2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/30

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米国株、小幅高で終了 政府閉鎖リスクと利下げ見通しに注目

  • 29日の米国株式市場は小幅高で終了
  • 政府機関閉鎖のリスクにより、雇用統計など重要指標の発表遅延が懸念
  • FRB当局者の発言は分かれるも、市場は依然として利下げを強く織り込み
  • ハイテク株が上昇し、ナスダック主導で相場を支えた

株式市場の動き

  • S&P500種株価指数:6661.21(前日比+0.26%)

  • ダウ平均:46316.07(前日比+0.15%)

  • ナスダック総合指数:22591.15(前日比+0.48%)

ハイテク株が堅調で、ナスダックが市場をけん引しました。S&P500は午前中に一時0.5%高となったものの、引けにかけて伸び悩みました。


政府閉鎖リスクと経済指標

  • 米政府機関が10月1日から閉鎖される可能性が高まっており、統計発表の遅れが懸念されています

  • 特に10月3日発表予定の9月雇用統計は、FRBの利下げペースに大きな影響を与えるため重要視されています

  • アナリストは「統計が発表されない場合、金融政策への不透明感が強まる」と指摘しました


FRB当局者の発言

  • ムサレム総裁(セントルイス連銀):追加利下げに前向きだが、インフレが高止まりしているため慎重姿勢を強調。

  • ウィリアムズ総裁(NY連銀):失業率上昇を懸念する一方、利下げについて明確な方向性を示さず。

  • ハマック総裁(クリーブランド連銀):インフレリスクが依然として優勢であり、制限的な政策維持が必要と発言。

一方で、市場は次回FOMCで25bpの利下げ実施を約89%織り込み済みです。


通商政策の不確実性

  • トランプ大統領は映画・家具産業支援のため新たな関税措置を発表。

  • 医薬品に対する100%関税など、追加の引き上げがインフレを押し上げるとの懸念もあります。


個別企業ニュース

  • エレクトロニック・アーツ(EA):プライベート投資家グループに約8兆円規模で売却合意。過去最大級のLBO案件。

  • ファーウェイ:来年にAI半導体の生産を大幅拡大する計画。

  • エヌビディア:株価+2%、マイクロソフト:+0.6%。AI関連株が引き続き買われました。


まとめ

  • 米国株はナスダック主導で小幅高

  • 政府閉鎖リスクにより、雇用統計発表の遅延懸念が浮上

  • FRB当局者は慎重姿勢を維持するも、市場は利下げを織り込み

  • AI関連株や企業ニュースが相場を支えた

  • 通商政策の不透明感とインフレリスクは依然として残る

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが低下、政府閉鎖リスクと利下げ観測が焦点に

  • 米国債利回りは大きく低下し、投資家は安全資産として米国債を買った
  • 政府機関閉鎖の可能性が米国債の支えに
  • 利下げ期待は根強いが、FRB高官は「インフレはまだ高い」と慎重姿勢
  • 今後は雇用統計(10月3日予定)の発表可否が焦点

米国債相場は堅調に推移

29日の米国債市場では利回りが低下しました。背景には以下の要因があります。

  • 原油価格の下落 → インフレ懸念が和らぐ

  • 英国債の堅調 → 世界的な債券買いの流れ

  • 月末の指数リバランシング(資金の調整) → 債券買い需要が強まった

米10年債利回りは4.14%まで低下し、米30年債は一時4.7%を割り込みました。


政府閉鎖リスクが債券市場を支える

米政府機関は10月1日から閉鎖される可能性があります。

  • 政府閉鎖とは?
     予算が成立せず政府業務が停止する事態。雇用統計など重要な経済指標も発表できなくなります。

  • これにより景気が一時的に冷え込む可能性があるため、安全資産である米国債に買いが入りやすくなっています。

もし閉鎖が2週間以上続けば、GDP成長率が0.3~0.5ポイント押し下げられるとの試算もあります。


FRB高官の発言と市場の利下げ期待

  • クリーブランド連銀のハマック総裁:「インフレはまだ高い。金融緩和は時期尚早」

  • セントルイス連銀のムサレム総裁:「利下げには前向きだが、慎重に進める必要」

一方、市場では今後12カ月で1%の追加利下げが織り込まれています。
CMEフェドウォッチによると、10月会合で25bp利下げの確率は約89%に上昇しました。


今後の焦点:雇用統計の発表

10月3日に予定される雇用統計は、利下げ判断の材料として非常に重要です。
ただし、政府閉鎖となれば発表は延期され、代替的に民間の雇用関連指標への注目度が高まります。


