2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/8

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株式市場が反発、FRB利上げ見送りと半導体規制撤廃期待で上昇

  • 米株式市場は7日に反発し、ダウ平均は約285ドル上昇。
  • FRBは政策金利を据え置き、景気の堅調さを維持。
  • トランプ政権がAI半導体輸出規制の撤廃を検討と報道、半導体株が急上昇。

FRBが金利据え置き、景気見通しは慎重姿勢

米連邦準備制度理事会(FRB)は7日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利(フェデラルファンド金利)を4.25~4.50%で維持しました。

パウエル議長は「米国経済は依然として堅調」と述べ、市場の安心感につながりました。ただ、声明では景気の先行きに関する不確実性が一段と増し、失業率の上昇やインフレ(物価上昇)がさらに加速するリスクを指摘しています。

インフレとは?

インフレとは物価が持続的に上昇し、貨幣価値が下がる状態のことを言います。


半導体輸出規制撤廃の可能性、株価を押し上げ

取引終盤、トランプ政権がバイデン前政権時代に導入した人工知能(AI)向け半導体輸出規制を撤廃する方向で検討していると報道され、半導体株が急速に上昇しました。

特にフィラデルフィア半導体指数は一時1%下げていましたが、報道を受け1.7%の上昇に転じました。


注目銘柄の動向

ウォルト・ディズニー
  • 第2四半期(1-3月期)決算が市場予想を大きく上回り、株価は10%以上の上昇を記録。テーマパークと動画配信(ストリーミング)事業が好調でした。
アルファベット(グーグル親会社)
  • 株価が7%以上下落。アップルがウェブブラウザー「サファリ」でAI活用の検索エンジン導入を検討と報道され、競争激化の懸念から売られました。
アップル
  • 「サファリ」へのAI検索エンジン導入のニュースを受け、株価は約1%下落しました。

米中関係改善への期待も影響

米中貿易摩擦の緩和に向け、今週末スイスで高官協議が行われると報じられ、市場に楽観的なムードが広がったことも株価の支援材料となりました。


為替市場ではドル高・円安が進行

為替市場では、米経済の堅調さが意識され、ドルが上昇。円は対ドルで一時1%以上下落しました。


まとめ

✅ 米株式市場はFRBの利上げ見送りと半導体規制撤廃報道で反発。

✅ ディズニーが好決算で大幅高、グーグルは競争激化懸念で下落。

✅ FRBは景気の不確実性増大を指摘、利下げ再開には雇用悪化が条件。

✅ 半導体関連株は輸出規制撤廃期待で取引終盤に急騰。

✅ 米中貿易協議に対する期待感も株価の下支え要因となった。

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

国債市場の動向と金利見通し

米国債相場の状況

米国債相場は上昇し、利回りは低下しました。

イールドカーブはフラット化(長短金利差が縮小)

FOMC(連邦公開市場委員会)の声明発表後、経済見通しに対する不確実性の強調を受けて利回りは一時最低水準まで下がりましたが、その後は下落幅を縮める展開となりました。

主な国債利回りの状況

  • 米30年債利回り:4.77%(前日比-2.8bp、-0.59%)
  • 米10年債利回り:4.27%(前日比-2.7bp、-0.63%)
  • 米2年債利回り:3.78%(前日比-0.4bp、-0.11%)

※bp(ベーシスポイント):金利の変動幅を表す単位で、0.01%を1bpと表します

金融政策と市場の見通し

FRB(連邦準備理事会)は予想通り政策金利を4.25〜4.50%に据え置くことを決定。

注目は、FRBがインフレと失業率の上昇リスクの高まりを指摘したことです。また、トランプ政権の関税政策の影響もあり、経済見通しが一層不透明になっているという認識も示されました。

金利スワップ市場では、年内に0.25ポイントの利下げが3回行われるという見通しが引き続き織り込まれています。

専門家の見解

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのアシシュ・シャー氏は、最近の雇用統計が懸念されていたほど悪くなかったことがFRBの現状維持姿勢を裏付けていると指摘しています。

また、FRBが利下げサイクルを再開するためには労働市場の十分な軟化が必要条件になるとの見解を示しています。

まとめ

✅ 米国債相場は上昇し、利回りは全般的に低下しました

✅ FRBは政策金利を据え置く一方、インフレと失業率の上昇リスクを指摘しました

✅ 市場では年内に0.25ポイントの利下げが3回行われるとの見通しが続いています

✅ 専門家は、利下げ再開には労働市場の十分な軟化が必要と分析しています

✅ トランプ政権の関税政策も経済見通しに不透明感を加えています

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

FRB利下げ見送りでドル高加速、パウエル議長「利下げ急がず」

  • FRB(米連邦準備理事会)は利下げを見送り、当面様子見姿勢を維持
  • パウエル議長の発言を受け、ドル高が進み円安が加速
  • 米中貿易問題や英国の金利引き下げも為替市場に影響

