2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/3

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、9月初日は下落 エヌビディア続落と関税問題が重し

  • エヌビディアなどハイテク株が売られ、S&P500は0.7%下落
  • エヌビディアは4営業日続落、50日移動平均線を割り込み時価総額約3400億ドル消失
  • トランプ関税を巡る高裁判断が投資家心理を冷やし、VIX(恐怖指数)が上昇
  • 9月は例年ボラティリティが高まる傾向
  • UBSは長期的にはAIやヘルスケアなどに投資妙味ありと強気姿勢

株式市場の動向

9月の米国株式市場は下落してスタートしました。

  • S&P500種株価指数:-0.69%(6415.54)

  • ダウ平均:-0.55%(45295.81)

  • ナスダック総合指数:-0.82%(21279.63)

特にエヌビディア株は4営業日続落し、3月以来の連続安。重要な50日移動平均線(株価の中期的な目安)を下回り、市場の警戒感が強まりました。


投資家心理を冷やした要因

トランプ関税を巡る裁判

  • 8月末、米連邦高裁はトランプ政権の関税の大半を「違法」と判断

  • 10月14日までは関税を維持し、政権に最高裁へ上訴の機会を与える決定

  • 投資家は政策の不透明感に敏感に反応し、VIX指数が上昇

季節要因

  • アナリストは「9月は米株にとって最悪の月」と警戒

  • データ的にも8~9月はボラティリティ(価格変動の大きさ)が拡大しやすい


バリュエーション懸念

S&P500の予想PER(株価収益率)は約22倍と高水準です。
これはドットコム・バブル期やコロナ後のハイテク急伸局面を除けば異例で、株価が割高との懸念を生んでいます。

PERとは?
株価が企業の利益に対してどれだけ高いかを示す指標。数値が高いほど割高感を示す。


長期投資家の視点

一方で、UBSは次のような強気予測をしています。

  • S&P500は2026年6月までに6800到達と予想

  • 成長ドライバー:企業収益の拡大、利下げ期待、AI・電力・資源・長寿関連の長期トレンド

  • 注目セクター:米国ハイテク、ヘルスケア、公益、金融


個別銘柄の動き

  • クラフト・ハインツ:事業分割を発表し7%下落

  • ペプシコ:投資会社エリオットが40億ドル取得を発表し1.1%上昇


まとめ

  • エヌビディア続落とトランプ関税問題が市場の不安要因

  • S&P500は割高感が強まっており、9月は調整に警戒

  • ただし、AIやヘルスケアを中心とした長期投資テーマは健在

  • UBSはS&P500が2026年に6800へ到達する強気シナリオを提示

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが上昇、世界的な長期債売りの流れ

  • 米国債相場が下落し利回りが上昇。特に30年債利回りは一時5%に迫った
  • 英国債など欧州の長期債利回り上昇が波及し、世界的に債券が売られる展開
  • 株式市場も下落、為替市場では英ポンドと円が下げ
  • 9月FOMCでの利下げは市場が9割織り込み、今週の米雇用統計に注目が集まる

米国債の動き

2日の米金融市場では、欧州債の下落に連動して米国債も売られました。特に長期債が大きく動き、30年債利回りは一時4.999%まで上昇。その後買い戻しが入りましたが、7月中旬以来の高水準を維持しました。

  • 米30年債利回り:4.96%(+3.5bp)

  • 米10年債利回り:4.26%(+3.5bp)

  • 米2年債利回り:3.64%(+2.3bp)

背景

  • 英国30年債利回りが1998年以来の水準に上昇し、世界的に長期債が売られる流れが強まった

  • 各国の財政赤字拡大への懸念が意識され、タームプレミアム(長期金利に上乗せされるリスク分)が高まっている


専門家の見方

  • キャシー・ジョーンズ氏(チャールズ・シュワブ)
    「明確な政策方向や景気減速の兆しが見えるまでは、市場は高いタームプレミアムを織り込むだろう」

  • ジョン・ブリッグス氏(ナティクシス)
    「30年債利回りの5%は特別な節目ではない。インフレが高止まりする中での利下げは、イールドカーブ(短期と長期の金利差)をさらにスティープ化させる」


今後の焦点:米雇用統計

  • 8月非農業部門雇用者数:7万5000人増加(予想)

  • 失業率:4.3%(予想)

