2025/1

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/1/10

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

 

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場、カーター元米大統領の国葬のため休場

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

2025/1/29(次回FOMC) 次回利下げ確率(前日比)

現在の米政策金利⇨425-450(4.25%)

 ※1回⇨0.25% 

  • 0回→93.05%(0%)
  • 1回→6.95%(0%)

来年12まで利下げ確率(回数)

※1回⇨0.25%

  • 1回→27.29%(-11.43%)
  • 2回→72.71%(+11.43%)

米国債市場の揺れと注目の雇用統計発表:市場の行方は?

米国債市場は9日、10年債がほぼ変わらずとなり、世界市場を揺るがした売りが一旦落ち着きを見せました。10日には12月の米雇用統計の発表を控えており、市場関係者の注目が集まっています。

米国債市場の現状:売り圧力の一服

前営業日には米30年債利回りが2023年以来の高水準を付けていましたが、この日は下落に転じました。特に30年債利回りは一時6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く低下しました。カーター元大統領の国葬に伴い、米国債市場は短縮取引となり、米株式市場は休場でした。

米国債利回りの詳細

  • 米30年債利回り:4.93%(前日比 -0.2bp、-0.04%)
  • 米10年債利回り:4.69%(前日比 0.0bp、0.00%)
  • 米2年債利回り:4.26%(前日比 -1.9bp、-0.44%)
  • (データは米東部時間14時56分時点)

英国債市場との比較

一方で、英国債は総じて下落しました。労働党政権が財政赤字の抑制に苦戦するとの懸念から、借り入れコストの上昇が朝方に大きな売りを誘発しましたが、下げ幅はその後縮小しました。

専門家の見解:雇用統計が市場の方向性を左右

イアン・リンジェン、ベイル・ハートマン(BMOキャピタル・マーケッツ)

  • 主な意見米国債市場の最近の売りは一息つくほど著しいものであり、英国債との乖離から大きな方向性を見出すのは早計である。
  • 市場への影響の分析:10日の雇用統計は、タカ派的(金融引き締めを支持する姿勢)のFOMCを織り込んでいる市場にとってリトマス試験紙となるだろう。強い統計を受けた売り圧力よりも、数値が予想を下回った場合の買いが予想される。

アンドルー・ハスビー(BNPパリバ・セキュリティーズ)

  • 主な意見:FOMCが利下げに踏み切るには、主要な経済指標が予想を明確に下回る必要がある。
  • 市場への影響の分析:雇用者数の伸びが10万人を大きく下回る、失業率が4.3%を上回るなどの結果でなければ、現在の金利据え置き予想は変わらないだろう。

オスカー・ムニョス、ジェナディー・ゴールドバーグ(TDセキュリティーズ)

  • 主な意見:雇用増加の勢いは失速しつつも、比較的堅調な伸びを予想。
  • 市場への影響の分析:賃金の伸びは季節要因で勢いを失う可能性が高く、失業率は4.2%で変わらないと見込む。市場は鈍化しつつも堅調な統計に大きく反応しない可能性が高い

注目の経済指標:12月米雇用統計

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、12月の非農業部門雇用者数は16万5000人増と予想されています。失業率は4.2%で横ばい、平均時給の伸びは前月比で小幅に鈍化すると見込まれています。2024年が緩やかながらも健全な雇用拡大の年となったことが確認され、2025年もその傾向が続くと予想されています。

市場の先行き:トランプ政権の政策と利下げへの慎重姿勢

トランプ次期米大統領が掲げる規制緩和と減税は米経済成長を後押しする可能性がありますが、不法移民の取り締まり強化や関税の導入は物価上昇(インフレーション)につながる懸念があります。こうした中、米連邦準備理事会(FRB)は新政権の政策が経済に与える影響を注視し、利下げに一段と慎重になると予想されています。

まとめ

米国債市場では10年債利回りがほぼ変わらずで推移し、売り圧力が一服。英国債は下落し、米国債との乖離が見られた。12月雇用統計は市場のリトマス試験紙となるが、予想通りの結果であれば大きな反応は期待薄。FOMCが利下げに踏み切るには、雇用統計の大幅な下振れが必要とされる。市場はトランプ政権の政策の影響を注視している。

 

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体(前日)
ドル単体↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル指数の小幅上昇とボラティリティの高騰

米ドル指数が上昇傾向

ブルームバーグのドル指数は小幅ながら上昇し、3営業日連続で上昇しました。これはトランプ次期米政権による関税懸念から、米国債利回りが高水準を維持していることが背景にあります。

インプライドボラティリティーが2カ月ぶりの高水準

米雇用統計の発表を控え、ドル指数の翌日物インプライドボラティリティー(予想される価格変動の度合い)は15%を超え、2カ月ぶりの高水準となりました。市場は米経済指標の結果に敏感になっています。

専門家の見解

ジョージ・ベッセイ氏(コンベラ首席FXストラテジスト)

  • 主な意見や予測:昨年10月が米金融政策の見通しとドル高の転換点となったが、現在のドル上昇は経済ファンダメンタルズよりも政治的要因や安全資産としての需要によるものが大きい。
  • 市場への影響の分析:ドルの持続的な上昇は、投資家のリスク回避姿勢を反映しており、他通貨への影響も大きい。

