2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/24

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株式相場、最高値更新後に反落:パウエル議長の慎重姿勢が重し

  • 主要3指数はそろって反落、特にナスダックが大きく下落
  • パウエルFRB議長は利下げに明確な言及を避け、市場に慎重な姿勢を示した
  • インフレリスクと労働市場の弱さ、二つのリスクがFRBの判断を難しくしている
  • 大型ハイテク株(エヌビディア、アマゾン、アップルなど)が下げを主導

23日の米株式市場の動き

23日の米国株式市場は、主要株価指数がいずれも下落しました。前日まで最高値を更新していた反動に加え、パウエルFRB議長が次回利下げに具体的な手掛かりを与えなかったことが投資家心理を冷やしました。

  • S&P500:6656.92(-0.55%)

  • ダウ平均:46292.78(-0.19%)

  • ナスダック:22573.47(-0.95%)

特にナスダックは、大型ハイテク株の売りで下げが目立ちました。


パウエル議長の発言内容

パウエル議長は、以下のような慎重なスタンスを示しました。

  • 雇用市場の弱まりインフレ加速リスクの両方を懸念

  • 次回FOMCでの利下げについては「明確な時期」を示さず

  • 「株価水準はFRBの目標ではない」と強調し、雇用と物価を優先する姿勢

補足:タカ派とハト派とは?

  • タカ派:インフレ抑制を重視し、利上げや引き締めを支持する立場

  • ハト派:景気や雇用を重視し、利下げや金融緩和を支持する立場

パウエル議長は、この間でバランスを取る姿勢を見せています。


市場への影響

  • エヌビディア:-2.8%(前日のAI関連期待での上昇から反落)

  • アマゾン・アップル・マイクロソフト:いずれも下落

  • ボーイング:+2%(ウズベキスタン航空からの大型受注で上昇)

  • マイクロン:+1.1%(好決算を受けて堅調)

アナリストの見方

  • 「利下げに含みを残したが、具体性に欠けた」(スパルタン・キャピタル)

  • 「株高を理由に利下げを慎重にするタカ派もいるが、パウエル議長は中立を維持」(エバコア)

  • 「強気相場は続いているが、短期的には調整もあり得る」(パイパー・サンドラー)


今後の焦点

  • 年内に2回の利下げがあるかどうか

  • インフレ率が関税や政策の影響で再加速するか

  • 労働市場の弱まりがどの程度進むか

この「二正面作戦」がFRBにとって最大の課題になっています。


まとめ

  • 米株は最高値圏から一服、パウエル議長の慎重姿勢が売りを誘発

  • ナスダック主導で下落、大型ハイテク株が弱さを見せた

  • FRBは雇用とインフレの板挟みで難しい判断を迫られている

  • 年内追加利下げの行方が最大の焦点

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り低下、パウエル議長発言を受け慎重姿勢広がる

  • 米国債利回りは全体的に低下(10年債は約4.11%)
  • パウエルFRB議長が「労働市場とインフレの両面にリスク」と発言
  • 利下げを急ぎすぎるとインフレ再加速、遅すぎると失業率上昇の懸念
  • 2年債入札は堅調、今週は5年債・7年債の入札も予定
  • 市場は10月FOMCでの利下げ判断を見極めたい構え

米国債利回りの動き

米国債相場は23日に上昇し、主要利回りは2〜3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下しました。

  • 10年債利回り:4.11%前後(-2.6bp)

  • 30年債利回り:4.73%前後(-2.5bp)

  • 2年債利回り:3.59%(-1.5bp)

この日行われた690億ドル規模の2年債入札は堅調な需要を示し、投資家の買い意欲が確認されました。さらに、24日に5年債、25日に7年債の入札が予定され、合計で1140億ドルが発行されます。


パウエル議長の発言

パウエルFRB議長は、次のように発言しました。

  • 労働市場:雇用の伸びの弱さが懸念材料
  • インフレ:加速するリスクが依然として残る

政策の難しさ

  • 利下げを急ぎすぎればインフレ再燃の恐れ

  • 利下げを遅らせすぎれば失業率上昇の恐れ

これは、FOMC後の会見内容と大きく変わらないもので、市場の反応は限定的でした。


今後の見通し

FRBのボウマン副議長やボスティック総裁も同様の慎重姿勢を示しました。市場参加者は、今後発表される経済指標や10月FOMCでの追加利下げか据え置きかの判断を見極めようとしており、様子見ムードが広がっています。


