2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/11

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、PPI低下で利下げ期待高まり最高値更新

  • S&P500は最高値を更新し3日続伸
  • 予想外のPPI低下で利下げ観測が強まる
  • ハイテク株やAI関連株が上昇、オラクル急伸
  • 市場は年内3回の利下げをほぼ織り込み
  • 注目は翌日のCPI発表へ

株式市場の動き

10日の米国株市場では、S&P500種株価指数が6532.04で取引を終え、過去最高値を更新しました。


一方、ダウ平均はマイナス、ナスダック総合は小幅高と、指数ごとに明暗が分かれました。

  • S&P500:6532.04(+0.30%)

  • ダウ平均:45490.92(-0.48%)

  • ナスダック:21886.06(+0.03%)


PPI低下と利下げ観測

米労働省が発表した8月の生産者物価指数(PPI)は前月比0.1%低下しました。
これは市場予想に反する結果で、インフレがやや落ち着きを見せたことになります。

  • PPI(生産者物価指数)とは?
    → 企業が製品を販売する際の価格動向を示す指標で、インフレの先行指標として重視されます。

この結果を受けて、市場では「FRBが9月に利下げ再開へ」との見方が強まり、年内に3回の利下げを織り込む動きとなりました。


個別銘柄の動向

  • オラクル(ORCL):AI需要を背景としたクラウド事業の好調見通しで36%急伸。1992年以来最大の上昇率を記録し、時価総額は9220億ドルに到達しました。

  • 半導体株:エヌビディア(+3.8%)、ブロードコム(+10%)、AMD(+2.4%)と揃って上昇。フィラデルフィア半導体指数は過去最高値を更新。

  • 電力供給関連株:データセンター需要増でコンステレーション・エナジー、ビストラ、GEベルノバが6%超上昇。

  • アップル:AI競争で出遅れ感が意識され、-3.2%安で4日続落。

  • シノプシス(SNPS):売上が予想を下回り36%急落。同業のケイデンスも6.4%安。


今後の注目点

市場関係者は「今回のPPIはFRBの利下げを後押しする材料だが、決定的なのは翌日発表の消費者物価指数(CPI)」と指摘しています。
CPIの結果次第で、利下げのペースや規模が左右される見通しです。


まとめ

  • 米国株はS&P500が最高値を更新し3日続伸

  • PPIが予想外に低下し、年内利下げ観測が強まる

  • オラクル急伸、半導体株も高騰し市場を牽引

  • アップルは下落しAI競争で出遅れ感

  • 市場の焦点は11日発表のCPIに移行

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り低下、利下げ観測が後押し

  • 8月の卸売物価指数(PPI)が予想外にマイナスとなり、インフレ鈍化を示唆
  • FRBが9月FOMCで利下げを再開するとの見方が強まる
  • 10年国債入札に強い需要が集まり、利回り低下を加速
  • 債券市場では「利下げ幅」に注目が移行

PPI低下で利下げ観測が強まる

米労働省が発表した8月のPPI(卸売物価指数)は、前月比▲0.1%と予想外の下落でした。前年比では+2.6%と上昇を続けているものの伸びは鈍化。これにより、インフレが落ち着きつつあるとの見方が広がりました。


国債入札に強い需要

財務省が実施した10年国債入札(規模390億ドル)は好調でした。

  • 落札利回りは4.033%(市場予想より低下)

  • 応札倍率は2.65倍と4月以来の高さ

  • 海外投資家や中央銀行を含む間接入札者の比率は83%超と過去2番目の高水準

これにより長期債への需要が強いことが示され、米国債利回りはさらに低下しました。


債券市場の動き

  • 米30年債利回り:4.69%(▲4bp)

  • 米10年債利回り:4.04%(▲4.6bp)

  • 米2年債利回り:3.54%(▲1.9bp)

利回り曲線は「ブルフラット化」と呼ばれる形に。


ブルフラット化とは?
→ 短期金利より長期金利の下げ幅が大きく、利回り曲線が平らになる現象。金融緩和期待のときに見られます。


市場の焦点は「利下げ幅」

先物市場では、次回FOMC(9月16-17日)での0.25%利下げをほぼ確実視。0.50%利下げの可能性も7%程度織り込まれています。

専門家コメントでは「利下げそのものは既定路線で、焦点は幅に移った」との指摘もあり、市場は今後のパウエル議長の発言に注目しています。


まとめ

  • 8月PPIの下落でインフレ鈍化が意識され、利下げ観測が強まった

  • 10年国債入札に強い需要が入り、利回りは低下

  • 債券市場ではブルフラット化が進行

  • 次回FOMCでは0.25%利下げがほぼ確実視され、焦点は利下げ幅に

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

米ドル下落、PPIの弱さで利下げ観測が強まる

  • 米卸売物価指数(PPI)が予想外に低下し、米国債利回りが下落
  • ドルは主要通貨に対して弱含み、ドル円は一時147.13円まで下落
  • 市場は来週のFOMCで0.25%利下げを9割以上織り込み済み
  • 地政学リスク(ポーランド領空でロシア無人機撃墜)も相場の不安要因

