2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/6

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米雇用統計の悪化で株安・債券高、利下げ期待が急浮上

  • 8月の米雇用統計が予想を大きく下回り、失業率は4.3%に上昇
  • 景気悪化懸念から米株は下落、一方で国債買いが進み利回り低下
  • 金融市場では年内3回の利下げが織り込まれる
  • 専門家の間では「深刻な景気悪化リスク」への警戒も

米株式市場の動向

5日の米金融市場は、株安・債券高の展開となりました。
非農業部門雇用者数の増加が 2.2万人(予想7.5万人) にとどまり、失業率も 4.3%(約4年ぶりの高水準) に上昇したことが主因です。

株価指数の終値は以下の通りです。

  • S&P500種株価指数:6481.50(-0.32%)

  • ダウ工業株30種平均:45400.86(-0.48%)

  • ナスダック総合指数:21700.39(-0.03%)

銀行株が大きく売られる一方、半導体大手ブロードコムはAI関連受注を発表し +9.4%高 と市場を下支えしました。


利下げ期待の高まり

雇用悪化を受けて、短期金融市場では年内3回の利下げをほぼ織り込む動きが強まりました。
LSEGによると、9月のFOMC会合での利下げ織り込みは以下の通りです

  • 0.25%利下げ:93%

  • 0.50%利下げ:7%

専門家の見方

  • JPモルガン:「利下げに踏み切る障害は取り除かれた」

  • BofA:従来の「利下げなし」から方針転換し、年内2回(9月・12月)と予想

  • PIMCO:「リセッションは見込まずも、想定より速い利下げが正当化される」


景気への懸念と市場の声

イートロのケンウェル氏は「雇用減速が一時的か、持続的かで意味は大きく異なる」と指摘。
利下げを歓迎しすぎて深刻な景気悪化リスクを軽視するのは危険だと警鐘を鳴らしています。

一方、住宅関連株は利下げ期待から上昇し、不動産セクターは+1%、住宅指数は+2.1%高となりました。


今後の注目点

  • 来週発表の米消費者物価指数(CPI)

  • FOMCが利下げを連続で行うか、段階的に行うか

  • 労働市場の減速が「一時的」か「構造的」か


まとめ

  • 8月雇用統計は大幅悪化 → 株安・債券高

  • 市場は年内3回の利下げを織り込み

  • 銀行株は下落、AI関連のブロードコムは急騰

  • BofAやPIMCOは利下げ開始を予測、景気後退リスクも議論に

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが急低下、利下げ観測が一段と強まる

  • 米国債利回りが大幅に低下し、特に短期債で下げが顕著
  • 米8月の雇用統計が弱く、FRBの利下げ開始観測が急速に高まる
  • 今月のFOMCで0.25%利下げは確実視、0.5%利下げの可能性も浮上
  • 利回り曲線は「スティープ化(長短金利差が拡大)」
  • 背景には財政赤字拡大による長期債懸念も

国債利回りの動き

  • 30年債利回り:4.77%(▲8.8bp)

  • 10年債利回り:4.08%(▲7.9bp)

  • 2年債利回り:3.52%(▲7.2bp)

※bp(ベーシスポイント):金利の単位。1bp=0.01%。

短期債の利回り低下が特に大きく、2年債は4月以来の低水準となりました。これは市場が「FRBが早期に利下げを実施する」と見込んでいるためです。


利下げ観測の高まり

  • 金利先物市場では、今月のFOMCで0.25%利下げが93%確実視

  • **0.5%の大幅利下げ確率は7%**まで浮上

  • 年内残り2回の会合でも追加利下げが予想

雇用統計が弱く、景気減速が鮮明になったことで、市場は「FRBが連続利下げを行う」と織り込みつつあります。


利回り曲線のスティープ化とは?

  • 2年債と10年債の利回り差:56.2bp

  • 5年債と30年債の利回り差は2021年以来の拡大

スティープ化とは?
短期金利が大きく下がり、長期金利との差が広がること。
これは「利下げ期待による短期金利低下」と「財政赤字拡大で長期債需要への懸念」が同時に反映されています。


専門家の見方

アメリベット・セキュリティーズのファラネロ氏:
「雇用市場は弱くなっており、FRBは今月から利下げを開始し、その後も追加利下げを行うだろう」とコメントしています。


