2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/26

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株式、3日続落 割高感と利下げ見通しの不透明感が重荷

  • 米株式市場は3日続落、景気の底堅さは確認されたが「株価の割高感」への警戒が強まった
  • 第2四半期GDPは上方改定され好調だったが、利下げ見通しを巡る不透明感で売りが優勢
  • S&P500の予想PERは22.9倍と高水準、調整局面への懸念も浮上
  • 市場の焦点は26日発表の米PCE価格指数に移っている

株価は3日続落、広がる割高警戒

米国株式市場は3日続落しました。

  • S&P500種株価指数:6604.72(-0.50%)

  • ダウ平均株価:45,947.32(-0.38%)

  • ナスダック総合指数:22,384.70(-0.50%)

S&P500の3日続落は1カ月ぶりで最長となりました。経済は好調でも「すでに織り込み済み」との見方が強く、バリュエーション(株価の割高感)が懸念されています。

PERとは?

PER(株価収益率)は「株価が企業利益の何倍か」を示す指標で、高いほど割高とされます。現在のS&P500の予想PERは22.9倍と過去の平均を大きく上回っています。


経済は堅調も、利下げ見通しは不透明

米労働省が発表した新規失業保険申請件数は21.8万件と市場予想を下回り、雇用は依然として堅調です。
さらに、第2四半期GDPは年率3.8%増へ上方修正され、約2年ぶりの高成長となりました。

しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)は利下げに慎重な姿勢を崩しておらず、

  • CMEフェドウォッチによる10月FOMCでの0.25%利下げ予想は92%から83.4%に低下
    と、市場の利下げ期待はやや後退しました。


セクター別・個別銘柄の動き

  • エネルギー株:上昇

  • 情報技術株:小幅高

  • インテル(INTC):TSMCと提携の可能性が伝わり8.9%高

  • カーマックス(KMX):決算失望で20.1%急落

  • アクセンチュア(ACN):予想を上回る収入でも2.7%下落


今後の注目イベント:PCE価格指数

市場の注目は26日発表のPCE価格指数(個人消費支出デフレーター)に集まっています。

特にFRBが重視する「コアPCE(食品・エネルギー除く)」は、前年同月比2.9%上昇と予想されています。

投資家はインフレが予想を下回り、2025年に利下げが進むことを期待しています。


まとめ

  • 米株は3日続落、株価の割高感と利下げ不透明感が重し

  • 経済は好調だが、利下げ期待はやや後退

  • インテル急騰、カーマックス急落と個別銘柄は明暗

  • 市場の視線は26日のPCE価格指数に集中

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回り上昇、短中期ゾーン中心に下落

  • 米国債相場は短期・中期債を中心に下落し、利回りが上昇
  • 失業保険申請件数・GDPが予想以上に堅調 → 債券売りにつながる
  • FOMC(米連邦公開市場委員会)の利下げ観測は後退
  • 一方で市場は「先行き経済の鈍化」を見込む声も根強い

国債市場の動き

  • 10年債利回り:4.17%(+2.3bp)

  • 2年債利回り:3.65%(+4.9bp)

  • 30年債利回り:4.75%(-0.1bp)

短期債と中期債が売られ、利回りは上昇。長期債はほぼ横ばいで、イールドカーブ(利回り曲線)のフラット化が進みました。

👉 イールドカーブのフラット化とは?
通常、長期金利は短期金利より高いですが、景気減速や金融政策の影響で差が縮まる現象を指します。将来の景気不安や利下げ観測のサインとされます。


背景となった経済指標

  • 新規失業保険申請件数:予想より少なく、雇用が強いことを示す

  • 第2四半期GDP(確報値):前期比年率 +3.8%(改定値の+3.3%から上方修正)

景気が想定以上に強いことが確認され、FRBが早期に利下げへ動く可能性はやや後退しました。


専門家の見方

  • ケン・グリフィン氏(シタデル創業者):「FRBは労働市場を重視しており、年内あと1回の利下げがある」

  • モリー・ブルックス氏(TDセキュリティーズ):「GDP上方修正で利回りは反応したが、市場は依然として先行きの経済減速を予想している」


まとめ

  • 米国債は短中期ゾーンを中心に下落、利回り上昇

  • 強い雇用・成長データでFOMCの利下げ観測は後退

  • 10年債は4.17%、2年債は3.65%へ上昇

  • イールドカーブはフラット化が進行

  • 先行きの景気鈍化を織り込む投資家も多い

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

米ドルが大幅上昇、円は149円90銭台に下落

  • 米ドルは主要通貨に対して大幅上昇し、ドル指数は9月初旬以来の高値を更新
  • 米新規失業保険申請件数が予想以上に減少、雇用の底堅さを示唆
  • 第2四半期の米GDPは3.8%増と、約2年ぶりの高い伸びに上方修正
  • FRB当局者の発言は「利下げに慎重派」と「早期利下げ警戒派」に分かれる
  • 円は一時149円93銭まで下落、ユーロもドルに対して軟調