PPIの結果と為替市場の反応

8月の米PPI(卸売物価指数)は前月比▲0.1%と予想外のマイナス、前年比も+2.6%にとどまり、いずれも予想を下回りました。
これを受けて米国債利回りが低下し、ドル売りが優勢となりました。

  • ドル円は147.13円まで下げた後、147円台半ばで推移

  • ユーロドルは1.17ドル近辺で横ばい

  • ブルームバーグ・ドル指数は小幅安


利下げ観測の高まり

シティグループのエコノミストらは「PPIの結果はFRBの利下げ方針を変える要素はない」とコメント。
CMEフェドウォッチによれば、来週のFOMCでの利下げ確率は以下の通りです。

  • 0.25%利下げ:90%

  • 0.50%利下げ:10%

市場は「9月利下げ開始 → その後も会合ごとに0.25%ずつ利下げ」というシナリオを強く意識しています。


市場関係者の見方

  • コーペイ証券のシャモッタ氏
    「0.5%利下げの可能性は上がったが依然低い。経済は減速中だが崩壊はなく、0.25%利下げがベースシナリオ」

  • シティグループ
    「インフレ圧力は全体として穏やか。FRBが利下げをためらう理由はない」


今後の注目点

市場の焦点は9月11日に発表されるCPI(消費者物価指数)へと移っています。
また、ポーランド領空でロシア無人機が撃墜されるなど、地政学的リスクもドル相場に影響を与える可能性があります。


まとめ

  • PPIは予想外に弱く、FRB利下げ観測を後押し

  • ドルは主要通貨に対して軟調、ドル円は147円台前半へ

  • 市場は「0.25%利下げ開始」がメインシナリオ

  • CPI発表と地政学リスクが次の焦点

 

原油と金、地政学リスクと利下げ観測

  • 原油は3日続伸:ロシアへの追加制裁懸念で供給不安が強まった
  • トランプ発言が市場を動かす:「さあ始まるぞ!」投稿で原油急反応
  • 金は上昇基調:米PPI低下で利下げ観測が強まり、投資需要が拡大
  • 年末金価格予想は3,800ドル:ETF流入や各国の買い増しも追い風

原油相場:制裁リスクと中東情勢で上昇

ニューヨーク原油先物(WTI)は 1バレル=63.67ドル(+1.7%) と3日続伸しました。
背景には以下の要因があります。

  • ロシア産エネルギー制裁への警戒
     トランプ大統領が「ロシアのポーランド領空侵犯」に言及し、追加制裁の可能性を示唆。市場では供給リスクを意識し、売りポジションを買い戻す動きが出ました。

  • 地政学的リスク
     イスラエルによるカタール・ドーハ攻撃の余波も意識されました。

  • 米金利動向への注目
     米国債利回り低下がエネルギー市場にも影響。

ロンドンのブレント原油も 1バレル=67.49ドル(+1.7%) まで上昇しました。


金相場:利下げ期待と投資需要で上昇

金スポット価格は 1オンス=3644.79ドル(+0.5%) と上昇しました。

  • FOMC利下げ観測
     米生産者物価指数(PPI)が予想外に低下し、来週のFOMCでの利下げ期待が高まりました。
     金は低金利環境で魅力が増すため、投資資金が流入しています。

  • 年末予想は3800ドルへ
     ANZのアナリストは予想を引き上げ、来年3月まで緩和スタンスが続く可能性を指摘。

  • 各国の需要増
     中国・インドなど新興国の需要、さらにETFを通じて200トンの投資流入が見込まれています。

金は年初来で 約40%上昇 しており、中央銀行の買い入れや世界経済への懸念が追い風になっています。


まとめ

  • 原油はロシア制裁リスクと中東情勢を背景に3日続伸

  • トランプ大統領のSNS投稿が市場を大きく揺さぶった

  • 金は利下げ観測と投資需要拡大で上昇、年末には3,800ドル予想も

  • 両市場とも 「地政学リスク」と「金融政策」 が主な動因となっている