2025/9

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/9/9

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

米株、小反発で史上最高値に迫る ― 利下げ期待が支え

  • S&P500は小反発し、史上最高値に接近
  • FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が強まり、市場を支える
  • 雇用の弱さは意識されつつも、景気後退(リセッション)懸念は限定的
  • 過去の統計では、利下げ局面の株価上昇傾向が強い
  • ブロードコムやロビンフッドなど個別株も大きく上昇

市場動向

8日の米株式市場は小幅に反発しました。

S&P500種株価指数は 0.21%高の6495.15、ダウ平均は 0.25%高の45514.95、ナスダックは 0.45%高の21798.70 となりました。

投資家は 来週のFOMC(連邦公開市場委員会)での利下げ開始を意識しており、景気減速の懸念を和らげています。


利下げ観測と景気への影響

  • 先週の雇用統計の弱さが、利下げの可能性を強めました。

  • モルガン・スタンレーのラーキン氏は「今週のインフレ指標が大幅に上振れしない限り、利下げ観測は揺るがない」と指摘。

  • FRBは関税によるインフレ懸念よりも労働市場の軟化を重視する姿勢を見せています。

補足:ソフトランディングとは?

景気後退に陥らず、緩やかに成長を減速させて安定するシナリオのこと。利下げはその実現を狙う政策とされます。


今後の注目指標

  • 9日:労働統計局の雇用統計改定値(下方修正の可能性)

  • 11日:8月コアCPI(前月比+0.3%予想)
    これらは、利下げの正当性を裏付ける重要データになります。


市場関係者の見方

  • インベスコ:「雇用の鈍化はあるがリセッションの兆候ではない」

  • ネーションワイド:「利下げ局面は平均20%の株価上昇につながる」

  • ドイツ銀行:「リセッションを伴わない利下げではS&P500は中央値で最大50%上昇してきた」


個別銘柄の動き

  • ブロードコム(+3.2%):AI需要拡大で時価総額1.6兆ドルに到達、米企業で7位

  • ロビンフッド(+16%)、アップラビン(+12%):S&P500採用決定で急伸

  • エコスター(+20%):スペースXへの周波数帯売却合意で上昇

  • 一方で、AT&T、ベライゾン、Tモバイルは下落


まとめ

  • S&P500は利下げ期待を背景に小反発、最高値に迫る

  • 雇用統計の弱さ → 利下げ正当化 → 株価支援という流れ

  • 9月相場は例年弱いが、今年は「利下げ×非リセッション」で例外の可能性

  • 個別株ではAI関連やS&P500採用銘柄が買われた

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り

米国債利回りが低下、FOMC利下げ観測を背景に

  • 米国債相場は続伸、主要な利回りがそろって低下
  • 2年債利回りは2022年以来の低水準
  • 市場は9月FOMCでの0.25%利下げを完全に織り込み済み
  • 年内合計0.75%の利下げ期待が強まる
  • 注目は11日発表のCPI(消費者物価指数)

国債利回りの動き

  • 10年債利回り:4.04%(前日比-3.6bp)、約5か月ぶりの低水準

  • 2年債利回り:3.48%(前日比-2.5bp)、2022年以来の低水準

  • 30年債利回り:4.69%(前日比-6.7bp)、急低下が続く

  • 2年債と10年債の利回り差:54.9bpで横ばい

「利回り」とは?
→ 国債を保有したときに得られる利息の割合。利回りが低下するのは、国債の価格が買われて上昇していることを意味します。


背景にある要因

  • 弱い雇用統計
     先週発表された雇用統計は失望的な内容で、景気減速のシグナルと受け止められました。これによりFRBの利下げ観測が強まりました。

  • 今後の焦点:インフレ指標
     市場は11日に発表されるCPIを注視。インフレ率が再び3%を超えるようなら、関税による物価押し上げリスクが再び意識されます。


今後の利下げ観測

  • 9月の0.25%利下げは完全に織り込み済み

  • 年末までに合計0.75%の利下げが予想されている

  • 一部では、今月17日のFOMCで0.5%の大幅利下げが行われる可能性もわずかに織り込まれている

「利下げ」とは?
→ FRBが政策金利を引き下げること。企業や個人の借入コストを下げ、景気を下支えする効果があります。


まとめ

  • 米国債は買いが優勢となり、主要利回りは急低下

  • 弱い雇用統計を受け、FRBの利下げ観測が一段と強まった

  • CPI次第ではインフレ懸念が再燃する可能性あり

  • 年内に計0.75%の利下げを市場は見込む

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

米ドル下落、円は政局で乱高下

  • 米雇用統計の弱さを受けて、ドル安・米利下げ観測が強まった
  • 石破首相の辞任表明で円は一時下落したが、持ち直しも見られた
  • 市場は最終的に米金利動向が為替相場を主導しているとの見方
  • ユーロはフランスの政局不安にも関わらず底堅く推移

