2025/1

【経済、金融ニュースまとめ】・海外記事をわかりやすく要約・2025/1/28

【経済、金融ニュースまとめ】

 海外記事わかりやすく要約とは?

 

このサイトは、ファンダメンタル分析の軸である海外記事(Bloomberg、Reuters)初心者にも分かりやすく要約しています

株、金利、FX(為替)原油、金などのファンダメンタルをまとめています

情報収集の時短にぜひ活用してください

初心者から上級者まで、経済に関心のある方々に役立つ情報を迅速かつリアルタイムでお届けします

当サイトの目標は、誰もが経済情報にアクセスしやすく、理解しやすい形で提供することで、より多くの人々が経済知識を身につけ、投資やビジネスの世界に参加できるようになることをサポートすることです

昨日、何が起きたのかを把握することで、今日の値動きなどのシナリオ構築に役立てればと思います

金融市場が開いていれば(平日)毎朝更新しています

X(Twitter)でも毎日の値動きやニュースを発信していますので、ぜひフォローよろしくおねがいします

目次

 ファンダメンタル分析【オススメ】書籍紹介(書評)サイト

経済ニュースを日々キャッチアップするのと同時に、ファンダメンタル分析の理解をさらに深めたい方に向けて、いくつかの優れた書籍を紹介します!

私自身も読んでいる本で、初心者の方にも読みやすく、金融リテラシーが上がること間違いなしです!是非ご覧になってください。

 

昨日の市況まとめ 1分解説

 

経済指標カレンダー

金融ポータルサイト、Investing.com 日本によって提供されている経済カレンダー

 

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米株式市場:ハイテク株主導で急落、AI競争の激化が懸念材料に

27日の米国株式市場では、S&P500種株価指数が1.46%、ナスダック総合指数が3.07%下落しました。中国新興企業DeepSeekが開発した低コストAIモデルの登場により、ハイテク株への期待が揺らぎ、特にAI関連株が大きく売り込まれました。一方、ダウ平均はディフェンシブ銘柄への資金流入で0.65%上昇しました。


主要指数の動き

指数 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 6012.28 -88.96 -1.46%
ダウ工業株30種平均 44713.58 +289.33 +0.65%
ナスダック総合指数 19341.83 -612.47 -3.07%

市場を動かした要因

1. 中国の低コストAIモデル「DeepSeek」の登場

  • DeepSeekは低コストの半導体と少ないデータで動作するAIモデルを発表し、米国AI企業の競争優位性に疑問を投げかけました。
  • 同社のAIアプリは、AppleのApp Storeで米国のChatGPTを抜き、ダウンロード数1位を記録

2. ハイテク株の急落

  • エヌビディア(NVDA): 17%急落し、約91兆円の時価総額が消失。
  • マイクロソフト(MSFT): 2.1%下落アルファベット(GOOGL): 4.2%下落
  • デル・テクノロジーズとデジタル・リアルティはともに約8.7%安

3. 投資家心理の悪化

  • シカゴ・オプション取引所のVIX指数(恐怖指数)は約18まで上昇し、12月中旬以来の大幅な上昇を記録。
  • ゴールドマン・サックスのトニー・パスクァリエッロ氏によると、個人投資家による売りが株価下落を加速させる可能性があります。

4. AI関連株への懸念

  • 「これまでのAIブームに伴う利益成長が持続可能ではない」との見解が広まりました。
  • ミラー・タバクのマット・メイリー氏は「割高なバリュエーションに対する信頼が揺らいでいる」と指摘。

5. ディフェンシブ銘柄への資金移動

  • ハイテク株の売りに伴い、生活必需品ヘルスケアなどディフェンシブ銘柄が買われました。

企業決算とFOMCへの注目

今週は、アップル、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、テスラなどのハイテク大手が決算を発表予定です。市場は、これら企業がAI関連投資をどのように正当化するのかに注目しています。