  • 結果次第で、9月FOMCの利下げ判断に影響を与える見通し

短期金利市場では、9月に0.25%利下げを行う確率を約90%織り込み、年末までに計0.5%超の利下げが予想されています。


まとめ

  • 世界的に長期債が売られ、米30年債利回りが一時5%に迫った

  • 株式も下落し、為替市場ではポンドと円が下げ

  • 財政赤字拡大への懸念でタームプレミアムが上昇

  • 市場は9月の利下げを9割織り込み、今週の米雇用統計が重要なカギ

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル上昇、円とポンドは下落-政治と財政懸念が影響

  • 外為市場ではドルが上昇、円と英ポンドが売られた
  • 日本では自民党の幹部辞任や総裁選の前倒し要求で政局不安が広がった
  • 英国では長期国債利回りが1998年以来の水準に上昇し、財政懸念でポンド下落
  • 米国ではISM製造業指数が6カ月連続縮小、利下げ観測を後押し
  • 注目は5日の米雇用統計。ドル相場の方向性を左右する見通し

ドル高の背景

3日(米時間)の外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して上昇しました。
ドル指数は0.74%高の98.37まで上昇し、ドル/円は一時148円94銭まで売られる場面がありました。

円安要因

  • 日本の政局不安:森山裕自民党幹事長の辞任表明や麻生太郎氏の総裁選前倒し要求により、政治的不透明感が広がりました。

  • 財政拡張期待:財政規律派の退場により、財政出動が強まりやすいとの見方。

  • 日銀要因:日銀・氷見野副総裁がタカ派的(引き締め姿勢)な発言をしなかったため、投機筋が円売りを強めた可能性。

ポンド安要因

  • 英国債利回りの急上昇:30年債利回りが5.697%と1998年以来の水準に上昇。大規模な借り入れ懸念が背景。

  • 財政懸念:予算発表を前に、英国の財政状況に対する不安が強まりました。


米経済指標と利下げ観測

米供給管理協会(ISM)の8月製造業指数は48.7(50を下回ると縮小)となり、6カ月連続の縮小を示しました。


これにより「9月に0.25%の利下げ観測を裏付ける内容」との見方が広がりました。さらに5日に発表される米雇用統計の結果次第では、0.5%利下げ観測も浮上する可能性があります。


まとめ

  • ドルは海外の政治・財政不安を背景に上昇

  • 日本は政局不透明感で円が売られ、英国は国債利回り急上昇でポンドが下落

  • 米製造業は縮小継続、利下げ観測を強める材料に

  • 今後の焦点は5日の米雇用統計。ドル相場の方向を左右

 

原油と金、価格が急伸:地政学リスクと金融政策が影響

  • 原油は供給ひっ迫懸念と買い戻しで大幅上昇、WTIは66ドルに接近
  • 金は利下げ期待とリスク回避で史上最高値を更新、年初来30%超の上昇
  • 両市場ともに地政学リスク(ウクライナ情勢・中東不安)や米金融政策の動向が価格を左右

原油:需給ひっ迫と地政学リスクで反発

原油市場では、供給不足の長期化懸念と投機的な買いが重なり、WTI原油は1バレル65.59ドルまで上昇しました。

背景には、

  • ウクライナによるロシア製油所への攻撃

  • ロシアの製油稼働率が低下(2022年5月以来の水準)

  • 米国がインドへの制裁圧力を検討し、ロシア産原油流通に不透明感

  • 主要備蓄拠点クッシングでの低在庫

などがあり、地政学的リスクが価格を押し上げています。

ただし、CTA(商品投資顧問業者)による売買の影響で、短期的には反落の可能性もあるとの指摘も出ています。


金:FRB利下げ観測で過去最高値更新

金価格は一時1オンス3540ドルを突破し、過去最高値を更新しました。

要因は、

  • 米利下げ観測の強まり(9月利下げの可能性が高い)

  • 米雇用統計の弱い結果が予想され、利下げの根拠を後押し

  • ドル安による中国・インドなど新興国の購買力増加

  • 世界的な地政学リスクの高まり

です。金は利息を生まない資産ですが、低金利環境では投資先としての魅力が増すため、資金流入が続いています。

UBSは「今後数四半期にわたり高値更新が続く」と見ており、分散投資先として金の重要性が一層増す可能性があります。


補足:用語解説

  • CTA(Commodity Trading Advisor)とは?
    アルゴリズムを使い、価格変動に応じて自動的に売買を行う投資家。短期的に相場を大きく動かす要因となる。

  • 逆ざや(Backwardation)とは?
    先物価格が現物価格より安くなる状態。需給ひっ迫時に発生しやすい。


まとめ

  • 原油はウクライナ情勢や供給懸念で大幅反発

  • 金は米利下げ期待と地政学リスクで史上最高値を更新

  • 両市場ともに「地政学リスク」と「金融政策」が鍵

  • 短期的にはCTAの動きや米雇用統計次第で相場が振れる可能性