2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/4

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

 

株式市場(総合ニュース)

米国株式市場、グーグル急伸で反発

  • 米S&P500とナスダック総合が反発、グーグルとアップルがけん引
  • 裁判所がグーグルに「クローム売却不要」と判断し安心感
  • FRB利下げ観測が強まり投資家心理を支援
  • 一方で、ダウ平均はボーイングの下落で小幅安

株価の動き

  • S&P500:+0.51%(6,448.26)

  • ナスダック総合:+1.02%(21,497.73)

  • ダウ平均:-0.05%(45,271.23)

ナスダックはハイテク株主導で大きく上昇。特にアルファベット(グーグル親会社)株が9.1%急伸し、アップルも3.8%高となりました。これが指数全体を押し上げました。


グーグル裁判所判断の影響

米連邦地裁は、グーグルが検索市場で独占禁止法に違反したと認定しましたが、
司法省の求めた「クローム」や「アンドロイド」売却命令は退けました。

その代わり、競争促進のため「検索データの共有」を義務付け。
この“ソフトな制裁”が市場に安心感を与え、株価を押し上げました。

独占禁止法(アンチトラスト法)とは?
市場での支配的企業が競争を妨げることを防ぐ法律。米国ではGAFAのような巨大IT企業に対して頻繁に適用されます。


FRBの利下げ観測

複数のFRB高官が「労働市場の軟化」を理由に利下げ支持を表明しました。

  • ウォラー理事:「9月のFOMCで利下げをすべき」

  • ボスティック総裁:「年内に25bp利下げの可能性」

さらにJOLTS求人件数が減少し、労働市場の減速を示唆。
CMEフェドウォッチでは「9月利下げ確率96%」が織り込まれています。

👉 bp(ベーシスポイント)とは?
金利の最小単位。1bp=0.01%。25bp=0.25%の利下げを意味します。


個別銘柄の動き

  • アルファベット:+9.1%

  • アップル:+3.8%

  • メイシーズ:+20.7%(業績見通し上方修正)

  • ダラー・ツリー:-8.4%(関税によるコスト増懸念)

  • ボーイング:-2.1%(ダウの重しに)


市場の見方

  • 9月は例年株価が軟調になりやすい月ですが、FRB利下げ期待が下支え要因に。

  • バークレイズやフェデレーテッド・ハーミーズは「下げ局面では押し目買いの好機」と強気。


まとめ

  • グーグル裁判の判断が安心感を与え、ハイテク株中心に米株は反発

  • FRBの利下げ観測が強まり、投資家心理を支援

  • 個別銘柄ではグーグル・アップル・メイシーズが上昇、ダラー・ツリーやボーイングは下落

  • 9月相場は例年弱いが、今年は利下げ期待が下支えになる可能性あり

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国市場、利下げ観測強まる:国債上昇・ドル売り・株価反発

  • 米求人件数が予想を下回り、労働市場の軟化が鮮明に
  • 金融市場は9月FOMCでの利下げを95%織り込み
  • 米国債利回りが低下し、株式は反発、ドルは売られる展開に
  • FRB高官の発言はハト派寄りだが、利下げサイクル入りは不透明

国債市場:利回り低下

3日の米金融市場では、国債が買われ利回りが低下しました。

  • 30年債利回り:4.90%(前日比 -6.5bp)

  • 10年債利回り:4.22%(-4.5bp)

  • 2年債利回り:3.62%(-2.3bp)

特に2年債は一時3.6%と、5月以来の低水準まで下がりました。これは短期金利の先行きを反映しており、利下げ期待の強まりを示しています。

「bp(ベーシスポイント)」とは?

金利の最小単位。1bp=0.01%です。たとえば「-6bp」は利回りが0.06%下がったことを意味します。


株式・為替市場の動き

  • 株式市場:S&P500は反発。利下げ観測で投資家心理が改善。

  • 為替市場:ドル売りが優勢となり、円やユーロが買われました。


FRB高官の発言

  • ウォラーFRB理事:「今月から複数回の利下げを開始すべき」

  • ボスティック・アトランタ連銀総裁:「年内の利下げは1回が妥当」

発言はハト派的ですが、利下げの回数やペースには温度差があります。


雇用統計が次の焦点

市場の関心は 9月5日発表の雇用統計 に移っています。

  • ブラックロックのチャウドゥリ氏:「極端に強いか弱い結果でなければ、9月は0.25%利下げ」

  • ニューヨーク・ライフのグッドウィン氏:「9月利下げは確実だが、長期サイクル入りは考えにくい」

雇用統計は、FRBが9月会合で利下げを決める上で最重要材料とみられています。


背景:求人件数の減少

求人件数は10カ月ぶりの低水準に落ち込みました。

  • 企業は関税の影響を見極めるため採用を慎重化

  • 再就職に時間がかかる傾向が強まり、労働市場の軟化を裏付け


まとめ

  • 米求人件数の減少で労働市場の軟化が浮き彫りに

  • 市場は9月FOMCでの0.25%利下げを95%織り込み

  • 米国債利回りは低下、株価は反発、ドルは売られる展開

  • 雇用統計の内容次第で、利下げペースが左右される

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

米求人減少でドル売り強まる、ドル円は一時147円台へ

  • 米求人件数(JOLTS)が予想以上に減少し、利下げ観測が一段と強まった
  • ドルは主要通貨に対して下落、円やスイスフランといった「安全通貨」に買いが入った
  • 市場は9月の利下げを95%織り込み、5日の米雇用統計に注目が集まっている