FRBの政策と市場の反応

7日に開かれたFRB(米連邦準備理事会)の連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通り利下げが見送られました。

パウエルFRB議長は会見で「現在、利下げを急ぐ必要はない」と明言。この発言をきっかけに、為替市場ではドルを買う動きが強まりました。

ドルが主要通貨に対して上昇

パウエル議長の慎重姿勢により、市場はドルを積極的に購入。その結果、ドル指数は前日比0.52%上昇し、円に対しては約1%上昇して143.84円となりました。

円安が一時加速、144円目前に

円はドルに対して一時1%以上下落し、143円99銭まで下落しました。政策発表直後は円がやや持ち直す場面もありましたが、その後は円安基調が続きました。

市場の専門家の見解

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)の市場戦略責任者ウィン・シン氏は、「FRBは経済データの悪化が明確になるまでは行動を起こさない」と分析。ステート・ストリートのマービン・ロー氏も「市場の予想よりもFRBは利下げに慎重である」と指摘しています。

米中貿易摩擦も継続

トランプ大統領は、対中関税撤回に慎重な姿勢を示しています。週末にはスイスで米中の高官協議が予定されており、市場は引き続きこの動向に注目しています。

関税リスクとは?

「関税リスク」とは、貿易摩擦に伴い関税が引き上げられることで経済活動が停滞する可能性を指します。

その他の通貨の動き

  • ユーロ/ドル は0.62%下落の1.1300ドル。

  • ポンド/ドル は0.52%下落の1.3310ドル。英国は利下げ予想。

  • 中国人民元 は0.22%下落の7.227元、中国は預金準備率を引き下げ。


まとめ

✅FRBは利下げを見送り、パウエル議長の発言でドル高が加速。

✅円はドルに対して一時144円目前まで下落。

✅米中の貿易摩擦問題が依然として市場の注目材料。

✅ユーロやポンドは下落、英国では利下げが見込まれる。

原油・金相場ともに反落:FRBの慎重姿勢と米中貿易協議が焦点

原油市場の状況

ニューヨーク原油先物相場は反落しました。WTI先物6月限は前日比1.02ドル(1.7%)安の1バレル=58.07ドルで終了し、ロンドンICEの北海ブレント7月限も1.03ドル(1.7%)下落して61.12ドルとなりました。

相場下落の主な要因

  • パウエルFRB議長が金利調整を急いでいないと発言
  • 米中間の貿易交渉を巡る不透明感
  • イエメンのフーシ派に対する攻撃停止表明
  • イランの世界経済復帰の可能性を示唆する発言

米中貿易協議と原油価格

米国と中国は今週スイスで貿易協議を行う予定ですが、トランプ大統領は「中国との交渉を進展させるために先に関税を引き下げるつもりはない」と述べています。

市場関係者からは「スイスでの米中貿易協議が首尾良く運ばず、需要を減退させるイベントに転じる懸念がある」との指摘がありました。

中国は世界最大の原油輸入国であるため、米中関係の悪化は原油需要に大きな影響を与える可能性があります。

原油在庫の状況

米エネルギー情報局(EIA)が発表した最新の石油在庫統計によると

  • 原油在庫:前週比200万バレル減(市場予想の80万バレル減を上回る)
  • ガソリン在庫:20万バレル増(市場予想は160万バレル減)

夏場のドライブシーズンを控える中、ガソリン需要が伸び悩むとの懸念が台頭し、相場の圧迫要因となっています。

金市場の動向

金スポット相場も反落し、ニューヨーク時間午後4時2分現在で1.7%安の1オンス=3372.62ドルとなりました。COMEX金先物6月限は30.90ドル(0.9%)安の3391.90ドルで取引を終えました。

金価格下落の主な要因

  • 米中貿易摩擦の緩和期待
  • ドル高による金の割高感
  • パウエル議長の利下げに慎重な姿勢(低金利環境は金価格にプラス要因)

一方で、中国人民銀行が4月に金の保有量を6カ月連続で積み増したとの報道が下支え要因となりました。

まとめ

✅ 原油価格は米中貿易協議の不透明感とFRBの利下げ慎重姿勢を受けて約1.7%下落しました

✅ 米国の原油在庫は予想以上に減少したものの、ガソリン在庫は予想に反して増加しました

✅ 金価格も米中貿易緊張緩和期待とドル高を背景に1.7%下落しました

✅ 両市場とも週末のスイスでの米中貿易協議の結果に注目が集まっています

✅ FRBの利下げに慎重な姿勢が両市場の下押し圧力となっています