原油は米ロ停戦交渉報道で荒い値動きも、結局横ばい
  • 停戦が成立しても価格下落は限定的との見方
  • 金は米国の金関税報道で最高値更新後、修正報道でやや反落
  • 金先物は中心限月で史上最高値を更新

原油市場:米ロ停戦交渉が材料も方向感乏しい

ニューヨーク原油先物(WTI)は、米ロがウクライナ停戦合意に近づいているとの報道を受け、一時約1.80ドルの値幅で乱高下しました。
最終的には前日比変わらずの1バレル=63.88ドルで取引終了。週間では約5.1%安となりました。

交渉は、ロシアが占領した領土の支配を確定させる内容になる可能性があり、米国はウクライナや欧州同盟国の同意を模索中。ただし見通しは不透明です。
専門家は「EUや米国がロシアのエネルギー制裁を解除する見通しがないため、停戦成立でも原油価格への下押し圧力は限定的」と指摘しています。


金市場:関税報道で最高値更新、その後修正

ニューヨーク金先物は、米国が金地金(インゴット)に関税を課すとの報道で急騰し、1オンス=3,491.30ドルと中心限月で史上最高値を更新しました。
しかし取引終了後、ホワイトハウスが「金輸入への関税は課さない方針」との見解を示したため、時間外取引で一時下落。その後値を戻しました。

金スポット価格は1オンス=3,392.42ドル(前日比0.1%安)で終了。先物とスポットの価格差(スプレッド)は拡大しました。


用語補足

  • WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート):米国産の標準的な原油の種類で、原油価格の代表的指標。

  • 中心限月:先物取引で最も取引量が多い期限の契約。

  • スポット価格:現物取引で即時決済される価格。


まとめ

  • 原油は米ロ停戦交渉報道で上下するも、結局横ばいで引け。

  • 停戦成立でも制裁継続見通しから、価格下落は限定的との声。

  • 金は米国の関税報道で最高値更新後、修正報道でやや反落。

  • 金先物は中心限月で史上最高値を記録。