まとめ

  • 米国債利回りは世界的な債券買いと政府閉鎖懸念で低下

  • 政府閉鎖が長期化すればGDP成長率の下押し要因に

  • FRB高官は慎重姿勢だが、市場は利下げを強く織り込み済み

  • 10月3日の雇用統計が利下げ観測を左右する分岐点

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル軟調、政府閉鎖リスクと雇用統計発表延期の懸念

  • ドルは主要通貨に対して下落、円は相対的に堅調
  • 米政府機関の閉鎖リスクが高まり、雇用統計の発表延期懸念
  • 日銀審議委員が利上げ必要性に言及し、円を支える要因に
  • 市場は年内の利下げ幅を42bp、2026年までに合計105bpを織り込み

ドル下落と円高基調

外国為替市場ではドルが下落しました。背景には

  • 10月3日に予定されている米雇用統計の発表が政府機関閉鎖で延期されるリスク

  • 米議会の予算協議が難航し、不確実性が高まっていること
    が挙げられます。

円は148円台後半で推移し、一時148円47銭まで上昇しました。日銀の野口旭審議委員が「利上げの必要性が高まっている」と発言したことが円買いを支えました。


為替相場の動き

  • ドル/円:148.63円(前日比 -0.86円、-0.58%)

  • ユーロ/ドル:1.1726ドル(前日比 +0.0023ドル、+0.20%)

  • ドル指数:1202.32(-0.22%)

  • 英ポンド/ドル:1.3436ドル(+0.3%)

  • ドル/スイスフラン:0.7973フラン(-0.1%)


市場の見方

  • マネックス証券は「政府閉鎖の可能性による混乱が意識され、ドルは弱いレンジでスタート」と指摘。

  • バノックバーン・フォレックスのチャンドラー氏は「材料は3日の雇用統計だったが、発表延期となれば不確実性が増す」とコメント。

市場はFRBの利下げ観測を強めており、12月までに42bpの利下げを織り込み、2026年末までに合計105bpの緩和を予想しています。


用語解説

  • bp(ベーシスポイント)とは?
     金利の変動幅を示す単位で、1bp=0.01%を意味します。たとえば42bpは0.42%の利下げを指します。

  • 政府機関閉鎖(Government Shutdown)とは?
     米議会で予算が成立せず、政府機関の業務が停止する状態。経済統計の発表や行政サービスが止まり、市場の不安材料となります。


まとめ

  • ドルは主要通貨に対して軟調、円は堅調に推移

  • 米政府機関の閉鎖リスクで雇用統計発表の延期懸念

  • FRBの利下げ観測がドルの重しに

  • 日銀の利上げ発言が円を下支え

原油急落と金最高値更新

  • 原油価格は大幅安:OPECプラスが11月も増産する可能性が高いとの観測で下落。
  • 金価格は史上最高値:米政府機関閉鎖リスクやドル安を背景に安全資産として買われた。
  • 地政学リスクの支えも限定的:ウクライナ情勢や中国の買い増しはあるものの、需給面で弱気見通しが優勢。

原油:OPECプラスの増産観測で下落

ニューヨーク原油先物(WTI)は約3カ月ぶりの大幅安となりました。背景には、OPECプラス(OPEC加盟国+ロシアなど非加盟産油国)が11月も日量13万7000バレル規模の増産を決定する可能性が高いとの報道があります。

  • WTI 11月限:1バレル=63.45ドル(前週末比▲3.45%)

  • 北海ブレント 11月限:67.97ドル(▲3.1%)

専門家の見方

  • RBCキャピタルは「11月の増産が最有力」と指摘。

  • サウジ以外の産油国は生産能力が限界に近く、増産幅は数字ほど大きくならない可能性も。

  • OPECプラスは「価格維持よりシェア奪回」を優先する姿勢。

📌 補足:OPECプラスとは?
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの主要産油国が協力して設立した枠組み。世界の原油供給を調整し、市場安定を図る。


金:ドル安と不安定要因で最高値更新

一方、金は史上最高値を更新しました。米政府機関閉鎖の可能性やドル安が背景です。投資家は安全資産である金に資金をシフトしています。

  • 金スポット価格:1オンス=3824.72ドル(+1.7%)

  • 一時3833.59ドルと過去最高を突破。

  • 6週連続の上昇。

  • ETF(上場投資信託)への資金流入も追い風。

バークレイズのストラテジストは「ドルや米国債に比べ、金は割高には見えない」と指摘。短期的には強い需要が続きそうです。

📌 補足:金はなぜ安全資産?
金融危機や通貨不安の時に価値を保ちやすい特性があるため。ドルや株式市場が不安定になると投資資金が流入しやすい。


まとめ

  • 原油はOPECプラスの増産観測で3カ月ぶりの大幅安

  • 金は史上最高値を更新、6週連続の上昇。

  • 原油は供給過剰懸念、金はドル安と不安定な経済環境で強気基調。