2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/19

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、FOMC利下げを追い風に最高値更新

  • 18日の米国株は主要3指数がそろって最高値を更新
  • FOMCの利下げが企業業績の押し上げ要因と受け止められた
  • テクノロジー株や小型株が大幅上昇、インテルは約23%高
  • 投資家のリスク選好が強まり「バブル懸念」との声も

主要株価指数の動き

  • S&P500種株価指数:6,631.96(+0.48%)

  • ダウ工業株30種平均:46,142.42(+0.27%)

  • ナスダック総合指数:22,470.72(+0.94%)

FOMC(米連邦公開市場委員会)が前日に今年初の利下げを決定。年内の追加利下げも示唆したことで、株式市場は好感しました。主要指数が同時に最高値を更新するのは、今世紀で25回しかない珍しい現象です。


利下げと株式市場の関係とは?

  • 利下げ:政策金利を下げ、資金調達コストを安くする政策

  • 企業にとっては借入コスト減少 → 設備投資やM&Aが活発化

  • 投資家にとっては債券利回りの低下 → 株式の魅力が増加

特に低金利環境では、

  • テクノロジー株:将来の成長期待が評価されやすい

  • 金融株:M&Aや住宅ローン需要の拡大で恩恵を受けやすい


ハイライト:インテル急騰と小型株の躍進

  • インテル株:エヌビディアによる50億ドル出資報道で23%急騰(1987年以来の大幅上昇)

  • エヌビディア:+3.5%

  • 半導体指数(SOX):+3.6%

  • ラッセル2000(小型株指数):+2.5%、終値で最高値更新

小型株は金利低下局面で相対的に強いパフォーマンスを示す傾向があります。


懸念材料:バリュエーションの高さ

  • 今年の株高の約半分はわずか5銘柄の大型テクノロジー株がけん引

  • AIブームと好決算が背景だが、勢いが落ちれば全体の正当化が難しくなるとの指摘

  • 投資家の一部には「バブル醸成」への懸念も広がっています


まとめ

  • FOMCの利下げを好感し、米国株は主要指数が最高値を更新

  • テクノロジー株と小型株が相場をけん引、インテルが急騰

  • 低金利環境は株式に追い風だが、バリュエーションの高さはリスク要因

  • 今後は小型株の動向やテクノロジー株の勢いが市場の方向性を決めるカギ

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが上昇、労働市場の強さが重しに

  • 米国の新規失業保険申請件数が大幅に減少し、労働市場の底堅さを示した
  • これにより、FOMC(米連邦公開市場委員会)の追加利下げ見通しに疑問が生じ、米国債相場は下落(利回り上昇)
  • 10年物インフレ連動国債(TIPS)入札は需要が弱めで、市場はFRBのインフレ抑制能力を信頼していることが示唆された

国債市場の動き

米国債は売られ、主要な利回りは以下のように上昇しました。

  • 30年債利回り:4.72%(+3.2bp)

  • 10年債利回り:4.11%(+1.9bp)

  • 2年債利回り:3.57%(+1.5bp)

「bp(ベーシスポイント)」とは?
→ 金利の最小単位で、1bp=0.01%を意味します。


労働市場データの影響

  • 新規失業保険申請件数は 23.1万件(前週比3.3万件減) と大幅減少

  • エコノミスト予想の 24万件 を下回り、雇用の堅調さが鮮明に

  • 失業者が減ることは景気の強さを示し、インフレ抑制のための利下げ観測を後退させました


景況感指数も改善

9月の フィラデルフィア連銀業況指数+23.2 と、前月の -0.3 から大幅改善。
予想(+2.5)も大きく上回り、製造業の景気回復感が意識されました。


専門家の見方

ナティクシスのジョン・ブリッグス氏は、

  • FOMCは雇用を重視しており、失業保険申請件数は今後さらに重要視される

  • 10月3日の雇用統計までは「米国債利回りに上昇圧力がかかる」と予想


まとめ

  • 米失業保険申請件数が約4年ぶりの大幅減

  • 労働市場の強さが追加利下げ期待を後退させ、国債利回りは上昇

  • 製造業の景況感も改善し、米景気の底堅さが再確認された

  • 今後は10月3日の雇用統計に市場の注目が集まる

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドルが主要通貨に対して上昇、FOMC利下げ後も慎重姿勢で買い戻し