また、28~29日に開催されるFOMC会合では金利据え置きが予想されていますが、FRBの今後の政策スタンスに関するヒントが求められています。


専門家の見解

  • モルガン・スタンレーのクリス・ラーキン氏: 「AI分野での混乱は市場の正念場となり、ハイテク大手の決算発表が市場心理に与える影響は非常に大きい。」
  • バーンセン・グループのデービッド・バーンセン氏: 「ハイテク株の集中度合いが過小評価されており、これがリスクを高めている。」
  • ゴールドマン・サックスのトニー・パスクァリエッロ氏: 「短期的には個人投資家による売りが市場の下押し圧力になるが、ハイテク企業の構造的な優位性は依然強い。」

今後の注目点

ハイテク大手の決算

特にAI関連の収益性や今後の投資計画が焦点となります。

DeepSeekの動向

中国のAIモデルがどれだけ市場シェアを拡大するかが、米国ハイテク株に影響を与えるでしょう。

FOMC会合

金利政策の変更がなくても、パウエル議長の発言次第で市場が動く可能性があります。


まとめ

中国の新興企業ディープシークが発表した低コストのAIモデルの影響で、米国株式市場ではハイテク株を中心に大幅な下落が見られました。

AIがサプライチェーン全体の需要を促進するという市場の見方に疑問が広がり、エヌビディアをはじめとする関連企業の株価が売り込まれました。

一方で、専門家からはディープシークのモデルの影響について疑問の声も上がっています。今週はハイテク大手の決算発表とFOMCの動向が注目されます

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

2025/1/29(次回FOMC)
 次回利下げ確率(前日比)

現在の米政策金利⇨425-450(4.25%)

 ※1回⇨0.25% 

  • 0回→99.47%(0%)
  • 1回→0.53%(0%)

年内12月まで利下げ確率(回数)

※1回⇨0.25%

  • 1回→0%(-30.68%)
  • 2回→97.86%(+28.54%)
  • 3回→2.14%(+2.14)
  • 3月利下げ確率→32.67%(+4.13%)
  • 5月利下げ確率→63.16%(+8.94%)

 

米国債市場:株式市場の急落を受け安全資産として買われ、利回りが大幅低下

27日の米国債市場では、株式市場の急落を背景に安全資産とされる米国債に資金が流入し、利回りが大幅に低下しました。10年債利回りは一時12.5bp低下し、4.50%と年初来最低水準を記録しました。


主要利回りの動き

債券種別 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.77% -7.5 -1.55%
米10年債利回り 4.53% -8.7 -1.88%
米2年債利回り 4.20% -6.6 -1.55%

特に中長期債の利回りが大きく低下し、10年債や30年債では4週間ぶりの低水準となりました。


市場を動かした要因

株式市場の急落

中国企業DeepSeekによる低コストAIモデルの登場が、米ハイテク株の大幅下落を引き起こしました。これにより、安全資産としての米国債が買われ、利回り低下につながりました。

利下げ観測の再浮上

株安を背景に、短期金融市場では2024年に0.25%の利下げが2回行われるとの見方が再び完全に織り込まれました

3月利下げの確率も先週の約25%から33%に上昇しました。

米財務省の入札結果

この日行われた2年債入札(690億ドル規模)と5年債入札(700億ドル規模)は、いずれも堅調な結果を示しました。

2年債:最高落札利回り4.211%、応札倍率2.66倍。

5年債:最高落札利回り4.33%、応札倍率2.40倍。

FRB政策への期待と不透明感

28~29日のFOMC会合では金利据え置きが予想されており、FRBのスタンスが市場の注目を集めています。

トランプ新政権の政策が不透明であるため、FRBが積極的な行動を取る可能性は低いと見られています


専門家の見解

  • オールスプリング・グローバルのローレン・ファンビリヨン氏: 「トランプ政権の貿易政策が明確になるのは第2四半期以降。それまでは市場に不確実性が残り、FRBは様子見のスタンスを取るだろう。」
  • FHNファイナンシャルのウィル・コンパーノル氏: 「DeepSeekに関するニュースで安全資産への資金流入が引き起こされたが、FOMC会合を前に影響は薄れている。」
  • BNYインベストメンツのビンセント・ラインハート氏: 「トランプ政権の政策が明確にならない限り、FRBは慎重な舵取りを続けるだろう。」

