金融市場で注目される「逆イールド」とは?
イールド曲線とは
金融市場では、イールド曲線という言葉がよく使われます。イールド曲線は、債券の利回りと満期までの期間の関係を表したグラフです。
一般的に、長期債の利回りは短期債の利回りよりも高くなる傾向にあります。これは、長期間にわたって投資することに対するリスクが高いため、投資家にはより高いリターンが求められるからです。
つまり、イールド曲線は、投資家が長期債により高いリターンを求めることを反映しているということです。
逆イールドとは
一方、逆イールドとは、短期債の利回りが長期債の利回りを上回る状態を指します。つまり、イールド曲線が逆転してしまった状態です。
逆イールドが起こることで、長期債の利回りが低下し、短期債の利回りが上昇します。逆イールドは、いわゆる景気後退の予兆とされており、市場参加者が将来の景気の先行きに対して悲観的な見通しを持っていることを表しています。
つまり、景気後退が現実のものとなる可能性が高くなるということです。
最近の逆イールドの状況
最近の逆イールドの状況を見てみましょう。
↑2年債利回り↑10年債利回り
米2年債と米10年債のチャートには、2年債の上昇の勢いが強くなっていることがわかります。2年債が10年債を上回るのが逆イールドであり、その差がどんどん開いています。
逆イールドが起こると、金融政策のブレーキが強く踏まれているということを意味します。この状況は、景気後退に陥るリスクが高まっているということを意味しています。
逆イールドが起こったからといって、必ずしも景気後退が訪れるわけではありません。
過去のデータからは、逆イールドが起こった後、景気後退が訪れるまでに1年から2年ほどの時間がかかる場合が多いことがわかっています。
しかし、逆イールドは景気後退の予兆とされているため、今後も注目が必要な指標と言えます。
金融市場でよく使われる「逆イールド」という言葉が、景気後退の予兆とされ、現在そのシグナルが歴史的な強さで灯っている状況です。
逆イールドは、市場参加者が将来の景気の先行きに対して悲観的な見通しを持っていることを表しており、景気後退が現実のものとなる可能性が高くなるということです。
しかし、逆イールドが起こったからといって、必ずしも景気後退が訪れるわけではありません。
今後も逆イールドの状況に注目しながら、市場の動向を見守っていく必要があります。