2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/17

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、FOMCを前に反落 小売売上高は堅調

  • 16日の米国株は主要3指数が小幅下落
  • FOMCの利下げ決定を控え、取引は様子見ムード
  • 8月の小売売上高は予想を上回る0.6%増
  • 消費は堅調だが、利下げ回数を巡る市場期待に影響

主要指数の動き

  • S&P500種株価指数:6606.76(-0.13%)

  • ダウ平均株価:45,757.90(-0.27%)

  • ナスダック総合指数:22,333.96(-0.07%)

いずれもFOMCの政策決定を前に反落しました。


小売売上高が示す消費の強さ

  • 8月:前月比 0.6%増(予想0.2%増を上回る)

  • 7月も0.6%増で、3カ月連続の増加

  • コア売上高(飲食・自動車などを除く指標)は 0.7%増
    👉 GDP成長を下支えする内容で、消費者の底堅さが確認されました。

コア売上高とは?
小売統計の中で変動が大きい分野(自動車、ガソリン、建材、外食など)を除いたデータ。GDPの算出に使われ、消費動向をより正確に把握できる指標です。


専門家の見方

  • モルガン・スタンレーのゼントナー氏
    「消費者は依然前向き。経済にとって良いニュースだが、利下げペースの議論を活発化させる可能性あり」

  • トレードステーションのラッセル氏
    「消費は強いが、長期的なハト派(利下げ期待)はやや後退」

  • ロンバー・オディエのイエルポ氏
    「株価上昇は6回の利下げ期待に依存。しかし、それは労働市場が大きく悪化しないと実現しない」

  • LPLファイナンシャルのローチ氏
    「不況ではない局面での利下げは、リスク資産(株など)に追い風となる」

ハト派とは?
金融政策で景気刺激を重視し、利下げや緩和に前向きな立場。反対は**タカ派(インフレ抑制を重視し、利上げに積極的)**です。


個別銘柄の動き

  • ユナイテッドヘルス:-2.3%

  • エヌビディア:-1.6%(中国向けAIチップ需要減速の報道)

  • ウェブトゥーン・エンターテインメント:+39%(ディズニーと提携)

  • オラクル:+1.5%(TikTok米事業を巡る合意で報道に名前)


まとめ

  • 米国株はFOMCを前に様子見で下落

  • 小売売上高は堅調で、消費の強さが確認された

  • 消費の底堅さは利下げ回数期待を抑制する可能性

  • 個別株ではエヌビディアが下落、ウェブトゥーンは急騰

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り、FOMC前に低下

  • 米小売売上高は予想を上回ったが、FOMCの利下げ観測は揺らがず
  • 短期債利回りが大きく低下、特に2年債は敏感に反応
  • 20年債入札は堅調な需要を集め、長期債利回りも下落
  • 市場は0.25%の利下げを中心シナリオと見ており、0.5%利下げはほぼ排除

米国債相場の動き

米国債相場は上昇し、利回りは低下しました。

  • 30年債利回り:4.65%(-1.2bp)

  • 10年債利回り:4.03%(-1.0bp)

  • 2年債利回り:3.51%(-2.9bp)

特に金融政策に敏感な2年債利回りが大きく下落しました。


小売売上高と利下げ観測

8月の小売売上高は予想を上回りましたが、

  • 今回のFOMCで「0.25%利下げ」が中心シナリオ

  • 「0.5%利下げ」の可能性は低いとの見方が強いです

TDセキュリティーズのネブルジ氏も「基調は崩れておらず、大幅利下げを期待する根拠はない」とコメントしています。


債券市場の動き

  • 経済指標発表後、一時利回りは上昇しましたが、その後低下に転じました。

  • 20年債入札は堅調で、長期債利回りも下がりました。

  • 市場はFOMCの政策決定を前に、取引が不安定な状況です。


ベーシスポイント(bp)とは?