まとめ

  • 米国債利回りは全般的に低下、10年債は約4.11%。

  • パウエル議長は「利下げのペース管理が難しい」と発言。

  • 2年債入札は堅調、今週は5年・7年債の入札も控える。

  • 市場は10月FOMCの判断と経済データを注視。

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドルは小動き、ドル円は147円台で膠着

  • 外為市場ではドルが主要通貨に対して小動き
  • パウエルFRB議長講演への反応は限定的
  • ドル/円は147円台半ばで上下を繰り返す
  • 10月利下げ確率は約90%に小幅低下
  • スウェーデン中銀は利下げを実施

ドルの動き

外国為替市場では、ドル指数(ドルの強さを示す指標)はほぼ横ばいでした。

ドル/円は一時147円93銭まで上昇した後、147円46銭まで戻すなど、小幅な値動きにとどまりました。

  • ドル指数:1195.66(-0.03%)

  • ドル/円:147.62円(-0.07%)

  • ユーロ/ドル:1.1815ドル(+0.10%)


FRB当局者の発言

パウエル議長

  • 雇用の伸びの弱さが懸念材料

  • インフレ加速のリスクは続いており、政策運営は難しい局面にある

ボウマン副議長

  • FRBが「労働市場支援で後手に回っている可能性」を指摘

  • 景気悪化で解雇が広がれば、利下げペースを加速する必要もあると発言


市場の反応と見方

市場ではパウエル議長の講演は「新味に乏しい」と受け止められ、大きな反応はありませんでした。

エプスタイン氏は「ハト派的な姿勢が投資家の期待ほどではなかった」と分析。雇用不安が依然としてドルの方向感を抑えているとしています。


金利見通しと政治リスク

  • フェドウオッチによると、10月利下げ確率は約90%(前日は92%)に小幅低下

  • 米政府の「つなぎ予算」失効が月末に迫り、政府機関閉鎖リスクも意識されている


欧州の動き:スウェーデン中銀が利下げ

スウェーデン中央銀行は政策金利を2.00% → 1.75%へ引き下げ。
今後、インフレや経済成長の見通しに変化がなければ、金利は当面据え置く方針を示しました。


まとめ

  • ドルは主要通貨に対して安定推移、円は147円台でもみ合い

  • FRB議長講演は市場への影響が限定的

  • 10月利下げ確率は依然高水準(約90%)

  • 政府機関閉鎖リスクもドルの重し

  • スウェーデンは利下げを実施し様子見姿勢

原油と金:地政学リスクと中国の新たな動きが影響

  • 原油価格はNATOとロシアの緊張で5営業日ぶりに上昇
  • ウクライナの攻撃によりロシア産原油の供給懸念が強まる
  • 金価格は最高値を更新、中国が他国の金準備保管を目指す動きも背景

原油:NATOとロシアの緊張で上昇

ニューヨーク原油先物(WTI)は 1.13ドル(1.8%)高の1バレル=63.41ドル と、5営業日ぶりに反発しました。背景には以下の要因があります。

  • NATOがロシアの領空侵犯に「強力な対応」を取ると声明

  • ウクライナ軍によるロシア石油インフラ(精製所やパイプライン)への攻撃

  • ロシア産原油の供給不安が意識されたこと

北海ブレント原油も 1.6%高の67.63ドル で取引を終えています。

補足:WTIとブレントの違いとは?

  • WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート):アメリカ産の代表的な原油。流動性が高く国際的な指標。

  • ブレント原油:北海産の原油で、ヨーロッパやアジア市場の価格指標。


金相場:最高値を更新、中国の戦略も後押し

金のスポット価格は 1オンス=3765.81ドル と最高値を更新しました。

先物(12月限)は 3815.70ドル で引けています。

上昇の背景には次の動きがあります

  • 中国人民銀行が、友好国の中央銀行に金を購入させ、中国国内で保管するよう働き掛け

  • 「中国が世界の金の保管国を目指している」との思惑

  • 安全資産としての金需要が一段と強まった

補足:なぜ金は「安全資産」と呼ばれる?

金はインフレや地政学リスクの高まりに強い資産とされ、通貨や株式が不安定な時に買われやすくなります。


まとめ

  • 原油はNATOとロシアの緊張、ウクライナの攻撃で供給不安が高まり上昇

  • WTIは63.41ドル、ブレントは67.63ドルで取引終了

  • 金は3765ドル台と最高値を更新、中国が金準備保管の受け皿になろうとする動きが意識された

  • 地政学リスクと中国の戦略が、資源・貴金属市場を同時に動かした一日