まとめ

  • 米国債利回りは大幅低下、特に短期債が急落

  • 雇用統計の弱さを受け、今月の利下げは確実視

  • 0.25%利下げが本命、0.5%の可能性も残る

  • 利回り曲線はスティープ化、財政赤字懸念も影響

  • FRBの金融政策転換が市場の焦点に

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル急落、雇用統計悪化で利下げ観測強まる

  • 米雇用統計が予想を大きく下回り、失業率は約4年ぶりの高水準
  • FRB(米連邦準備理事会)の9月利下げがほぼ確実視され、ドル売りが加速
  • ドルは主要通貨に対して全面安、円・ユーロ・ポンドは上昇
  • 市場は0.25%利下げを90%織り込み、0.5%利下げの可能性も一部で浮上

ドル全面安の背景

米労働省が発表した8月の雇用統計では、非農業部門雇用者数がエコノミスト予想を大きく下回り、失業率は約4年ぶりの高水準となりました。これを受けて、米国の景気減速懸念が強まり、FRBが早期利下げに動くとの見方が市場で一気に広がりました。

各通貨の動き

  • ドル指数:1202.18(前日比 -0.40%)

  • ドル/円:147.47円(-0.69%)、一時146.82円まで上昇

  • ユーロ/ドル:1.1718ドル(+0.59%)

  • ポンド/ドル:1.3506ドル(+0.51%)

  • ドル/スイスフラン:0.7983フラン(-0.91%)

ドルは主要通貨に対して急落し、円やユーロ、ポンドが強含む展開となりました。

専門家の見方

  • BBHのハダッド氏:「FRBは物価安定より雇用最大化を優先する可能性があり、これがドルの重しになる」

  • マネックスUSAのペレス氏:「関税によるコスト増が企業の採用を抑制している」

利下げ観測

CMEフェドウォッチによると、9月FOMCでの利下げ確率は以下の通りです。

  • 0.25%利下げ:約90%

  • 0.50%利下げ:約10%

FRBがどの程度の利下げに踏み切るかが、今後の為替市場の焦点となります。


まとめ

  • 米雇用統計悪化でFRBの利下げがほぼ確実視され、ドルは全面安

  • ドル円は147円台へ下落、円は対ドルで強含む

  • ユーロ・ポンドも上昇し、ドル安の流れが鮮明

  • 市場は0.25%利下げを織り込み済み、0.5%利下げの可能性も一部で意識

 

原油下落と金価格の最高値更新:市場を揺るがす二つの動き

  • 原油価格は3日続落し、5月以来の安値
  • サウジがOPECプラスに追加増産を提案、供給過剰懸念が拡大
  • 米雇用統計の弱さでFRB利下げ観測が強まり、金は史上最高値を更新
  • 金は「安全資産」としての需要が急増、今後5000ドルの可能性も指摘

原油:OPECプラス会合を前に大幅下落

ニューヨーク原油(WTI)は3日続落し、1バレル=61.87ドルと5月以来の安値を記録しました。背景には以下の要因があります。

  • OPECプラスの増産議論
    サウジアラビアが「増産検討」を求めており、7日の会合で合意すれば、原油価格に強い下押し圧力となります。

  • 供給過剰懸念
    すでにガイアナやブラジルの増産が見込まれており、需給バランスの悪化が意識されています。

  • 米経済の不安
    米雇用統計で雇用の伸びが鈍化し、景気減速懸念も価格を押し下げました。

OPECプラスとは?
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国を含む産油国の協力枠組み。世界の原油供給をコントロールする影響力を持っています。


金:利下げ観測で史上最高値

一方、金価格は逆に上昇。スポット価格は1オンス=3600ドルを突破し、過去最高値を更新しました。

  • FRB利下げ観測の強まり
    米雇用統計の弱さを受け、FRBの利下げが織り込まれ、利息を生まない金への投資が有利に。

  • 安全資産需要
    トランプ大統領のFRBへの介入姿勢や地政学リスクが投資家心理を刺激し、金買いを後押ししました。

  • 将来の強気予想
    ゴールドマン・サックスは、FRBの独立性が損なわれれば金が5000ドル近くまで上昇する可能性を指摘。

金はなぜ「安全資産」?
景気悪化やインフレ懸念の局面で価値が下がりにくく、資産を守る手段として投資家に好まれるためです。


まとめ

  • 原油はOPECプラス増産懸念と米景気不安で下落、供給過剰が焦点に

  • サウジの姿勢が価格の行方を大きく左右

  • 金は米利下げ観測と地政学リスクで史上最高値を更新

  • 今後はFRBの独立性や米経済指標が相場を動かすカギに