  • 1bp(ベーシスポイント)=0.01%

  • たとえば「2bp低下」は「0.02%低下」を意味します。


まとめ

  • 米国債利回りは全般的に低下、特に短期債が大きく反応

  • 小売売上高は強かったが、利下げシナリオは変わらず

  • FOMCでは0.25%利下げがほぼ確実視され、0.5%利下げは見込み薄

  • 投資家はFOMCの結果発表を前に様子見ムード

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル全面安、ユーロは4年ぶり高値に

  • 米ドルが主要通貨に対して全面安
  • ユーロは2021年9月以来の高値(1ユーロ=1.1867ドル台)
  • ドル円は一時146円台前半まで円高進行
  • 市場はFOMCで0.25%の利下げを予想
  • 投資家はパウエル議長の会見やドットチャートに注目

ドル売り強まる背景

外国為替市場では、米連邦準備理事会(FRB)が近く利下げに踏み切るとの観測が強まり、ドルが売られました。


市場はFOMC(米連邦公開市場委員会)で25ベーシスポイント(bp、0.25%)の利下げをほぼ織り込んでいます。

FOMCとは?

FRBが金融政策を決定する会合。政策金利の変更や経済見通しの発表が行われる。


ユーロと円の動き

  • ユーロ/ドル:一時1.1878ドルをつけ、約4年ぶりの高値

  • ドル/円:146円28銭までドル安が進み、1カ月ぶりの円高水準

欧州中央銀行(ECB)の金融政策は現状維持と見られており、米ドルの下落がユーロ高を後押ししました。


専門家の見方

  • クレディ・アグリコルのマリノフ氏
    → 「FOMCが市場の“極端な利下げ期待”を裏切れば、反動でドルが買い戻されるリスクもある」

  • キャピタル・エコノミクスのゴルターマン氏
    → 「米経済は依然として堅調。ドルはここから一時的に反発する可能性も」


その他の通貨動向

  • 英ポンド:1.366ドル(約2カ月ぶりの高値)
    → 英国の雇用縮小・賃金伸び鈍化で、インフレ圧力が和らぐとの見方

  • 暗号資産ビットコイン:11万6511ドル(1%高)


まとめ

  • ドルはFOMC利下げ観測で全面安

  • ユーロは4年ぶり高値、円もドル安方向に

  • 今後の焦点はFOMCの利下げペースとパウエル議長の発言

  • 短期的にはドル反発の可能性も残る

原油と金

  • 原油はロシアへの圧力や中東情勢悪化を背景に上昇
  • は利下げ観測とドル安を追い風に連日の最高値更新

原油:地政学リスクで続伸

ニューヨーク原油先物相場は上昇しました。背景には以下の要因があります。

ロシア情勢

  • ウクライナがロシアの製油所や石油施設にドローン攻撃を強化。
  • ロシアの石油パイプライン運営会社「トランスネフチ」が一時的に原油受け入れ削減と報じられ、供給懸念が浮上。
  • ロシアの製油量は日量500万バレルを下回り、2022年以来の低水準。

中東情勢

  • イスラエル軍がガザ市中心部への侵攻を開始。
  • 中東全体の不安定化が進めば、世界供給の3分の1が脅かされるリスク。

その結果

  • WTI原油(10月限):1バレル=64.52ドル(+1.9%)

  • ブレント原油(11月限):68.47ドル(+1.5%)


金:利下げ期待とドル安で最高値更新

金相場は一時1オンス=3700ドルを突破し、連日の最高値更新となりました。

米金融政策の影響

  • 今週のFOMCでの利下げはほぼ織り込み済み。
  • 雇用統計が弱く、インフレも落ち着いたため、年内さらなる利下げ観測が強まる。
  • 利下げ=金利低下は、利息を生まない金の投資妙味を高める。

政治的要因

  • トランプ大統領がFRB理事を解任する動きなど、FRBへの政治圧力も「ハト派政策(金融緩和的な姿勢)」期待を押し上げた。

終値は以下の通り

  • 金スポット:3690.84ドル(+0.3%)

  • 金先物(12月限):3725.10ドル(+0.2%)


用語補足

  • WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート):米国産の代表的な原油指標。世界の原油価格の基準の一つ。

  • ブレント原油:北海産原油の代表的指標。欧州やアジアで広く使われる。

  • ドットプロット:FRBメンバーが予測する将来の政策金利の分布を示すグラフ。市場はこれを見て利上げ・利下げの方向性を判断する。


まとめ

  • ロシアと中東の地政学リスクが原油高を招いている。

  • WTIは64ドル台後半、ブレントは68ドル台に上昇。

  • 米利下げ期待とドル安で金価格は3700ドルを突破し、最高値更新。

  • 金は「無利息資産」だが、金利低下局面では投資妙味が高まる。