ハワード・ドゥ氏(バンク・オブ・アメリカ為替ストラテジスト)

  • 主な意見や予測:ドルはさらに上昇する可能性が高く、2025年のマクロ環境を踏まえると企業はドル高リスクへのヘッジを強化すべきである。
  • 市場への影響の分析:ドル高リスクに対応しない場合、企業の収益に影響が出る可能性がある。

円の対ドル上昇で157円台後半へ

円が対ドルで値上がり

円は対ドルで一時0.5%高となり、1ドル=157円58銭を付けました。これは市場でのリスク回避姿勢により、安全資産とされる円が買われた結果です。

専門家の見解

ゴールドマン・サックスのアナリスト

  • 主な意見や予測:日銀が開催した支店長会議での議論が、近い将来の利上げ予想を裏付けている
  • 市場への影響の分析:日本の金融政策の変更は円高要因となり、為替市場に影響を与える可能性がある。

ポンドが2023年以来の安値を記録

ポンド対ドルが下落基調

ポンドは下落し、対ドルで一時1.23ドルを割り込み、2023年以来の安値を記録しました。下落は3営業日連続で続いており、英国経済への懸念が強まっています。

英国債利回りの上昇と経済不安

トランプ次期米政権の関税政策に対する懸念から、英国債利回りが上昇し、英財務省は圧力にさらされています。これはポンドに下押し圧力をかける要因となっています。

専門家の見解

エリック・ネルソン氏(ウェルズ・ファーゴ マクロストラテジスト)

  • 主な意見や予測:たとえ英国債利回りが低下し始めても、ポンドは引き続き低迷するリスクがある
  • 市場への影響の分析ポンドの低迷は英国経済への信頼感の低下を示し、投資家の資金流出を招く可能性がある。

ブリーデン副総裁(イングランド銀行)

  • 主な意見や予測:利下げは最近の指標によって裏付けられているが、その実施速度は慎重に判断すべき。
  • 市場への影響の分析:利下げのタイミングと速度は市場の期待に影響を与え、ポンドの動向を左右する。

FRB関係者のコメントと市場への影響

FRBが利下げを慎重に進める必要性

ボストン地区連銀のコリンズ総裁は、見通しを巡る不確実性があるため、FRB(連邦準備制度理事会)は今後の利下げを慎重に進める必要があると述べました。フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁も、直ちに利下げを実施する必要はないとの考えを示しています。

経済の底堅さとインフレ懸念

経済が底堅さを見せる中、関税の可能性からインフレ懸念が再燃しています。これは米国債利回りの上昇、ドル高の一因となっています。

投資戦略としてのドル選好

専門家の見解

エミリー・ローランド氏、マット・ミスキン氏(ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメント)

  • 主な意見や予測:米利下げの織り込みが後退する中、ドルは上昇している。
  • 市場への影響の分析:債券以外のポートフォリオヘッジとしてドルを選好し、将来的な景気抑制局面に備えることが有益である。

まとめ

外為市場ではドルが小幅上昇し、円も対ドルで値上がりした。一方、英ポンドは下落基調が続いた。米雇用統計を控え、ドル指数のボラティリティは2カ月ぶりの高水準

ドル高の要因としては、政治的要因や相対的な安全性が主因とされる。

英ポンドは、トランプ次期米政権の関税政策を巡る懸念や英国債利回りの上昇により下落。日本円は対ドルで上昇し、日銀支店長会議での議論が1月の利上げ予想を裏付けているとの見方もある

コモディティ市場

原油市場:ニューヨーク原油が反発 – 短期的な供給リスクが買いを誘う

原油価格を支える要因

  • 米国での在庫減少
  • トランプ氏の大統領返り咲きによるイラン供給滞りのリスク
  • 寒波による暖房用燃料需要の高まり
  • ロシア原油の海上輸出が23年8月以来の低水準

原油価格の上値を抑える要因

  • 中国の消費者物価の伸び悩み
  • ドル高によりドル建て商品の魅力が低下
  • 供給量が需要を上回るとの懸念

アナリストの見解

  • 冬のエネルギー需要は原油の需要と供給の両方に影響(JPモルガン・チェース)
  • 見通しはやや弱気、日量100万バレル超の需要伸びは見込めない(ケプラー)
  • 北海ブレント原油の予測価格を引き下げ(スタンダードチャータード)

原油先物の動向

  • ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は0.8%高の73.92ドル
  • ロンドンICEの北海ブレント3月限は1%上昇の76.92ドル

金市場:ニューヨーク金相場が3日続伸 – 米金融緩和の行方を意識

金価格を支える要因

  • 米金融緩和の行方が意識される中、買いが優勢
  • 借り入れコストの低下は金にとって支援材料

金価格の動向

  • 金スポット相場は昨年12月中旬以来の高値
  • 米金融市場の一部休場で値動きは限定的

ゴールドマン・サックスの見通し

  • 金価格が年内に1オンス=3000ドルに達するとの予想を取り下げ
  • 同水準到達時期の見通しを2026年半ばに先送り
  • 米金融当局による追加利下げ減速を想定

金先物の動向

  • 金スポット価格は0.3%高の1オンス=2669.93ドル
  • ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は0.7%上げて2690.80ドル