今後の注目点

FOMC会合

FRBが金利を据え置く見通しが強いものの、声明やパウエル議長の発言が市場の期待をどう左右するか注目されます。

トランプ政権の政策動向

特に貿易政策やAI関連産業への支援策が、米国債市場や株式市場の方向性に影響を与えるでしょう。

中国のAI企業DeepSeekの影響

米国のAI産業における競争力への懸念が国債市場にどのように影響を与えるかが焦点です。


まとめ

中国の新興企業ディープシークが開発した低価格のAIモデルの影響で、株式市場ではハイテク株が急落しました。これを受けて安全資産とされる米国債に資金が流入し、利回りが数週間ぶりの低水準に下がりました。一方で、今週のFOMCが注目される中、債券市場ではディープシークの影響は薄れ始めているようです。FRBは金利据え置きを決定するとの見方が大勢ですが、トランプ新政権の政策が明確になるまで動けないとの指摘もあります。財務省の国債入札は概ね好調でした

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体(前日)
ドル単体↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

外為市場:円が約5週間ぶり高値、安全資産需要が高まる

27日のニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルでおよそ5週間ぶりの高値に上昇しました。ハイテク株の急落によるリスクオフムードの広がりで、安全資産とされる円やスイスフランへの資金流入が加速しました。


為替市場の動き

通貨ペア 直近値 前営業日比 変化率
ドル/円 ¥154.51 -¥1.49 -0.96%
ユーロ/ドル $1.0491 -$0.0006 -0.06%
ブルームバーグ・ドル指数 1296.84 +1.68 +0.13%

円は一時1.5%高となり、1ドル=153.72円と昨年12月18日以来の高値を記録しました。一方、ドル指数は小幅高となったものの、安全資産需要がドルから円やスイスフランへとシフトしたことが影響しました。


市場を動かした要因

ハイテク株の急落によるリスクオフ

中国の新興企業DeepSeekが発表した低コストAIモデルが、ハイテク株の割高感や収益性への懸念を引き起こしました。

米国株市場でのハイテク株売りを受け、投資家は安全資産である円やスイスフランに資金を移動しました。

トランプ政権の関税発言

トランプ大統領がコロンビアに対する関税をちらつかせたことで、さらなる不確実性が市場に広がり、安全資産への資金流入を後押ししました。

日銀の利上げとキャリートレードの巻き戻し

先週の日本銀行による利上げを受け、ヘッジファンドは円ショートポジションを解消。これが円のサポート要因となりました。

一部ストラテジストは、日銀の今後の利上げ継続の可能性がキャリートレードの縮小を促し、円相場を支えると予想しています。

スイスフランの上昇

円と並ぶ安全資産とされるスイスフランも0.5%高となり、対ドルで0.90155フランを記録しました。


専門家の見解

  • ラボバンクのジェーン・フォーリー氏: 「日銀の利上げ継続がキャリートレードにおける円の利用を減少させる可能性があり、円相場を引き続き支える要因となる。」
  • ジェフリーズのモヒト・クマール氏: 「コロンビアとの交渉における関税のリスクが市場のボラティリティーを高め、安全資産需要を強めている。」
  • ベン・ラム氏(ブルームバーグ): 「エヌビディアの株価急落による安全資産逃避は、円とスイスフランを含む特定資産への注目を高めている。」

今後の注目点

FOMC会合(28~29日)

FRBが金利を据え置く見通しですが、会合後の声明やパウエル議長の発言がドル相場に影響を与える可能性があります。

日銀の次の動向

日銀が利上げを継続するかどうかが、円の中長期的な方向性を左右します。

PCE価格指数(31日発表予定)