ドルが主要通貨に対して上昇

25日の外為市場では、米ドルが主要通貨に対して全面高となりました。
ブルームバーグ・ドル指数は前日比0.51%上昇し、一時9月3日以来の高値を記録しました。

為替動向(25日終値付近)

  • ドル/円:149円79銭(前日比+0.89円、+0.60%)

  • ユーロ/ドル:1.1667ドル(-0.0071ドル、-0.60%)

円は米経済指標の発表後に売られ、一時149円93銭まで下落しました。


米経済指標が強い内容に

  • 新規失業保険申請件数:21万8000件(前週比1万4000件減、7月中旬以来の低水準)
    → 企業が依然として解雇に慎重であることを示唆。

  • 第2四半期GDP確報値:年率換算3.8%増(予想3.3%増を上回り、約2年ぶりの高成長)
    → 個人消費の上方修正が寄与。

これらのデータが「米経済は依然堅調」との見方を強め、ドル買いを後押ししました。


FRB当局者の発言が交錯

FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げに関する姿勢は割れています。

  • マイラン理事:迅速な利下げがなければ経済に悪影響と警鐘

  • シュミッド・カンザスシティ連銀総裁:インフレ抑制が優先、追加利下げは不要の可能性

  • グールズビー・シカゴ連銀総裁:インフレが高止まりする間は追加緩和に消極的

→ 「経済は堅調だが、利下げペースは慎重になる可能性が高い」との見方が広がっています。


国際要因

  • スイス国立銀行(SNB):政策金利を0%に据え置き、2023年3月以来の緩和停止へ。→ マイナス金利には戻らず


用語

  • ドル指数(ドルインデックス)とは?
    複数の主要通貨(ユーロ、円、ポンドなど)に対するドルの強さを示す指数。ドル高・ドル安の全体的な流れを見る指標です。

  • GDP確報値とは?
    四半期ごとに発表される国内総生産(GDP)の確定値。速報値や改定値を経て最終的に確定する数字で、経済成長の実態を示します。


まとめ

  • ドルは堅調な米経済指標を背景に主要通貨に対して全面高

  • 円は一時149円90銭台まで下落、ユーロもドルに対して弱含み

  • 米GDPは3.8%増へ上方修正、労働市場も強さを維持

  • FRBは利下げを巡って慎重派と警戒派で意見が分かれる

原油・金市場の動き:地政学リスクと安全資産需要が交錯

  • 原油相場は横ばい、ロシアとNATOの緊張が重し
  • トランプ米大統領がトルコにロシア産原油購入停止を要請
  • 金相場は上昇、安全資産需要とETF資金流入が価格を押し上げ

原油:ロシア・NATOの緊張と米国の圧力

原油先物は小幅な値動きにとどまりました。背景には以下の要因があります。

  • ロシアとNATOの緊張:欧州当局者が「さらなる領空侵犯があれば撃墜も辞さない」と警告。地政学的リスクが意識されました。

  • 米国の外交圧力:トランプ大統領がトルコに対し、ロシア産原油の購入を停止するよう強く求めました。

価格は次の通りです。

  • WTI原油(11月限):64.98ドル(前日比▲0.01ドル)

  • 北海ブレント原油(11月限):69.42ドル(前日比+0.2%)

補足:WTIとブレントとは?

  • WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート):米国産の代表的な原油の指標価格

  • ブレント原油:北海で産出される原油で、欧州やアジア市場での基準


金:安全資産需要で上昇

金価格は一時、過去最高値に接近しました。背景には以下の動きがあります。

  • 株式市場の軟調 → 投資家がリスク回避姿勢を強め、安全資産の金を買う動き

  • ETFを通じた需要増 → シティによれば、9月だけで金ETFに105億ドル流入、年初来では500億ドル超で過去最高

アナリストは「ETFが金需要の最大の牽引役」と指摘。米労働市場の弱さ、関税による成長懸念、FRBの利下げサイクルや人事不透明感も投資マインドを後押ししています。

補足:金ETFとは?

  • 金を裏付け資産とした上場投資信託

  • 金を現物で保有する代わりに、証券取引所で売買できる金融商品

  • 機関投資家や個人投資家が「簡単に金投資できる手段」として利用


まとめ

  • 原油はロシア・NATO緊張や米国の外交圧力を背景に横ばい

  • トランプ大統領の「ロシア産原油購入停止要請」が材料視された

  • 金は株式市場の不安とETF資金流入に支えられ上昇

  • 安全資産需要が金価格を押し上げる一方、原油市場は地政学要因に振らされやすい状態