ドルの動き

外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落しました。背景には、予想を下回った米雇用統計があります。これにより「今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げはほぼ確実」という見方が強まっています。

  • フェデラルファンド金利先物市場では、25bp(0.25%)利下げの確率が90%、50bp利下げの確率が10%と織り込まれています。

👉 ベーシスポイント(bp)とは?
1bp=0.01%を意味します。25bpは0.25%の金利変化です。


円相場と日本の政局

円は石破首相の辞任表明を受けて一時下落しましたが、その後は持ち直し、ドル円は147円台で推移しました。

  • 一時147円34銭まで円高に戻した場面もありました。

  • ただし、市場では「ドル円を決定づけるのは日本の政局ではなく米金利」との見方が優勢です。


ユーロ・その他通貨

  • ユーロは対ドルで上昇。フランスのバイル首相が信任投票で敗北したものの、ユーロ売りにはつながりませんでした

  • ユーロ円は1年ぶりの高値水準となる173円台に

  • ポンド、豪ドル、NZドルなども対ドルで上昇しました


今後の注目材料

市場の焦点は、9月11日に発表される米消費者物価指数(CPI)です。インフレ指標次第で、FOMCの利下げ幅やドル相場が大きく揺れる可能性があります。


まとめ

  • 米雇用統計の弱さでドルは下落、利下げ観測が急速に強まっている

  • 円は石破首相辞任で乱高下したが、最終的には米金利が主導

  • ユーロは政局不安にもかかわらず底堅い動き

  • 今後は米CPIが最大の注目材料

 

原油と金市場

  • 原油:OPECプラスが小幅増産で合意、サウジがアジア向け価格を引き下げ。WTIは小反発
  • :米雇用統計の弱さを受けて利下げ観測が強まり、金は史上最高値を更新
  • 投資家心理:原油は先行き不透明感が残る一方、金は安全資産としての需要が高まっている

原油:OPECプラスの小幅増産とサウジの価格引き下げ

ニューヨーク原油先物(WTI)は小反発しました。
背景には次の2つの材料があります。

  1. OPECプラスが10月に日量13万7000バレル増産で合意

    • 直前2カ月より小幅な増産で、市場の弱気ポジションが巻き戻されました。

    • WTIは前週に3%超下落していたため、反発の動きが出ました。

  2. サウジがアジア向け10月の原油価格を引き下げ

    • 需要減退を見込んでいる可能性があり、上昇幅は抑制されました。

最終的にWTIは1バレル=62.26ドル(+0.6%)、北海ブレントは66.02ドル(+0.8%)で終了しました。

トレーダーは「安心感による一時的な上昇で、数日しか持たない可能性がある」と警戒を示しています。


金市場:史上最高値を更新

金スポット相場は過去最高値を更新しました。
背景には次の要因があります。

  1. 米雇用統計が弱く、FRB利下げ観測が強まった

    • 借入コストが下がると、利息を生まない金の投資魅力が高まります。

    • 投資家の「安全資産志向」も金価格を押し上げました。

  2. トランプ大統領が金地金を関税対象から除外

    • 数週間前に関税対象とされ市場が混乱していたが、今回は除外により安心感が広がりました。

  3. 中国人民銀行が金準備を10カ月連続で増加

    • 中央銀行の需要も、金相場を支える大きな要因です。

金スポットは一時1オンス=3646ドル超(+1.7%)まで上昇。
ニューヨーク午後時点で3636ドル(+1.4%)
、COMEX金先物は3677ドル(+0.7%)で取引を終えました。


用語解説

  • OPECプラスとは?
    OPEC加盟国にロシアなど非加盟産油国を加えた枠組み。原油供給量を調整し価格を安定させる役割があります。

  • スポット価格とは?
    商品を「今すぐ」受け渡す価格のこと。先物価格(将来の受け渡し)とは区別されます。


まとめ

  • OPECプラスが小幅増産、サウジの価格引き下げで原油は小反発。

  • 米雇用統計の弱さと利下げ観測を背景に、金は史上最高値を更新。

  • 原油は需給不安で先行きに不透明感、金は安全資産としての需要が継続。