  • FOMCは0.25%の利下げを実施したが、今後の追加利下げに慎重な姿勢
  • 新規失業保険申請件数が減少し、米労働市場の堅調さがドルを支えた
  • ドルは主要通貨に対して上昇、円は一時148円台後半まで下落
  • 英ポンドは英中銀の政策据え置きで一時上昇後に反落
  • ビットコインは上昇し11万ドル台を維持

FOMC後のドル相場

米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.25%の利下げを決定し、フェデラルファンド(FF)金利は4.00~4.25%に引き下げられました。

ただし、パウエル議長は「急いで追加行動する必要はない」と述べ、追加利下げに慎重な姿勢を強調しました。

発表直後、ドル指数は一時96台に下落しましたが、その後は97台に回復。米労働省が発表した新規失業保険申請件数が減少し、労働市場の強さを示したこともドル買いを後押ししました。


通貨別の動き

  • ドル/円は一時148円27銭まで上昇

  • 日銀の政策決定会合を控え、市場は利上げ見送りを予想

  • 年内利上げの確率は約50%とされ、円は弱含み

英ポンド

  • イングランド銀行は政策金利を据え置き

  • 量的引き締め(QT)のペースを減速させたことで、一時ポンド買いが進むも、その後反落

  • 対ドルでは1.355ドル台まで下落

ユーロ

  • 一時2021年以来の高値1.19ドル台まで上昇したが、ドル買い戻しで1.178ドル付近に下落。


市場関係者の見方

  • スコシアバンクは「市場はFRBのより明確なハト派(金融緩和寄り)姿勢を期待していたが、パウエル発言はそれに届かなかった」と指摘。

  • BMOキャピタルは「経済データの堅調さがFOMCの『会合ごとに判断する』方針を裏付けた」とし、次回10月の0.25%利下げの可能性は高いとの見解を示しました。

  • 三井住友信託銀行は「日銀が利上げ時期に具体的な言及をしなければ、ドル円は一時149円台まで上昇もあり得る」と予想しています。


暗号資産の動き

  • ビットコインは1.9%高の11万7,837ドルと堅調。


まとめ

  • FOMCは利下げを決定したが、追加利下げには慎重姿勢。

  • 米雇用データの強さでドルが買い戻され、主要通貨に対して上昇。

  • 円は148円台まで下落、ポンド・ユーロは一時上昇後に反落。

  • 市場は10月の追加利下げの可能性を依然として織り込みつつある。

原油・金:地政学リスクとドル高で荒い値動き

  • 原油は続落:トランプ米大統領の「原油価格を下げれば戦争は終わる」との発言が市場を揺さぶり
  • 金は下落:FOMCの慎重姿勢でドルが上昇し、金に売り圧力
  • 背景:ウクライナ情勢や制裁の行方、中央銀行の金買いも長期的には相場を左右

原油:トランプ発言で急落

トランプ大統領の姿勢

  • 原油価格を低く抑える方針を再確認

  • 「安い原油が戦争終結につながる」と発言

  • ロシア産原油の購入停止を各国に呼びかけ

この発言により、ロシア産原油を制裁で制限する国際的取り組みへの期待が後退し、原油価格は下落しました。

地政学リスクと需給

  • ウクライナ軍がロシアの製油所を攻撃、供給逼迫の懸念も

  • しかし現物市場では需給が緩む見方も根強く、価格はレンジ相場にとどまる状況

終値

  • WTI原油(10月限):1バレル=63.57ドル(前日比▲0.75%)

  • ブレント原油(11月限):67.44ドル(▲0.75%)


金:ドル高で下落も強気予想続く

ドル上昇の影響

  • FOMCが追加利下げに慎重姿勢 → ドル買い優勢

  • 金はドル建て取引のため、ドル高=金安となり下落

長期的な上昇要因

  • 年初来で約39%上昇、株価指数を上回る伸び

  • 安全資産需要(貿易摩擦・地政学リスク)

  • 中央銀行による金購入やETF資金流入

  • ドイツ銀行は来年の平均価格予想を4000ドル/オンスに引き上げ

終値

  • 金スポット:1オンス=3642.74ドル(▲0.5%)

  • COMEX金先物(12月限):3678.30ドル(▲1.1%)


まとめ

  • 原油はトランプ大統領の「安値戦略」発言で続落、ウクライナ情勢と需給の綱引きが続く

  • 金はドル高で一時下落も、長期的には地政学リスクや中銀買いで上昇基調を維持

  • 市場は短期の政治発言と、長期の需給・資金流入の両方に振らされている状況v