FRBが注目するインフレ指標であり、ドルの動向に影響を与えると見られています。

中国AI企業の影響

DeepSeekの低コストAIモデルが市場の競争環境に与える影響が、今後も安全資産需要を左右する可能性があります。


まとめ

中国のAI新興企業ディープシークが公開した低コストのAIモデルの影響で、ハイテク株が売られる中、安全資産とされる円とスイスフランが上昇しました。一方、ドル指数は12月中旬以来の安値に沈みました。今週は、FOMCとECB理事会、そしてPCE価格指数の発表が注目されます。専門家からは、日銀の利上げ継続見通しがキャリートレードにおける円の利用を減らし、円相場を支える可能性が指摘されています

 

コモディティ市場

原油市場:リスクオフと中国懸念で下落、WTIは2%安

27日のニューヨーク原油先物相場は下落し、WTI原油先物価格は1バレル=73.17ドル(2%安)で取引を終えました。リスクオフのセンチメントが広がり、中国の製造業活動縮小が相場の向かい風となりました。


主な要因

  1. 金融市場のリスクオフ
    • 中国のAIスタートアップDeepSeekを巡る懸念で世界のハイテク株が急落し、投資家心理が悪化。これが原油市場にも影響しました。
  2. 中国の製造業活動縮小
    • 世界最大の原油輸入国である中国の製造業PMIが縮小し、需要減少懸念が広がりました。
  3. トランプ政権の政策
    • トランプ大統領は、コロンビアとの移民問題に絡む関税発動を一時発表しましたが、その後保留に変更。
    • OPECに原油価格引き下げを要請し、供給面での懸念が緩和され、原油価格に下押し圧力がかかりました。
  4. トレーダーの動き
    • WTIが1バレル=75ドルを割り込んだことでアルゴリズム取引が反応し、強気ポジションの手じまいが加速。
    • クオンツファンドのレバレッジ解消も売り圧力を強めました。

価格の動き

商品 終値 前営業日比 変化率
WTI原油(3月限) $73.17 -$1.49 -2.0%
北海ブレント原油(3月限) $77.08 -$1.42 -1.8%

専門家の見解

  • ジョン・バーン氏(ストラテガス・セキュリティーズ): 「トランプ政権は供給抑制策ではなく関税政策に重きを置いており、市場参加者は原油価格が大幅に上昇するリスクが低いと認識している。」
  • ダニエル・ガリ氏(TDセキュリティーズ): 「価格が75ドルを割り込んだことでアルゴリズム取引が影響し、さらにクオンツファンドの売りが下げを加速させた。」

今後の注目点

  1. OPECの対応
    • トランプ大統領が価格引き下げを要請した中、OPECがどのような対応を取るか注目されます。
  2. 中国の経済動向
    • 製造業活動のさらなる減速や需要低下の兆候が、原油市場に影響を与える可能性があります。
  3. ロシア制裁の影響
    • ロシアへの制裁が供給に与える影響や、それに対する市場の反応が引き続き注目されます。

金市場:株安によるマージンコール対応で売り圧力

一方、金相場も下落。金スポット価格は1オンス=2739.33ドル(1.1%安)となりました。テクノロジー株の急落に伴う損失補填のための金売却が売り圧力を強めました。


金価格の動き

商品 終値 前営業日比 変化率
金スポット価格 $2739.33 -$31.25 -1.1%
COMEX金先物(4月限) $2766.20 -$40.40 -1.4%

専門家の見解

  • バート・メレク氏(TDセキュリティーズ): 「株式市場での大幅な調整は、流動性の問題から金のような資産がマージンコール対応に利用される状況を生んでいる。」

まとめ

 

原油市場では、リスクオフムードや中国の経済懸念が価格を押し下げ、アルゴリズム取引が下げを加速。

金市場では、株式市場の損失補填を目的とした売りが圧力となり下落。