JOLTS統計が示した雇用減速

7月の米求人件数は 718万1000件(前月比-17万6000件) と、市場予想以上に減少しました。
この数字は労働市場の減速を示し、FRB(米連邦準備制度理事会)が早期に利下げへ動く可能性を後押ししています。

JOLTSとは?
米労働省が毎月発表する「雇用動態調査」。求人件数や離職率を通じて、労働需要の強さを測る指標です。


為替市場の反応

統計発表後、ドル売りが強まり以下の動きとなりました。

  • ドル/円:148円台後半から一時147円88銭まで上昇(円高方向)

  • ユーロ/ドル:1.1664ドルへ上昇(+0.21%)

  • ポンド/ドル:1.3439ドルへ上昇(+0.33%)

  • ドル指数:98.165と0.24%下落

ドルは対円・スイスフランで軟調に推移しました。


市場関係者の見方

  • スティーブン・ジェン氏(SLJキャピタル)
    米経済は緩やかなソフトランディングに向かうと指摘。次のドル安要因になる可能性があると分析。

  • ユージン・エプスタイン氏(マネーコープ)
    雇用統計が弱ければ「ドルは著しく弱含む」と警告。政治環境も考慮するとFRBの利下げは避けられないと指摘。

  • アモ・サホタ氏(クラリティ)
    オーバーナイトスワップ市場が9月利下げ確率を95%織り込んだ点を強調。


FRBベージュブックの内容

FRBが同日に公表した「地区連銀経済報告(ベージュブック)」では、

  • 米経済は「ごくわずかに成長、または横ばい」

  • 個人消費は賃金が物価に追いつかず横ばい〜減少
    と報告され、景気の勢いの鈍化が裏付けられました。


今後の注目点

  • 9月FOMCでの利下げはほぼ確実視されている

  • 5日発表の 米雇用統計 が、ドル相場の方向性を大きく左右する見通し


まとめ

  • 米求人件数減少でドル売り優勢、円は一時147円台へ

  • FRB利下げ観測が急速に高まり、市場は95%織り込み済み

  • ベージュブックも消費低迷を示し、景気減速が意識されている

  • 今後の焦点は5日の米雇用統計に移っている

 

原油反落と金最高値更新:OPEC会合と利下げ観測が市場を揺らす

  • 原油:OPECプラスが増産を検討との報道で反落
  • :FRBの利下げ観測を背景に安全資産需要が強まり、過去最高値を更新
  • 背景:トランプ大統領の発言や地政学リスクも市場の動きに影響

原油:増産観測で反落

ニューヨーク原油(WTI)は1バレル=63.97ドルと前日比2.5%安となりました。背景には

  • OPECプラスが週末会合で増産を検討しているとの報道

  • 米経済指標が予想を下回り需要減少懸念が広がったこと

がありました。

ただし、アナリストの多くは「今回は現状維持が基本シナリオ」とみており、実際の増産は不透明です。

また、地政学的リスク(ロシア産原油を巡る米印関係や米軍のベネズエラ攻撃など)も相場に影響を与えています。


金:過去最高値を再び更新

一方で金は1オンス=3578.51ドルと、再び最高値を更新しました。

  • 米利下げ観測(FRBが今月にも利下げか)

  • 株式・債券の下落による安全資産への資金流入

が背景です。

今年に入って金価格は約3分の1上昇しており、主要コモディティの中で最も好調です。

さらに、トランプ大統領がFRB理事を解任できるかどうかを巡る司法判断も注目され、金融政策への不透明感が金買いを後押ししています。


用語補足

  • OPECプラスとは?
     OPEC加盟国に、ロシアなど非加盟の産油国を加えた協力枠組み。世界の原油供給の調整役を担う。

  • 利下げとは?
     中央銀行が政策金利を下げること。お金を借りやすくなり景気刺激につながるが、金利を生まない金などの資産に投資マネーが流れやすくなる。


まとめ

  • OPECプラスの増産観測で原油は下落、地政学リスクも相場を揺らす

  • 金はFRB利下げ観測と安全資産需要で最高値を更新

  • 市場はOPEC会合の結果と米雇用統計に注目